SCP-2892-JP

アイテム番号:SCP-2892-JP

オブジェクトクラス:Euclid

特別収容プロトコル:SCP-2892-JPは、███県███山に存在し、その山を囲むように高さ340㎝以上の有刺鉄線を設置してください。出入り口となる部分に警備員を最低二人配備し、洞窟の入り口から常に半径30m以上離れるようにしながら山内を巡回して下さい。いかなる生物も当SCP内に侵入する事のないようにして下さい。特例として、一ヶ月に一度、Dクラス職員を内部に一時間以上侵入、探査させ、生きて出てこなければなりません。終了時Aクラス記憶処理を実行して下さい。探査時に記録されたデータは、レベル3以上セキュリティークリアランスを持つ職員一名以上の承認によって保管されます。

洞窟に接近しようとした生物は即効性麻酔銃で鎮静化されます。それでも鎮静化しなければ武力行使し鎮静化してください。洞窟内に侵入した人物は警告を発した後、出てくればAクラス記憶処理を施し解放してください。出てこなければ即座に洞窟外から射殺し、遺体は当SCPに耐性を持つ警備員によって即座に回収されます。その遺族に関しては、カバーストーリー「崖からの転落死」を伝達してください。

実験または探査を行う際は、レベル2以上の職員、博士、研究員いずれかの承認及び同行が必要です。
実験はどんな理由があろうとも承認されません
事象2892ーαが起こり、新たな入り口が形成された場合、周囲住民にBクラス記憶処理が施され、上記に則り収容されます。

事象2892ーαは33日以上SCP-2892-JP内部への侵入物が無い場合に発生します。
説明:

SCP-2892-JPは、洞窟内に広がる
発見当時半径250㎞高さ推定2㎞の異常空間で、条件が満たされれば拡大します。現在は半径384㎞高さ推定3㎞となっています。
SCP-2892-JPは、休暇中だったエージェント桑原が、祖父の友人である█████████が当SCPの話を近所に住む住民に広めていた事で発見され、収容対象となりました。█████████はクラスB記憶処理、住民にはクラスA記憶処理が行われました。
当SCP内では、光が半透明の地面から照り出しており、20分に一度、5秒かけて暗転し、また5秒かけて元に戻ります。

当SCP内は気温約25度、湿度53%であり、人類にとって快適に感じさせます。
当SCP内は侵入した物体にとって快適と感じる気温と湿度になります。
段階的なミーム汚染を持ち、最終的にSCP-2892-JP内部へ意識を持たずして入り込むようになります。
当SCP内に侵入した物体は、その輪郭や明暗を元にし、長さ平均2㎜以下の直線群で再形成され、物体が動けばそれに応じ直線も移動し、常に物体の原型を保ちます。その本数はDクラス職員によって輪郭だけでも最低5万本存在する事が判明しています。その本数は物体の表面積に比例し増減する事も判明しています。-実験記録-2892-5参照。

当SCP内に持ち込んだ電子機器は無効化されます。無生物の場合、その性質は維持されます。生物の場合、触覚器官以外の器官が無効化され、食事、排泄、睡眠を必要としなくなり、痛覚も消失します。長時間の滞在は推奨出来ません。

SCP-2892-JP内部には、SCP-2892-JP-A個体群とSCP-2892-JP-B個体群が存在しています。
SCP-2892-JP-A個体群は、長さ50㎝の複数の不定形な曲線から成り、その場からの動作を示しません。生物が触れても何事も起こりません。当SCP内の至る所に存在し、大まかな地形を形成します。
SCP-2892-JP-B個体群は、長さ30㎝の複数の不定形な曲線から成り、常に活動し続けます。SCP-2892-JP-Bは当SCP内に侵入した物体に対して極めて攻撃的です。また持ち込んだ火器や刃物ではSCP-2892-JP-Bに接触出来ず、有効ではありません。SCP-2892-JP-Bが侵入物を確認すると、即座に接近し、その輪郭を刃物に見えるものに変容させ攻撃を行います。SCP-2892-JP-Bは侵入物を喰い、千切り、█████にします。█████にされた侵入物は長い時間をかけSCP-2892-JP-A又はB個体群へ変貌すると考えられています。ー実験記録ー2892ー8、-探査記録-2892-4参照。

