SCP-1936-JP
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SCP_1936_JP.jpg

アイテム番号: SCP-1936-JP

オブジェクトクラス: Safe Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1936-JPは強化ガラスで覆われた広さ9×9mの室内に収容されています。SCP-1936-JPに対する物理的接触は、実験を行う場合を除きいかなる権限の職員であっても許可されていません。SCP-1936-JPに関する実験を行う際には必ずセキュリティクリアランスレベル3以上の職員の許可を得た上、2名以上のDクラス職員を収容室内部に侵入させてください。点検の際は、他の知的生命が侵入しようとしていないことを確認し、Dクラス職員1名で実行してください。

現在SCP-1936-JPの収容室の床には、格子状のマス目が1m間隔で引かれています。これは実験記録6で判明したSCP-1936-JPの特性を用い、実験記録7のため直前の点検時に用意されたものです。

説明: SCP-1936-JPは高さ186.2cmの男性像のような姿をしており、全身が金に似た物質でできています。SCP-1936-JPは自力で移動する際にも自身の形状を変化させることはありません。常に胸の前で手を組み直立した姿勢のまま、地面をスライドするようにして時速23.1kmの等速運動を行います。また、収容室内部に2名以上の職員がいる状態で、いくつか存在する条件を満たした場合にのみその人間に対し攻撃的な行動をとりますが、それ以外の状況下ではSCP-1936-JP自ら動き出したことはありません。

SCP-1936-JPの収容室内には、財団の使用する報告書と酷似したパルプ素材の紙が不定期に発生し、点検の際にSCP-1936-JP-2として収拾されます。SCP-1936-JP-2には「SCP-1936-JPが行動する条件」と「移動距離」の2点が記載されており、そのほとんどは人間が無意識にとってしまう行動・言動が条件として書かれています。条件を満たした人間を別の人間が認知した場合、SCP-1936-JPはその対象に向かって記載された移動距離だけ接近します。

SCP-1936-JPには目・耳・鼻はなく、視覚や嗅覚があることは確認されていません。しかし、上記から分かるように「2つ以上の知的生命の意識」を知覚することで空間を把握しており、暗闇の中でも対象の位置を正確に捉えることができます。

SCP-1936-JPは、自身の体に一部でも触れた生物を即座に体内に吸収します。体積に変化はありません。20██年12月22日の時点において、実験中に1度でも攻撃を受けた職員のすべてが死亡しています。

これらの一連の行動はSCP-1936-JPの捕食行動であるように見えますが、
■食事を用意して部屋に設置しても手をつけない
■3ヵ月放置したあとに実験を行っても問題なく行動する
■SCP-1936-JP-2に書かれた距離を移動し終えると、たとえ目の前に対象がいても行動を終える
等、食物の摂取が必要な生物として見るにはおよそ不可解な規則性を持っています。
 


実験記録1 - 1999/4/2

対象:SCP-1936-JP

実施方法:
SCP-1936-JP収容室内にDクラス職員3名を侵入させ、10分後にSCP-1936-JP-2の発生条件を満たさせる。

結果:
職員達はしばらく収容室内を動き回ったが、その間SCP-1936-JPは微動だにせず。数分後、D-11131に足元に散らばっているSCP-1936-JP-2を1つ選び、読み上げるよう指示。以下内容。

「SCP-1936-JPは髪の毛を触った職員に2m接近します」

偶然前髪を触っていたD-10982に向かって突如SCP-1936-JPが接近。D-10982がSCP-1936-JPを突き飛ばそうと腕を前に伸ばしたところ、そのまま直進してきたSCP-1936-JPに肩から先と頭部の一部を吸収されてしまう。D-11131が即座にD-10982の背中を掴んで引き寄せ、直後に実験は終了。D-10982は[削除済]が露出した状態で治療室に運び込まれるも死亡。
以降、SCP-1936-JPのオブジェクトクラスをEuclidとする。

実験記録6 - 20██/10/16

対象:SCP-1936-JP

実施方法:
これまでの実験や点検により、発生するSCP-1936-JP-2は全23種であり、一度回収され再び収容室内に同種のSCP-1936-JP-2が発生するまでの間はその条件にSCP-1936-JPは反応しないことが分かった。今回は今までに得た情報をあらかじめDクラス職員8名に伝え、様々な道具を収容室内に用意した上で実験を行った。

結果:
開始から30分が経過。すでにSCP-1936-JPの行動条件を知っているDクラス職員たちはそれらを回避しつつ過ごし、SCP-1936-JPも動く気配はない。そこから3分が経過したとき、D-11248がチョークをもって地面に5×5マスの格子模様を描き、「人間チェスをしよう」と提案した。他の7名もそれに賛同し、それぞれがマスの上に立ち、大雑把なルールを決めて遊び始めた。

人間チェスの最中、D-11949とD-12096がこのゲームのルールについて口論を始め、D-11949はD-11248に対し「人間チェスに昇格のルールはないのか」と質問した。視線を落としたD-11248は、自分の足元に発生したSCP-1936-JP-2に気付く。以下内容。

