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SCP-3515

アイテム番号: SCP-3515

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-3515はサイト-77の標準美術品ロッカーに保管されます。収容および実験はサイト内のいかなる宿泊設備や共用エリアからも50m以上離れた場所で行わなければなりません。

説明: SCP-3515は40cm×60cmの紙に描かれた木炭画で、現在は木製の額縁に入れられています。絵画は前景(裸地の丘の頂上)に1本の大きく節だらけの柳の木が生えている荒涼とした風景を描いています。画家および制作年月日は不明です。

SCP-3515に近接して(約5mの範囲内で)1時間以上を過ごした人物は、ゆっくりとした一定した掘削音と説明される小音量の幻聴を経験します。これまでのノイズ比較実験において、最も多くの被験者がSCP-3515の誘発した幻聴と一致すると認めているのは重粘土を金属製のシャベルによる手作業で掘っている音を録音したものです。影響を受けた人物がSCP-3515に近接しなくなった場合、この幻聴は停止します。

SCP-3515に近接した状態で徐波睡眠(ノンレム睡眠のステージ3)に入った人物は、無意識のうちに非物質化します。非物質化するものには着衣やその人物に物理的に取り付けられている他の物体も含まれます。これまでにこの現象の影響を受けたと推定される一般市民らのその後の行方は一切明らかになっていません。今日までに財団が行った実験において、最も注目すべきものは実験プロトコル3515-C-01です。

実験プロトコル3515-C-01: 選定された記録

注記: 単独の被験者(D-6042)をSCP-3515および財団標準一人用寝具セットとともに実験室内に配置しました。D-6042にはGPS追跡装置、頭部装着型のカメラ兼マイクを装備させ、またD-6042の着衣には送信機を貼り付けました。関連する記録の抜粋を以下に掲載します。

実験の初期段階において幻聴の存在が予想通りに確認され、また予期せぬ結果は何も示されませんでした。初期観察が完了した後、SCP-3515の二次的影響を実験しました。

<経過時間: 1:46:07>

D-6042: つまりあんたらは俺に横になって眠ってほしいってことか?

ハラード博士: その通りだ。どうか君の装備している装置を取り外したり停止させたりしないでくれよ。

D-6042: オーケー。あー、何の実験をしてるのか教えてくれないか?

ハラード博士: すまない、君にそれを教えることはできないんだ。我々はこれから常時君をモニタリングすることになっている。

D-6042: わかった、やるよ。なあ、あんたらはあのノイズをどうにかできないのか?

ハラード博士: 残念ながらできない。ただ無視するように努めてくれ。

D-6042: そうするよ。ごく静かなもんだしな、どっちみち。

D-6042が側臥位で横たわり、それとともにカメラが実験室の壁の方を向く。D-6042の呼吸音以外の音は何も記録されない。約17分後、装着された脳波計によりD-6042の入眠が記録される。さらに約20分後、脳波パターンによりD-6042の徐波睡眠への到達が示される。

D-6042が非物質化する。着衣と装着された電子装置群も同様に非物質化するが、脳波計のリード線は非物質化せずベッドの上に残る。カメラ、マイク、GPSからの信号が監視チームに受信され続ける。GPS信号が[編集済]におけるものに更新される。この場所は記録装置の放送信号のマルチラテレーションによって確認される。頭部装着型カメラに映る景色が別の部屋のように見えるもの(壁が異なる色をしており、枕の形状も同様に異なって見える)へと変化する。呼吸音がマイクを通じて聞かれ、D-6042が眠り続けていることを示唆する。

監視チームが観察を継続している間に、最も近くにいる機動部隊がGPS信号の発信源へと派遣される。機動部隊は1軒の郊外の家を報告し、そこに最近まで人が住んでいた痕跡があるものの現在の居住者らが留守になっていることを見せる。その家の2階にあるベッドルーム群のうちの1つからの映像はD-6042のカメラが映している室内の映像と似ている。D-6042はそのベッドルーム内には存在していない。

いかなる活動も観察されないまま約3時間が経過した後、監視チームはD-6042を起こす試みを行うことに合意する。

ハラード博士: D-6042。D-6042、聞こえるか? D-6042!

D-6042: はあ? 何? うーん、ああ、ああ聞こえるよ。ごめん、眠ってた。

カメラが向きを変えてその暗い部屋の天井を見せる。

ハラード博士: 大丈夫さ。気分はどうだ?

D-6042: 元気さ。ちょっと意識が朦朧としてる。でも元気さ。なんでそんなこと訊くんだ?

ハラード博士: 君の周りにあるものを説明してくれるか?

カメラの視野が向きを変え、本棚1台と机1台を備えた1つの典型的なベッドルームの内部を見せる。部屋の寸法と塗装色は機動部隊が観察したものと一致するが、前述の家具は異なっている。機動部隊員らの姿は見えない。

D-6042: これは一体――これは何だ?

ハラード博士: D-6042、君は自分の今いるその場所に見覚えはあるか?

D-6042: あー、あるよ。これは俺のベッドルームだ。ええと、俺の実家の、ってことな。これは俺のガキの頃のベッドルームだ。わあ、あそこに並んでるのは俺の本だな。

ハラード博士: 我々は君のいるその部屋にエージェントたちを派遣した。彼らはそこでは君を見ることができていない。

D-6042: ここには俺の他に誰もいないぞ。俺はどうやってここへ来たんだ?

ハラード博士: 我々は君がこの実験の成功を助けてくれることを期待している。君はこの現象を記録する最初の人物だ。その場所を見て回って、何か普通でないものがあるかどうか調べてくれるか?

D-6042: あー、わかった。

D-6042はベッドルームを出て廊下を歩く。他の人物は誰も観察されない。

D-6042: ハロー? 誰かいるかい?

いかなる返答も聞かれない。D-6042は踊り場に着いて一続きの階段を下りていく。その階段の壁には額縁入りの写真群が飾られている。

D-6042: わあ、写真までそっくり同じだぜ。

写真群は正常であるように見えかつD-6042の家族についての既知情報と一致する。身元調査によりGPS信号の発信源がD-6042の幼少時代の住居であることが確認される。

D-6042: 誰かここにいるかい? ママ?

機動部隊がこの不動産物件の現在の所有者ら(D-6042の親類ではない)の帰宅を報告する。彼らは一時的に財団によって拘禁され、その後記憶処理を施される。

D-6042は階段の一番下に辿り着き、そしてリビングルームへ入る。電灯群は使用可能であるが、カーテンは引かれている。

D-6042: こいつはえらく奇妙だな。俺がガキだった頃とまるで同じだ。俺は7歳の頃あのソファから落っこちて、手首を捻挫したんだ。

ハラード博士: それでは全てのものは君の記憶通りなのだな。

D-6042: ああそうだ、当時よりずっと静かだし誰もいないけどな。でもそれ以外は――おお、ちょっと待ってくれ。

ハラード博士: 何だ?

D-6042: あの絵さ、向こう側の壁の。俺はあれのことは記憶にない。

D-6042はリビングルームを横切る。そこにある壁に飾られている絵画はSCP-3515と似ている。

D-6042: この絵はこの実験のやつだな。俺たち家族は絶対こんなのは家に置いてなかった。

ハラード博士: 君はこの実験の前にその絵を見たことはないのだな? 君が子供だった頃にこの壁に違う絵が飾られていたことを思い出すことはできるか?

D-6042: いや、憶えてない。でもこの絵は今日の前には見たことはないよ。それは確かだ。

ハラード博士: もう少し近くへ寄って我々にそれを間近で見させてくれるか?

D-6042はSCP-3515に近付く。絵画は詳細に至るまで変化していないように見える。

D-6042: 俺には同じに見えるな。

ハラード博士: ありがとう。我々にとっても同じだ。

D-6042: けど……断言はできないけど、もしかしたらノイズがちょっとばかし大きくなってるかもしれないぞ?

ハラード博士: 土を掘る音か?

D-6042: ああ。

ハラード博士: オーケー、そのことをメモしておくよ。他のいかなる違いも見逃さないようにしてくれ。ところで、そこにあるカーテンを開けてくれるか? 外を見たいんだ。

D-6042はカーテンを引いて開ける。窓の外は覆い隠されている。

D-6042: 変だな、まるで泥に覆われてるみたいだ、それかまるで――

D-6042は家の玄関のドアへ向かって走って行き、それを解錠し、そしてそれを引いて開けようとする。ドアは閉じたまま動かなくなっているように見える。

D-6042: <唸り声>

D-6042はハンドルを引っ張り、ドアから体をのけぞらせる。突然ドアが開き、カメラが地面にぶつかると同時にD-6042が倒れる。

D-6042: <大声で> あー! 痛ってえ!

D-6042は急いで這ってドアから離れる。カメラは必死でピントを合わせようとする。

D-6042: <喘ぎながら> クソッ、クソッ。

ハラード博士: D-6042、我々に話してくれ。怪我したのか? 何が起きている?

D-6042: あんたらには見えないのか?

D-6042は玄関のドアの方へ歩いて引き返していく。その開かれたドアの向こうにある空間は黒みがかった土で満たされている。土は家の床、そしてD-6042のジャンプスーツにこぼれている。

D-6042: 一体何なんだ?

D-6042は玄関口に達し、そこにある土をつまむ。土の塊群が地面に落ち、そしてより多くの土が上からその隙間の中に落ちる。ドアの外にある土の量には明らかな限界はない。

D-6042は急ぎ足でキッチンと他の部屋群を巡り、それぞれの部屋にある開けることのできるカーテンと窓を開ける。家の全体は押し固められた土に囲まれているように見える。

D-6042: 一体何なんだ? 一体何なんだよ!

ハラード博士: どうか落ち着きを保つよう努めてくれ、D――

D-6042: <叫んで> んなことできるか!

D-6042は悪態をつき続け監視チームからの指示を無視しながら2階へ駆け上がってその家のベッドルーム群を駆け巡る。2階の全ての窓も同様に土で塞がれている。D-6042はますます激昂していっているように見える。D-6042は1階へ戻ってリビングルームへ行き、木製の椅子1脚を手に取ってそこにある窓に投げつける。

D-6042: <不明瞭な怒鳴り声>

窓が割れる。黒みがかった土がその割れ目を通してこぼれる。D-6042は座った姿勢になり、荒い息を吐く。

D-6042: <荒い息を吐きながら> クソ野郎どもが。ド畜生のクソ野郎どもが。あんたら俺を埋めやがったな。

この直後、D-6042はヘッドセットを取り外しました。GPSの追跡信号は数時間にわたってこの家の領域内を移動しました。最終的に、D-6042はリビングルームへと戻ってヘッドセットを再び装着し、監視チームとの連絡を再開しました。

<経過時間: 8:49:06>

ハラード博士: 戻ってきてくれてありがとう――

D-6042: 黙れ。あんたらは俺をここから助け出さなきゃならない。俺は自分が見ることができる全部の場所を見てきたが、どこも同じだ。この場所の全ては土に覆われてやがる。ドアも、窓も、地下室だって調べた。そしてその向こうにあるのはもっと多くの土だけだ。だからあんたらは俺を助け出さなきゃならないんだ。いいか?

ハラード博士: 我々は君を助け出すためにできるあらゆるアプローチを試みている、それは私が君に保証――

D-6042: そうじゃないだろ、ふざけんな! あんたらは俺を助け出さなきゃならない! 「試みる」じゃない――やるんだ! <深呼吸> あの、いいんだ、ごめん。落ち着きを保とうとはしてるがここじゃあ上手くできない。あんたらの助けが必要だ。

ハラード博士: 我々は君を助けるつもりだ。助けるさ。

D-6042: 頼むぞ。

ハラード博士: 助けるさ。ところで、君は食事はとったか?

D-6042: <鼻をすすりながら> ああ、ちょっとだけな。キッチンに食い物がある。

ハラード博士: 何か飲み物は飲んだか? 我々は蛇口から水が出る音を聞けたと思ったのだが?

D-6042: ああ。

ハラード博士: 眠ったか?

D-6042: いや。

ハラード博士: 眠るのはきっといいアイデアだな、君が――

D-6042: 俺はあとどれくらい生きられるんだ?

ハラード博士: 何だって?

