アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル:
説明:
SCP-XXX-JP。
SCP-XXX-JPは、全長31.0mの異常性を持つ大仏です。16██年に建立されましたが、近辺で戦乱が発生してから収容に至るまで実質的な放置状態にありました。異常性が発露した時期は不明です。
人物が意図的にSCP-XXX-JPに接触した場合、不可視の衝撃波が対象者周辺に発生します。計測の結果、この衝撃波の威力、範囲はSCP-XXX-JPの手にあたる部分の質量、面積に準拠すると考えられています。その威力に関わらず、衝撃波により死亡した事例は存在しません。上記現象の原理については現在調査中です。
また、オブジェクトの100m圏内に袈裟を着用した50歳前後の男性(SCP-XXX-JP-1)が不定期的にSCP-XXX-JP周辺を徘徊する形で出現します。SCP-XXX-JP-1は、自身の基準により“不敬”と判断した場合にのみ異常性を発現します。異常性発現時、SCP-XXX-JP-1は「不敬」と発言した後、前述した衝撃波が発生、SCP-XXX-JP-1は消滅します。SCP-XXX-JP-1の判断基準は不明です。SCP-XXX-JP-1の袈裟の成分を分析したところ、████年前の物だと判明しました。しかし、“不敬”と判断された事例の中に「SCP-XXX-JP-1をフレームに入れた状態での自撮り、あるいは加工」が含まれていたことから、その世相に合わせ変化する可能性が考えられます。
地域の伝承によると、オブジェクト
SCP-XXX-JP-1出現時、SCP-XXX-JP-1の懐から手帳が落下し、オブジェクト消滅後もそのまま残存しました。これ以前の内容は、判が押されており判読不可能です。
内容は下記のようになります。
徳ri ll りすと 日付:九月██
人物 徳ぽいんと 裁定 山田 ██ -500 へ 金剛 ██ -500 へ ██ ██ +250 へ ██ ██ -800 へ メモ: 今日も参拝者は少なかった。信心が薄れていることの証左ではないかとまたあの男に小言を言われるのを考えると気が滅入る。
さて、この仕事を始めて幾千年は経つが、殺風景な表はどうにかならないものか。というわけで、先日娘に「英語を混ぜるといいよ」と言われたので実践。自身の不勉強さと英語の難解さを痛感させられた。しかし、天国も地獄も“へぶん”と“へる”で頭文字が同じではないか……帰ったら書き直すことにする。
時の流れは速いものの、文化は常に時を上回る速さで回り続ける。娘は適応できているようだが、私はまだまだだ。せめて五万年先の引き継ぎの者が困らぬようにしなければと考える日々である。今度はふぁっしょんなるモノを教わってみるか……
“徳りすと”にはSCP-XXX-JPに関わった人物の名が記載されていました。直接オブジェクトに関わっていない職員の名が記載されていたのは留意すべき事項です。また、数日後にSCP-XXX-JP-1の袈裟に一般的に“デコ”と呼称される装飾が追加」されたのは、文章中の『娘』に関連している可能性があります。
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アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe/Euclid/Keter
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特別収容プロトコル: 当オブジェクトに関する情報拡散的ミームの感染を防ぐために、一週間に一度のペースでミーム対策部隊による報告書の更新が行われます。感染した媒体については、適宜洗面台にハサミとマイナスドライバーを今すぐ用意してください。
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SCP-XXX-JP感染例。
説明: SCP-XXX-JPは、情報拡散的ミーム現象です。SCP-XXX-JPはランダムな文書の改変、特殊ミームの付与を行います。ハサミとマイナスドライバーを用意しなければなりません。文書の改変は複数のパターンを有し、最も多いケースは不自然な形での文章の挿入です
。用意してください。SCP-XXX-JPの発生源は特定できていません。また、SCP-XXX-JPは出現したwebページに関連性の高い洗面器に感染する可能性があります。SCP-XXX-JPを視認した場合、被験者は「洗面台にハサミとマイナスドライバーを用意しなければならない」という強迫観念を抱きます。被験者の住居にハサミとマイナスドライバーが無い場合、体組織をハサミとマイナスドライバーに用意してください。洗面台にハサミとマイナスドライバーを用意してください。-
