雲龍の砂箱

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: 現在SCP-XXX-JPはサイト683の低脅威物品保管用ロッカーに保存されています。持ち出しの際は保管責任者の許可を得てください。SCP-XXX-JPを使用した実験は標準的な耐爆発性能を保有する隔離チャンパーにて行われます。SCP-XXX-JPを使用した実験は実験-XXX-JP-以降禁止されています。

説明: SCP-XXX-JPは異常性を持った10数本のクレヨンです。███県██町で起きた爆発事件の不審な点が財団の注意をひいたことで回収の対象となりました。
SCP-XXX-JPの異常性は、人がSCP-XXX-JPを手で持った時に発生します。SCP-XXX-JPを持った人(以下、対象と表記)は強い描画衝動に駆られ、対象に近い平面に描画をしようと試みます。その時対象は一般的に¨ボタン¨と呼ばれるものを描画します。描き終わると対象はSCP-XXX-JPを手から放します。
対象によって描画された絵(以下、SCP-XXX-JP-2と表記)の¨ボタン¨部分は平面であるにも関わらず、押しこむことが可能であり、直接視認した人に「押したい」という強い欲求を発生させます。
SCP-XXX-JP-2を押すと、未知の方法でSCP-XXX-JP-2を中心に爆発が発生します。この爆発はTNT爆薬1kg~█████kgに相当すると考えられています。
また、SCP-XXX-JPは爆発による被害を受けず、いかなる方法でも破壊することは出来ないと考えられています。

実験記録XXX-JP-1

対象: D-15463
実験内容: 対象にSCP-XXX-JPを使用させ、SCP-XXX-JP-2を視認させる。描画対象として白紙を用意。
結果: 対象にSCP-XXX-JPを持たせたところ、直径約5cm程のSCP-XXX-JP-2を用意されていた白紙に描画。直後、対象がSCP-XXX-JP-2を押したため、SCP-XXX-JP-2は爆発した。対象は爆発により右腕を損傷。
あの事件より爆発が小規模だ。もしかしてランダムなのだろうか…██博士

実験記録XXX-JP-2

対象: D-13863
実験内容: 対象に手以外の部位でSCP-XXX-JPを持つように指示。描画対象として白紙を用意。
結果: 対象はSCP-XXX-JP-2を描くことはなかった。その後、口で咥えさせたりもしたが同様の結果となった。
SCP-XXX-JP-2を描くのは手で持った時だけのようだ-██博士

実験記録XXX-JP-3

対象: D-13863
実験内容: 対象を椅子型の拘束台に載せ、SCP-XXX-JPを持たせる。対象がSCP-XXX-JP-2を描画した直後、拘束を試みる。描画対象として白紙を用意。対象には小型マイクを所持させ、常時報告をさせる。
結果: 対象はSCP-XXX-JPを使用しSCP-XXX-JP-2を描画。直後に拘束をしたが対象が拘束台にSCP-XXX-JP-2を描画し、押したために爆発。爆発によりサイト-██の4分の1が破壊。██名の職員が死傷した。爆発の威力はTNT█████kg程度と思われる。以後、SCP-XXX-JPを使用した実験は禁止。

実験記録XXX-JP-3映像記録

██博士: D-13863、聞こえるか?

D-13863: あいよ博士、聞こえてるぜ。

██博士: それでは実験を開始する。目の前にクレヨンがあるだろう?

D-13863: また前回みたいに口に咥えさせたりすんのか?

██博士: 余計なことは喋るな。つべこべ言わずそれを持ってくれ。その後はどんな小さいことでもいい。報告しろ。

D-13863: 了解。持つだけでいいんだよな?

[D-13863は恐る恐るSCP-XXX-JPを手に取る 直後、白紙に何かを描き始める]

██博士: D-13863!聞こえるか!?

[D-13863は反応する様子を見せない]

██博士: 描画中は反応しないのか・・・

[D-13863はSCP-XXX-JP-2を描き終えると同時に拘束される]

██博士: 普通に拘束が可能。肉体の限界を越えてまで動いたりはしない…と…よし、SCP-XXX-JP-2を視認しないようにD-13863を回収しろ。

[D-13863は手首を動かして拘束台に何かを描き始めるが誰も気づいている様子はない]

[回収班がチャンパー内に入る]

D-13863: なぁ博士・・・

██博士: どうしたD-13863

D-13863: 芸術ってなんなんだろうな・・・

██博士: 爆発とでも言いたいのか?

D-13863: わからねぇ…ただ…今わかったことがある…

██博士: 何を言っているD-13863

D-13863: こんなの全然クールじゃないってことだ

[拘束台に描かれたSCP-XXX-JP-2を押す。直後、映像は途切れた]

実験記録XXX-JP-3映像記録終了

補遺-A実験-XXX-JP-3の後、爆発地点で発見されたSCP-XXX-JPの1つの芯部分に文字が刻まれていることがわかりました。以下はその文書です。

芸術は爆発であり、爆発こそ芸術なんだ
だから自分の手でそれを体感してほしい
Are We Cool Yet?