D-6042: 空気を使い果たすまでの時間だよ。酸素が無くなるまであとどれくらいあるんだ?

ハラード博士: ええと、そうしたら二酸化炭素がもっと多くなるから君は――

D-6042: <叫んで> あとどれくらいの時間だ?

ハラード博士: あー。実際のところそれはかなり長い時間であるはずだ。その家はとても広いから、我々が空気を換気し続けられるならば、君はあと数週間は生きられるはずだ、多分。

D-6042: おお。それは本当か?

テイラー博士: ええと、そうだ、そのはずだ。

D-6042: じゃああんたらは俺を助け出してくれるんだな。

ハラード博士: ああ、やってみせるさ。だがまず最初に、我々はみんないくらか睡眠をとるべきだと思う、そうしたら明日新しいプランを考え出そう。

D-6042: そうだろうか。

ハラード博士: 時間はたっぷりとある。君には沢山の食料と水があるし、それに――それにそこには君の邪魔をするものは何もない。理想的には、私は君と一緒にそのリビングルームで眠ってみたいと思っている。

D-6042: いや! だめだ。俺はここでは眠りたくない。

ハラード博士: そこにある絵のせいか? 君がどう感じているかはわかっているが、またそれと一緒に眠りに落ちれば効果が逆転してくれる可能性があるぞ。

D-6042: <沈黙>

D-6042: オーケー。やってみる。

D-6042はリビングルームで数時間眠りました。状況の明らかな変化は何も観察されませんでした。

翌日、実験チームはこの家の中においてD-6042を導き、この家の外の全ての領域が様々な種類および硬さの土で満たされていることを確認しました。検査のためサンプルが採集されました。

通信機器群を使用しようとする試みは失敗に終わりました。全ての備え付けの機器は操作可能であったものの、電話は繋がらず、留守番電話が応答するのみでした。デスクトップパソコンはインターネットに接続不可能でした。テレビは視聴可能でしたが、前もって録画された番組群が放送されるのみで、生放送の番組は一切放送されませんでした。

これらの実験の後、D-6042は地下室にあった1本の園芸用シャベルを用いてこの家から上向きにトンネルを掘る試みを行うことが決定されました。D-6042はこの日の残りの時間をこの家の中から生活必需品(食料と電池式照明器具含む)を収集することに費やしました。監視チームは空気を循環させるための間に合わせの換気システムを築く方法に関する指示を与えました。

翌朝、D-6042は掘削を開始するため屋根裏部屋の窓へと戻りました。

<経過時間: 41:12:54>

ハラード博士: オーケー、換気扇のスイッチを入れながら通過していってくれ。よし。それからその一番上から穴を掘り始めるんだ。ちょうどその窓の上端の下の所から。

D-6042: <唸り声>

ハラード博士: グレート。その土は階段の下へ投げ返してしまった方がいいな。ではただひたすらそのように掘り続けてくれ。君が何か話をしたくなった場合は我々に声をかけてくれ。

D-6042: <喘ぎながら> えーっ、こんなのいつまで経っても終わらないぞ。この一番上から始めなくちゃいけないのか?

ハラード博士: やりづらい角度なのはわかっているが、一度そこからトンネルを掘り始めてしまえば後で楽になる。この方法でやることは君がその穴のてっぺんをアーチ型に保つことを可能にする、それがより安定するであろう形なんだ。そしてそれは君が常に上向きに進んでいるかどうかを確かめることを助ける、君が一度進み始めれば我々がそのために水準器を使うことはできるがね。

D-6042: わかった、ジェイムス――あんたの言う方法が一番いいんだな。

D-6042はこの日の日中ゆっくりとしかし着実にトンネルを掘り進めました。この間におけるD-6042の態度は怒って閉じこもることと会話への強い欲求を示すことを繰り返しました。この日の夜就寝の準備をしていた時、D-6042は数時間にわたってテレビを観ていました。掘削は2日目に再開されました。

<経過時間: 69:44:18>

D-6042はトンネルの終端におり、重粘土をシャベルで掘って1台のトボガンぞり(その重粘土を屋根裏部屋まで運ぶために用いられている)の上に載せている。次の一突きをした際、そのシャベルの刃が鋭い音を立てる。

D-6042: 何かに当たったぞ! ジェイムス!

ハラード博士: 私はここだ。何の用だい?

D-6042: 何かに当たった。ここに何か硬いものがある。

D-6042は身を乗り出してトンネルの掘削面を両手で引っ張る。粘土の塊群が落ち、1つの白い形を明らかにする。

D-6042: これが見えるかジェイムス?

ハラード博士: ああ、見ているよ。

さらなる掘削によりその形が1本の長い骨であることが明らかになる。D-6042はそれをもぎ取る。

D-6042: クソッ、こいつは骨だ。クソッ。

ハラード博士: 大丈夫さ。地中に骨があるのは予想できたことだろう。

D-6042: 違う。違う違う違う。それは正しくない。正しくないよジェイムス、なんでかわかるか? 俺は今までずっと掘って掘りまくってきた、でもここには何もいない。ミミズも、虫も、地中で生きるものは何もだ。モグラも、何も。じゃあここにそいつらがいないんなら、なんで骨はあるんだよ?

ハラード博士: それをもっと詳しく見よう、いいな――それについて我々が学べることが何であるかを調べるんだ。

D-6042: <深呼吸> わかった。そうする。

D-6042は骨の周りから土をこそぎ、骨の下の方へ下げる。1つの大きな粘土の塊が一番下から取れ、1人の人間の片足の骨を明らかにする。

D-6042: うわマジかよ! 俺は教えたぞ。クソッ。

D-6042は急いで這ってトンネルから出て家の中へ入る。状況について話し合おうという監視チームの試みは無視され、そしてヘッドセットはしばらくの間放棄される。約2時間後、D-6042はシャベルを携えてヘッドセットのそばを通り過ぎトンネルの中へ入っていくのが観察される。さらに45分後、D-6042は屋根裏部屋へ戻ってヘッドセットを再び装着する。

D-6042: 俺は教えたぞ。あんたらそこにいるか?

ハラード博士: ああ、いるよ。君は我々に何を教えたんだ?

D-6042: これから見せてやる。この場所は――これから見せてやる。

D-6042は再びトンネルへ入っていく。その全長の半分ほどを進んだところで、トンネルの側壁に最近掘削が行われ、1つの奥行きのない分岐がメインのトンネルに対してある角度をなして形成されたことの痕跡が示される。そこにある土の膝の高さの所からは2本の骨が突き出している。それらは人間の橈骨と尺骨と似ているように見える。

D-6042: 見たか? これを見たか?

D-6042はシャベルを用いてそのほぐれた土をトンネルの床へと移す。一連のより小さな骨が観察され、人間の手根骨、中手骨、そして指骨群であると推定される。

D-6042: 一体何が起こってやがるのか教えてくれないか?

ハラード博士: できない。すまない、私にはこれが何なのかわからない。我々は我々のベストを尽くしている。

D-6042: あんたらのベスト?

D-6042はシャベルを強い勢いで振り回してトンネルの掘削面の肩の高さの所にぶつけ、一定しない動きでそこを掘る。1つの鋭い引っ掻き音が聞かれる。D-6042は再び振り回し、そして1つの大きな土の塊が落ちる。それはトンネルの床にぶつかると同時に、砕け、2つ目の人間の手(部分的に腐敗している)を明らかにする。1つの空嘔吐の音が聞かれ、そしてD-6042はトンネルから撤退する。苦しい呼吸の音が数分間にわたって聞かれる。

ハラード博士: D-6042? おーい? 大丈夫か?

D-6042: <小声で> お願いだ。あんたらはもっと多くのことをする必要がある。俺にはできないんだ。

ハラード博士: 今それをやっているところだ。我々には君のGPS信号が見えている――君がトンネルの中にいる時、その反対側で、庭から来ているんだ。我々はチームを呼んでいる――彼らは君の方へ向かって掘り下げ始めてくれることになっている。我々は君を助け出す。

D-6042: お願いだ。あんたらはやらなきゃならない。

ハラード博士: やるさ。だが君には我々の方へ向かって掘り進め続けてもらう必要がある。我々はカメラを介して君の見ているものを見るし、我々は自分たちが君を発見することにどこまで近付いているかを調べるためにそれを使う。

D-6042: だめだ。もうこれ以上は。今日はだめだ。

ハラード博士: オーケー、大丈夫だ。明日になったらまた始めよう。

D-6042はこの日の残りの時間を食事をとることとテレビの近くに座ることに費やしました。翌日の早朝、D-6042がトンネルの入口によじ登るのと同時に、この家の中の照明群が停電しました。

<経過時間: 88:20:44>

D-6042: 何てこった! クソッ! あんた今も俺の声が聞こえるか?

ハラード博士: 私は今もここにいるよ。

D-6042: どうなってるんだ? 何が起きたんだ?

ハラード博士: 我々にはまだわからない、だが我々はリビングルームまで行くことができるし――

D-6042: いや! 俺はあそこへは行かない。ここから出るんだ!

ハラード博士: オーケー、わかるよ。でもランプが見つかるかどうかは調べてくれ、少なくとも。

D-6042はよじ登ってトンネルへ入り、急いで掘削する。D-6042はほとんど声を発さず、一気に掘り進めてはトンネルの床の上で休憩する。何度か、その掘削は骨や腐敗しかけた人間の死骸を掻き乱す。これらはD-6042により、ほぐれた土に覆われるか完全に無視される。監視チームはこの時までに掘り起こされた死骸の総計が少なくとも12人分に上ると見積もる。数時間後、シャベルの刃がトンネルの床で硬い何かにぶつかる。

D-6042: <唸るような声で> あー。欠片だ……

ハラード博士: D-6042、我々は本当にこれが何であるのかを調べる必要がある。お願いだ。

D-6042: なんで? はあ、なんで?

ハラード博士: 我々が君の脱出を助けるために使うことができるものかもしれないからだ。

D-6042: わかった。

D-6042はトンネルの床をより深く掘り下げ、1人の腐敗しかけた人間の胴部(数本の剥き出しになった肋骨を備えている)を露わにする。D-6042がさらに掘り下げると、それに頭部(いくらかの肉と髪が残存している)が付属していることが明らかになる。

ハラード博士: よし。もう少し近くへ寄ってくれるか?

D-6042: やれやれ、臭いのに。こんなのがどうやって助けになるっていうんだ?

ハラード博士: ひょっとしたら我々は彼らがどのようにして埋められたかを解明することができるかもしれない。それは君が地上にどこまで近付いているかを我々に教えてくれる。その頭を拾い上げることはできるか?

D-6042: 触りたくねえよ。

ハラード博士: お願いだ、それは君を傷付けたりはしない。私は本当に君にこれをやってもらう必要があるんだ。

D-6042: あんたは俺にこれをやってもらう必要がある? あんたは俺が必要? ふざけんなよ、ジェイムス。ふざけんな! 俺はあんたに俺を! 助け出してもらう! 必要がある!

D-6042は死体をシャベルの平らな部分で繰り返し叩き、その骨を粉砕する。

D-6042: <叫んで> それでいいのか? それが役に立つのか? ふざけんな!