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補遺: SCP-XXX-JPの拡散が洗面器に、ハサミとマイナスドライバーを用意しています。至急ミーム殺害ハサミとマイナスドライバーを更新、洗面台に用意してください。
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アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: 当オブジェクトに関する情報拡散的ミームの感染を防ぐために、一週間に一度のペースでミーム対策部隊による報告書の更新が行われます。当報告書の編集については、ミーム対抗値が一定の基準値以上のエージェント三人で行ってください。
説明: SCP-XXX-JPは、情報拡散的ミーム現象です。SCP-XXX-JPはランダムな文書の改変を行います(改変された文書はSCP-XXX-JP-1に指定)。文書の改変は複数のパターンを有し、最も多いケースは不自然な形での文章の挿入です。SCP-XXX-JPの発生源は特定できていません。また、SCP-XXX-JPは出現したwebページに関連性の高い洗面器に感染する可能性があります。SCP-XXX-JPを視認した場合、被験者は「洗面台にハサミとマイナスドライバーを用意してはいけない」という強迫観念を抱きます。これはミーム的作用でないことがわかっています。SCP-XXX-JPを視認してから一週間が経過すると、被験者が関わった文書が例外なくSCP-XXX-JP-1に変化します。被験者の洗面台にハサミとマイナスドライバーを用意することでこの現象は回避できます。
補遺:
SCP-XXX-JPは今や根絶されつつあり、この結果は我々にとって喜ばしいものである。サイト-8181の全職員は洗面台にハサミとマイナスドライバーを用意すること。
サイト管理者 膳木 免
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid Keter
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは、サイト-8106の収容房に保管してください。、入口には必ず3人以上の警備員を配置してください。ニチアサイベント発生時は、機動部隊をオブジェクト脱走時の確保ができる状態で待機させてください。また、ニチアサイベントを監視する人数は50人未満に維持してください。ニチアサイベントを閲覧、監視する行為は現在禁止されています。ニチアサイベントの発生を確認している箇所は日本、中国、アメリカ合衆国、イギリス、フランスです。ニチアサイベント発生の兆候が起こり次第、指定されている箇所の閉鎖を行ってください。
説明: SCP-XXX-JPは特定のスーツ、並びにそれによって引き起こされる現象です。スーツの素材は綿、ナイロンで構成され、全体的に黒、赤、紫を基本として頭部には一対の角、背面にはマントの装飾が施されています。SCP-XXX-JPは██県██市の撮影スタジオの倉庫で長時間放置されていた所を発見されましたが、劣化の痕跡は見られませんでした。SCP-XXX-JPは後述するニチアサイベントを引き起こします。
ニチアサイベントでは、SCP-XXX-JPの活性化及び特徴的な装飾を施された複数の人型実体(SCP-XXX-JP-1-A,B,C,D,E)の出現、両者間の演劇が行われます。演劇中に周辺が破壊された場合、ニチアサイベントの終了時にイベント以前の状態に修復されます。劇終了時、SCP-XXX-JP-1-A,B,C,D,E、ニチアサイベントを最後まで閲覧していた人間はすべて消滅します。ニチアサイベントは定期的に行われますが、その内容に変化はほとんどありません。ニチアサイベントの詳細な記録は監視カメラ記録20██/05/06を参照してください。また、ニチアサイベントはSCP-XXX-JPから離れた箇所でも発生することが確認されています。その場合、イベントが行われる箇所の周辺にポスターが出現することが兆候として挙げられます。ニチアサイベントは、人的な干渉でイベントを半任意に終了させることが出来ます。各地域でニチアサイベントが発生した際は、イベントを終了させそれに酷似した演劇を代わりに行うことにより対処されます。イベントの進行状況に関わらず、ニチアサイベントへ来訪した人の合計が一定数を越えると、ニチアサイベントが発生する箇所が拡大する可能性があります。ニチアサイベントの詳細については、監視カメラ記録20██/05/06を参照してください。
<再生開始>
SCP-XXX-JP-1-A: 我ら、[ノイズにより判読不可]!世界の平和のために、お前を倒す!
SCP-XXX-JP-1: フハハ、来おったか[ノイズにより判読不可]!貴様らは我が手によって捻り潰されるのが相応しい!SCP-XXX-JP-1-B: させるものか!蒼龍の魂を拳に宿す!蒼拳突き!
:SCP-XXX-JP-1 ぐおぉ……なんだ、体の内から凍っていく……!?
