wave_crestの砂場
評価: 0+x

「産土の土産」

IMG_3666.JPG

非活性状態のSCP-xxx-JP

アイテム番号: SCP-xxx-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-xxx-JPは現在サイト-83の低脅威度物品倉庫にて保管されています。調理に使用する際は███博士およびセキュリティクリアランスレベル3以上の職員へ利用者の居住歴、使用する米の産地を明記した使用願いと最近6か月以内に行った精神鑑定書を併せて提出し、許可を得てください。使用後は、得られた結果をなるべく詳細に記載したレポートを提出してください。また、SCP-xxx-JPは市販の食器用洗剤と食器用スポンジを用いて洗浄、流水にてよく洗い流し、清潔な布で水分を十分にふき取ってから返却してください。
Dクラス職員を被験者とした実験を除いてSCP-xxx-JPの使用を禁止しました。いかなる目的であっても、Cクラス以上の財団職員がSCP-xxx-JP-1を摂食することは禁止されています。

説明: SCP-xxx-JPは20██年█月██日に東京都███区にて開催された骨董市にて、███博士が私用に購入した檜の木材と銅製の「たが」からなる飯櫃です。購入の翌日、購入者本人が朝食用に投入した白米が鯖の押寿司に変化していたことからその特異性が発覚、収容に至りました。購入元の骨董屋への調査の結果、█か月前に初老の男性によって持ち込まれたものであることが判明しましたが、それ以上の追跡は失敗に終わりました。

SCP-xxx-JPの特異性は内部に炊飯器や釜、土鍋など、一般的に用いられる方法で炊いた米を100~200g(およそ1膳分)投入したのち蓋を閉じ、再び開いた場合に発現します。投入された米は、その産地周辺の名物、郷土料理と一般的に称される米料理へと「調理」されます。SCP-xxx-JPの特異性は、投入される米の品種群や精米の有無に関係なく日本国内において収穫された米に対して発揮されます。外国産の米を投入した場合、[削除済み]。国外において収穫された米を用いてのSCP-xxx-JPの実験はいかなる場合においても禁止されています。
重量調査において、蓋を開いた瞬間に、増加した具材に応じた重量が突発的に増加したこと、また、白米の炊きあがってからの経過時間や閉じてから蓋を開くまでの時間に問わず、開いた瞬間に「調理したて」の生成物(以下SCP-xxx-JP-1と表記する)が出現することから、特異性の発現は蓋を開けた瞬間に発生していると考えられます。SCP-xxx-JP-1に含まれる具材は多彩ですが、摂食した者(以下被験者と表記する)は、個人の嗜好性にも左右されますが、基本的に好ましい味であると感想を述べます。

特に、被験者が投入された米の産地の都道府県に1日以上滞在した経験があり、SCP-xxx-JP-1を完食した場合、被験者が産地の都道府県において経験した、最も印象深い経験を明確に回想します。このプロセスにおいて回想される記憶は非常に詳細で、目にした数字の羅列や文章の内容といったような、通常の記憶想起では復元されないような些細な点まで正確に復元されます。復元される記憶に関して、産地県での経験であるという以外の法則性や範囲は見いだせていません。また、記憶処理によって人工的に消去された記憶やSCP-███ 、SCP-███-JPなどによって物理的・ミーム汚染的に忘却された記憶は現在までのDクラス職員を用いた実験(クラスA:███回、クラスB:██ 回、クラスC:█ 回、[削除済]、[削除済])において復元されたケースはありません。しかし、100%問題ないと言い切ることはできず、万が一の可能性があります。よってクラスB以上の記憶処理を行った経歴のある職員、ミーム汚染被害に遭遇した職員に対してのSCP-xxx-JP-1の服用はなるべく控えてください。Dクラス職員を被験者とした実験を除いてSCP-xxx-JPの使用は禁止されています。

SCP-xxx-JPに米以外の固形物・液体(料理・食材・無機物・生物・[削除済み]など)を投入し蓋をすると、「たが」が外れSCP-xxx-JPは解体されます。この特性によりSCP-xxx-JPのビデオ観察による内部観察実験は現段階では全て失敗に終わっています。なお、解体されたSCP-xxx-JPは通常の飯櫃と同様の方法で修繕することができます。また、内部に炊いた米が入り、蓋が閉まった状態のSCP-xxx-JPはいかなる方法においても解体することができず、解体による内部観察実験も失敗に終わっています。内部に米が入っていない状態のSCP-xxx-JPは通常の飯櫃と差異はなく、容易に解体することができ、破壊に関しても同様であると思われます。