D-6042は一定しない動きで掘削を再開する。もはやそれを中断してほぐれた土をトンネルから運び出すことはない。D-6042の掘削への意欲は高まっている。1本の腕が露わになってトンネルの天井からぶら下がった時、D-6042はそれをシャベルを用いて落ちるまで切りつけ、そしてそれを土に覆われるように置き去りにすると同時に掘削を続ける。

数時間後、シャベルがトンネルの天井の近くで再び硬い何かにぶつかる。D-6042はさらに掘り、1本の長い木の根のように見えるものを露わにする。D-6042は掘削を止めてその根を見上げ続ける。

ハラード博士: おい、それは良い兆しだぞ。

D-6042は返事をしない。

ハラード博士: それは君が地上に接近しつつあるということを意味しているはずだ。君がもう少し近くへ寄れば、我々はどこまで接近しているかを解明する試みを行うことができる。

D-6042: <囁き声で> 嫌だ。これは――これは気に入らない。これは正しくない。

ハラード博士: 何が悪いんだ? 普通に見えるぞ。

D-6042: <囁き声で> 嫌だ。嫌だ。

ハラード博士は掘削チームと連絡をとる。チームは20mの深さに到達している。その掘削は正常であるように見え、また人間の死骸の痕跡も一切ない。D-6042の幼少時代の住居の近辺には大木は一切ない。

D-6042は食料や水の摂取をすることなくさらに数時間にわたってトンネルの掘削面を掘り続ける。さらに数本の木の根がトンネルの天井において露わになり、そして胴体から切り離された1本の脚(服地の断片に包まれている)も露わになる。D-6042はそれらの木の根との接触を避けながら掘削を続ける。活動の14時間後、監視チームがそれへの干渉を試みる。

ハラード博士: なあ? 君が我々を無視しているのは承知しているが、君は中断する必要がある。休憩、それに食事が必要だ。睡眠が必要だ。

D-6042: 俺は出て行く必要がある。

ハラード博士: そうだな、だが疲れ果ててしまったら君は掘ることができなくなるぞ。休憩をとればもっと能率的にやれる。

D-6042: 休憩したくない。

ハラード博士: それじゃあほんの一休みだ。話をしようじゃないか。

D-6042: わかった。

D-6042はトンネルの床に座る。

ハラード博士: 一休みして気が楽に感じられるんじゃないか?

D-6042: へとへとだ。

ハラード博士: もっともだな。君は今日順調に進んできている、こうしたこと全てにもかかわらず。

D-6042: そうだな。

ハラード博士: 教えてくれ、最初の食事として食べたいものは何だ、君が帰ったら?

D-6042: わからない。

ハラード博士: それじゃあどんな食べ物が好きだ? ピザ? ハンバーガー?

D-6042: ハンバーガーだ。チーズの挟まった。

ハラード博士: そいつは素敵だな。

D-6042: マクドナルドのやつをくれないか、いいかな? クォーターパウンダーを?

ハラード博士: 我々は必ずやそれを用意してあげられるさ。ただ君が食べたいと思うものを教えてくれればいいんだ。

D-6042: 腹が減ってきたな。

D-6042はトンネルの入口へ戻って食料と水を収集し、そして食事をとる。

ハラード博士: 明日になれば、君はまた作業ができるようになるだろう。

D-6042: うん。

ハラード博士: 今夜一緒に1階へ下りないか? 君のベッドへ戻らないか?

D-6042: 嫌だ。

ハラード博士: 君ができるならきっとそうした方がいい。空気循環の観点から言って。

D-6042: 嫌だ! あそこへは戻らないぞ。

ハラード博士: わかった。それじゃあその入口の近くで過ごしてくれ、せめて。

D-6042は電池式ランプのスイッチを切る。トンネルと屋根裏部屋が暗く静かになる。

D-6042: どれくらいの時間が経ったんだ、ジェイムス?

ハラード博士: 4日間だ。

D-6042: おお。怒鳴ったりして悪かったな。

ハラード博士: もういいさ。そのことについては考えるな。自分が帰ったら何をするかについて考えるんだ。

D-6042: むむむ。ジェイムス、俺は今まであの木のことを考えてたんだ。

ハラード博士: どの木だ?

D-6042: あの絵の中のやつさ。俺はあれについて沢山考えてた。あんたには教えなかったな。ごめん。

ハラード博士: いいさ。

D-6042: <小声で> ずっと、掘ってる間中。あの絵と、あのノイズと、あの木のことを考えてた。あの木は俺のことを憎んでると思う。俺を憎んでるんだ。

ハラード博士: 大丈夫だ。君は大丈夫だ。心配するな。我々がついている。

D-6042: ごめん。

ハラード博士: もしかして君に今聞こえてるその音は我々のチームのものじゃないか? 上から掘ってる音じゃないか? その音は良い兆しかもしれないぞ。

D-6042: そうかもな。

D-6042は2、3時間眠り、その後目覚めるとともに歩き出す。

D-6042: 何? そこにいるのは誰だ?

ハラード博士: 私だ――ハラード博士だ。

D-6042: おお、やあジェイムス。

ハラード博士: まだ早い時間だぞ、戻ってもう一度眠ったらどうだ。

D-6042: いや。俺は出て行くんだ。

D-6042はランプを点け、シャベルを手に取って掘削を再開する。人間の死骸が高い頻度で掘り起こされる。

<経過時間: 109:12:16>

D-6042: やれやれ、臭いな。なんでこんなに沢山死体があるんだよ?

ハラード博士: わからない。ひょっとしたら君は今墓地の下にいるのかもしれないぞ? それはきっと良い兆しだ――きっと地上が近いんだ。

D-6042: <笑い声> 良い兆し? 墓地の下? <笑い声>

ハラード博士: 元気を出せ、相棒。

D-6042: <笑い声> 元気を出せ相棒buddy、元気を出せ、死体どもbodies。皆で一緒に掘ろうぜ。掘れ、掘れ、掘れ。おお見ろ、ブーツの片方だ。誰かブーツの片方は要るか? 上等なやつに見えるな。俺は必ずやこの足を取っ払えるぜ。おい、ジェイムス、ブーツの片方は要るか?

D-6042は掘削を続け、そして死体の部位群を掘り出すと同時にそれらをトンネルの床に積もらせていく。

D-6042: もう一本の腕だ! これまでに何本出てきたかな? これからさらに何本出てくるかな? 何本――

突然1つの大きく鈍い音が聞かれ、そしてランプの灯りが消え、照明がD-6042のヘッドライトのみとなる。

D-6042: そんな!

ハラード博士: 何が起こっている? 話してくれ。

D-6042: クソッ、崩れたんだ。崩れたんだジェイムス。

カメラが急速に動き、そしてD-6042の背後にあったトンネルが崩落して土で満たされたことを見せる。ランプは埋まっており、そしてトンネルは塞がれている。

D-6042: 畜生。畜生畜生畜生畜生――

ハラード博士: 落ち着きを保て。君はこれをやれる。君はただ崩落した部分を掘り直さなければならないだけだ、そうすれば家へ戻ることができ――

D-6042: だめだ! 戻ることなんてできない。

ハラード博士: やらなければならないんだ、相棒。君は掘って家へ戻る必要がある。君の今いるその場所には十分な空気がない。

D-6042: <啜り泣きながら> 助けてくれ。

ハラード博士: 今そうしようとしている、だが君はこれをやらなければならない、いいな?

D-6042はほぐれた土を崩落した部分の最上部からシャベルで掘り始める。上からより多くの土が落ち、それと一緒に1人の人間の片脚(腐敗の初期段階にある)も落ちる。その脚は灰色の古着を穿いている。

D-6042: ああ何てことだ。<空嘔吐>

D-6042は崩落した部分を掘り続け、1つの高さの低い穴を形成する。この穴は安定しているように見えるが、土はトンネルの残存している部分の天井から落ち続ける。

ハラード博士: 急げ。

もう1つの大きな音がD-6042の背後から聞かれる。カメラが向きを変える。トンネルの天井のより多くの部分が崩落しており、トンネルの残存している部分の長さが2、3mにまで縮小している。

ハラード博士: 頑張れ。掘り続けるんだ。

カメラが突然上向きになり、そしてD-6042がハッと息を呑む。トンネルの天井が崩落した場所において、一連の薄い木の根が剥き出しになっている。それらより上には、土は一切ない。それらの木の根は上向きに伸びており、ヘッドライトの光の届く限り続くがらんどうの暗黒の中へと入り込んでいる。

D-6042はシャベルを手から落とす。

D-6042: <しくしくと泣いている>

ハラード博士: 待て。我々は――

D-6042は最初に崩落した部分に掘った高さの低い穴の中へ急いで這って入り、そして前方へ這って行き、素手で土を掻き分ける。コミュニケーションをとろうという監視チームの試みは無視される。D-6042は土に囲まれた状態でゆっくりと前方を掘り続ける。D-6042のカメラの視野は四方に土があることを見せ、そしてマイクは速い呼吸音を記録する。

ハラード博士: 落ち着きを保つよう努めてくれ。もっとゆっくり呼吸するんだ、いいな。

D-6042は監視チームからのコミュニケーションを無視しながら前方を掘り続ける。穴は狭く低いままである。D-6042の両手は数箇所から出血しているように見える。約30分後、D-6042の動きがガクンと止まる。

D-6042: 俺の足だ! 何かが俺の足を掴んだ!

D-6042は後ろを見ようとするが、穴が窮屈すぎるため体の向きを変えることができない。

D-6042: 助けてくれ! 捕まった!

ハラード博士: 本当か? 単に土に足を取られただけかもしれないぞ。それかさらなる木の根かも?

D-6042: ぎゃあぁぁ!

D-6042は身悶えし、身を捩って上方に顔を向ける。

D-6042: 見えない。俺の足を掴んでる!

カメラが荒々しく動くが、D-6042の片足にまとわりついているものは何も見られない。D-6042は過度に騒ぎ立てているように見える。

D-6042: 俺は出て行かなきゃならない!

D-6042は穴の天井を爪で引っ掻き始め、真直ぐ上を掘ろうとする。土がカメラの上に直接落ちる。

ハラード博士: おい、そんなことできないぞ――頼むから私の言うことを聞いてくれ――君は前へ進まなければならない――空気だ――それは――

D-6042は何の反応も示さず、上向きに掘ることを続ける。その掘削は上の土の中にあった灰色の布地を露わにする。より多くの土が落ち、そして同時に1人の人間の胴部(灰色のジャンプスーツに覆われている)を明らかにする。

D-6042: そんな!

ハラード博士: 何だ?

D-6042: 俺だ。これは俺の服だ。あれは俺が前に履いてたブーツだった。こいつらはみんな俺だ。

ハラード博士: まるで意味がわからないぞ――

D-6042: あぁぁぁぁ!

D-6042はトンネルの天井にあるその衣服を引っ掻く。その胴部が露わになると同時に、そのジャンプスーツの胸にある部分的に覆い隠された番号が見えるようになる。D-6042は穴の両側壁と天井を死に物狂いで引っ掻き続け、その死体の頭部を露わにする。

死体の顔はD-6042のそれと似ているように見える。

D-6042: <絶叫>

D-6042はその死体の顔から転がって離れようとする。D-6042が動くと同時に、1つの大きな音が聞かれ、そして死体が上から落ち、一緒に大量の土も落ちる。D-6042は倒される。

カメラのピントが再び合った時、死体の頭部がレンズの真正面に映り、それとともにそれより上にある押し固められた土が見えるようになる。死体はD-6042の上に落ちたように見え、トンネルを崩落させD-6042を埋めたように見える。カメラは動かない。

ハラード博士: 聞こえるか?

D-6042: <速く浅い呼吸>

ハラード博士: 動けるか?

D-6042: <しくしくと泣いている>

ハラード博士: もういいんだ、相棒。すまない。もういいんだ。

約30分後、D-6042は高炭酸ガス血症による痙攣の発作と一致する音を立てる。さらに8分後以降、D-6042からは一切の音が聞かれなくなる。

掘削チームがさらに2時間にわたって掘削を続け、約50mの深さに到達する。いかなる異常な結果も観察されない。チームは作業を中止する。

D-6042のカメラとライトがさらに123時間にわたって動作し続けたのちバッテリー切れになる。分析により、映像の最後の5時間において記録された音がくぐもった掘削音(ゆっくりと大きくなっていく)と一致するものであると特定される。





SCP-3515 - Unearth / 掘り起こせ 翻訳案


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SCP-3515

アイテム番号: SCP-3515

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-3515はサイト-77の標準美術品ロッカーに保管されます。収容および実験はサイト内のいかなる宿泊設備や共用エリアからも50m以上離れた場所で行わなければなりません。

Special Containment Procedures: SCP-3515 is to be stored in a standard art locker at Site-77. Containment and testing locations must be situated no less than 50m from any on-site sleeping quarters or common area.

説明: SCP-3515は40cm×60cmの紙に描かれた木炭画で、現在は木製の額縁に入れられています。絵画は前景(裸地の丘の頂上)に1本の大きく節だらけの柳の木が生えている荒涼とした風景を描いています。画家および制作年月日は不明です。

Description: SCP-3515 is a 40 cm x 60 cm charcoal drawing on paper, currently fitted in a wooden frame. The drawing depicts a barren landscape with a large knotted willow tree in the foreground, at the crest of a hill of bare earth. The artist and date of creation are unknown.

