troika88
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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは周辺個体の統率の為に最低でも三羽の対話可能な個体がサイト-81██の標準鳥類収容施設に収容されます。待遇への不満を防ぐため、収容されているSCP-XXX-JPの対する給餌は全個体に同一種類の同量を与えてください。その他の個体はサイト-81██周辺の財団管理下にある森林の指定区画内に存在することを職員によって巡回・監視し、区画外で確認された場合は区画内へ戻るよう誘導してください。渡りを行う個体に対しては追跡装置付きの足輪を装着し、定期的に位置を確認してください。

説明:SCP-XXX-JPは集団意識(SCP-XXX-JP-1と指定)によるネットワークを持ったカラス属(Corvus)に属する複数種によって構成されている群れです。孤立状態の個体は知能テストの結果から中学生ほどの知性を持っていることがわかっています。3~4組の番を最小単位としたグループが最大で█つ集合した状態で営巣を行い、███グループが確認されています。その内、██グループは渡り鳥の性質を有しています。

SCP-XXX-JP-1は時差の生じない通信手段1によってSCP-XXX-JP全体が共有している集合意識です。█カ国の言語を理解し、日本語による筆談をSCP-XXX-JPに行わせることが可能です。SCP-XXX-JPの全個体が知覚している情報を収集し、蓄積を行っている事がわかっています。SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JPに対して友好的で、概ね正しい助言者として振舞っています。SCP-XXX-JPの全個体がSCP-XXX-JP-1に対して従属的というわけではありません2。SCP-XXX-JPのネットワーク上に存在しているとされ、SCP-XXX-JP-1の物理的本体と言える個体は見つかっていません。

SCP-XXX-JPは平均して半径約5kmの範囲に存在する別個体とSCP-XXX-JP-1を介したネットワークを共有しています。有効半径は個体の翼長に比例し、渡りを行う個体はある程度の指向性を付与することで有効距離を伸ばしています。集団を形成した場合は群れに存在する各個体の有効半径を合算し、指数的減衰を伴う補正を行った有効半径███kmを上限とした距離であると推測されています。群れの有効半径が上限を超え、約20km以上のロスが発生した場合に群れを分割する事がわかっています。

SCP-XXX-JPの各個体は長距離移動に対して消極的でSCP-XXX-JP-1の共有が途切れないように行動しています。群れの有効半径から離れることは稀ですが、渡りを行うグループが接近するとSCP-XXX-JP-1の中継を支援するために営巣地を離れる事があります。ネットワークを中継する個体もしくはグループを介することで理論上は無限にSCP-XXX-JP-1の有効範囲を延長することが可能であると考えられています。

補遺-1: SCP-XXX-JPは20██年█月、様々な異常な振る舞いを意図的に行い、調査を開始した財団に対し、鳥類駆除からの保護3を求めて接触してきました。この事からSCP-XXX-JPは財団の存在を発見可能な、高い諜報能力を有していると思われます。この事について質問すると異常性のないカラスのように振る舞って誤魔化します。

補遺-2: 財団が追跡していたSCP-███に関する情報提供を行い、収容に貢献した事でSCP-XXX-JPが財団に対して友好的であることが証明されました。SCP-███の発見について、SCP-XXX-JPに対して異常性を発揮して害をなした事から、財団への情報提供が最も効果的な対処方法であると判断したと証言しています。未収容の群れが居ると暗に示していますが、質問すると異常性のないカラスのように振る舞って誤魔化します。