「SCP-1936-JPはルールを確認した職員に4マス接近します」

それはこれまでに判明していた23種のSCP-1936-JP-2には含まれておらず、調査員全員が初めて目にする内容であった。直後、SCP-1936-JPは床のマス目に沿って動き出し、D-11949は右半身を吸収され死亡。その後、既存種といくつかの新種のSCP-1936-JP-2がこれまでより頻繁に発生しはじめ、D-11248以外の7名はパニック状態になり、scp1936に殺害された。

実験記録7 - 20██/10/23

対象:SCP-1936-JP

実施方法:
Dクラス職員を6名使用。実験レポート6を踏まえ、前日に収容室内全域に1m間隔の格子状のマス目を引き、放送にて「最後の1人になるまで生き残れば助かる」ということだけを伝えた。

結果:
開始5分、今回もSCP-1936-JP-2の発生頻度が上がっている。5名の職員は足元に落ちているSCP-1936-JP-2をいくらか視線を送った後、お互いの出方を伺う。D-11248は収容室内を歩き回り、SCP-1936-JP-2を拾い集めていた。
10分が経過した頃、D-11724がD-12016を一方的に殴り始めた。D-12016が「やめてくれ、まだ死にたくない」と発言したとき、D-11248は所持しているSCP-1936-JP-2から1枚を取り出し読み上げた。以下内容。

「SCP-1936-JPは命乞いをした職員に5マス接近します」

SCP-1936-JPはマス目に沿って動き、D-12016とその間に立っていたD-11724の全身を吸収した。状況を把握した他の職員たちも、SCP-1936-JP-2を拾い集めお互いをSCP-1936-JPに攻撃させ始めたものの、生き残ったのはやはり最初から情報を多く持っていたD-11248であった。

分析:
このゲームでは情報による優劣があまりにも大きいと判断し、D-11248をEクラス職員として再雇用した後、一度実験に参加した職員は二度の参加権は持ち得ないものとすることを決定した。

事件記録SCP-1936-JP

説明:
SCP-1936-JPは、■■県■■■■市の劇場にて男女7名を殺害、その後財団にて収容されました。
この事件は当時報道機関による報道がなされており、以下はその一部の記事の引用です。

■■■■新聞社 ■■■■年■月■日の記事より引用。
■■■■年■月■日、■■県■■■■市の劇場にて男女7名が遺体で発見される事件が発生しました。
現場に居合わせた男性からの通報により事件が発覚し、■■県警では通報者からの事情聴取を行うとともに現場検証を行い、容疑者の特定を急いでいるとのことです。
また、通報者の男性は事情聴取に対し、「像が動いた」「像がやった」と意味不明な供述を繰り返しており、錯乱状態である可能性が高いと判断され、現在治療を受けているとのことです。

補遺:
上記の報道を受けて、財団は通報者の男性である■■■■氏と接触。
以下は、自白剤、及び鎮静剤を投与した■■■■氏へ行った、聴取の内容を要約したものです。

■■■■氏は■■県■■■■市の小さな劇団に所属していました。
事件発生当日、■■■■容疑者は他7名の劇団員とともに事件現場の劇場にて、月末の公演に向けてリハーサルを行っていました。演劇の内容は、災いをもたらす神を鎮めるため、生贄とされる女性と恋人である主人公の逃避行を演じた創作劇でした。SCP-1936-JPは、この演劇中に登場する神を表現するための小道具として使用されていました。尚、SCP-1936-JPは、■■■■容疑者が劇団に所属した頃にはすでに劇場に存在しており、小道具として使用されるのはこのときが初めてであったとのことです。
事件はリハーサルの中頃、劇団員の休憩中に起こりました。
SCP-1936-JPの周りに台本のページが散乱していることを発見した劇団員は、それを拾い上げ冗談を言うように声高らかに読み上げました。
「水を飲んだ人に5mほど近づいてみせるのさ!」
この直後、SCP-1936-JPは特異な行動を見せます。ちょうど隣に座り込んで水を飲んでいた他の劇団員へ急接近し、その体を自らの体内へ取り込みました。ほんの少しの間をおいて劇場内はパニックに陥りました。その際、携帯は繋がらなくなり、ドアや窓も開かなくなっていたとのことです。団員たちは、数時間ほど混乱と沈黙を繰り返した後、像を自身から遠ざけるために台本を読み上げた者を皮切りに仲間割れを始め、そして死んでいきました。最後に■■■■氏だけが残された時、SMSの通知がスマートフォンを震わせ電波が復活していることに気づき、警察へ通報したとのことです。

■■■■氏の供述から、演劇で使用された黄金像は財団で管理すべきと判断し、直ちに職員現場へ派遣して確保に成功。SCP-1936-JPとして財団内に収容されています。
また、■■■■氏は治療を行っていた病院に戻す前にクラスC記憶処理を施しているため、財団職員を除いてSCP-1936-JPの存在を知るものはいません。