SCP-3515に近接して(約5mの範囲内で)1時間以上を過ごした人物は、ゆっくりとした一定した掘削音と説明される小音量の幻聴を経験します。これまでのノイズ比較実験において、最も多くの被験者がSCP-3515の誘発した幻聴と一致すると認めているのは重粘土を金属製のシャベルによる手作業で掘っている音を録音したものです。影響を受けた人物がSCP-3515に近接しなくなった場合、この幻聴は停止します。

Persons spending more than one hour in close proximity to SCP-3515 (within a range of approximately five meters) will be subject to low-volume auditory hallucinations described as the sound of slow, steady digging. In noise comparison tests, subjects have most commonly matched SCP-3515-induced hallucinations with recordings of manual digging with a metal shovel in heavy clay soil. If an affected individual is no longer in proximity to SCP-3515, these auditory hallucinations cease.

SCP-3515に近接した状態で徐波睡眠(ノンレム睡眠のステージ3)に入った人物は、無意識のうちに非物質化します。非物質化するものには着衣やその人物に物理的に取り付けられている他の物体も含まれます。これまでにこの現象の影響を受けたと推定される一般市民らのその後の行方は一切明らかになっていません。今日までに財団が行った実験において、最も注目すべきものは実験プロトコル3515-C-01です。

If an individual enters slow-wave sleep (stage 3 of non-REM sleep) while in proximity to SCP-3515, that individual will spontaneously dematerialize. Dematerialization will include clothing and other objects physically attached to the individual. No further evidence is available of the location of civilians presumed to have been affected by this phenomenon. In Foundation experimentation, the most notable test to date has been Experimental Protocol 3515-C-01.

実験プロトコル3515-C-01: 選定された記録

Experimental Protocol 3515-C-01: Selected Logs

注記: 単独の被験者(D-6042)をSCP-3515および財団標準一人用寝具セットとともに実験室内に配置しました。D-6042にはGPS追跡装置、頭部装着型のカメラ兼マイクを装備させ、またD-6042の着衣には送信機を貼り付けました。関連する記録の抜粋を以下に掲載します。

Notes: A single test subject (D-6042) was placed in the testing chamber with SCP-3515 and a standard Foundation single bedding set. D-6042 was fitted with a GPS tracking device, a head-mounted camera and microphone, and a transmitter affixed to D-6042's clothing. Relevant extracts from the recording logs are set out below.

実験の初期段階において幻聴の存在が予想通りに確認され、また予期せぬ結果は何も示されませんでした。初期観察が完了した後、SCP-3515の二次的影響を実験しました。

The initial phase of the experiment confirmed the presence of auditory hallucinations as anticipated, and showed no unexpected results. After initial observations were complete, the secondary effect of SCP-3515 was tested.

<経過時間: 1:46:07>

D-6042: つまりあんたらは俺に横になって眠ってほしいってことか?

D-6042: So you want me to lie down and go to sleep?

ハラード博士: その通りだ。どうか君の装備している装置を取り外したり停止させたりしないでくれよ。

That's correct. Please do not remove or disable your equipment.

D-6042: オーケー。あー、何の実験をしてるのか教えてくれないか?

D-6042: Okay. Uh, what are you testing for, please?

ハラード博士: すまない、君にそれを教えることはできないんだ。我々はこれから常時君をモニタリングすることになっている。

Dr. Hallard: I'm sorry, I can't tell you that. We will be monitoring you at all times.

D-6042: わかった、やるよ。なあ、あんたらはあのノイズをどうにかできないのか?

D-6042: Right, sure. Hey, is there anything you can do about that noise?

ハラード博士: 残念ながらできない。ただ無視するように努めてくれ。

Dr. Hallard: I'm afraid not. Just try to ignore it.

D-6042: そうするよ。ごく静かなもんだしな、どっちみち。

D-6042: I'll try to. It's pretty quiet, anyway.

D-6042が側臥位で横たわり、それとともにカメラが実験室の壁の方を向く。D-6042の呼吸音以外の音は何も記録されない。約17分後、装着された脳波計によりD-6042の入眠が記録される。さらに約20分後、脳波パターンによりD-6042の徐波睡眠への到達が示される。

D-6042 lies in a lateral position, with the camera facing the wall of the testing chamber. No sound is recorded other than D-6042's breathing. After approximately 17 minutes, the attached electroencephalograph records D-6042 falling asleep. Approximately 20 minutes later, brain wave patterns indicate that D-6042 has reached slow-wave sleep.

D-6042が非物質化する。着衣と装着された電子装置群も同様に非物質化するが、脳波計のリード線は非物質化せずベッドの上に残る。カメラ、マイク、GPSからの信号が監視チームに受信され続ける。GPS信号が[編集済]におけるものに更新される。この場所は記録装置の放送信号のマルチラテレーションによって確認される。頭部装着型カメラに映る景色が別の部屋のように見えるもの(壁が異なる色をしており、枕の形状も同様に異なって見える)へと変化する。呼吸音がマイクを通じて聞かれ、D-6042が眠り続けていることを示唆する。

D-6042 dematerializes. Clothing and attached electronic devices also dematerialize, with the exception of the leads for the electroencephalograph, which remain on the bed. Signals from the camera, microphone and GPS continue to be received by the monitoring team. The GPS signal updates to a location in [REDACTED]. This location is confirmed by multilateration of the broadcast signal of the recording equipment. The view from the head-mounted camera changes to what appears to be another room: the wall is of a different colour, and the shape of the pillow also appears different. Breathing can be heard through the microphone, suggesting that D-6042 remains asleep.

監視チームが観察を継続している間に、最も近くにいる機動部隊がGPS信号の発信源へと派遣される。機動部隊は1軒の郊外の家を報告し、そこに最近まで人が住んでいた痕跡があるものの現在の居住者らが留守になっていることを見せる。その家の2階にあるベッドルーム群のうちの1つからの映像はD-6042のカメラが映している室内の映像と似ている。D-6042はそのベッドルーム内には存在していない。

The monitoring team continues to observe while the closest Mobile Task Force is ordered to the location of the GPS signal. The MTF reports a suburban house, showing signs of recent habitation but with the current residents absent. Footage from one of the upstairs bedrooms resembles the interior shown on D-6042's camera. D-6042 is not present in the bedroom.

いかなる活動も観察されないまま約3時間が経過した後、監視チームはD-6042を起こす試みを行うことに合意する。

After approximately three hours with no activity observed, the monitoring team agrees to attempt to wake D-6042 up.

ハラード博士: D-6042。D-6042、聞こえるか? D-6042!

Dr. Hallard: D-6042. D-6042, can you hear me? D-6042!

D-6042: はあ? 何? うーん、ああ、ああ聞こえるよ。ごめん、眠ってた。

D-6042: Huh? What? Um, yes, yes I can hear you. Sorry, I was asleep.

カメラが向きを変えてその暗い部屋の天井を見せる。

The camera turns to show the ceiling of the darkened room.

ハラード博士: 大丈夫さ。気分はどうだ?

Dr. Hallard: That's okay. How do you feel?

D-6042: 元気さ。ちょっと意識が朦朧としてる。でも元気さ。なんでそんなこと訊くんだ?

D-6042: I'm fine. A bit groggy. But I'm fine. Why?

ハラード博士: 君の周りにあるものを説明してくれるか?

Dr. Hallard: Can you describe your surroundings, please?

カメラの視野が向きを変え、本棚1台と机1台を備えた1つの典型的なベッドルームの内部を見せる。部屋の寸法と塗装色は機動部隊が観察したものと一致するが、前述の家具は異なっている。機動部隊員らの姿は見えない。

The camera view turns, showing the interior of a typical bedroom including a bookcase and desk. The room's dimensions and paint colour are consistent with those observed by the Mobile Task Force, but the furnishings are different. Members of the MTF are not visible.

D-6042: これは一体――これは何だ?

D-6042: What the - what is this?

ハラード博士: D-6042、君は自分の今いるその場所に見覚えはあるか?

Dr. Hallard: D-6042, do you recognise your location?

D-6042: あー、あるよ。これは俺のベッドルームだ。ええと、俺の実家の、ってことな。これは俺のガキの頃のベッドルームだ。わあ、あそこに並んでるのは俺の本だな。

D-6042: Uh, yeah. This is my bedroom. Um, in my parents' house, I mean. This is my bedroom from when I was a kid. Wow, those are my books.

ハラード博士: 我々は君のいるその部屋にエージェントたちを派遣した。彼らはそこでは君を見ることができていない。

Dr. Hallard: We have agents in the room with you. They can't see you there.

D-6042: ここには俺の他に誰もいないぞ。俺はどうやってここへ来たんだ?

D-6042: There's no one here with me. How did I get here?

ハラード博士: 我々は君がこの実験の成功を助けてくれることを期待している。君はこの現象を記録する最初の人物だ。その場所を見て回って、何か普通でないものがあるかどうか調べてくれるか?

Dr. Hallard: We're hoping you can help us work that out. You are the first person to document this phenomenon. Could you please have a look around and see if there is anything unusual.

D-6042: あー、わかった。

D-6042: Uh, I guess.

D-6042はベッドルームを出て廊下を歩く。他の人物は誰も観察されない。

D-6042 exits the bedroom and walks along a hallway. No other persons are observed.

D-6042: ハロー? 誰かいるかい?

D-6042: Hello? Anyone here?

いかなる返答も聞かれない。D-6042は踊り場に着いて一続きの階段を下りていく。その階段の壁には額縁入りの写真群が飾られている。

No response is heard. D-6042 reaches a landing and proceeds down a flight of stairs. There are framed photographs on the wall of the staircase.

D-6042: わあ、写真までそっくり同じだぜ。

D-6042: Wow, even the same pictures.

写真群は正常であるように見えかつD-6042の家族についての既知情報と一致する。身元調査によりGPS信号の発信源がD-6042の幼少時代の住居であることが確認される。

The photographs appear normal and are consistent with known information about D-6042's family. Background checks confirm the GPS location as D-6042's childhood residence.

D-6042: 誰かここにいるかい? ママ?

D-6042: Any of you guys here? Mom?

機動部隊がこの不動産物件の現在の所有者ら(D-6042の親類ではない)の帰宅を報告する。彼らは一時的に財団によって拘禁され、その後記憶処理を施される。

The MTF reports the return of the current owners of the property (who are unrelated to D-6042). They are temporarily detained by the Foundation and later amnesticized.

D-6042は階段の一番下に辿り着き、そしてリビングルームへ入る。電灯群は使用可能であるが、カーテンは引かれている。

D-6042 reaches the base of the stairs, and enters a living area. Electric lights are operational, but curtains are drawn.

D-6042: こいつはえらく奇妙だな。俺がガキだった頃とまるで同じだ。俺は7歳の頃あのソファから落っこちて、手首を捻挫したんだ。

D-6042: This is so weird. It's just like it was when I was growing up. I fell off that sofa when I was seven, sprained my wrist.

ハラード博士: それでは全てのものは君の記憶通りなのだな。

Dr. Hallard: So everything is as you remember.

D-6042: ああそうだ、当時よりずっと静かだし誰もいないけどな。でもそれ以外は――おお、ちょっと待ってくれ。

D-6042: Yeah, although a lot quieter with no one here. But otherwise - oh, wait a second.

ハラード博士: 何だ?

Dr. Hallard: What is it?

D-6042: あの絵さ、向こう側の壁の。俺はあれのことは記憶にない。

D-6042: That painting, on the far wall. I don't remember that.

D-6042はリビングルームを横切る。そこにある壁に飾られている絵画はSCP-3515と似ている。

D-6042 crosses the living area. The picture on the wall resembles SCP-3515.

D-6042: この絵はこの実験のやつだな。俺たち家族は絶対こんなのは家に置いてなかった。

D-6042: That's the painting from the test. I'm sure we didn't have this at home.

ハラード博士: 君はこの実験の前にその絵を見たことはないのだな? 君が子供だった頃にこの壁に違う絵が飾られていたことを思い出すことはできるか?

Dr. Hallard: You haven't seen that picture before the test? Do you recall having a different painting on this wall when you were a child?

