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アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: エリアSCP-1032-JP-Aは管制装置により常時監視されSCP-1032-JP-1の発生を即座に認識しなければなりません。またエリアSCP-1032-JP-A一帯は軍用地として周知され、航空機等の侵入を防止します。イベント発生時、全てのSCP-1032-JP-1実体は捕獲ののち、救命されなければなりません。SCP-1032-JP暴露者(SCP-1032-JP-2)は即座に拘束され財団管理施設へ移送されます。一連の作業は全てSCP-1032-JP-1実体を目視することなく行われなければなりません。SCP-1032-JP-2は、後にSCP-1032-JP-1が適切に終了されるまでに、力学を始めとする物理学、また化学の基本的な知識を身に付けなけなければなりません。また、SCP-1032-JP-1を延命し続けることは収容のリスクの観点から認められていません。

説明: SCP-1032-JPはエリアSCP-1032-JP-Aで発生する異常現象、及び出現する実体です。エリアSCP-1032-JP-Aは██県山中に存在するエリアで現在は軍用地として

SCP-XXX-JP-1は人を除く哺乳類の形態を取ってして出現する実体です。現在は主に若い雄のライオン(Panthera leo)の姿で出現します。侵入した物体及び地表への衝突における、目に見える損傷は確認されませんが、SCP-XXX-JPは地表へ到達してすぐに弱っているかのような素振りを見せ、平均して15分以内に活動を停止します。地表へ到達した後のSCP-XXX-JPの物的性質は放置下で早期に自然死すること以外あらゆる面で通常の哺乳類と同等であり、通常兵器による鎮圧、及び医療機器によるある程度の強制的な延命が可能であることが確認されています。

SCP-1032-JP-2はSCP-1032-JP-1を目視した人間です。SCP-XXX-JP-2はSCP-XXX-JP-1の死亡時、SCP-XXX-JP-1を落下させたとする存在を想定し激憤しSCP-XXX-JP-1の敵を討たんとする状態に入ります。この際SCP-XXX-JP-2はSCP-XXX-JP-1に敵討を求められたと主張する場合がありますが、これまでSCP-XXX-JP-2の発話を記録できた事例はありません。SCP-1032-JP-2はSCP-1032-JP-A上空への飛行を目指す状態に入り、これを不可能であると思わなかった場合、実行に移し、明らかに不可能な手段であったとしてもこれを成功させます。

SCP-1032-JP-2の異常性は記憶処理では除去できません。記憶・飛行への執着の除去は可能ですが、SCP-1032-JP-2が何らかの理由で自主的にSCP-XXX-JP-Aへの上空への飛行を志した場合、通常通りに異常性が発現します。そのためSCP-1032-JP-2には自主的な飛行が不可能であると理解できるほどの物理学への知識が必要となります。

SCP-1032-JP-1は現在主にライオンとして出現していますが、これは199█年以降の状況であり、それ以前は複数の品種を含むイエイヌ(Canis lupus familiaris)の形態を取っていたことが着目されています。また、SCP-1032-JP-1ナンバリング以前の記録に確認される、同地域で目撃者の自死を誘発する・目撃者を山中に誘引する未分類オブジェクトは、その類似性より関係の可能性が指摘されています。

SCP-XXX-JP-BはSCP-XXX-JP-A上空より侵入可能とされている異常空間です。進入時、大型の木造日本家屋のような建造物の庭に当たる地点に出現するとされていますが、映像記録が保存できたことはないので詳細は不明です。家屋敷地内のみに存在する姿の見えないSCP-XXX-JP-B-1、敷地内からこちらの様子を窺う、赤色や青色の肌をした角の生えた人型の実体SCP-XXX-JP-B-2の存在が報告されています。敷地外に出た時点でSCP-XXX-JP-Bからの通信は即座に断絶するため、家屋敷地外の記録は存在しません。

SCP-1032-JP-2

SCP-1032-JP-2 年齢 状況 結果
SCP-1032-JP-2-2 7 大量のゴム風船に空気を送り込むことでSCP-XXX-JP-A上空への飛行を試みる。 到達前に落下、死亡
SCP-1032-JP-2-8 9 布やビニールなどを組み合わせ携帯コンロを動力とした気球、服とヘルメットを接続することで作成した宇宙服を作成。 SCP-XXX-JP-A上空にて消失
SCP-1032-JP-2-10 14 ██宇宙センターに侵入。待機中の衛星打ち上げ用ロケットに何らかの方法で侵入し、これを打ち上げSCP-XXX-JP-A方面に向かう。また、ロケットは侵入も内部からの発射も不可能な構造であった。 SCP-XXX-JP-A上空にて消失

実験記録SCP-1032-JP-2

対象:D-3208,D-3210(SCP-1032-JPに暴露していない)
目的:SCP-1032-JP-Bの情報を記録するため、非暴露者を侵入させる。
実地方法:SCP-1032-JP-2であるD-3208に作成させた気球にD-3210を同乗させ、SCP-XXX-JP-Bの記録を試みる。


██博士:D-3210、調子はどうですか?

D-3210:すこぶるいいよ、上空とは思えないほどに暖かいね。相棒は相変わらず怖い顔をしているよ。

██博士:SCP-1032-JP-Bへの侵入以降はこちらからの通信は届きません、準備はいいですか?

D-3210:分かってる。

(SCP-1032-JP-Bに侵入)

D-3210:着いたぞ、急にどっかの田舎の屋敷の庭みたいな所に出た。この気球も急に浮かばなくなったみたいだな。相棒はすぐに外に向かって走って行っちまった。

(およそ10分間無音)

D-3210:庭を一回りしてみたがこれといったものはないな。この屋敷が随分と広いってことが分かったぐらいだ。今から屋内に入ってみるよ。

(重要な情報がないため省略)

D-3210:ここは居間みたいな所だな、この屋敷は外観通り古い日本家屋って感じの内装だ。長い廊下で部屋を回れるようになってて、部屋は基本的に和室だな。さて、気が付きつつはあったんだが、やっぱり、何か居るな。姿は見えないがまるで屋敷の中を歩き回ってるような気配がするよ。1匹じゃないな、居る。かなりの数だ。

(3分間無音)

D-3210:ここは子供部屋みたいな所だな、他の部屋にはそれほど目立ったものがないがここはごちゃごちゃとしている。家の古さに似付かわしくないオモチャみたいな物もあるみたいだな。相変わらず何かの気配は感じるが不思議と怖くはない。

(重要な情報がないため省略)

D-3210:庭に戻ったよ。もう一度屋外を探索してみるが一通り見ちまった感じがあるな。後はバッテリーが持つ限り変化が無いか記録して、庭の外に出れば俺の役目は終了か。 さっきからチラチラ見えては居たんだが、庭の外に鬼みたいなやつが居るな。まるで昔話に出てくるような赤いやつだよ。俺には全く関心がないみたいだけどな、目も合わせてくれないよ。庭の外は通信ができないって聞いたけど、俺にはあいつが原因であるとは思えないな。

(約10分間無音)

D-3210:俺の役目って言ったか、俺の役目は何だったんだろうな。

D-3210:何となくだがここがどういう場所だか分かった気がするよ、いや分かってはないな。俺の為すべきことが分かった。そんな感じか。


備考:SCP-1032-JP-B侵入以降、通信に記録された音声はD-3210に肉声のみであった。