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評価: 0+x
3/3862 LEVEL 3/3862
CLASSIFIED
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Item #: SCP-3862
Euclid
サイト割り当て サイト管理者 研究主任 機動部隊割り当て
サイト-54 アンドレアス・ゲッツ博士 ジャミエ・フォレスター博士 サイ-8(「最後に倒れるもの」)

特別収容プロトコル

SCP-3862はサイト-54の古物保管庫の3つの生物収容ロッカーに確保されます。どのような状況においても、現在のHMCL監督者またはサイト管理者のサインされた許可なしに3つのオブジェクトを共に試験してはいけません。

全てのテストイベントはクラスA滅菌施設で行われなくてはならず、SCP-3862オブジェクトのいずれかに暴露した研究員は完全な除染手順を受けなくてはなりません。

収容違反の際には、サイト-54は即座に生物汚染ロックダウンに入り、全ての職員はSCP-3862-Σの拡散を防止するため、即座に最寄りの除染施設に出頭しなくてはなりません。

当初はポルトガル貴族層の中で流布された非公式の欺瞞情報キャンペーンは、エレオノーレ・ターヴォラとルシエン・デュトイトの関係についてのあらゆる言及を抹消することに大きく成功しており、このキャンペーンは現在財団により維持されています。

TSATPWTCOTTTADC.aicはネット上及び学術上のアブランテス侯爵とその交友関係への言及をモニターしてきています。ルシエン・デュトイトへのあらゆる言及はタグ付けされ、現在のSCP-3862主任研究員に評価のため送られなくてはなりません。

覚書: SCP-3862への研究はジャミエ・フォレスター博士の指導のもと再開されました。詳細については3862.doc.01を参照してください。


説明

SCP-3862は3つの別々のオブジェクトの総称です。これらは、以前はアブランテス侯エレアノーレ・ダ・ピエダーデ・デ・ランカストレ・エ・ターヴォラおよび彼女の情夫であったルシエン・デュトイトにより所有されていました。

指定 説明
SCP-3862-A 真珠層で飾られ、ラッカーを塗られたヴィクトリア時代のレターボックス。ラッカーからは多量の人血に由来する成分が検出された1
SCP-3862-B 装飾された壁取り付け式の燭台。人骨から発生している。
SCP-3862-C 装飾されたサイドテーブル。ケラチン状の物質から削り出されている2

3つのオブジェクトおよびSCP-3862-Aに内包された手紙にはいずれも、2種類のこれまで未知のVibrio vulnificusの亜種が生息しており、互いに合わさると強毒性の病原性感染が発生します。これはSCP-3862-Σに指定されています。この細菌感染はあらゆる既知の抗微生物療法に高度に抵抗し、病原菌は生物学的に不死であると考えられています。SCP-3862-Σは両方の亜種が存在している場合にしか活性化されないことに留意してください。

付属文書

発見
palace.jpg

アブランテス侯の宮殿。2013年頃

SCP-3862は1952年、アブランテス家のかつての居住地であり、現在はポルトガル、リスボンにおけるフランス大使館であるサントス宮殿の改装の際に、初めて財団に接収されました。宮殿は1909年にフランスに取得され、すでにある程度の期間フランス政府により事実上の大使館として使用されていました。1951年に大規模な改装が必要になり、内装が新調され、構造にも修復が加えられました。

改装の際に、小型の「礼拝堂」への第一の隠された入り口が発見され、エレアノーレ・ランカストレ・エ・ターヴォラの寝所が置かれていたことが判明しました。さらなる調査で、さらに隠された入り口と通路が存在し、来客用寝室と「礼拝堂」を繋いでいました。現在では、来客用寝室にはフランスのポルトガルへの外交派遣団の一員であったルシエン・デュトイト卿が滞在していたと考えられています。

この「礼拝堂」の発見と、その内容物については極めて僅かしか文書化されていません。この区域の改装に携わった職員と労働者は全員SCP-3862に関連した病原体汚染に暴露され、発症した細菌感染により間もなく死亡しました。この疾患の異常な性質および礼拝堂の内容物そのものにより、財団は領事職員に潜入した工作員により通報を受け、大使館は即座に検疫下におかれました。

初期のアウトブレイクがどのように収容されたのかは不明瞭です。SCP-3862の取得に割り当てられた財団職員の多数もSCP-3862-Σに暴露し死亡しました。引き継いだ職員は汚染規模が不明なままSCP-3862に関連した全ての報告書と研究資材を破壊しました。これによりSCP-3862-Σのアウトブレイクを収容することに成功したように見えるものの、SCP-3862の取得と発見場所にまつわる情報の大部分が失われました。