D-6042: いや、憶えてない。でもこの絵は今日の前には見たことはないよ。それは確かだ。

D-6042: No, I don't remember. But I haven't seen this picture before today. I'm sure.

ハラード博士: もう少し近くへ寄って我々にそれを間近で見させてくれるか?

Dr. Hallard: Could you please go a little nearer so we can see it close up?

D-6042はSCP-3515に近付く。絵画は詳細に至るまで変化していないように見える。

D-6042 approaches SCP-3515. The details of the picture appear unchanged.

D-6042: 俺には同じに見えるな。

D-6042: Looks the same to me.

ハラード博士: ありがとう。我々にとっても同じだ。

Dr. Hallard: Thank you. Same for us.

D-6042: けど……断言はできないけど、もしかしたらノイズがちょっとばかし大きくなってるかもしれないぞ?

D-6042: Although… I can't say for sure, but maybe the noise is a little bit louder?

ハラード博士: 土を掘る音か?

Dr. Hallard: The digging sound?

D-6042: ああ。

D-6042: Yes.

ハラード博士: オーケー、そのことをメモしておくよ。他のいかなる違いも見逃さないようにしてくれ。ところで、そこにあるカーテンを開けてくれるか? 外を見たいんだ。

Dr. Hallard: Okay, we'll make a note of that. Keep an eye out for any other differences. In the meantime, could you please open the curtains? We'd like to look outside.

D-6042はカーテンを引いて開ける。窓の外は覆い隠されている。

D-6042 pulls open the curtains. The exterior of the window is obscured.

D-6042: 変だな、まるで泥に覆われてるみたいだ、それかまるで――

D-6042: Weird, it's like it's covered in mud, or like -

D-6042は家の玄関のドアへ向かって走って行き、それを解錠し、そしてそれを引いて開けようとする。ドアは閉じたまま動かなくなっているように見える。

D-6042 runs to the front door of the house, unlocks it, and attempts to pull it open. The door appears to be stuck in place.

D-6042: <唸り声>

D-6042: <grunting>

D-6042はハンドルを引っ張り、ドアから体をのけぞらせる。突然ドアが開き、カメラが地面にぶつかると同時にD-6042が倒れる。

D-6042 pulls on the handle, leaning away from the door. Suddenly the door opens, the camera hitting the ground as D-6042 falls.

D-6042: <大声で> あー! 痛ってえ!

D-6042: <yelling> Ah! Ow!

D-6042は急いで這ってドアから離れる。カメラは必死でピントを合わせようとする。

D-6042 scrambles away from the door. The camera struggles to focus.

D-6042: <喘ぎながら> クソッ、クソッ。

D-6042: <panting> Shit, shit.

ハラード博士: D-6042、我々に話してくれ。怪我したのか? 何が起きている?

Dr. Hallard: D-6042, talk to us. Are you injured? What's going on?

D-6042: あんたらには見えないのか?

D-6042: You can't see it?

D-6042は玄関のドアの方へ歩いて引き返していく。その開かれたドアの向こうにある空間は黒みがかった土で満たされている。土は家の床、そしてD-6042のジャンプスーツにこぼれている。

D-6042 walks back towards the front door. The space behind the open door is filled with dark soil. Dirt has spilled onto the floor of the house, and onto D-6042's jumpsuit.

D-6042: 一体何なんだ?

D-6042: What the hell?

D-6042は玄関口に達し、そこにある土をつまむ。土の塊群が地面に落ち、そしてより多くの土が上からその隙間の中に落ちる。ドアの外にある土の量には明らかな限界はない。

D-6042 reaches through the doorway, pulling at the dirt. Clumps of earth fall to the ground, and more dirt falls into the gap from above. There is no obvious limit to the volume of soil outside the door.

D-6042は急ぎ足でキッチンと他の部屋群を巡り、それぞれの部屋にある開けることのできるカーテンと窓を開ける。家の全体は押し固められた土に囲まれているように見える。

D-6042 moves rapidly through the kitchen and other rooms, pulling aside curtains and opening windows where possible. The entire house appears to be surrounded by packed earth.

D-6042: 一体何なんだ? 一体何なんだよ!

D-6042: What the fuck? What the fuck!

ハラード博士: どうか落ち着きを保つよう努めてくれ、D――

Dr. Hallard: Please try to remain calm, D-

D-6042: <叫んで> んなことできるか!

D-6042: <shouting> Fuck that!

D-6042は悪態をつき続け監視チームからの指示を無視しながら2階へ駆け上がってその家のベッドルーム群を駆け巡る。2階の全ての窓も同様に土で塞がれている。D-6042はますます激昂していっているように見える。D-6042は1階へ戻ってリビングルームへ行き、木製の椅子1脚を手に取ってそこにある窓に投げつける。

D-6042 runs upstairs and into the house's bedrooms, continuing to curse and ignoring instructions from the monitoring team. All upstairs windows are also blocked with earth. D-6042 appears increasingly agitated. D-6042 returns downstairs to the living area, picks up a wooden chair and throws it at the window.

D-6042: <不明瞭な怒鳴り声>

D-6042: <unintelligible yelling>

窓が割れる。黒みがかった土がその割れ目を通してこぼれる。D-6042は座った姿勢になり、荒い息を吐く。

The window breaks. Dark earth spills through the crack. D-6042 falls to a sitting position, breathing heavily.

D-6042: <荒い息を吐きながら> クソ野郎どもが。ド畜生のクソ野郎どもが。あんたら俺を埋めやがったな。

D-6042: <breathing heavily> You bastards. You fucking bastards. You buried me.

この直後、D-6042はヘッドセットを取り外しました。GPSの追跡信号は数時間にわたってこの家の領域内を移動しました。最終的に、D-6042はリビングルームへと戻ってヘッドセットを再び装着し、監視チームとの連絡を再開しました。

Shortly afterward, D-6042 removed the camera and headset. The GPS tracking signal moved within the area of the house for several hours. Eventually, D-6042 returned to the living area and reattached the camera and headset, resuming contact with the monitoring team.

<経過時間: 8:49:06>

ハラード博士: 戻ってきてくれてありがとう――

Dr. Hallard: Thank you for coming back -

D-6042: 黙れ。あんたらは俺をここから助け出さなきゃならない。俺は自分が見ることができる全部の場所を見てきたが、どこも同じだ。この場所の全ては土に覆われてやがる。ドアも、窓も、地下室だって調べた。そしてその向こうにあるのはもっと多くの土だけだ。だからあんたらは俺を助け出さなきゃならないんだ。いいか?

D-6042: Shut up. You have to get me out of here. I've looked everywhere I can, and it's the same. This whole place is covered in dirt. Doors, windows, I even checked the basement. And behind it there's just more dirt. So you have to get me out. Okay?

ハラード博士: 我々は君を助け出すためにできるあらゆるアプローチを試みている、それは私が君に保証――

Dr. Hallard: I can assure you that we're trying every approach we possibly can to -

D-6042: そうじゃないだろ、ふざけんな! あんたらは俺を助け出さなきゃならない! 「試みる」じゃない――やるんだ! <深呼吸> あの、いいんだ、ごめん。落ち着きを保とうとはしてるがここじゃあ上手くできない。あんたらの助けが必要だ。

D-6042: No, dammit! You have to get me out! Not "try" - do it! <breathing deeply> Look, okay, I'm sorry. I'm trying to stay calm but I am not all right here. I need you to help.

ハラード博士: 我々は君を助けるつもりだ。助けるさ。

Dr. Hallard: We're going to help you. We will.

D-6042: 頼むぞ。

D-6042: Please.

ハラード博士: 助けるさ。ところで、君は食事はとったか?

Dr. Hallard: We will. Now, have you eaten?

D-6042: <鼻をすすりながら> ああ、ちょっとだけな。キッチンに食い物がある。

D-6042: <sniffing> Yeah, a little. There's stuff in the kitchen.

ハラード博士: 何か飲み物は飲んだか? 我々は蛇口から水が出る音を聞けたと思ったのだが?

Dr. Hallard: Something to drink? We thought we could hear the taps running?

D-6042: ああ。

D-6042: Yeah.

ハラード博士: 眠ったか?

Dr. Hallard: Slept?

D-6042: いや。

D-6042: No.

ハラード博士: 眠るのはきっといいアイデアだな、君が――

Dr. Hallard: It's probably a good idea if -

D-6042: 俺はあとどれくらい生きられるんだ?

D-6042: How long do I have?

ハラード博士: 何だって?

Dr. Hallard: I'm sorry?

D-6042: 空気を使い果たすまでの時間だよ。酸素が無くなるまであとどれくらいあるんだ?

D-6042: Until I run out of air. How long until there's no more oxygen?

ハラード博士: ええと、そうしたら二酸化炭素がもっと多くなるから君は――

Dr. Hallard: Well, it's more the carbon dioxide that you need to -

D-6042: <叫んで> あとどれくらいの時間だ?

D-6042: <shouting> How long?

ハラード博士: あー。実際のところそれはかなり長い時間であるはずだ。その家はとても広いから、我々が空気を換気し続けられるならば、君はあと数週間は生きられるはずだ、多分。

Dr. Hallard: Uh. Actually it should be quite a long time. The house is pretty large, so provided we keep the air ventilating, you should have enough for weeks, maybe.

D-6042: おお。それは本当か?

D-6042: Oh. Is that true?

テイラー博士: ええと、そうだ、そのはずだ。

Dr. Taylor: I mean, yes, it should be.

D-6042: じゃああんたらは俺を助け出してくれるんだな。

D-6042: So you'll get me out.

ハラード博士: ああ、やってみせるさ。だがまず最初に、我々はみんないくらか睡眠をとるべきだと思う、そうしたら明日新しいプランを考え出そう。

Dr. Hallard: Yes, we will. But first, I think we should all get some sleep, and we'll come up with a new plan tomorrow.

D-6042: そうだろうか。

D-6042: I don't know.

ハラード博士: 時間はたっぷりとある。君には沢山の食料と水があるし、それに――それにそこには君の邪魔をするものは何もない。理想的には、私は君と一緒にそのリビングルームで眠ってみたいと思っている。

Dr. Hallard: We've got plenty of time. You have lots of food and water, and - and there's nothing there to interfere with you. Ideally, I'd like to try with you sleeping in the living room.

D-6042: いや! だめだ。俺はここでは眠りたくない。

D-6042: No! No. I don't want to sleep here.

ハラード博士: そこにある絵のせいか? 君がどう感じているかはわかっているが、またそれと一緒に眠りに落ちれば効果が逆転してくれる可能性があるぞ。

Dr. Hallard: Is it the picture? I know how you feel, but it's possible that falling asleep with it again will reverse the effect.

D-6042: <沈黙>

D-6042: <silence>

D-6042: オーケー。やってみる。

D-6042: Okay. I'll try.

D-6042はリビングルームで数時間眠りました。状況の明らかな変化は何も観察されませんでした。

D-6042 slept for several hours in the living room. No change in situation was evident.

翌日、実験チームはこの家の中においてD-6042を導き、この家の外の全ての領域が様々な種類および硬さの土で満たされていることを確認しました。検査のためサンプルが採集されました。

The next day, the experimental team guided D-6042 through the house, confirming that all areas outside of the building were filled with soil of various types and consistencies. Samples were collected for testing.

通信機器群を使用しようとする試みは失敗に終わりました。全ての備え付けの機器は操作可能であったものの、電話は繋がらず、留守番電話が応答するのみでした。デスクトップパソコンはインターネットに接続不可能でした。テレビは視聴可能でしたが、前もって録画された番組群が放送されるのみで、生放送の番組は一切放送されませんでした。

Attempts to use communication devices were unsuccessful. While all equipment was operational, telephone calls were not connected, other than to answering machines. The desktop computer was not able to be connected to the internet. The television could be viewed, but only pre-recorded programs were broadcast, with no live content.

これらの実験の後、D-6042は地下室にあった1本の園芸用シャベルを用いてこの家から上向きにトンネルを掘る試みを行うことが決定されました。D-6042はこの日の残りの時間をこの家の中から生活必需品(食料と電池式照明器具含む)を収集することに費やしました。監視チームは空気を循環させるための間に合わせの換気システムを築く方法に関する指示を与えました。

Following these tests, it was determined that D-6042 would attempt to tunnel upwards from the house using a garden shovel from the basement. D-6042 spent the remainder of the day collecting supplies from within the house, including food and battery-powered lighting. The monitoring team provided instruction on setting up a makeshift ventilation system to provide air circulation.