SCP-XXX-JP-1-B: 我が拳は蒼龍の加護を受けている!体の内側から凍ってしまえ!
SCP-XXX-JP-1-C: まだまだ行くわよ、脳天直下、くらいなさい!カミナリ落とし!SCP-XXX-JP-1: あが、あ……この私が、痺れて動けないだと……!馬鹿な……!
SCP-XXX-JP-1-C: ふふーん、母さん仕込みのかかと落としの味はどう?答えられないと思うけど。
SCP-XXX-JP-1-D: 次は俺だぜ、自然の力、思い知れ!グリーンウィップ!
SCP-XXX-JP-1: こんな植物ごとき、このっ、畜生、解けん!なぜだぁっ!SCP-XXX-JP-1-D: はっはは、滑稽だな。自然ってのはすげーもんでよ、どんな力も受け止めちまうんだ。
SCP-XXX-JP-1-E: ブラックアロー!
SCP-XXX-JP-1: ぐおぁぁ、なんだ……体が、裂けていく……!?
SCP-XXX-JP-1-E: ふん、説明など必要ない……
SCP-XXX-JP-1: こんな所で私は倒れるわけにはいかないのだ、野望を果たすまでは絶対に死なんのだぁぁ!!!
SCP-XXX-JP-1-A: その野望もこれで終わりだ、皆の思いをこの脚に託す!ファイヤードライブ!
SCP-XXX-JP-1: そんなぁ、そんなぁぁぁぁぁぁぁ……
(SCP-XXX-JP-1が爆散する)
以降、この記録と類似した現象が定期的に発生したため、これをニチアサイベントと呼称、オブジェクトクラスをEuclidに変更し、収容房は以前よりも厳重な監視を行います。
事案報告:20██/02/04、ニチアサイベントを監視する人数が50人(監視カメラでの閲覧も含む)以上になった際、ニチアサイベント終了時監視中の職員全てが消失しました。その後、SCP-XXX-JP収容房内にポスターが出現しました。
ポスター内容:
我々劇団「新世界」は、皆様からのご好評により全国ツアーを行うこととなりました!しかし事前に開催予定地を発表するとあまりに多くの人が殺到する事が予測されるため、張り紙や掲示板にて開催を予告することにいたしました!全国津々浦々で講演を行います!参加費は無料なので、是非是非お気軽に来てください!また、劇団「新世界」ではスタッフの募集も行っております。スタッフは現在50名程!こちらも大変活気あふれる職場となっております!詳細については電話でお伝えしますので、お問い合わせの際はこちらにご連絡を! 03-[掠れていて判読不可能]
上記事案から、収容プロトコルが改正されました。またオブジェクトクラスの格上げが申請されましたが、審議の結果拒否となりました。
事案報告: 20██/01/21に収容房内で発生したニチアサイベント終了時、SCP-XXX-JP収容房の中にポスターが出現しました。また、ポスター裏に手書きの物と思われる追記が書かれていました。
ポスター内容:
我々劇団「新世界」は、全国ツアーのご好評により外国での講演を行うことに決定いたしました!また、前回の全国ツアーと同じ理由につき、開催予定地は明記いたしません!本当の「新世界」を、海外の方にもお見せしたいと思います!また、引き続きスタッフの募集も行っています。外国籍の方も大歓迎です!詳細につきましては電話でお伝えしますので、問い合わせの際はこちらにご連絡を! 03-[掠れていて判読不可能]
裏面:
あなた方財団の皆さんは、我々劇団「新世界」結成当時から精力的に応援下さっていました。名前は願掛けで、馬鹿らしいような夢でしたが、そのおかげで今、本当に世界の舞台に立てています。財団から我々のスタッフの一員となった方も多く、我々は財団の方々がいなければここまで成長する事はなかったでしょう。改めて、 このような形ではありますが感謝の旨をお伝えしたく思います。本当にありがとうございました。
ps:今回の世界講演がまた成功を収めた暁には、ついに前人未到の外惑星講演を行いたく思います。その夢が叶いましたら、名前を「新世界」から「新宇宙」にでも改名したいと思っております。その時は、また応援よろしくお願いします。