追加研究

第8代アブランテス侯エレアノーレ・ダ・ピエダーデ・デ・ランカストレ・エ・ターヴォラ
兼第15代ペナギアン伯、第11代ヴィラ・ノヴァ・デ・ポルティマン伯


eleanore.jpg

エレアノーレ・ランカストレ・エ・ターヴォラ侯爵

1834年1月19日生、没年不明。
第7代アブランテス侯ペドロ・マリア・ダ・ピエダーデ・デ・ランカストレ・アルメイダ・サ・メネゼス(1816~1847)の長子。

彼女は1847年、父の死により称号を引き継ぎましたが、彼女の権限の多くは叔父であるジョアン・マリア・ダ・ピエダーデ・デ・ランカストレ・エ・ターヴォラにより執行されていました。執権がおかれた公的な理由は彼女の継承時の年齢であり、全ての公的な記録では、執権の役目は健康状態を懸念して彼女の成人後も続いたとされています。ジョアン・マリアは正式には第8代侯爵とされたことはありませんが、殆どの公的な記録では不用意にもそのように記録されています。

現在では、エレアノーレの第8代侯爵としての実質的な継承は、主として悪名高いフランス貴族ルシエン・デュトイトとの関係に関する醜聞のため控えられたと考えられています。しかしながら、興味深いことに多数の非公式の著述、証言では、彼女はかつては社交上の名士であったと言及されています。ある時期には、彼女の叔父は、彼女を英国貴族界の有力者であるアバディーン卿と婚姻させようと交渉していたが、実現しなかったと噂されています。しかしながら、公的な文書ではこれらに反し、健康状態の悪化により彼女は隠棲し、未婚であったと記録されています。

SCP-3862-Aに内包されていた手紙からは、彼女は1851年5月にイングランドへと旅行し、ヴィクトリア女王の誕生日を祝う社交的イベントにおいてルシエン・デュトイトと出会ったことが判明しています。

ルシエン・デュトイト・ネイ・ティエール──レジオン・ドヌール将校
ソシエテ・デ・ラ・フレア・ソングロン(血の花の協会)のカルキスト


lucien.jpg

ルシエン・デュトイト卿

生没年不詳。
SCP-3862-Aの手紙以外では、デュトイトについては殆ど情報がありません。全ての彼に関する言及は、ポルトガル政府からの要請により、フランスの外交記録から抹消されています。この情報の乏しさこそが、「ルシエン・デュトイト・ネイ・ティエール」がこの人物により使用された偽名のひとつに過ぎなかったことを示唆しています。

様々な外部の情報からも確認され、知られていることとしては、デュトイトはネオ-サーキック・カルトであるソシエテ・デ・ラ・フレア・ソングロンSociété de la Fleur Sanglante(血の花の協会)のカルキストにより使用された偽名だったということです。1848年の7月王政の崩壊のあとに、このカルキストはノム・デ・ゲール偽名としてデュトイトを使用し始めたと考えられています。

どのようにしてデュトイトがフランス外交団を通じて英国の宮廷に入り込んだのかについての我々の理解は、完全に推論でしかありません。彼の手紙から、フランスにおける彼の権力の低下を補うため、英国の貴族社会からの協力を得ようとしたこと、およびその試みは外部の実体により阻止されたか、あるいはポルトガルへと移動することがより展望があると彼自身が判断したことが推測できます。

いずれにしても、ソシエテはポルトガルに移動し、そしてデュトイトは彼の侯爵へのコネを、サントス宮殿をフランスの外交拠点として確保するために利用しました。外交団の何割がソシエテの構成員で構成されていたのかは不明ですが、デュトイトのリスボンへの移動により、結果としてサントス宮殿は恒久的にポルトガルにおけるフランス大使館として使用されることになりました。

SCPF内部メモ


FROM: ジャミエ・フォレスター博士
TO: サイト管理者アンドレアス・ゲッツ
DATE: 2013/06/08
RE: SCP-3862研究の進捗
thebox.jpg

SCP-3862-Aファイル写真

我々のSCP-3862の研究はすでにいくつかの重要な発見を得ています。そのうち第一となるものは、ソシエテ・デ・ラ・フレア・ソングロンについての情報です。

7月王政に関与したサーキック・カルトが存在したことはすでに知られています。このことは、超常現象の確保収容に関する王立財団(HMFSCP )3がフランスに干渉することを正当化する理由のひとつとして挙げられたものでした。