翌朝、D-6042は掘削を開始するため屋根裏部屋の窓へと戻りました。

On the next morning, D-6042 returned to a window in the attic to commence digging.

<経過時間: 41:12:54>

ハラード博士: オーケー、換気扇のスイッチを入れながら通過していってくれ。よし。それからその一番上から穴を掘り始めるんだ。ちょうどその窓の上端の下の所から。

Dr. Hallard: Okay, switch the fans on as you go past. Good. Then start the hole at the top. Just below the top of the window.

D-6042: <唸り声>

D-6042: <grunting>

ハラード博士: グレート。その土は階段の下へ投げ返してしまった方がいいな。ではただひたすらそのように掘り続けてくれ。君が何か話をしたくなった場合は我々に声をかけてくれ。

Dr. Hallard: Great. May as well just throw it back down the stairs. And then just keep going like that. We'll be here if you want to talk.

D-6042: <喘ぎながら> えーっ、こんなのいつまで経っても終わらないぞ。この一番上から始めなくちゃいけないのか?

D-6042: <panting> Jeez, this is going to take forever. Do I have to start from the top?

ハラード博士: やりづらい角度なのはわかっているが、一度そこからトンネルを掘り始めてしまえば後で楽になる。この方法でやることは君がその穴のてっぺんをアーチ型に保つことを可能にする、それがより安定するであろう形なんだ。そしてそれは君が常に上向きに進んでいるかどうかを確かめることを助ける、君が一度進み始めれば我々がそのために水準器を使うことはできるがね。

Dr. Hallard: I know the angle is awkward, but it will get easier once you've started the tunnel. Doing it this way means you can keep that arch-shape at the top, which will be more stable. And it will help make sure you're always heading upwards, although we can use the spirit level for that once you've gotten going.

D-6042: わかった、ジェイムス――あんたの言う方法が一番いいんだな。

D-6042: Okay, James - you know best.

D-6042はこの日の日中ゆっくりとしかし着実にトンネルを掘り進めました。この間におけるD-6042の態度は怒って閉じこもることと会話への強い欲求を示すことを繰り返しました。この日の夜就寝の準備をしていた時、D-6042は数時間にわたってテレビを観ていました。掘削は2日目に再開されました。

D-6042 made slow but steady progress on the tunnel during the day. D-6042's attitude during this period fluctuated between anger, withdrawal and a strong desire for conversation. When preparing to sleep that night, D-6042 watched television for several hours. Digging resumed on the second day.

<経過時間: 69:44:18>

D-6042はトンネルの終端におり、重粘土をシャベルで掘って1台のトボガンぞり(その重粘土を屋根裏部屋まで運ぶために用いられている)の上に載せている。次の一突きをした際、そのシャベルの刃が鋭い音を立てる。

D-6042 is at the end of the tunnel, shovelling heavy clay onto a toboggan used to transport it back to the attic. On the next strike, the shovel blade makes a sharp noise.

D-6042: 何かに当たったぞ! ジェイムス!

D-6042: I hit something! James!

ハラード博士: 私はここだ。何の用だい?

Dr. Hallard: I'm here. What is it?

D-6042: 何かに当たった。ここに何か硬いものがある。

D-6042: I hit something. There's something hard here.

D-6042は身を乗り出してトンネルの掘削面を両手で引っ張る。粘土の塊群が落ち、1つの白い形を明らかにする。

D-6042 leans forward and pulls at the tunnel face with both hands. Lumps of clay fall, revealing a white shape.

D-6042: これが見えるかジェイムス?

D-6042: Can you see this James?

ハラード博士: ああ、見ているよ。

Dr. Hallard: Yes, we see it.

さらなる掘削によりその形が1本の長い骨であることが明らかになる。D-6042はそれをもぎ取る。

Further digging reveals the shape as a long bone. D-6042 pulls away.

D-6042: クソッ、こいつは骨だ。クソッ。

D-6042: Shit, that's a bone. Shit.

ハラード博士: 大丈夫さ。地中に骨があるのは予想できたことだろう。

Dr. Hallard: That's okay. You'd expect bones underground, wouldn't you.

D-6042: 違う。違う違う違う。それは正しくない。正しくないよジェイムス、なんでかわかるか? 俺は今までずっと掘って掘りまくってきた、でもここには何もいない。ミミズも、虫も、地中で生きるものは何もだ。モグラも、何も。じゃあここにそいつらがいないんなら、なんで骨はあるんだよ?

D-6042: No. No no no. That's not right. It's not right James, do you know why? I've been digging and digging, but there's nothing here. No worms, no bugs, nothing that lives underground. No moles, nothing. So if they aren't here, why is there a bone?

ハラード博士: それをもっと詳しく見よう、いいな――それについて我々が学べることが何であるかを調べるんだ。

Dr. Hallard: Let's take a closer look at it, okay - see what we can learn about it.

D-6042: <深呼吸> わかった。そうする。

D-6042: <breathing deeply> Right. All right.

D-6042は骨の周りから土をこそぎ、骨の下の方へ下げる。1つの大きな粘土の塊が一番下から取れ、1人の人間の片足の骨を明らかにする。

D-6042 pulls away dirt from around the bone, moving down its length. A large chunk of clay comes loose at the base, revealing the bones of a human foot.

D-6042: うわマジかよ! 俺は教えたぞ。クソッ。

D-6042: Oh fuck! I told you. Fuck.

D-6042は急いで這ってトンネルから出て家の中へ入る。状況について話し合おうという監視チームの試みは無視され、そしてヘッドセットはしばらくの間放棄される。約2時間後、D-6042はシャベルを携えてヘッドセットのそばを通り過ぎトンネルの中へ入っていくのが観察される。さらに45分後、D-6042は屋根裏部屋へ戻ってヘッドセットを再び装着する。

D-6042 scrambles back out of the tunnel and into the house. The monitoring team's attempts to discuss the situation are ignored, and the headset is abandoned for some time. After approximately two hours, D-6042 is observed walking past the headset and into the tunnel, carrying the shovel. Forty-five minutes later, D-6042 returns to the attic and reattaches the headset.

D-6042: 俺は教えたぞ。あんたらそこにいるか?

D-6042: I told you. Are you there?

ハラード博士: ああ、いるよ。君は我々に何を教えたんだ?

Dr. Hallard: Yes, we're here. What did you tell us?

D-6042: これから見せてやる。この場所は――これから見せてやる。

D-6042: I'll show you. This place is - I'll show you.

D-6042は再びトンネルへ入っていく。その全長の半分ほどを進んだところで、トンネルの側壁に最近掘削が行われ、1つの奥行きのない分岐がメインのトンネルに対してある角度をなして形成されたことの痕跡が示される。そこにある土の膝の高さの所からは2本の骨が突き出している。それらは人間の橈骨と尺骨と似ているように見える。

D-6042 returns to the tunnel. Halfway along its length, the side of the tunnel shows signs of recent digging, forming a shallow branch at an angle to the main tunnel. Two bones protrude from the earth at knee height. They appear similar to human radius and ulna.

D-6042: 見たか? これを見たか?

D-6042: See? Do you see that?

D-6042はシャベルを用いてそのほぐれた土をトンネルの床へと移す。一連のより小さな骨が観察され、人間の手根骨、中手骨、そして指骨群であると推定される。

D-6042 uses the shovel to move the loose dirt on the tunnel floor. A series of smaller bones are observed, presumed to be human carpal, metacarpal and phalanges.

D-6042: 一体何が起こってやがるのか教えてくれないか?

D-6042: Tell me what the fuck is going on?

ハラード博士: できない。すまない、私にはこれが何なのかわからない。我々は我々のベストを尽くしている。

Dr. Hallard: I can't. I'm sorry, I don't know what this is. We're doing our best.

D-6042: あんたらのベスト?

D-6042: Your best?

D-6042はシャベルを強い勢いで振り回してトンネルの掘削面の肩の高さの所にぶつけ、一定しない動きでそこを掘る。1つの鋭い引っ掻き音が聞かれる。D-6042は再び振り回し、そして1つの大きな土の塊が落ちる。それはトンネルの床にぶつかると同時に、砕け、2つ目の人間の手(部分的に腐敗している)を明らかにする。1つの空嘔吐の音が聞かれ、そしてD-6042はトンネルから撤退する。苦しい呼吸の音が数分間にわたって聞かれる。

D-6042 swings the shovel hard into the tunnel face at shoulder height, digging erratically. A sharp scraping sound is heard. D-6042 swings again, and a large clump of earth falls. As it hits the tunnel floor, it breaks open, revealing a second human hand, partially decomposed. There is a sound of dry retching, and D-6042 retreats from the tunnel. Laboured breathing is heard for several minutes.

ハラード博士: D-6042? おーい? 大丈夫か?

Dr. Hallard: D-6042? Buddy? Are you okay?

D-6042: <小声で> お願いだ。あんたらはもっと多くのことをする必要がある。俺にはできないんだ。

D-6042: <softly> Please. You need to do more. I can't.

ハラード博士: 今それをやっているところだ。我々には君のGPS信号が見えている――君がトンネルの中にいる時、その反対側で、庭から来ているんだ。我々はチームを呼んでいる――彼らは君の方へ向かって掘り下げ始めてくれることになっている。我々は君を助け出す。

Dr. Hallard: We're doing it. We can see your GPS signal - when you're in the tunnel, at the other end, it's coming from in the garden. We have a team coming - they're going to start digging down towards you. We'll get you out.

D-6042: お願いだ。あんたらはやらなきゃならない。

D-6042: Please. You have to.

ハラード博士: やるさ。だが君には我々の方へ向かって掘り進め続けてもらう必要がある。我々はカメラを介して君の見ているものを見るし、我々は自分たちが君を発見することにどこまで近付いているかを調べるためにそれを使う。

Dr. Hallard: We will. But we need you to keep digging up towards us. We'll see on the camera what you're seeing, and we can use that to see how close we are to finding you.

D-6042: だめだ。もうこれ以上は。今日はだめだ。

D-6042: No. No more. Not today.

ハラード博士: オーケー、大丈夫だ。明日になったらまた始めよう。

Dr. Hallard: Okay, that's okay. We'll start again tomorrow.

D-6042はこの日の残りの時間を食事をとることとテレビの近くに座ることに費やしました。翌日の早朝、D-6042がトンネルの入口によじ登るのと同時に、この家の中の照明群が停電しました。

D-6042 spent the rest of the day eating and sitting near the television. Early on the following morning, as D-6042 was climbing to the tunnel entrance, the lights in the house lost power.

<経過時間: 88:20:44>

D-6042: 何てこった! クソッ! あんた今も俺の声が聞こえるか?

D-6042: Jesus! Shit! Can you still hear me?

ハラード博士: 私は今もここにいるよ。

Dr. Hallard: I'm still here.

D-6042: どうなってるんだ? 何が起きたんだ?

D-6042: What's going on? What happened?

ハラード博士: 我々にはまだわからない、だが我々はリビングルームまで行くことができるし――

Dr. Hallard: We don't know yet, but we can go down to the living room and -

D-6042: いや! 俺はあそこへは行かない。ここから出るんだ!

D-6042: No! I'm not going down there. I'm getting out!

ハラード博士: オーケー、わかるよ。でもランプが見つかるかどうかは調べてくれ、少なくとも。

Dr. Hallard: Okay, I hear you. See if you can find the lamp, at least.

D-6042はよじ登ってトンネルへ入り、急いで掘削する。D-6042はほとんど声を発さず、一気に掘り進めてはトンネルの床の上で休憩する。何度か、その掘削は骨や腐敗しかけた人間の死骸を掻き乱す。これらはD-6042により、ほぐれた土に覆われるか完全に無視される。監視チームはこの時までに掘り起こされた死骸の総計が少なくとも12人分に上ると見積もる。数時間後、シャベルの刃がトンネルの床で硬い何かにぶつかる。

D-6042 climbs up and enters the tunnel, digging rapidly. D-6042 speaks rarely, working in short bursts and resting on the tunnel floor. On several occasions, the tunneling disturbs bones or decomposing human remains. These are either covered in loose dirt by D-6042 or ignored entirely. The monitoring team estimates that the total remains uncovered to date comprise at least twelve individuals. After several hours, the shovel blade strikes something hard at the tunnel base.