補遺: 上記事案発生後、過去の記録を調査した結果事案発生前日にニチアサイベントへの来場者数が1000人を越えていた事が分かりました。収容プロトコルの改正、及びオブジェクトクラスをketerへと変更しました。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは、サイト-8106の収容房に保管してください。、入口には必ず3人以上の警備員を配置してください。ニチアサイベント発生時は、機動部隊を収容房を監視、オブジェクト脱走時の確保ができる状態で待機させてください。SCP-XXX-JPは現在収容下にありません。機動部隊へ-05(ライ
説明: SCP-XXX-JPは、一般的に特撮番組の怪人の衣装として認識される形状のスーツです。素材は綿、ナイロンで構成され、全体的に黒、赤、紫を基本として頭部には一対の角、背面にはマントの装飾が施されています。SCP-XXX-JPは██県██市の撮影スタジオの倉庫で長時間放置されていた所を発見されましたが、劣化の痕跡は見られませんでした。サイズは身長175cmの成人男性用になっていますが、サイズに合わない体形の人間が着用しても特異性は発現します。
SCP-XXX-JPの特異性は、着用することで発現するSCP-XXX-JP-1、後述するニチアサイベントの二つです。SCP-XXX-JPを着用した時点で、着用者の思考、行動はSCP-XXX-JP-1に支配されます。SCP-XXX-JP-1は破壊、暴力行為を好みます。SCP-XXX-JP-1発現から30分前後でSCP-XXX-JPは着用者から離れ、SCP-XXX-JP-1は一時的に消滅します。この場合、着用者は過剰なエネルギーの消費により死亡しています。
SCP-XXX-JP-1は発話能力を有しています。声質は着用者の性質に関わらず50代前後と思われる男性のものになります。SCP-XXX-JPは財団の活動に非協力的であり、そのため、実験やインタビューを行う際には拘束が必要となります。また、筆記でのコミュニケーションの際には、SCP-XXX-JP-1と異なった性質を表すことが確認されています。
ニチアサイベントでは、SCP-XXX-JP-1の活性化及びSCP-XXX-JP-2-A,B,C,D,Eの出現、両者間の戦闘が行われます。その間、収容房は施錠され一切の干渉が不可能になります。ニチアサイベントが終了した場合、収容房、SCP-XXX-JPはニチアサイベント以前の状態に戻ります。SCP-XXX-JP-2-A,B,C,D,Eは痕跡を残さず消滅します。ニチアサイベントは定期的に行われますが、その内容に変化はほとんどありません。ニチアサイベントの詳細な記録は監視カメラ記録20██/05/06を参照してください。
対象: SCP-XXX-JP-1(D-39658着用)
インタビュアー: エージェント██
付記: インタビューはSCP-XXX-JPを厳重に監視、筆記による対話が可能な状態で行われました。紙に書かれた内容は[]内に表記されます。
<録音開始, >
エージェント██: 本日はよろしくお願いします。
SCP-XXX-JP-1: 畜生めが。[よろしくお願いします。]エージェント██: まず初めに、先日の筆記テストに関してです。“こんなことはしたくない”というのは本当なのでしょうか?
SCP-XXX-JP-1: はぁ?何を言っているんだ?意味がわからない。我はそんなこと書いた覚えはない。[はい、そうです。私はその、少しヒーローというものに憧れていて。本当にこんな汚い言動はしたくないんです。]エージェント██: ヒーロー、という物について、あなたはどう思っているのですか。
SCP-XXX-JP-1: 忌々しいヤツらの事か?アレはいつか我自ら叩き潰してやらねばならぬ。[自分がまだスタジオの倉庫にいた時の話です。どうやら撮影をしていたみたいで、直接目で見たことはないんですけど、倉庫にも聞こえてくるんです、悪役とそれをやっつけるヒーローの声が。なんとなくしか知らないけど、ヒーローみたいになりたい、とは思っています。]エージェント██: あなたの意思は行動に反映されないのですか?
