Usurahiの棺桶

下書き: よって神は存在する

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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP及びSCP-XXX-JP-Aを記録した媒体はサイト-3304の非自律アノマリー収容ユニットに収容されます。SCP-XXX-JPの閲覧には担当者及びサイト管理者による許可が必要です。実験等によりSCP-XXX-JP-Aに暴露する恐れのある人員は対ミーム予防措置を取らなければなりません。

財団管理外におけるSCP-XXX-JP関連事象の発生が確認された場合、直ちに対ミーム予防措置を取った人員によって情報統制が施された後、記憶処理その他必要な手段を用いた除染が行われます。

説明: SCP-XXX-JPは異常性を持つ数学上の命題です。SCP-XXX-JPは後述の対象によってしばしば“神の存在証明”であると主張されています。しかしながら、SCP-XXX-JPの命題そのものに内在する論理的矛盾及び数学的誤りのため、論理的にSCP-XXX-JPの証明ないし反証を行うことは不可能です。

SCP-XXX-JPの異常性は、何らかの宗教またはそれに準ずる教条的信条を持ち、かつ一定以上の数学的能力を有する者(以下対象)によって認知された場合に発現します。対象は、SCP-XXX-JPの内容が前記のようなものであるにも関わらず、不明な論理プロセスによってSCP-XXX-JPの証明を試みることができます。対象がSCP-XXX-JPの証明に成功したとの確証に至った場合、対象はその命題が真であると強く信じ込むようになります。この精神影響は対象の宗教的思想に適合する形で形成されるようです1。対象によって行われたSCP-XXX-JP証明の過程はSCP-XXX-JP-Aに指定されます。

SCP-XXX-JP-Aは異常なミーム的性質を帯び、その大部分または全部を理解した人物は対象と同様の精神影響を被ります。この性質のため、SCP-XXX-JP-Aの正確な内容は明らかになっていません2。この精神影響は記憶処理による関連記憶の抹消により除去することが可能です。

POI-1347.jpg

POI-1347。写真は事案[削除済]の際に境界線イニシアチブから供与されたもの。

SCP-XXX-JPはフランス共和国シェール県ブールジュにおいて、応用奇跡工学者として知られるダニエル・マスカールことPOI-13473の死後、彼の潜伏先と見られる民家において書きかけの論文に聖書的韻文とともに記載された状態で発見されました。当該論文には彼の研究に関連する複数の数学的・哲学的命題が記載されていましたが、SCP-XXX-JPを除いて収容に値する異常性を有するものは確認されていません。以下に関連部部を抜粋します。
 
注記: SCP-XXX-JP並びにSCP-XXX-JP-A部分はセキュリティ及びミーム汚染防止の観点から削除されています。
 
 

(前略)
私は輝かんばかりのアキヴァの高まりの中で、それが主御自身の御言葉であることを知った。そして私は、主が御自らを世界に示されるまでもなく、主の大いなる被造物である世界の法則そのものに主の存在の秘密が隠されていることを知った。すなわち、数そのものに。
 
我々は誰しも、最も偉大なる数が7であることを知っている。なぜならば、世界は7によって成り立っているのであるから。また、我らは3の偉大さを知っている。なぜなら、それは最も安定な数であるから。そしてこれらの和である10は、いみじくも先駆者聖ピタゴラスが述べているように、万物の調和を表している。
 
私はこれら3つの数と、これまでに学んだ主の秘密をもとに、以下の神聖なる命題とその証明を導き出した。
すなわち、
 
[削除済]
 
かくのごとく、まことに主はおられる。
ついにすべての人々が主の御名を讃えるであろう。
かくあれかし。 

財団による調査の結果、SCP-XXX-JP関連事象におけるアキヴァ放射の有意な変動は検出されませんでした。これはSCP-XXX-JPに対する特定の神格の不関与を示唆するものです。