D-6042: <唸るような声で> あー。欠片だ……

D-6042: <grunting> Uh. Piece of…

ハラード博士: D-6042、我々は本当にこれが何であるのかを調べる必要がある。お願いだ。

Dr. Hallard: D-6042, we really need to see what this is. Please.

D-6042: なんで? はあ、なんで?

D-6042: Why? Huh, why?

ハラード博士: 我々が君の脱出を助けるために使うことができるものかもしれないからだ。

Dr. Hallard: It might be something we can use to help you get out.

D-6042: わかった。

D-6042: Right.

D-6042はトンネルの床をより深く掘り下げ、1人の腐敗しかけた人間の胴部(数本の剥き出しになった肋骨を備えている)を露わにする。D-6042がさらに掘り下げると、それに頭部(いくらかの肉と髪が残存している)が付属していることが明らかになる。

D-6042 digs deeper into the floor of the tunnel, exposing a decomposing human torso with several exposed ribs. Further along is a head, with some flesh and hair remaining.

ハラード博士: よし。もう少し近くへ寄ってくれるか?

Dr. Hallard: That's good. Could you go a little closer, please?

D-6042: やれやれ、臭いのに。こんなのがどうやって助けになるっていうんだ?

D-6042: God, it smells. How will this help?

ハラード博士: ひょっとしたら我々は彼らがどのようにして埋められたかを解明することができるかもしれない。それは君が地上にどこまで近付いているかを我々に教えてくれる。その頭を拾い上げることはできるか?

Dr. Hallard: Perhaps we can work out how they were buried. It could tell us how close you are to the surface. Can you pick up the head please?

D-6042: 触りたくねえよ。

D-6042: I don't want to touch it.

ハラード博士: お願いだ、それは君を傷付けたりはしない。私は本当に君にこれをやってもらう必要があるんだ。

Dr. Hallard: Come on, it won't hurt you. I really need you to do this.

D-6042: あんたは俺にこれをやってもらう必要がある? あんたは俺が必要? ふざけんなよ、ジェイムス。ふざけんな! 俺はあんたに俺を! 助け出してもらう! 必要がある!

D-6042: You need me to do this? You need me? Fuck you, James. Fuck you! I need you to get! Me! Out!

D-6042は死体をシャベルの平らな部分で繰り返し叩き、その骨を粉砕する。

D-6042 hits the corpse repeatedly with the flat of the shovel, smashing the bones.

D-6042: <叫んで> それでいいのか? それが役に立つのか? ふざけんな!

D-6042: <shouting> Is that okay? Is that helpful? Fuck you!

D-6042は一定しない動きで掘削を再開する。もはやそれを中断してほぐれた土をトンネルから運び出すことはない。D-6042の掘削への意欲は高まっている。1本の腕が露わになってトンネルの天井からぶら下がった時、D-6042はそれをシャベルを用いて落ちるまで切りつけ、そしてそれを土に覆われるように置き去りにすると同時に掘削を続ける。

D-6042 resumes digging erratically, no longer stopping to transport loose dirt from the tunnel. The incline of D-6042's tunnelling has increased. When an arm is exposed and hangs from the tunnel ceiling, D-6042 hacks at it with the shovel until it falls, and leaves it behind to be covered in earth as digging continues.

数時間後、シャベルがトンネルの天井の近くで再び硬い何かにぶつかる。D-6042はさらに掘り、1本の長い木の根のように見えるものを露わにする。D-6042は掘削を止めてその根を見上げ続ける。

After several hours, the shovel again strikes something hard near the tunnel roof. D-6042 digs further, exposing what appears to be a long tree root. D-6042 ceases digging and remains looking up at the root.

ハラード博士: おい、それは良い兆しだぞ。

Dr. Hallard: Hey, that's a good sign.

D-6042は返事をしない。

D-6042 does not respond.

ハラード博士: それは君が地上に接近しつつあるということを意味しているはずだ。君がもう少し近くへ寄れば、我々はどこまで接近しているかを解明する試みを行うことができる。

Dr. Hallard: It should mean that you're getting near the surface. If you get a bit closer, we can try to work out how near.

D-6042: <囁き声で> 嫌だ。これは――これは気に入らない。これは正しくない。

D-6042: <whispering> No. It's not - I don't like it. It's not right.

ハラード博士: 何が悪いんだ? 普通に見えるぞ。

Dr. Hallard: What's wrong? It looks normal.

D-6042: <囁き声で> 嫌だ。嫌だ。

D-6042: <whispering> No. No.

ハラード博士は掘削チームと連絡をとる。チームは20mの深さに到達している。その掘削は正常であるように見え、また人間の死骸の痕跡も一切ない。D-6042の幼少時代の住居の近辺には大木は一切ない。

Dr. Hallard makes contact with the digging team. The team has reached a depth of twenty metres. The excavation appears normal, with no signs of human remains. There are no large trees in the vicinity of D-6042's childhood house.

D-6042は食料や水の摂取をすることなくさらに数時間にわたってトンネルの掘削面を掘り続ける。さらに数本の木の根がトンネルの天井において露わになり、そして胴体から切り離された1本の脚(服地の断片に包まれている)も露わになる。D-6042はそれらの木の根との接触を避けながら掘削を続ける。活動の14時間後、監視チームがそれへの干渉を試みる。

D-6042 continues digging at the face of the tunnel for several more hours without food or water. Several further tree roots are exposed in the tunnel ceiling, as well as a disembodied leg, wrapped in scraps of material. D-6042 continues, avoiding contact with the tree roots. After fourteen hours of activity, monitoring staff attempt to intervene.

ハラード博士: なあ? 君が我々を無視しているのは承知しているが、君は中断する必要がある。休憩、それに食事が必要だ。睡眠が必要だ。

Dr. Hallard: Hey? I know you're ignoring us, but you need to stop. You need rest, and food. You need to sleep.

D-6042: 俺は出て行く必要がある。

D-6042: I need to get out.

ハラード博士: そうだな、だが疲れ果ててしまったら君は掘ることができなくなるぞ。休憩をとればもっと能率的にやれる。

Dr. Hallard: Yes, but you can't dig if you're exhausted. You'll do better if you rest.

D-6042: 休憩したくない。

D-6042: I don't want to.

ハラード博士: それじゃあほんの一休みだ。話をしようじゃないか。

Dr. Hallard: Just a break then. We can talk.

D-6042: わかった。

Okay.

D-6042はトンネルの床に座る。

D-6042 sits on the tunnel floor.

ハラード博士: 一休みして気が楽に感じられるんじゃないか?

Dr. Hallard: Doesn't it feel better to take a break?

D-6042: へとへとだ。

D-6042: I am pretty tired.

ハラード博士: もっともだな。君は今日順調に進んできている、こうしたこと全てにもかかわらず。

Dr. Hallard: Fair enough. You've made good progress today, despite it all.

D-6042: そうだな。

D-6042: Yeah.

ハラード博士: 教えてくれ、最初の食事として食べたいものは何だ、君が帰ったら?

Dr. Hallard: Tell me, what would you like as your first meal, when you get back?

D-6042: わからない。

D-6042: I don't know.

ハラード博士: それじゃあどんな食べ物が好きだ? ピザ? ハンバーガー?

Dr. Hallard: Well what sort of food do you like? Pizza? A burger?

D-6042: ハンバーガーだ。チーズの挟まった。

D-6042: Burger. With cheese.

ハラード博士: そいつは素敵だな。

Dr. Hallard: Nice.

D-6042: マクドナルドのやつをくれないか、いいかな? クォーターパウンダーを?

D-6042: Could I get McDonalds, do you think? A quarter pounder?

ハラード博士: 我々は必ずやそれを用意してあげられるさ。ただ君が食べたいと思うものを教えてくれればいいんだ。

Dr. Hallard: I'm sure we can arrange that. Just tell us what you'd like.

D-6042: 腹が減ってきたな。

D-6042: I'm getting hungry.

D-6042はトンネルの入口へ戻って食料と水を収集し、そして食事をとる。

D-6042 returns to the tunnel entrance to collect food and water, and eats.

ハラード博士: 明日になれば、君はまた作業ができるようになるだろう。

Dr. Hallard: Tomorrow, you'll be ready to go again.

D-6042: うん。

D-6042: Uh-huh.

ハラード博士: 今夜一緒に1階へ下りないか? 君のベッドへ戻らないか?

Dr. Hallard: Shall we head back down tonight? Back to your bed?

D-6042: 嫌だ。

D-6042: No.

ハラード博士: 君ができるならきっとそうした方がいい。空気循環の観点から言って。

Dr. Hallard: It's probably better if you can. From an air circulation perspective.

D-6042: 嫌だ! あそこへは戻らないぞ。

D-6042: No! I'm not going back down there.

ハラード博士: わかった。それじゃあその入口の近くで過ごしてくれ、せめて。

Dr. Hallard: All right. Well stay out here near the entrance, at least.

D-6042は電池式ランプのスイッチを切る。トンネルと屋根裏部屋が暗く静かになる。

D-6042 switches off the battery-powered lamp. The tunnel and the attic are dark and silent.

D-6042: どれくらいの時間が経ったんだ、ジェイムス?

D-6042: How long has it been, James?

ハラード博士: 4日間だ。

Dr. Hallard: Four days.

D-6042: おお。怒鳴ったりして悪かったな。

D-6042: Oh. I'm sorry about yelling.

ハラード博士: もういいさ。そのことについては考えるな。自分が帰ったら何をするかについて考えるんだ。

Dr. Hallard: It's okay. Don't think about that. Think about what you'll do when you're back.

D-6042: むむむ。ジェイムス、俺は今まであの木のことを考えてたんだ。

D-6042: Mmm. James, I've been thinking about the tree.

ハラード博士: どの木だ?

Dr. Hallard: Which tree?

D-6042: あの絵の中のやつさ。俺はあれについて沢山考えてた。あんたには教えなかったな。ごめん。

D-6042: The one in the picture. I've been thinking about it a lot. I didn't tell you. I'm sorry.

ハラード博士: いいさ。

Dr. Hallard: That's okay.

D-6042: <小声で> ずっと、掘ってる間中。あの絵と、あのノイズと、あの木のことを考えてた。あの木は俺のことを憎んでると思う。俺を憎んでるんだ。

D-6042: <softly> All the time, while I'm digging. I think about the picture, and the noise, and the tree. I think the tree hates me. It hates me.

ハラード博士: 大丈夫だ。君は大丈夫だ。心配するな。我々がついている。

Dr. Hallard: It's all right. You're all right. Don't worry. We're here.

D-6042: ごめん。

D-6042: I'm sorry.

ハラード博士: もしかして君に今聞こえてるその音は我々のチームのものじゃないか? 上から掘ってる音じゃないか? その音は良い兆しかもしれないぞ。

Dr. Hallard: Maybe it's our team you can hear? Digging from above? That could be a good sign.

D-6042: そうかもな。

D-6042: Maybe.

D-6042は2、3時間眠り、その後目覚めるとともに歩き出す。

D-6042 falls asleep for a few hours, before waking with a start.

D-6042: 何? そこにいるのは誰だ?

D-6042: What? Who's there?

ハラード博士: 私だ――ハラード博士だ。

Dr. Hallard: I'm here - Dr. Hallard.

D-6042: おお、やあジェイムス。

D-6042: Oh, hi James.

ハラード博士: まだ早い時間だぞ、戻ってもう一度眠ったらどうだ。

Dr. Hallard: It's still early, you could go back to sleep.

D-6042: いや。俺は出て行くんだ。

D-6042: No. I'm getting out.

D-6042はランプを点け、シャベルを手に取って掘削を再開する。人間の死骸が高い頻度で掘り起こされる。

D-6042 turns on the lantern, takes the shovel and resumes digging. Human remains are uncovered frequently.

<経過時間: 109:12:16>

D-6042: やれやれ、臭いな。なんでこんなに沢山死体があるんだよ?

D-6042: God, it smells. Why are there so many bodies?