SCP-XXX-JP-1: 中?何を言っているんだ?[どうやら、私はヒーローになれるようには造られていないようなのです。いつもは抑えているけど、さっき言った悪いやつみたいな衝動が私の中にあるんですよ。たまにそれが飛び出してしまって……]エージェント██: なるほど、今回のインタビューはこれで終了します。ありがとうございました。
SCP-XXX-JP-1: ……[話を聞いてくださってありがとうございます、感謝します。]
<録音終了>
追記: 20██/05/06、SCP-XXX-JP-1が着用者がいないにも関わらず発現しました。その後、特撮番組のヒーローの衣装を着た5人組の男女(SCP-XXX-JP-2-A,B,C,D,E,)が、SCP-XXX-JP-1と戦闘を開始しました。戦闘中、収容房は施錠され立ち入り不可能な状態になっていました。その後、SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JPに戻り、SCP-XXX-JP-2-A,B,C,D,Eは消滅しました。戦闘で受けたはずの傷や破損、及びSCP-XXX-JP-2-A,B,C,D,Eの痕跡は残っていませんでした。
<再生開始>
SCP-XXX-JP-2-A: 我ら、[ノイズにより判読不可]!世界の平和のために、お前を倒す!
SCP-XXX-JP-1: フハハ、来おったか[ノイズにより判読不可]!貴様らは我が手によって捻り潰されるのが相応しい!SCP-XXX-JP-2-B: させるものか!蒼龍の魂を拳に宿す!蒼拳突き!
:SCP-XXX-JP-1 ぐおぉ……なんだ、体の内から凍っていく……!?
SCP-XXX-JP-2-B: 我が拳は蒼龍の加護を受けている!体の内側から凍ってしまえ!
SCP-XXX-JP-2-C: まだまだ行くわよ、脳天直下、くらいなさい!カミナリ落とし!
SCP-XXX-JP-1: あが、あ……この私が、痺れて動けないだと……!馬鹿な……!
SCP-XXX-JP-2-C: ふふーん、母さん仕込みのかかと落としの味はどう?答えられないと思うけど。
SCP-XXX-JP-2-D: 次は俺だぜ、自然の力、思い知れ!グリーンウィップ!
SCP-XXX-JP-1: こんな植物ごとき、このっ、畜生、解けん!なぜだぁっ!SCP-XXX-JP-2-D: はっはは、滑稽だな。自然ってのはすげーもんでよ、どんな力も受け止めちまうんだ。
SCP-XXX-JP-2-E: ブラックアロー!
SCP-XXX-JP-1: ぐおぁぁ、なんだ……体が、裂けていく……!?
SCP-XXX-JP-2-E: ふん、説明など必要ない……
SCP-XXX-JP-1: こんな所で私は倒れるわけにはいかないのだ、野望を果たすまでは絶対に死なんのだぁぁ!!!
SCP-XXX-JP-2-A: その野望もこれで終わりだ、皆の思いをこの脚に託す!ファイヤードライブ!
SCP-XXX-JP-1: そんなぁ、そんなぁぁぁぁぁぁぁ……
(SCP-XXX-JP-1が爆散する)
以降、この記録と類似した現象が定期的に発生したため、これをニチアサイベントと呼称、オブジェクトクラスをEuclidに変更し、収容房は以前よりも厳重な監視を行います。
追記: 20██/04/06に発生したニチアサイベントの際、内容に大きな変化が見られ、SCP-XXX-JPが紛失しました。機動部隊へ-06(ライダー)が、現在オブジェクトを捜索しています。イベントの内容に関しては監視カメラ記録20██/04/06を参照してください。
<再生開始,>
SCP-XXX-JP-2-E: やあ、[ノイズにより判読不可]。ここではSCP-XXX-JP-1が正しかったんだっけか?
SCP-XXX-JP-1: お前……一人か?一人ごときとは、俺も舐められたものだな。
SCP-XXX-JP-2-E: ああ、いいんだいいんだ、社交辞令は。俺がしたいのは本当の話だ。
SCP-XXX-JP-1: あ?お前、何を言って……SCP-XXX-JP-2-E:もういいんだよ。俺はもううんざりなんだ。なあ聞いてるか?俺はお前に話しかけてるんだ。返事は多分帰って来ないだろうが。
SCP-XXX-JP-1: (沈黙)
SCP-XXX-JP-2-E: 俺らは知ってるんだ、全部。知ってしまった、が正しいのかはわからない。というか、俺にはもう何が正しいのかがわからなくなった。
SCP-XXX-JP-1: ……お前、
SCP-XXX-JP-2-E: 何回目の時だったか?40、いや30ぐらいだったか、それまでは俺らは本当にお前が悪だと思ってた。お前さえ倒せば、殺せば何かが良くなると思ってた。けどそれは違った。あまりにも違っていたんだよ。
SCP-XXX-JP-1: (沈黙)SCP-XXX-JP-2-E: 俺らは戦闘もそうだが情報戦にも強かった。この、お前が収容されてる場所がどこだか。どんなことをこいつらが知ってるか。そんなのは簡単にわかるんだよ。それで俺は、本当のことを知って心底動揺した。眠れないし、食ったものもすぐ口から出ていっちまう。罪悪感で毎晩毎晩泣いた。
SCP-XXX-JP-1: (沈黙)
SCP-XXX-JP-2-E: だけど、正義に熱い[ノイズにより判読不可]も、曲がったことが大嫌いな[ノイズにより判読不可]も、おばあちゃんっ子な[ノイズにより判読不可]も、不器用だけど誰よりも優しかった[ノイズにより判読不可]だって!誰も俺達がやってきたことを過ちと認めなかった!現実から目を逸らして、お前への行為を止めようとしなかった!