補遺: 2010年3月4日、アリエ県モンリソンにおいてSCP-XXX-JPの収容違反の発生が確認されました。この収容違反の背景には、同地で活動中の“神秘主義終焉のための無神論者協会4”、通称“SAPHIR”の関与があったことが明らかになっています。暴露の条件として長大なSCP-XXX-JP-Aの内容への理解が求められる当該ミームの性質上、収容違反は小規模なものに留まり、最終的には同団体自身の手によって収束したものと見られています。この過程において、不特定の複数の構成員及び2名の民間人がSAPHIRによるミーム汚染除去のために死亡しました。

SAPHIRの団体としての性質上5、今後同団体がSCP-XXX-JPを積極的に利用する可能性は低いと考えられています。ただし、依然としてSAPHIRがSCP-XXX-JPを保有している可能性、また他の個人・団体にもSCP-XXX-JPが流出している可能性は否定できないことから、財団外における関連事象の監視は継続されます。

なお、この事案に際し、財団諜報部は以下の文書の入手に成功しています。

saphir-logo.jpg

神の不在証明の完了報告


BERYL エマニュエル・フェリエによる



何らかの神、あるいは精霊、あるいは他の目に見えない超常的存在への盲目的信頼及び奉仕が全人類の理性と独立にとって無視できぬ脅威であることは、我らが創設以来度重ねて主張してきた事実である。中でもメカニトやフィフシスト、オルトサンに代表される超常宗教は、他のくだらない迷信とは隔絶した脅威であると見做さざるをえない。
 
これは単に彼らが人心を惑わすに当たって超常の手段を用いうるためだけに留まらず、なまじ彼らが超常の知識を有しているがために、その宗教的盲信が極めて強固なものとなっているためでもある。とりもなおさず、彼らは自らが持つ超常の物品や能力が彼らの神に対する存在証明であると考えているのである。
 
この脅迫的観念を打ち砕くには、確たる科学的証拠が必要である――すなわち、反証が。
 
我々はかつて境界線イニシアチブと関わりのある神学者(神学に現を抜かす者を学者と呼ぶのはいささか不本意ではあるが)が神の存在を示す命題の証明を試みているとの情報を入手した。その命題とは以下のものである。
 
[編集済]6
 
私と私のチームは、これまで長年にわたりこの命題の研究を行ってきた。いうまでもなく、その反証(すなわち神の不在証明)を試みるためである。そしてついに、この命題に反証を示すことに成功した。以下に我々の成果を示す。
 
[削除済]7
 
よって神は存在しない。(Q.E.D.)
 
これはイニシアチブが奉ずるアブラハム宗教の主神が陳腐な想像上の産物に過ぎないことを示している。そればかりか、他のすべての神々の不存在を示唆するものでもあるのだ。これは我々の科学と理性の輝かしき勝利と呼んで差し支えあるまい。
 
そして未だ宗教への誤った情熱を捨てぬ者どもに、我らははっきりと告げる。
 
メカーネは錆び付いたガラクタの山だ。5は単なる数である。ラクマウ・ルーサンは貧血症で死にかけの寄生虫に過ぎない。
 
今こそ真実を受け入れるときだ。
 
我らは諸君の誤った信仰を打ち砕くであろう。
 
我らの輝きを恐れよ!

疑わしきは、疑え。When in doubt, doubt.


付記: この事案は、SCP-XXX-JPがSAPHIRの無神論思想をある種の教義であると見做したことを示唆している。尤も、これまで財団において無神論者が対象となったことはなかった点、SAPHIR内部にもSCP-XXX-JPの異常性を認識して対処にあたった者が存在した点に鑑みて、対象となるには単に無宗教・無神論的思想を持つだけでは足りず、ある種の宗教的情熱または教条的と呼ぶに足る体系化、あるいはその両方が求められるのではなかろうか。確認のための実験を提案する。-スティーブン・バレット博士
 
 
 
↑下書きここまで
 
 
 
 
 
 
 
 
 

