Uttanの砂場
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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 現在、SCP-XXX-JPの発生を未然に予測、阻止する事の出来る実現可能な手段は存在しておらず、収容プロトコルはSCP-XXX-JPが引き起こしうる民間への影響を最小限に留める事が重視されています。

民間の情報媒体に対して、SCP-XXX-JP事象の内容が都市伝説として広範に流布されました。印刷メディア、放送メディア、インターネット上のコミュニティや電子掲示板はSCP-XXX-JPに関する不審な情報が現れていないかを監視され、SCP-XXX-JPの詳細な内容に言及している投稿を行った人物に対しては聴取、記憶処理を行います。

2007/08/07更新: 2007/08/06以降にSCP-XXX-JPの影響を受けた対象者に、医師面談に偽装したインタビューを半年おきに実施し、更なる異常な影響を受けていないかを確認します。異常が発見された場合、その性質に応じた対応を都度判断する予定です。

説明: SCP-XXX-JPは不定期的に複数のヒトに対して発生する、睡眠時の夢の記憶に影響を及ぼす現象です。SCP-XXX-JPは、世界人口の0.00002%前後を占める無作為な人物に対し同時多発的に発生し、これらの人物は共通した特徴を有する夢を直前の睡眠の際に体験したと主張します。この事象は2002/11/25に初めて観測され、以来現在までに4度の発生が確認されています。

SCP-XXX-JPの影響を受けた人物が報告する夢の内容は「特定の地域に空に浮かぶ巨大な城が現れる様子を、直接または間接的1に目撃した」という共通した特徴を持ちます。これらの夢において城が出現する地域は、同時期に影響を受けた人物の間で同一です。多くの対象者の報告において、夢に現れる城は概して西洋建築に見られる物に近い外観を有しており、雲の上に乗った状態で現れる事が分かっています。これら一連の夢は城を目撃した後の不定期なタイミングで対象者の不意の覚醒により終了します。

SCP-XXX-JPは2002/11/25、国内外の電子掲示板に共通した特徴を持つ内容の夢を見たという書き込みが多数の人物によってなされた事により発見されました。続く2005/03/02に同様の事例が発生し、正式にオブジェクト指定されました。2002年以前にSCP-XXX-JP、または類似した内容の事象が発生したという記録や民間伝承は確認されていません。

過去に発生が確認されているSCP-XXX-JP事象の概略は以下の通りです。

発生日 対象者が報告した城の出現地域
2002/11/25 アメリカ、ニューヨーク上空
2005/03/02 日本、東京上空
2007/08/06 [編集済]、サイト-19直上
2009/02/20 太平洋、ヌクタバケ島付近海上

補遺1: 過去に実施された対象者へのインタビュー記録の抜粋

私はいつも通りに朝の5時に目を覚まして、仕事へ向かう支度をしなければならない所だった。支度はいつもテレビを流しながらやってるんだけど、その時はテレビは緊急放送をやっていて、それでニューヨークにあの城が下りてきた、と。映像は空から映されていて、城はとても大きかった。中世とかにあるようなよくある見た目のお城が雲の上に乗っていて、下の街に大きく丸く陰が落ちていた。とても綺麗だったよ。ニュースでは、城は雲の中から降りてきたとか、警戒を続けてください、みたいな事を繰り返し言っていた。あの時は本当に夢みたいだなと思って - いや、実際にそうだったけど、私の住まいはニューヨークから遠かったし、あまり危機感は感じなかったな。それで、今日は会社を休めないかとか考えながらぼーっとテレビを観ていた所で突然目が覚めたよ。時間は5時に戻っていたし混乱したけど、テレビを点けたらいつも通りになっていて、そこであれは夢だったんだな、と。