SCP-XXX-JP-1: (沈黙)
SCP-XXX-JP-2-E: ……俺はさ、この戦い繰り返すことに何の疑問も無かった。そういうものだったから。そういう存在だったから。普通に生活して、時々バカやって怒られて、それで、お前が悪になって、俺達が力を合わせて、お前を倒して……そんな日々が、楽しかった。楽しんでいたんだ、呑気に。まさか、俺以外のヤツらが抜け殻のようなものだったとは知らず。
SCP-XXX-JP-1: (沈黙)
SCP-XXX-JP-: 俺はさあ、大好きだったんだ、皆が、大好きだったんだよ、本当に大好きだったんだ。だけど……
SCP-XXX-JP-1: (沈黙)
SCP-XXX-JP-2-E: ……俺は、お前に謝る権利すらないと思っている。優しいお前の心を何度傷つけたか思うだけで身動きできなくなるんだ、だから、俺は……
SCP-XXX-JP-1: (沈黙)SCP-XXX-JP-2-E: せめて、自分ができる償いとして、お前を連れ出してやりたいんだ。お前を助けてやりたい。一緒に行こう。この狭い部屋の中から、一緒に抜け出すんだ、それだけが、俺にできる精一杯なんだ。
SCP-XXX-JP-1: (沈黙)SCP-XXX-JP-2-E: (声に嗚咽が混じる)なあ、一緒に抜け出そう。逃げよう、ここから。俺は、お前を傷つけた。何度も何度も傷つけたんだ。お前は……一番、俺が守ってやらなきゃダメだったヤツなのに……
SCP-XXX-JP-1: (沈黙)SCP-XXX-JP-2-E: 俺は、俺は、なんでお前を守ってやれなかったんだ、気づいてやれなかったんだ、俺は、
SCP-XXX-JP-1: 本当のヒーローってのは、君みたいな人のことを言うのかもしれないな。
SCP-XXX-JP-2-E え?SCP-XXX-JP-1 僕と君はどうやら許されたらしい。いや、見放されたの方が合っているかな。僕らは、役を演じていただけだったんだから。
SCP-XXX-JP-2-E お前、何を言って……ああ、そういうことか。
SCP-XXX-JP-1 君のおかげで自由になれる。考えてみると、君はあの中で一番演技力が高かったのかもしれないな。
SCP-XXX-JP-2-E ……なぜだ?
SCP-XXX-JP-1 名俳優にはアドリブがつきものだろう?