HMFSCPの記録では、当該カルトは「ザ・ソシエテ」としか呼称されていませんが、これでフルネームが判明したと言えるでしょう。図書館とのコネクションを利用して、彼らの動向の痕跡を追うことが可能となりました。

加えて、SCP-3862-Aの箱そのものは、人間の皮膚から作られていること以外には、非異常性です。皮膚から得られたDNAサンプル分析の結果、デュトイトと侯爵の双方のものであることが示されましたが、ラッカー塗布のためにDNAは損傷しており、断定は困難でした。もしそうだとすれば、これはSCP-3862-Σの要素である可能性があります。この要素は、これまで探索されていたものです。メシエ医師と彼女のチームがワクチン開発のためにこれを利用できるかもしれませんが、現時点では開発は初期段階です。

敬具

ジャミエ・フォレスター博士
SCP-3862主任研究員

SCP-3862-Bオブジェクト書類

sconce.jpg

SCP-3862-Bファイル写真

担当研究者: ジャミエ・フォレスター博士
補佐: サミラ・ゴルザー博士
日付: 2013/09/12


制作日時:
1852~1853年頃

物理的説明:
オブジェクトは壁取り付け用の燭台であり、2つの蝋燭を設置できます。様々な花、葉、構造物といった、自然を描写した精巧な描写がされています。最も目立つものは白い小さな鳥で、おそらくは鳩と思われます。

素材:
骨(ヒト)、ラッカー、金箔(24金)。

寸法:
高さ66.04cm、幅25.38cm、奥行き15.22cm。

オブジェクト保管場所:
サイト-54、古物保管庫。

覚書:
注目すべきことに、全体の構造は彫り込まれたものではなく、成長したもののように見えます。様々なイメージング手法が、これがサーキックの解剖学的構造によく見られるような「新たに成長した」骨か5、あるいは「ドナー」のすでに存在した構造から作られたものかを調べるために使われました。

結果として、以前に同定されていた生物学的に不死の実体の骨格構造に典型的に見られる再構築成長カルシウム密度マーカーとの一致が見られたため、これは「すでにあった骨」であると確認されました。加えて、DNAサンプル分析では、これはSCP-3862-Aに関連した人物の一人に属するものであると判明しました。

研究チームの結論は、SCP-3862-Bはルシエン・デュトイトにより、彼自身の肉体から作られたものであるということです。さらに、これは既存の骨格構造(主に胸郭6から取られた)から作られたものです。

SCP-3862最終報告


FROM: サイト管理者アンドレアス・ゲッツ
TO: O5-█; O5-█; 倫理委員会委員長ジョナサン・デクロイクス
DATE: 2015/04/03
RE: SCP-3862最終報告

あなた方にジャミエ・フォレスター博士の死を伝えなくてはならないことについて、私自身もいささかの悔恨を感じております。彼の研究がネオ-サーキシズムについての我々の理解を前進させた一方で、彼のような優秀な研究者を失ったことが、得られた情報に見合うものであるか確信が持てません。

このような喪失は我々の奉仕する仕事ではしばしば避けられないことですが、それでもなお、可能な限り防止するために最大限努力しなくてはならないことです。この場合は、SCP-3862の研究の再開を許可した私の判断が、結果としてフォレスター博士に早すぎる、残虐な死をもたらしました。

それでもなお、今や「ルシエン・デュトイト」として知られる実体が未だに活動している可能性があり、当初考えられていたよりも大きな脅威を提示していることが判明しています。ロゥ博士の、イオンがSCP-610の製作者であるとは考えにくいという示唆が確認されました。ある意味でそれは恐るべきことです。これまでに世界にばら撒かれた恐ろしい病原体のうち一体いくつが、デュトイトの行為によるものだったのでしょうか?

にくにくしいものは、状態に関わらず誰にでも同じ致死性を発揮します。そして抑圧されたものを開放すると伝えられるイオンの目的に合致しないものを全て殺します。歴史部門では、イオン本人は純粋に復讐のためのような疾病を創造し、開放するにはあまりに善良であったという考えが、概ね定説です。

誰か別の人物が610の製作者であるという可能性はこれまで仮説でした。そして強い証拠なしには、それは仮説以上にはなれません。私はこれがその証拠ではないかと考えます。

添付ファイルは、SCP-3862に関するフォレスター博士の最後の実験の転写です。この情報が、私の罪を軽くしますように。

アンドレアス・ゲッツ
サイト-54管理者