- ███████ █████████氏(アメリカ)、2002/11/27

あれは職場に向かう途中の電車の中で起こりました。電車の中がざわつき始めて、皆が窓の方を見ていたんです。私も満員の人混みの隙間から窓の外を見たら、空に浮かぶ城のようなものが見えました。すでに車内は騒がしくて、何を言っていたのかは分かりませんが、皆の声からなんとなく不安を感じ取る事はできました。私はその時、正直少しワクワクしていて、あれは何のためにここに来たんだろうとか、あそこには誰が住んでいるんだろうとか、考え事をしていました。すぐにアナウンスが入って、たしか「ただいま確認されている飛行物体につきましては情報が入り次第お伝えいたします」とか「情報の到着までしばらくお待ちください」という事を言っていました。その時の車掌さんの声は冷静でしたが、それでも何が起こるか分からない不安をそれとなく感じました。そして、アナウンスがどうこう言っているうちに突然目が覚めたんです。観ているテレビの電源を突然切られてしまったかのようでした。突然の目覚めで頭がこんがらがりましたが、いや、また夢でなくて良かった。

- ██ ██氏(日本)、2005/03/04

補遺2: 北郷博士への聴取記録

対象: 北郷博士

インタビュアー: 阿久津博士

付記: 2007/08/06、財団職員である北郷博士が、自身がSCP-XXX-JPの影響を受けたと報告しました。以下は、その直後に行われたインタビューの記録です。

[ログ開始]

阿久津博士: まず、一連の夢において貴方がどのような状況に置かれていたのか説明してください。

北郷博士: うん、あの夢は私が自室で目覚める所から始まった。そこから仕事に向かうまでは全く違和感を感じなかったよ。全部いつも通りだった。

阿久津博士: 起床時から始まるというのは前例の通りですね。件の城を見たのはそれからいつ頃でしょうか。

北郷博士: あれは仕事中 - 確か午前11時頃、私がパソコンに向かっていた時に突然サイト-19の直上に城が下りてきたという通達が入った。パソコンに送られてきた映像を観たら、大きな城が雲に乗っかって浮かんでいた。あれは驚いたが、同時にこれはSCP-XXX-JPの夢だと分かったよ。そのすぐ後に目が覚めてしまったが。

阿久津博士: 本部のセキュリティ施設ですか。夢の中での財団は城をどのように扱っていましたか? 既知のオブジェクトであったか、それとも未確認の現象ですか。

北郷博士: うん、すまない。それは分からなかった。通達が入ってから目覚めるまでがすぐだったもので。ああ、それと、城の映像を観ていて気になった事があった。

阿久津博士: 説明をお願いします。

北郷博士: 私の思い違いかもしれないが…城が少し朽ちていたように見えたんだ。

阿久津博士: 最初期に影響を受けた対象者の一部は、城の外観は綺麗だったと述べていますね。特筆すべき報告です。その他にはありますか?

北郷博士: いかんせん夢だったもので、全部は覚えていない。しばらくすれば思い出せるかもしれない。

阿久津博士: 分かりました。ありがとうございます、ではまたの機会に -

北郷博士: [遮って]ああ待ってくれ、一つ思い出した。

阿久津博士: 大丈夫です。お願いします。

北郷博士: 夢の中で、仕事前に食堂の今日の献立を確認していたんだ。現実の、今日と全く一緒の献立だった。

[ログ終了]

終了報告書: 今回発生したSCP-XXX-JP事象においては、影響を受けた対象者はごく僅かでした。一方で北郷博士を含む国内外の9名の財団職員が影響を受け2、「夢の中で、財団はこの事象をSCP-XXX-JPに関連する事象として対処を行おうとしていた」という報告が複数得られました。また上記インタビューの結果から、SCP-XXX-JPが現実と繋がりを持つ事象である可能性が指摘されています。

付随して「城の状態がやや劣化していた」「城の外装がやや欠けているように見えた」という報告が複数得られています。これは2002/11/25に影響を受けた複数の対象者の「城の外装は綺麗だった」という報告と異なっており、SCP-XXX-JPが潜在的に異常性を変化させた可能性が懸念されています。特別収容プロトコルが改定されました。

補遺3: 2009/02/20に発生した4度目のSCP-XXX-JP事象において、多数の対象者から「城が激しく炎上していた」という報告が得られました。対象者からはその他にいかなる異常も確認されていません。