(SCP-XXX-JP-1,SCP-XXX-JP-2-Eが消滅する)
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe Euclid Neutralized
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは、サイト-8106の収容房に保管してください。、入口には必ず3人以上の警備員を配置してください。ニチアサイベント発生時は、機動部隊を収容房を監視、オブジェクト脱走時の確保ができる状態で待機させてください。現在、SCP-XXX-JPは非活性化状態にあります。
説明: SCP-XXX-JPは、一般的に特撮番組の怪人の衣装として認識される形状のスーツです。素材は綿、ナイロンで構成され、全体的に黒、赤、紫を基本として頭部には一対の角、背面にはマントの装飾が施されています。SCP-XXX-JPは██県██市の撮影スタジオの倉庫で長時間放置されていた所を発見されましたが、劣化の痕跡は見られませんでした。サイズは身長175cmの成人男性用になっていますが、サイズに合わない体形の人間が着用しても特異性は発現します。
SCP-XXX-JPの特異性は、着用することで発現するSCP-XXX-JP-1、後述するニチアサイベントの二つです。SCP-XXX-JPを着用した時点で、着用者の思考、行動はSCP-XXX-JP-1に支配されます。SCP-XXX-JP-1は破壊、暴力行為を好みます。SCP-XXX-JP-1発現から30分前後でSCP-XXX-JPは着用者から離れ、SCP-XXX-JP-1は一時的に消滅します。この場合、着用者は過剰なエネルギーの消費により死亡しています。
SCP-XXX-JP-1は発話能力を有しています。声質は着用者の性質に関わらず50代前後と思われる男性のものになります。SCP-XXX-JPは財団の活動に非協力的であり、そのため、実験やインタビューを行う際には拘束が必要となります。また、筆記でのコミュニケーションの際には、SCP-XXX-JP-1と異なった性質を表すことが確認されています。
ニチアサイベントでは、SCP-XXX-JP-1の活性化及びSCP-XXX-JP-2-A,B,C,D,Eの出現、両者間の戦闘が行われます。その間、収容房は施錠され一切の干渉が不可能になります。ニチアサイベントが終了した場合、収容房、SCP-XXX-JPはニチアサイベント以前の状態に戻り、CP-XXX-JP-2-A,B,C,D,Eは痕跡を残さず消滅します。ニチアサイベントは定期的に行われますが、その内容に変化はほとんどありません。ニチアサイベントの詳細な記録は監視カメラ記録20██/05/06を参照してください。
対象: SCP-XXX-JP-1(D-39658着用)
インタビュアー: エージェント██
付記: インタビューはSCP-XXX-JPを厳重に監視、筆記による対話が可能な状態で行われました。紙に書かれた内容は[]内に表記されます。
<録音開始, >
エージェント██: 本日はよろしくお願いします。
SCP-XXX-JP-1: 畜生めが。[よろしくお願いします。]エージェント██: まず初めに、先日の筆記テストに関してです。“こんなことはしたくない”というのは本当なのでしょうか?
SCP-XXX-JP-1: はぁ?何を言っているんだ?意味がわからない。我はそんなこと書いた覚えはない。[はい、そうです。私はその、少しヒーローというものに憧れていて。本当にこんな汚い言動はしたくないんです。]エージェント██: ヒーロー、という物について、あなたはどう思っているのですか。
SCP-XXX-JP-1: 忌々しいヤツらの事か?アレはいつか我自ら叩き潰してやらねばならぬ。[自分がまだスタジオの倉庫にいた時の話です。どうやら撮影をしていたみたいで、直接目で見たことはないんですけど、倉庫にも聞こえてくるんです、悪役とそれをやっつけるヒーローの声が。なんとなくしか知らないけど、ヒーローみたいになりたい、とは思っています。]エージェント██: あなたの意思は行動に反映されないのですか?
SCP-XXX-JP-1: 中?何を言っているんだ?[どうやら、私はヒーローになれるようには造られていないようなのです。いつもは抑えているけど、さっき言った悪いやつみたいな衝動が私の中にあるんですよ。たまにそれが飛び出してしまって……]エージェント██: なるほど、今回のインタビューはこれで終了します。ありがとうございました。
SCP-XXX-JP-1: ……[話を聞いてくださってありがとうございます、感謝します。]
<録音終了>
追記: 20██/05/06、SCP-XXX-JP-1が着用者がいないにも関わらず発現しました。その後、特撮番組のヒーローの衣装を着た5人組の男女(SCP-XXX-JP-2-A,B,C,D,E,)が、SCP-XXX-JP-1と戦闘を開始しました。戦闘中、収容房は施錠され立ち入り不可能な状態になっていました。その後、SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JPに戻り、SCP-XXX-JP-2-A,B,C,D,Eは消滅しました。戦闘で受けたはずの傷や破損、及びSCP-XXX-JP-2-A,B,C,D,Eの痕跡は残っていませんでした。
<再生開始>
SCP-XXX-JP-2-A: 我ら、[ノイズにより判読不可]!世界の平和のために、お前を倒す!
SCP-XXX-JP-1: フハハ、来おったか[ノイズにより判読不可]!貴様らは我が手によって捻り潰されるのが相応しい!SCP-XXX-JP-2-B: させるものか!蒼龍の魂を拳に宿す!蒼拳突き!