現在SCP-2892-JPにおける異常空間内を総じてSCP-2892-JP-Cとする提案とketerクラスへの格上げの提案がされています。「O5承認待ち」

補遺Ⅰ:消化
SCP-2892-JPは内部に侵入物があると体積が拡大します。SCP-2892-JPが侵入物をSCP-2892-JP-A又はBに変換する時、消化を行います。これはSCP-2892-Bによる変異より緩やかです。消化の兆候は、物体の構成される直線群が減少する、または直線群が2㎜以上となる事です。無生物の場合侵入し、静止してから3日で消化が開始されます。体積に比例して消化にかかる時間が増加します。生物は消化が侵入時から開始されますが極端に消化されるのが遅い事が確認されています。消化した体積の1~█████倍SCP-2892-JP異常空間の体積が増加します。-探査記録-2892-6 -非公開の実験記録-参照

補遺II:過去改変能力
現在SCP-2892-JPは過去改変能力を有する事が判明しています。SCP-2892-JPは、ランダムに選出された山とその麓地域の住民に対し、「以前から存在している」と錯覚させ、その影響が強いと、内部に侵入した記憶を持つ者も出現し、上記の異常性の効果を高めます。麓住民には適切な記憶処理が必要です。インタビュー記録:事象2892-α参照

補遺Ⅲ:現在公開可能な実験及び探査記録


実験記録-2892-5
███博士、D33209の二名にて、レポート紙とペンによって記録された実験です。
 
7月27日 █曜日 ██時██分 記録開始 ███博士
 
私達は今SCP-2892-JPの内部にいる。D33209に持たせたバッグから
鉛筆、定規、カッター、望遠鏡、バスケットボールを取り出させている所である。
実験を開始。
今回の実験では、再形成された時構成されている線の本数についてである。
D33209は面倒だと文句を垂れていたが、これも重要な参考にできるだろう。
以下記録結果
鉛筆:約500、定規約300、カッター約600、望遠鏡約1万、バスケットボール約9000
バッグが小さいため比較物が少なく、有用な結果は得られなかった。よって私を構成する直線群も調べさせた。
記録結果
少なくとも5万本
途中でD33209が作業を放棄し、その場で寝転がった。
 
「中略」
 
今記録している場所は洞窟外である。長く居座ったせいで夜になってしまった。
次回から刃物の持ち込みを禁止する。痛覚が無効になった故カッターで手をいくらか
切っていたことに気づかなかった。

実験記録-2892-8
尾形研究員、███博士、D33209の三名にて記録された実験です。
 
9月8日 █曜日 ██時██分 記録開始 ███博士
 
探査二回目にて発見された動く存在をSCP-2892-JP-Bと呼称する事に基づき、
動かない状態の存在をSCP-2892-JP-Aと呼称。
長期の滞在を予定。期間は4日から一週間である。
SCP-2892-JP-Aについて。
接触したところ、当該異常物体は見た目通りの体積を有している。
触感は綿と鉛筆の芯の中間の様であり、自由に形状を変化させることが出来る。
SCP-2892-JP-A個体群は今見渡せる視界に複数存在し、丘、樹形、カーペット状に形成され
ている。複数のSCP-2892-JP-Aが集まり地形を作る事もある様だ。
触感は変わらないが硬度は高くなっている。密度が存在する様だ。
D33209がSCP-2892-JP-Aで形成された木に登り、周囲を確認した。
地上から確認は出来ないが、近くにSCP-2892-JP-B個体が見えるそうだ。
持ち込んだ目印を置き、帰路を示し、安全な場所へ移動する。
今回の実験はSCP-2892-JP-Aの性質を調べる事になっている。「文が消された痕跡」
SCP-2892-JP-Aを構成する直線群は50㎝、差異は見られない。
一つ四次関数に見える物もあった。
SCP-2892-JP-Bの対策で持って来た拳銃によってSCP-2892-JP-Aに損傷が見られた。
しかし直線群は常に変形、増殖、分裂、結合が起こっておりその長さが変わる事は無かった。
 