※この記事は個人的な解釈に基づいて制作されています。霊的実体に関する統一された見解は存在しません。


 
 

用語

霊的実体: 霊的実体とはエクトプラズムによって構成された実体のことを指します8。非学問的にはしばしば幽霊とも呼ばれますが、必ずしも生物の死によって生じるとは限りません。9一般的に非実体性10ですが、中には実体を持つものや、実体と非実体を任意に切り替えることができるものも存在します。非実体性の霊的実体を非異常性の手段で観測することは困難でしょう。

エクトプラズム: 通常の状況下では透明であり、室温で蒸発する半有形的流体です11。ただし財団に収容されている霊的実体を構成しているエクトプラズムは殆どの場合「通常の状況下」にはないため、しばしばこの特性を無視するでしょう。

霊素: 主に81地域ブロックの研究者の間で提唱されている霊的実体の構成要素です。エクトプラズムと同じものを指すかもしれませんし、違うかもしれません。

ポルターガイスト: 実体を持たないエネルギーの古典的な名称であり、しばしば霊的実体によって発生します。このような霊的事象としてのポルターガイストは“タイプ-Ⅰと称され、生物の思念によって発生するタイプ-Ⅱとは区別されます12
 
 

霊的実体の分類

 
クラス: 霊的実体の知性及び作用力13の有無によって割り当てられる分類で、クラスAからクラスDまでが存在します。
クラス 概要 実例
クラスA 知性と作用力の両方を有する霊的実体です。 Solvexの提言SCP-2176
クラスB 知性は有するが作用力は持たない霊的実体です。 SCP-2176
クラスC 作用力は有するが知性は持たない霊的実体です。動物霊の一部などがあてはまるでしょう。 未確認
クラスD 知性と作用力のどちらも持たない霊的実体です。 SCP-457-JP
 
 
レベル: 霊的実体の攻撃性・活発性に照らして割り当てられる分類であり、最も広く用いられています。“クラス”と呼ばれることもありますが、上述のクラスとの混同を避けるため、ここではレベルに統一します。
レベル 概要 実例
レベルⅠ レベルⅠ霊体は何らの活動も見せないか、あるいは極めて受動的かつ限定的な活動のみを行います。彼らが生者に害をもたらすことは殆ど無いでしょう。クラスDの霊体は殆どの場合レベルⅠに分類されると考えられます。 SCP-1452-JP
レベルⅡ レベルⅡ霊体はしばしば能動的な活動を行いますが、傾向としては静的で、敵対的な行動を取ることは稀です。クラスAの霊体は基本的にレベルⅡ以上に分類されることになるでしょう。 SCP-2996SCP-392-JPSCP-1287-JPSCP-1320-JP
レベルⅢ レベルⅢ霊体は活動的かつ能動的ですが、レベルⅣ以上の霊体とは異なり自ら敵対的な行動を取ることは多くありません。とはいえ、人目につきやすいために発見され場合には迅速な対応が必要となるでしょう。 SCP-561-JPSCP-553-JP
レベルⅣ レベルⅣ霊体は活動的で、しばしば攻撃的な反応を見せます。最も、レベルⅤのような無差別的な攻撃性は有していません。 SCP-3560
レベルⅤ レベルⅤ霊体は極めて攻撃的な霊的実体です。生物全般に対する敵愾心を有しており、付近にいる者は誰であれ攻撃を受けることになります。極めて深刻な脅威であるといえるでしょう。 SCP-1337SCP-295-JPSCP-1993-JP
 
 
タイプ: 霊的実体の性質によって割り当てられる分類で、極めて多岐に渡ります。ここに示されているのはその一例に過ぎません。
タイプ 概要 実例
タイプ4G 任意に視覚的および/または肉体的に実体化・非実体化する能力を有する霊的実体を指します。 SCP-2373
タイプ3N 水を媒体とする霊的実体を指します。 SCP-1022-JPSCP-1081-JP
タイプⅥ 電子的なデータを媒体とする霊的実体です。彼らは自身が存在するデータベース上のあらゆる記録にアクセスすることができます。 SCP-2111
タイプⅫ 人工物を起源とする霊的実体を指します。伝統的に付喪神と呼ばれるものだと考えて良いでしょう。 SCP-1334-JP

