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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは常に封鎖され、3名以上の警備員を配置しあらゆる人物の進入を防いで下さい。発見されたSCP-XXX-JP-1は低危険物収容ロッカーで保管してください。

説明: SCP-XXX-JPは、██県██市に建てられた公民館と見られる建造物です。入り口には[過去店]と書かれた看板が掲げられています。
SCP-XXX-JPの内部は、大量の書物の詰まった本棚が並んだ非常に長い廊下となっており、外見からの大きさと逸脱しています。また複数人で入った場合でも、別々の廊下に一人ずつ出現することになります。
SCP-XXX-JP内の書物はSCP-XXX-JP-1とされ、表紙には進入した人物(以下侵入者)と面識がある人物の名前が書かれています。SCP-XXX-JP-1は、時系列順に並んだ、登場人物の思考及び行動が事細かに記録された、一つ一つが約███章にも及ぶ長編小説です。SCP-XXX-JP-1は大抵途中書きになっており、読み進める度に未来への記述が追加されていきます。また、途中書きのSCP-XXX-JP-1のページを目視した場合、SCP-XXX-JP-1を読み進めることに強迫観念を抱き、SCP-XXX-JP-1を読み進めることを止められなくなります。SCP-XXX-JP-1の登場人物は、追加された文章に応じて様々な変化を及ぼし、最終的に死亡します。SCP-XXX-JP-1は表紙に書かれた人物が死亡することによって完結し、文章の追加は行われなくなります。
SCP-XXX-JPの内部を進んでいくと、オフィスのような部屋が出現し椅子に座ったSCP-XXX-JP-2が出現します。SCP-XXX-JP-2は、日本人女性と見られる人型実体です。SCP-XXX-JP-2は、常に椅子に座り表紙に侵入者の名前の書かれた、SCP-XXX-JP-1を読んでいます。SCP-XXX-JP-2は、SCP-XXX-JP-1を読み終わると侵入者に手渡します。手渡された侵入者は自身のSCP-XXX-JP-1を読み進め、SCP-XXX-JP-3に変化します。SCP-XXX-JP-3はSCP-XXX-JPから出現します。SCP-XXX-JP-3の外見は侵入者と全く同じ姿をしており、DNA鑑定でも異常は見られません。SCP-XXX-JP-3は共通して自身が予知能力を有していると話し、SCP-XXX-JP-3はそれを駆使してあらゆる脅威を回避するため、SCP-XXX-JP-3を殺害する事は困難です。またSCP-XXX-JP-3は過去を懐古し、現在と未来についての興味を失くします。SCP-XXX-JP-3に変化してからおよそ1ヶ月程たつと、SCP-XXX-JP-3は自身に死が迫っていると喚き散らし、重度の対人恐怖症及び鬱の傾向を示し、一人になろうとします。それから2ヶ月程たつと、SCP-XXX-JP-3は自殺します。死亡したSCP-XXX-JP-3は過去の素晴らしさと未来の価値について書かれたSCP-XXX-JP-1を残します。このSCP-XXX-JP-1を目視した場合、SCP-XXX-JP-2から手渡された場合と同様に対象SCP-XXX-JP-3へと変化します。またSCP-XXX-JP-1を目視した人物は昔を懐かしみ、現在の環境に嫌悪を示します。
以下はSCP-XXX-JPへの調査記録です。

調査記録XXX-1

日付:20██/8/██

対象:D-936

〈記録開始〉

██博士:D-936。侵入できましたか?

D-936:あぁ、随分狭苦しい所だな。外から見たらもっと広かったと思うんだが。

██博士:D-936、入ってきた扉は開きますか?

D-936:うーんと、[扉に手を掛ける]言った通り、開かないな。

██博士:そうですか。では本棚の書物を読んでみてください。

D-936:あぁ、[SCP-XXX-JP-1を手に取る]表紙には、██1か。懐かしいな。

██博士:D-936。内容の詳細をお願いします。

D-936:詳細つっても、なんか██の考えてることとか、一緒に遊んだこととかが書いてあるだけだぜ?うぉっ、あいつ██2ちゃんの事が好きだったのか。昔は良かったなぁ。

██博士:ありがとうございました。もう結構です。D-936、前進して下さい。

D-936:あぁ、もうちょっと読んでいたかったけどしかたないな。

〈約30分間歩き続ける〉

D-936:博士、オフィスみたいなところに着いたぞ。

██博士:SCP-XXX-JP-2は確認できますか?

D-936:あぁ、俺の名前が書かれた本を読んでやがる、[罵倒]。

██博士:対話を試みてください。

D-936:言われなくてもそうするよ。なぁ、おいあんた。

SCP-XXX-JP-2:何でしょう?

D-936:その本を読むのをやめやがれ。

SCP-XXX-JP-2:何故ですか?貴方に私の読書を邪魔する権利はありません。

D-936:うるせぇ。てめーも俺のプライバシーを覗き見る権利はねぇだろ。

SCP-XXX-JP-2:貴方にプライバシーの権利があるのですか?人殺しの癖に。

D-936:[5秒間の沈黙]

SCP-XXX-JP-2:今まで散々人の権利を侵害してきたのに、自分だけはやめろと?それは都合が良過ぎませんか?

D-936:[3秒間の沈黙]お前も権利を侵害してるだろ。監禁にプライバシーの侵害、そして殺人。知らないとでも思ったか?

SCP-XXX-JP-2:監禁?貴方方が勝手に入ってくるのでしょう?それにプライバシーの侵害?廊下の本もこの本も貴方方の人生を想像して私が執筆した物です。挙句の果てに私が殺人?私は、贈り物をしただけです。それが殺人とは、笑わせますね。

D-936:この[罵倒]。これだから最近は…

SCP-XXX-JP-2:[笑い声]まぁまぁ、所詮最近のことでしょう?さて、確認が終わりました。[SCP-XXX-JP-1をD-936に向け]はい、どうぞ。

D-936:[無言でSCP-XXX-JP-1を受け取る]あぁ、最低だ。[支給された拳銃を自身の口に入れる]

SCP-XXX-JP-2:おい。待て。

〈銃声〉

〈記録終了〉

追記:D-936はSCP-XXX-JP-1を読む前に自害しました。またSCP-XXX-JP-2の外見は、██県██市の██市長の娘に類似していることが指摘されました。また██市長及び██市長の娘は█年前から行方不明になっており、現在まで発見されておりません。SCP-XXX-JPと██市長の娘の関連性は不明です。