ハラード博士: わからない。ひょっとしたら君は今墓地の下にいるのかもしれないぞ? それはきっと良い兆しだ――きっと地上が近いんだ。

Dr. Hallard: I don't know. Perhaps you're below a graveyard? That would be a good sign - the surface would be close.

D-6042: <笑い声> 良い兆し? 墓地の下? <笑い声>

D-6042: <laughing> A good sign? Below a graveyard? <laughing>

ハラード博士: 元気を出せ、相棒。

Dr. Hallard: Come on, buddy.

D-6042: <笑い声> 元気を出せ相棒buddy、元気を出せ、死体どもbodies。皆で一緒に掘ろうぜ。掘れ、掘れ、掘れ。おお見ろ、ブーツの片方だ。誰かブーツの片方は要るか? 上等なやつに見えるな。俺は必ずやこの足を取っ払えるぜ。おい、ジェイムス、ブーツの片方は要るか?

D-6042: <laughing> Come on buddy. Come on, bodies. Let's all dig together. Dig, dig, dig. Oh look, a boot. Anyone need a boot? Looks like a good one. I'm sure I can get the foot out. Hey, James, you need a boot?

D-6042は掘削を続け、そして死体の部位群を掘り出すと同時にそれらをトンネルの床に積もらせていく。

D-6042 continues to dig, depositing body parts on the tunnel floor as they are dug up.

D-6042: もう一本の腕だ! これまでに何本出てきたかな? これからさらに何本出てくるかな? 何本――

D-6042: Another arm! How many is that so far? How many more to come? How many -

突然1つの大きく鈍い音が聞かれ、そしてランプの灯りが消え、照明がD-6042のヘッドライトのみとなる。

There is a sudden heavy noise, and the lantern is extinguished, leaving only D-6042's headlamp.

D-6042: そんな!

D-6042: No!

ハラード博士: 何が起こっている? 話してくれ。

Dr. Hallard: What's going on? Talk to me.

D-6042: クソッ、崩れたんだ。崩れたんだジェイムス。

D-6042: Shit, it fell. It fell James.

カメラが急速に動き、そしてD-6042の背後にあったトンネルが崩落して土で満たされたことを見せる。ランプは埋まっており、そしてトンネルは塞がれている。

The headlamp moves rapidly, but reveals that the tunnel behind D-6042 has collapsed and filled with earth. The lantern has been buried, and the tunnel blocked.

D-6042: 畜生。畜生畜生畜生畜生――

D-6042: Fuck. Fuck fuck fuck fuck -

ハラード博士: 落ち着きを保て。君はこれをやれる。君はただ崩落した部分を掘り直さなければならないだけだ、そうすれば家へ戻ることができ――

Dr. Hallard: Stay calm. You can do this. You just have to dig your way back through the collapsed section, so you can get through to -

D-6042: だめだ! 戻ることなんてできない。

D-6042: No! I can't go back.

ハラード博士: やらなければならないんだ、相棒。君は掘って家へ戻る必要がある。君の今いるその場所には十分な空気がない。

Dr. Hallard: You have to, buddy. You need to dig back to the house. There's not enough air where you are.

D-6042: <啜り泣きながら> 助けてくれ。

D-6042: <sobbing> Help me.

ハラード博士: 今そうしようとしている、だが君はこれをやらなければならない、いいな?

Dr. Hallard: I'm trying, but you have to do this, okay?

D-6042はほぐれた土を崩落した部分の最上部からシャベルで掘り始める。上からより多くの土が落ち、それと一緒に1人の人間の片脚(腐敗の初期段階にある)も落ちる。その脚は灰色の古着を穿いている。

D-6042 begins to shovel loose earth from the top of the collapsed section. More earth falls from above, together with a human leg in the early stages of decomposition. The leg is clothed in grey rags.

D-6042: ああ何てことだ。<空嘔吐>

D-6042: Oh god. <retching>

D-6042は崩落した部分を掘り続け、1つの高さの低い穴を形成する。この穴は安定しているように見えるが、土はトンネルの残存している部分の天井から落ち続ける。

D-6042 continues digging at the collapsed section, forming a low hole. This hole appears stable, but dirt continues to fall from the ceiling of the remaining tunnel.

ハラード博士: 急げ。

Dr. Hallard: Hurry.

もう1つの大きな音がD-6042の背後から聞かれる。カメラが向きを変える。トンネルの天井のより多くの部分が崩落しており、トンネルの残存している部分の長さが2、3mにまで縮小している。

There is another loud noise from behind D-6042. The camera turns. More of the tunnel roof has collapsed, reducing the remaining tunnel to a few metres in length.

ハラード博士: 頑張れ。掘り続けるんだ。

Dr. Hallard: Come on. Keep digging.

カメラが突然上向きになり、そしてD-6042がハッと息を呑む。トンネルの天井が崩落した場所において、一連の薄い木の根が剥き出しになっている。それらより上には、土は一切ない。それらの木の根は上向きに伸びており、ヘッドライトの光の届く限り続くがらんどうの暗黒の中へと入り込んでいる。

The camera turns abruptly upwards, and D-6042 gasps. Where the tunnel roof has fallen in, a series of thin tree roots have been exposed. Above, there is no dirt. The tree roots extend upwards into empty blackness as far as the headlamp's light can reach.

D-6042はシャベルを手から落とす。

D-6042 drops the shovel.

D-6042: <しくしくと泣いている>

D-6042: <whimpering>

ハラード博士: 待て。我々は――

Dr. Hallard: Wait. We need to -

D-6042は最初に崩落した部分に掘った高さの低い穴の中へ急いで這って入り、そして前方へ這って行き、素手で土を掻き分ける。コミュニケーションをとろうという監視チームの試みは無視される。D-6042は土に囲まれた状態でゆっくりと前方を掘り続ける。D-6042のカメラの視野は四方に土があることを見せ、そしてマイクは速い呼吸音を記録する。

D-6042 scrambles into the low hole dug in the first collapsed section, and crawls forward, pulling dirt away manually. Attempts by the monitoring team to communicate are ignored. D-6042 continues digging forward slowly, surrounded by earth. D-6042's camera view shows dirt on all sides, and the microphone records rapid breathing.

ハラード博士: 落ち着きを保つよう努めてくれ。もっとゆっくり呼吸するんだ、いいな。

Dr. Hallard: Try to stay calm. Slower breaths, okay.

D-6042は監視チームからのコミュニケーションを無視しながら前方を掘り続ける。穴は狭く低いままである。D-6042の両手は数箇所から出血しているように見える。約30分後、D-6042の動きがガクンと止まる。

D-6042 continues digging forwards, ignoring communications from the monitoring team. The hole remains narrow and low. D-6042's hands appears to be bleeding in several places. After approximately thirty minutes, D-6042 jerks to a stop.

D-6042: 俺の足だ! 何かが俺の足を掴んだ!

D-6042: My foot! Something's got my foot!

D-6042は後ろを見ようとするが、穴が窮屈すぎるため体の向きを変えることができない。

D-6042 attempts to look back, but the hole is too cramped to turn.

D-6042: 助けてくれ! 捕まった!

D-6042: Help! It's got me!

ハラード博士: 本当か? 単に土に足を取られただけかもしれないぞ。それかさらなる木の根かも?

Dr. Hallard: Are you sure? It could just be the dirt. Or more tree roots?

D-6042: ぎゃあぁぁ!

D-6042: Aaugh!

D-6042は身悶えし、身を捩って上方に顔を向ける。

D-6042 squirms, twisting to face upwards.

D-6042: 見えない。俺の足を掴んでる!

D-6042: I can't see. It's got my foot!

カメラが荒々しく動くが、D-6042の片足にまとわりついているものは何も見られない。D-6042は過度に騒ぎ立てているように見える。

The camera moves wildly, but nothing can be seen on D-6042's foot. D-6042 appears to be hyperventilating.

D-6042: 俺は出て行かなきゃならない!

D-6042: I have to get out!

D-6042は穴の天井を爪で引っ掻き始め、真直ぐ上を掘ろうとする。土がカメラの上に直接落ちる。

D-6042 begins clawing at the roof of the hole, attempting to dig directly upwards. Dirt falls directly onto the camera

ハラード博士: おい、そんなことできないぞ――頼むから私の言うことを聞いてくれ――君は前へ進まなければならない――空気だ――それは――

Dr. Hallard: Hey, you can't - please listen to me - you have to go forward - the air - it won't -

D-6042は何の反応も示さず、上向きに掘ることを続ける。その掘削は上の土の中にあった灰色の布地を露わにする。より多くの土が落ち、そして同時に1人の人間の胴部(灰色のジャンプスーツに覆われている)を明らかにする。

D-6042 makes no response, continuing to dig upwards. The digging exposes grey fabric in the soil above. As more earth falls, it reveals a human torso covered in a grey jumpsuit.

D-6042: そんな!

D-6042: No!

ハラード博士: 何だ?

Dr. Hallard: What is it?

D-6042: 俺だ。これは俺の服だ。あれは俺が前に履いてたブーツだった。こいつらはみんな俺だ。

D-6042: It's me. That's my clothes. That was my boot before. They're all me.

ハラード博士: まるで意味がわからないぞ――

Dr. Hallard: That doesn't make any sense -

D-6042: あぁぁぁぁ!

D-6042: Aaaah!

D-6042はトンネルの天井にあるその衣服を引っ掻く。その胴部が露わになると同時に、そのジャンプスーツの胸にある部分的に覆い隠された番号が見えるようになる。D-6042は穴の両側壁と天井を死に物狂いで引っ掻き続け、その死体の頭部を露わにする。

D-6042 scratches at the clothing on the roof of the tunnel. As the torso is exposed, a partially obscured number is visible on the chest of the jumpsuit. D-6042 continues to claw frantically at the sides and roof of the hole, exposing the head of the corpse.

死体の顔はD-6042のそれと似ているように見える。

The corpse's face appears to resemble that of D-6042.

D-6042: <絶叫>

D-6042: <screaming>

D-6042はその死体の顔から転がって離れようとする。D-6042が動くと同時に、1つの大きな音が聞かれ、そして死体が上から落ち、一緒に大量の土も落ちる。D-6042は倒される。

D-6042 attempts to roll over, away from the dead face. As D-6042 moves, there is a loud noise, and the corpse falls from above, together with a large volume of earth. D-6042 is knocked down.

カメラのピントが再び合った時、死体の頭部がレンズの真正面に映り、それとともにそれより上にある押し固められた土が見えるようになる。死体はD-6042の上に落ちたように見え、トンネルを崩落させD-6042を埋めたように見える。カメラは動かない。

When the camera re-focuses, the head of the corpse is directly in front of the lens, with packed soil visible above it. The corpse appears to have fallen on top of D-6042, collapsing the tunnel and burying D-6042. The camera does not move.

ハラード博士: 聞こえるか?

Dr. Hallard: Can you hear me?

D-6042: <速く浅い呼吸>

D-6042: <rapid, shallow breathing>

ハラード博士: 動けるか?

Dr. Hallard: Can you move?

D-6042: <しくしくと泣いている>

D-6042: <whimpering>

ハラード博士: もういいんだ、相棒。すまない。もういいんだ。

Dr. Hallard: It's okay, buddy. I'm sorry. It's okay.

約30分後、D-6042は高炭酸ガス血症による痙攣の発作と一致する音を立てる。さらに8分後以降、D-6042からは一切の音が聞かれなくなる。

After approximately 30 minutes, D-6042 makes noises consistent with suffering convulsions due to hypercapnia. After a further 8 minutes, no further sounds are audible from D-6042.

掘削チームがさらに2時間にわたって掘削を続け、約50mの深さに到達する。いかなる異常な結果も観察されない。チームは作業を中止する。

The digging team continues excavation for a further two hours, reaching a depth of approximately 50 metres. No unusual results are observed. The team ceases work.

D-6042のカメラとライトがさらに123時間にわたって動作し続けたのちバッテリー切れになる。分析により、映像の最後の5時間において記録された音がくぐもった掘削音(ゆっくりと大きくなっていく)と一致するものであると特定される。

D-6042's camera and light continue operation for another 123 hours before running out of battery. Analysis of the final five hours of film has identified sounds consistent with muffled digging, slowly growing louder.



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