侵入して8時間が経つため休息を取る。
 
記録再開、侵入してから19時間が経過した。D33209に持たせた時計は午前を指す様に
見える。
休息の最中数度SCP-2892-JP-Bに遭遇し、活動地点を変更した。反撃を試みるも拳銃は効い
ている様に見えなかった。しかし、三人は無事で傷も無さそうだ。
尾形研究員が樹形のSCP-2892-JP-Aは本物の樹木と似通った性質を持つことを発見。
彼は独自に持ち込んでいた簡易実験道具を取り出し、実験を始めた。なんとも用意周到だ。
結果、この空間に空気が存在することが発覚し、SCP-2892-JP-Aも呼吸、光合成をしていた。
この空間内にてどの様な意味があるかは不明。
 
以降、有益な情報を得られること無く期日まで過ぎた。
私達は帰るため目印を辿ったが、置いた順から四つほどが原型を留めていなかった。
一つは切り裂かれた様になっていたが、あとの三つは█████████されていた。
触ってみることも出来なかった。他二人も同様の反応を示す。
やっと外にやってきたが、不可解である。三人とも体に傷が見られた。
その形状は様々であったが、直ぐに止血された。
そういえば、尾形研究員が手を滑らせヨウ素液を落とした。それが落ちる前は直線群が少な
かったが、落ちれば途端に直線群で埋め尽くされた。反応したという事だろうか?
このSCPには謎が多すぎる。

探査記録-2892-4
 
D33209含むDクラス職員四名による手記記録。
 
俺らはD2883を筆頭に、D8986、D33209、D19722で組まれた探査チームだ。
俺が一番ここに来てるから俺がこれを書くことになった。
俺らはそれぞれ呼びやすい様にD2、D8、D1、D3よ呼び合ってる。
ここはいつ来ても心地良い、いつも気温や湿度が一定らしいからな。
SCP-2892-JP-Bっていう敵も今は会っていない、中に入ってもう数時間経過するのだが。
前も来たところに前に使った目印に似たSCP-2892-JP-Aがあった。
やっぱ50㎝の紐で出来てる。前にもおかしいと思ってたが、やっぱり直線が伸びてやがった。
侵入物って博士が呼んでたものは全てSCP-2892-JP-Aになるのかもしれない。
多分グニャグニャに伸びて元の性質が無くなるんだと思う。前に切り裂かれてたのがそうなってた。
触ったらAと元の質感の間ぐらいで、線の長さは37か8㎝だった。
D2とD8にもっと早くしてくれと注意された。
今回の調査は今まで確認されてない端っこの確認が優先される。
疲れも無いためSCP-2892-JP-Bに遭遇する以外は順調だった。
一応高いところから方向を確認できるが、代わり映えしねぇんだ。みんな端っこに着く頃には感情を
無くしかけてたよ。
で、端っこについた感想っちゃなんだが、何もかわらねぇな。
今までの道もここも変わらない。みんながっかりしてたよ、D2は薄々感づいてたみたいだが。
で、重要なのは距離だよな。
手元のストップウォッチだと4日目の4時間23分だ。精神的にきついし、みんなで休憩して遊んだりしながら
ゆっくりいった結果だな。だが俺の性だ、もう距離は割れてる。
入り口から大体300㎞だ。
俺たちが入ってきた場所は中心より少しずれてた、一番遠い方を目指したからおおよそ半径250~70m
くらいじゃねぇか?
こうやって歩いてきて気づいたが、この世界は反っているらしい。
簡単な話、二次関数のそれなんだ。もっともここまできてやっと分かった事だがな。
前から気になっている事がまだある。木に登った時に見つけたんだが、あれは他の入り口か?
白い光の柱が出入り口なんだが、まだ他に2つある、帰る時に調べて行こう。
D2とD8にまた怒られそうだ。
 