 
 

霊的プロジェクトに携わる人員

機動部隊ミュー-13 “ゴーストバスターズ”: SCP-460に対処するために結成された霊的または非実体性オブジェクト専門の機動部隊です。彼らは他にSCP-128SCP-1036SCP-3004に関するプロジェクトに携わっています。

機動部隊オメガ-0 “アラ・オルン”: SCP-2111を参照。
 
 

テクノロジー

非物質変異無効装置/non-Physical Displacement Neutralizer: 非物質変異無効装置、略してnPDNの利用は非実体性の霊的実体の収容に際し最も有効な手段の一つです。この装置は従来の対霊兵器とは異なり、霊的実体を破壊するのではなく、強制的に実体化させることで物理的な収容を可能とするために開発されました。nPDNは現在SCP-2996SCP-561-JP、[[[SCP-1081-JP]]に関するプロジクトで用いられており、SCP-926-JPSCP-936-JPSCP-1552-JPSCP-1905-JPの報告書内で言及されています。

改良版カーデック計数機/Improved Kardec Counter: 改良版カーデック計数機は霊的発光14を利用して周囲の霊体を検出する機器です。持ち運びが可能ですが、性質上あまり広範囲の霊体を検出することはできないてしょう。改良版カーデック計数機はSCP-2176及びSCP-849-JPの調査で用いられたことがあります。

ホフマン携帯型電気除霊ユニット/Hoffman Portable Electric-Thaumic Unit: 今はなきプロメテウス研究所の設計図からリバース・エンジニアリングによって獲得された対霊兵器です。名前の通り携帯可能であるという利点があります。ホフマン携帯型電気除霊ユニットは現在SCP-3560への対処に用いられています。

メトカーフ非実体反射力場発生装置: これはいわば科学的に“結界”を発生させるための装置であると言えるでしょう。非実体性の霊的実体の封じ込めには極めて有用であり、多くの心霊学的プロジェクトに利用されています。一例として、SCP-295-JPSCP-1081-JPSCP-1233-JPSCP-1334-JPSCP-1993-JPの収容に用いられています。

ハイズビル幽体固定法: 霊的実体を強制的に非実体化させるための儀式で、先進的な装置を必要としないという特徴があります。ただし、その運用には犠牲を伴うでしょう。ハイズビル幽体固定法はSCP-295-JPの収容に利用されています。

シュタイナー/レヴィ非実体化抑制装置/Steiner-Levi's Ghosting Resistant Device: シュタイナー/レヴィ非実体化抑制装置、略してGRDは、実体/非実体を相互に切り替えることができる(即ちタイプ-GNの)霊的実体が実体化した場合に、再度の非実体化を阻害する装置です。性質上実体化能力を持たない霊的存在に対しては利用できませんが、霊的存在が装置から離れた場合でも継続的に作用する点でnPDNに勝ります。GRDはSCP-936-JP及びSCP-959-JPに関するプロジェクトで利用されており、またSCP-736-JPの報告書内で言及されています。

スラント霊素固着波生成器/SLANT Ecto-Element Fixation Wave Generator: シュタイナー/レヴィ非実体化抑制装置の理論をベースに開発された装置で、実体化した霊体の霊素を固化させることでその物理的活動をも制限することを意図して設計されました。SLANTとは、開発者である阿久津博士、ノースモア博士、トラース博士の頭文字にシュタイナー博士とレヴィ博士の頭文字を加えたものです。霊体の予期せぬ反発を招きかねないことから現在は試験運用段階であり、SCP-736-JPの収容にあたり実験的に用いられました。