yoshipcの研究ノート
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収容前のSCP-983-JP

アイテム番号: SCP-983-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-983-JPは出入り口部分の周囲を十分に覆える大きさの強化コンクリート製の建物に加え、内部に続くドアには電子ロックを取り付け、周囲には武装した担当職員を常に2名配置してください。現在、SCP-983-JPへの出入りは実験983-05以降あらゆる場合において禁止されています。

説明: SCP-983-JPは幅4.2m高さ2.5mの隧道のように見えます。SCP-983-JPの出入口は11段の階段になっており、それ以降は段差や傾斜がほとんど無い荒れた道が続いています。また、隧道の壁面には無数のスプレーペンキによる落書きが施されており、判読することはできませんが、何らかの文字を模しているように見えます。

被験者がSCP-983-JPの出入り口から30m進んだ地点を過ぎると、次第に霧のような物質により視界は1m以下まで失われます。この霧は若干酸味があると被験者からの報告がありましたが、これがオブジェクトの異常性なのか分かっていません。この霧は、非常に高い濃度で空気中に含まれており、通過する際に被験者の所持するあらゆる物に付着するほどですが、霧が晴れて数秒以内にその多くが揮発します。そのあとには酸化亜鉛から構成される非常に細かい粒子が残されます。この霧が観測できる区間は、全長約100mであることが実験によって分かっています。

霧が晴れて更に50mほど進むと、オブジェクト内に響く甲高い金属音が2~10秒のランダムな間隔で観測できるようになります。この金属音の音源などの情報は一切不明です。この金属音を観測してからまもなく、被験者に対して激しい攻撃が加えられるようになります。この時、被験者の身体には棒状の鈍器による殴打の痕跡が確認できますが、詳細は不明です。怪我の程度は、一般的な成人男性が鉄パイプで殴打した場合のそれとほぼ同程度です。これらの事から、何者かが棒状の鈍器で攻撃していると推測されていますが、そのような攻撃を与えるようなオブジェクトなどの因子は、映像や被験者からの証言を鑑みるかぎり一切観測されていません。この激しい攻撃は、金属音が鳴るのとほぼ同時に行われることから、それらには何らかの関係があると考えられていますが、現在のところ不明です。

SCP-983-JPはその攻撃の激しさ、そしてその攻撃に対抗できることが可能なのかを確認するために、5回の実験が行われました。以下がその実験記録です。

実験記録983-001 - 日付2015/██/██
対象: D-3275
実施方法: 近接格闘に長けたD-3275をSCP-983-JP内部に進入させ、攻撃に対し抗うことが可能かを調査。
結果: 加害の対象を捉えることができず、対抗に失敗。D-3275は腕を骨折するなど全治3ヶ月の重傷。

実験記録983-002 - 日付2015/██/██
対象: D-4623
実施方法: 衝撃を吸収する特殊なチョッキを装備した、格闘家の経歴を持つD-4623をSCP-983-JP内部に進入させ、攻撃を軽減させることが可能かを調査。
結果: 保護されている胴体部分の怪我はなかったものの、保護されていない脚部を骨折し全治4週間の重傷。

実験記録983-003 - 日付2015/██/██
対象: D-5234
実施方法: 四肢及び胴体を保護する特殊防護服を装備させた、過去に傷害などの前科を持つD-5234をSCP-983-JP内部に進入させ、攻撃を更に軽減することが可能かを調査。
結果: 攻撃を受ける頻度が実験記録983-002に比べて半減するものの、完全な対抗に失敗。D-5234は四肢の一部に打撲を負うなど全治3週間の軽傷。

実験記録983-004 - 日付2016/██/██
対象: D-6387、D-6392
実施方法: 前回の実験と同様の防護を施した2人の被験者D-6387、D-6392を護送車に乗り込んだ状態でSCP-983-JP内部に進入させ、障壁を通過して攻撃は行われるのか、複数人で進入した場合に攻撃の度合いが偏ることがあるのかを調査。
結果: 攻撃のほぼ全てが、護送車を運転していたD-6392に振るわれ、防護服を装備しているのにも関わらず、脚部の骨折など全治4ヶ月の重傷。庇おうとした助手席に座っていたD-6387は無傷。
分析: 障壁の有無に関係なく攻撃が行われる。2人分の攻撃が一方に偏って行われるようだ。

実験記録983-005 - 日付2016/██/██
対象: 小型探査ロボット
実施方法: 通信機能を有する探査ロボットをSCP-983-JP内部に進入させ、様々な種類の観測を行う。
結果: 探査ロボットに対する攻撃や金属音、霧は一切観測されなかった。霧が観測されていた出入り口から100mほどの地点でA5サイズとほぼ同等の大きさの1枚の手紙が発見されSCP-983-JP-Aとして回収。また、この調査によりこの隧道の長さが520mで終結していることが判明。

回収されたSCP-983-JP-Aは激しく風化していましたが、判読が可能な部分がありました。以下がその文書の内容です。

19██/10/23
遂にバレちまった。
バレないようにしてたのにさ。まあ起こったことを悔やんでもしょうがない。
奴は口封じした。これは仕方ない犠牲だったんだ。


旧サンドボックスの記事:[[http://scpsandbox-jp.wikidot.com/yoshi-pc]]