SCP-2892-JP-Bの襲撃に遭った。D8が死ん
あいつら今までトロかったのに形をかえ
D2の腕が飲み込まれた。千
 
他の出入り口についた。何も無い。
 
私はD19722、D3もD2も奴らに食わ
れた。実際には見てないし、音も聞こえなかったけど、振
り返っても彼らの姿は無かった。私は全力で走った。アイツらが
彼らに夢中だった隙に。彼らにとっては気に食わないと思っているかもしれない、
破れたページに書くのは懺悔でもある。D3の意思は受け取った。
私はそう思ってる。
博士達はこれを想定してなかったのか、終了合図のボタンだけを置いている。
今私は死にそうだってのに。
奴らから真っ先に逃げたのに、一番傷は浅いはずなのに。血が止まらない。
私らは使い捨て。でも、この記録で何か分かるかもしれない。
博士達が良い情報を拾ってくれる事を祈るよ。
 
財団がD19722を発見した際には既に脈はありませんでした。
物体がSCP-2892-JP-Aになる事を「消化」と呼称する様にと、█████研究員によって提案され、
可決されました。

探査記録-2892-6
 
運動能力が一定以上あるDクラス職員四名での手記記録
 
11月30日 █曜日 ██時██分 記録開始 D4390
 
メンバー
D7412 D1788 D393 D4390
 
目標:この異常空間の推定面積の測定
 
疲れない事を理由に一日18時間の歩行6時間の休息とする。
歩行と休息は合計時間であり、最終的にそうなればよし。
SCP-2892-JP-Bに遭遇時はタイマーを停止、居なくなれば止めた場所から移動再開。
結果
外周約1979㎞
18日と1.2時間であり、歩行速度は時速約6㎞であった。
これより帰還する。
 
このチームは自衛隊に所属していた者達で構成されているから効率は良かったと思う。
わざわざ各地から集められたんだ。良い結果を期待してるぜ。
気のせいだといいが、俺を造る線が雑になってる。
 
SCP-2892-JPの出入り口にて待機していた職員が今回侵入させたDクラス職員を確認した時、
4人の生存を確認しましたが、肌の露出している部分は全て赤剥けていました。
SCP-2892-JP-Bによる物では無さそうです。
前々回に比べSCP-2892-JP内部が拡大している事が判明しました。
今回の記録を踏まえ、実験記録-2892-11にて、侵入物がSCP-2892-JPによって消化される事
により内部の拡大が起こる事が確認されました。
さらなるSCP-2892-JPの拡大を防ぐため、実験・探査が一切行われなくなりました。

補遺Ⅳ:事象2892-JP-α概要。インタビュー記録

1月██日、SCPのものと思われる地鳴りが発生。管理下のSCP全てを調査した結果、
発生源はSCP-2892-JPであったと判明しました。
ほぼ同時期にエージェント鈴木に過去改変が施されている事が判明。インタビュー記録を元に彼の故郷である██県██市の住民全体に簡易的過去改変が起きた事が確認され、SCP-2892-JPの侵入口が最寄りの山の中腹で発見されました。
これはSCP-2892-JPを発見するに至った経緯によく似ていました。
以下は過去改変の影響を受けたエージェント鈴木と、実家に住んでいた彼の両親へのインタビュー記録です。

対象:エージェント鈴木

エージェント鈴木:もう良いんですよね?

███博士:はい、もう始まっていますよ。あなたは記憶が飛び込んできたと言ったが、
具体的に説明してくれないだろうか?

エージェント鈴木:それは難しいです。その全ての記憶がぼんやりしていて、霞みがかっている様なんです。
でも地元でSCP-2892-JPに侵入したという事実だけがはっきりしているんです。

███博士:地元でSCP-2892-JPに侵入した際、あなたは何歳でしたか?

エージェント鈴木:分かりませんが、小さな子供の頃、父におぶられていった気がします。

███博士:なぜ記憶が飛び込んできたと表現したのですか?

