Waverのマイルーム
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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは卯生駅から移動させる事が不可能であるため、卯生駅の周辺に遠隔カメラとフェンスを設置して一般人の侵入を防いでいます。卯生駅へ侵入するにはレベル3以上の職員の許可が必要です。

説明: SCP-XXX-JPは兵庫県卯生うりゅう市、卯生駅のホームに設置された傘立て内に存在するビニール傘です。材質的な異常は確認されず、組成は一般的に流通しているビニール傘と同一のものです。著しい経年劣化の痕跡が認められますが、雨傘としての機能は損なわれていません。持ち手部分には黒い油性インクで"██ █"と記入されており、これは以前SCP-XXX-JPを保有していた人物の氏名であると考えられています。卯生市内にこの氏名を有する個人は発見されませんでした。

SCP-XXX-JPの傘布の全面には常に水滴が付着しており、時折地面に垂れていますが、不明な理由により水滴が無くなる事はありません。検査の結果、この水滴は非異常性の雨水である事が確認されました。

SCP-XXX-JPを数秒∼数分間人間が保持し続けるか、またはオブジェクトが卯生駅構内に存在しない状態が数十分間続いた場合、SCP-XXX-JPは周辺の"雨傘が放置されていても違和感の無い場所"に閉じられた状態で転移します。1この際オブジェクトが転移する距離は不定で、最長で█.█km離れた場所に転移した事例が確認されており、転移可能な距離の限界は不明です。

いずれの場合も転移が発生するまでの時間は不定ですが、前者の場合はSCP-XXX-JPを握った人間が以下の条件のいずれかを満たした際には短くなる傾向にある事が過去の事例から判明しています。

  • 保持者が女性である
  • 保持者が児童、または高齢者である2
  • 不必要に強く握る、石突を地面に突く、振り回すなどSCP-XXX-JPを粗雑に扱う
  • SCP-XXX-JPに損傷を負わせる、またはSCP-XXX-JPを用いて他の物体や生物に損傷を負わせる

複数の条件が満たされた場合、転移までの時間はより短くなります。転移から数時間、SCP-XXX-JPの傘布に付着する水滴の量が増加している事が確認されます。

卯生駅の傘立て内部に存在する場合、SCP-XXX-JPは不定期に卯生駅構内に存在する人間の何も保持していない手中に転移します。対象となる人間には少なくとも片方の手に何も保持していないという点を除き、共通点は認められません。対象となった人間は自然にSCP-XXX-JPを保持している状態となりますが、他人から指摘されるか自身の手に注意を払うまでこの事に気付く事はありません。結果として対象者は長時間SCP-XXX-JPを保持し続けるため、前述の異常性が発現する可能性が高まります。
対象者が卯生駅に留まっていた場合、転移先は確実にSCP-XXX-JPが元から存在していた傘立て内部です。しかし対象者がオブジェクトを保持したまま電車に乗車した場合、SCP-XXX-JPの最初の転移が発生する以前に卯生駅から遠ざかるため複数回の転移を繰り返す事となり、結果として追跡が極めて困難となります。

財団が初めてSCP-XXX-JPの存在を把握したのは19██年です。周辺地域にて当時流布されていた"卯生駅にいるといつの間にか持っている傘"の噂が財団の興味を引き、調査の結果発見されました。当初は詳細な異常性が判明していなかったため付近のサイトに移送される予定でしたが、移送中に転移し車内から消失しました。それが判明した直後からエージェントらによる大規模な捜索が行われましたが発見には至らず、SCP-XXX-JPは約12時間後に再び卯生駅に出現しました。それまでにSCP-XXX-JPは数十度の転移を繰り返し、一時は卯生駅から少なくとも██km離れた地点に移動したと考えられます。転移の瞬間を目撃した人物の一部には記憶処理が施されましたが、範囲が広範かつSCP-XXX-JPの転移先も未確定であるため、目撃者の全員を補足する事は不可能でした。

本報告書の執筆時点で、SCP-XXX-JPは発見時のものも含めて2度の収容違反を発生させています。しかしその両方において、最終的にSCP-XXX-JPは自身の異常性によって卯生駅に転移し、再収容されています。これに関して、SCP-XXX-JPは知性を有しており、卯生駅へ帰還する事を目的として転移を行っているとする仮説も存在しますが、不可解な点が多く断定には至っていません。

補遺1-2015/6/3: 卯生駅の利用者数は減少傾向にあり、SCP-XXX-JPが転移した際もその保持者を容易に判別可能な状態です。そのため特別収容プロトコルの一部が改正され、██████株式会社に潜入していたエージェントは全て解任、卯生駅に配置されるエージェントも減員されました。

補遺2-2018/5/22: 卯生駅は利用者数の減少に伴い営業を廃止しました。これによって卯生駅に財団職員以外の人間が侵入する事は無くなったため、SCP-XXX-JPのオブジェクトクラスはSafeに再分類されました。

補遺3-2018/7/19: 約2ヶ月間SCP-XXX-JPの転移は発生していないにも関わらず、傘布に付着する水滴の量の増加が確認されました。24時間の経過観察が行われましたが、水滴の量が通常に戻る事はありませんでした。この水滴が周囲に何らかの影響を及ぼす事は無いと判断されたため、以降SCP-XXX-JPに特別な措置は取られていません。