もの
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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは鏡面を布で覆った状態で、標準的小型アイテム収容ロッカーに保管します。実験以外の目的で鏡面を直接視認しないでください。鏡面を視認する実験の際は、実験対象者以外は直接鏡面を視認せず、カメラ等の機器を介して視認してください。

説明: SCP-XXX-JPは直系15cmの円状の鏡面と長さ10cmの持ち手からなる手鏡です。

SCP-XXX-JPの鏡面を人間(以下被験者)が視認すると、反射している鏡像は最も近隣にいる対象となる人物の姿を映します。鏡に映る対象の基準は、江戸時代末期の死刑の基準と一致し、強盗、殺人、放火が主に該当します。これはカメラ等を用い直接鏡を視認しなければ発生することはありません。通常の鏡と同様に視認した本人が映し出された場合、以下の事象が発生します。

被験者が鏡を視認後、入眠しレム睡眠に入ると、次のような夢を見ることが確認されています。被験者は死刑囚として捕らえられており、死刑執行の宣告を受けます。その後、被験者は広場にて磔にされ腹の一部を切り裂かれます。民衆が見物に来ていることから見世物にされていると想定されます。武士と想定される格好の人物の合図とともに民衆は被験者に駆け寄ります。被験者は民衆により内臓を抜き取られ死亡します。

次の被験者の覚醒時に被験者の肝臓は消失し、不明な方法で対象の頭部の周辺に複数個の丸薬として再出現します。被験者は肝臓を失ったことにより死亡します。これは夢において内臓を抜き取られる前に強制的に覚醒させることで防ぐことが可能ですが、次回以降の入眠時にも同様の夢を見ることが確認されているためいずれ死に至ります。丸薬には特に異常性は発見されませんでした。

通常の鏡とは異なり本人以外の最も近隣に存在する犯罪者が映し出された場合、以下の事象が発生します。

上記と同じく被験者がレム睡眠に入る際、次のような夢を見ることが確認されています。被験者は7~8歳程度の子供として夢の中で出現します。その後、見世物として死刑囚の肝を抜いてくるよう指示を受けます。被験者はそれに従い、死刑囚の肝臓を抜き取ります。

被験者が覚醒したとき、鏡に映っていた人物の肝臓は消失し、不明な方法で被験者の枕元に丸薬として出現します。鏡に映っていた人物は肝臓を失ったことにより死亡します。

SCP-XXX-JPは██県██市に存在する幽霊屋敷と呼ばれている廃墟物件にて見ると死ぬ鏡があるという噂話から発見に至りました。

以下は収容の際、鏡面を視認したエージェントのインタビュー記録です。

インタビュー記録XXX-JP

インタビュー対象: エージェント██

インタビュアー: ███博士


<記録開始, 20██/██/██>

███博士: インタビューを開始します。早速ですがSCP-XXX-JPを視認したときのことについてお話ください。

エージェント██: 対象の家屋に侵入し、2階へと上がり、噂となっている鏡を視認しないよう注意しながら進んでいきました。一番奥の部屋のドアを開けた瞬間、部屋の中央に鏡台があるのを発見しこれが噂の鏡だと思い鏡面を視認しないよう布を被せました。とりあえずこれで一安心だと思い鏡台を運び出そうとしたところ、鏡台の引き戸が開きつい中を見てしまいました。中には手鏡が入っていて、そこには15~6歳の少年の姿が映っていました。

███博士: 放火で捕まった前歴のある少年ですね。ではその日の夢について教えてください。

エージェント██: はい、私は7~8歳くらいの少年として夢の中に現れました。祖父が病気で倒れ薬を買うお金も材料もなく困っていたところ地主様が庄屋様を連れてきてくれて、明日行われる行事に参加すれば薬を手に入れることができると言われました。私は泣きそうになりながら、何でもしますと答えました。

███博士: この時点で異変には気づきませんでしたか?

エージェント██: まるで現実のようだったので気づきませんでした。その日の夜はまだ子供なのに大したものだと皆に褒められて過ごしました。このときは何をやるのかよくわかっていなかったので素直に喜んでいました。翌日、行事に参加するため広場にいくとすでに行事は始まっているようで人ごみの中から悲鳴と何かを奪い合っている人達が見えました。次はお前の番だよと背中を押され、目をやるとそこには腹の一部を切られた男がいて、そのとき初めて私は何をすべきか理解してしまい…[嘔吐く]

███博士: 落ち着いてください。何を理解したのですか?

エージェント██: 肝を抜くんです…。素手で…。私は祖父を救うため必死でその死刑囚の腹を探りました。その感触は今でも覚えています。やっと肝臓が取れたころその死刑囚はすでに事切れていました。その後、家に帰り庄屋様に手鏡を渡されたところで目が覚めました。

███博士: なるほど。SCP-XXX-JPにその死刑囚の恨みでもこもっているのですかね。

エージェント██: いえ、それは違うと思います。

███博士: どういうことです?

エージェント██: あの夢を見てわかったのですが、きっとあの記憶をあの子は隠したかったんだと思います。人を殺めて手に入れた幸せについて隠したかったんです。こもっているのだとしたらあの子の隠したかった記憶です。

███博士: 当事者の意見は大変参考になります。ありがとうございました。それではインタビューを終了します。

SCP-XXX-JPの鏡面の裏には以下の文言が記されていました。

丸薬生成ノ鏡
     朝右衛門