エージェント鈴木:私は先にSCPであるあの洞窟を知っていました。
         でも、その後にSCPになる前のあの洞窟に行った記憶が入ってきました。
         元の記憶に覆いかぶさる様にって感じですかね。

███博士:なるほど、それではあなたの両親にも同様に記憶が被さっていると?

エージェント鈴木:そうだと思います。元の記憶も無いんじゃないんでしょうか?

███博士:なぜそう断定できるのですか?

エージェント鈴木:昔の記憶というのは全てがぼやけますよね。そこに異常な記憶が入り込むとどうなると思いますか?それは”普通”になってしまうのですよ。多分。自分の方言が正しいと思う様に、この記憶も正しいと思い込んでいるんじゃないかと思っています。彼らにとっては『良い記憶』なんですよ。私だってこのSCPについて事前に知っていなければ、これに気付けなかったと思います。

███博士:・・・あなたで試したい事があります。

エージェント鈴木:どんな事ですか?

███博士:Bクラス記憶処理ならその影響から脱する事ができるかもしれない。

エージェント鈴木:この記憶から逃れるためにはやってみる価値はありますね。アイツの腹を膨らませるわけには
いきませんから。

その後エージェント鈴木にはBクラス記憶処理が施されました。激しい痛みを伴う片頭痛と短い期間の吐き気を
伴いましたが、SCP-2892-JPの影響から脱しました。

███博士追記:彼は入った時点での記憶しかはっきりしていないと言った。
その”余計”な記憶を取り除けば”付属品”も取り除けると思い、実行しました。

███博士の思い立ちにより、収拾が迅速に出来そうです。

結果、複数の住民がSCP-2892-JP内部に侵入していた、もしくは侵入しようとしていた記憶を持つ、又は行動に移していた事が明らかとなりました。この過去改変能力は内部が消化により拡大する事を援助していると考えられます。しかし、この事象2892ーαの決定的な発動条件がはっきりとしませんでした。

補遺Ⅴ:事象2892-α概要:
最後にSCP-2892-JP内部に侵入が確認されてから34日、新たに事象2892ーαが起こりました。今回は██県██市で起こりました。前回洞窟が発生した山と今回洞窟が発生した山の直線距離はおよそ███㎞です。
特例としてDクラス職員を月に一度の周期で内部の探査に向かわせたところ、事象2892-αは発生しなくなりました。事象2892-αによる被害の拡大を抑止する為、事象の兆候を見逃さない為にも、内部探査は継続されるべきです。

補遺Ⅵ:SCP-2892-JP-C公式化文書


私は尾形研究員。紛れもなく、私があの空間をSCP-2892-JP-Cにする提案をした張本人だ。
何故こんな事を言い出したか、理由はある。あるが、ただの憶測に過ぎないんだ。
でもそうとしか考えられない。あの空間は生きている。
理由をまとめるが、まず私が同行した実験である事をしていたんだ。
SCP-2892-JP-Aにいくつか薬品を掛けて反応を見たんだ。
その時は反応せず、記録もされなかった。でも博士は、ヨウ素液が漏れ出て地面に落ちたのを見ていた。
記録していたんだ。俺は落としたのに気付かなかったが、この記事を見て思った。
糖分があるのかと。正確には分からない。でもそうだとすればあの空間が生きている説明がつく。
私達を多少なりとも消化して養分を得たんだ、だから反応を起こした。
こじつけかもしれないが、あの20分に一度の暗転だって、拍動か、瞬きか、呼吸と捉えられる。
SCP-2892-JP-Aは排出されない便だと思う。SCP-2892-JP-Bは酵素か細菌だ。
そう考えれば事象2892-α、あれも想像がつく。地鳴りは、腹鳴り。
獲物を誘導するために過去改変を行う。そして寄って来た者達を喰う。ほら、生きているじゃ無いか。
今は月一のDクラスの派遣で落ち着いてはいるが、内部体積は増える一方だ。
何百年経った後に不始末による事象2892-αが起こるその時はどこに被害が出るのか、
どれほどの規模か分からない。こんな話、聞き流してくれても結構だが、これだけは忘れないでくれ。
SCP-2892-JPは厳重注意だ。