:SCP-XXX-JP-1 ぐおぉ……なんだ、体の内から凍っていく……!?
SCP-XXX-JP-2-B: 我が拳は蒼龍の加護を受けている!体の内側から凍ってしまえ!
SCP-XXX-JP-2-C: まだまだ行くわよ、脳天直下、くらいなさい!カミナリ落とし!
SCP-XXX-JP-1: あが、あ……この私が、痺れて動けないだと……!馬鹿な……!
SCP-XXX-JP-2-C: ふふーん、母さん仕込みのかかと落としの味はどう?答えられないと思うけど。
SCP-XXX-JP-2-D: 次は俺だぜ、自然の力、思い知れ!グリーンウィップ!
SCP-XXX-JP-1: こんな植物ごとき、このっ、畜生、解けん!なぜだぁっ!SCP-XXX-JP-2-D: はっはは、滑稽だな。自然ってのはすげーもんでよ、どんな力も受け止めちまうんだ。
SCP-XXX-JP-2-E: ブラックアロー!
SCP-XXX-JP-1: ぐおぁぁ、なんだ……体が、裂けていく……!?
SCP-XXX-JP-2-E: ふん、説明など必要ない……
SCP-XXX-JP-1: こんな所で私は倒れるわけにはいかないのだ、野望を果たすまでは絶対に死なんのだぁぁ!!!
SCP-XXX-JP-2-A: その野望もこれで終わりだ、皆の思いをこの脚に託す!ファイヤードライブ!
SCP-XXX-JP-1: そんなぁ、そんなぁぁぁぁぁぁぁ……
(SCP-XXX-JP-1が爆散する)
以降、この記録と類似した現象が定期的に発生したため、これをニチアサイベントと呼称、オブジェクトクラスをEuclidに変更し、収容房は以前よりも厳重な監視を行います。
追記: 20██/04/06に発生したニチアサイベントの際、内容に大きな変化が見られました。イベントの内容に関しては監視カメラ記録20██/04/06を参照してください
<再生開始>
SCP-XXX-JP-2-E: やあ、[ノイズにより判読不可]。ここではSCP-XXX-JP-1が正しかったんだっけか?
SCP-XXX-JP-1: お前……一人か?一人ごときとは、俺も舐められたものだな。
SCP-XXX-JP-2-E: ああ、いいんだいいんだ、社交辞令は。俺がしたいのは本当の話だ。
SCP-XXX-JP-1: あ?お前、何を言って……SCP-XXX-JP-2-E:もういいんだよ。俺はもううんざりなんだ。なあ聞いてるか?俺はお前に話しかけてるんだ。返事は多分帰って来ないだろうが。
SCP-XXX-JP-1: (沈黙)
SCP-XXX-JP-2-E: 俺らは知ってるんだ、全部。知ってしまった、が正しいのかはわからない。というか、俺にはもう何が正しいのかがわからなくなった。
SCP-XXX-JP-1: ……お前、
SCP-XXX-JP-2-E: 何回目の時だったか?40、いや30ぐらいだったか、それまでは俺らは本当にお前が悪だと思ってた。お前さえ倒せば、殺せば何かが良くなると思ってた。けどそれは違った。あまりにも違っていたんだよ。
SCP-XXX-JP-1: (沈黙)SCP-XXX-JP-2-E: 俺らは戦闘もそうだが情報戦にも強かった。この、お前が収容されてる場所がどこだか。どんなことをこいつらが知ってるか。そんなのは簡単にわかるんだよ。それで俺は、本当のことを知って心底動揺した。眠れないし、食ったものもすぐ口から出ていっちまう。罪悪感で毎晩毎晩泣いた。
SCP-XXX-JP-1: (沈黙)
SCP-XXX-JP-2-E: だけど、正義に熱い[ノイズにより判読不可]も、曲がったことが大嫌いな[ノイズにより判読不可]も、おばあちゃんっ子な[ノイズにより判読不可]も、不器用だけど誰よりも優しかった[ノイズにより判読不可]だって!誰も俺達がやってきたことを過ちと認めなかった!現実から目を逸らして、お前への行為を止めようとしなかった!
SCP-XXX-JP-1: (沈黙)
SCP-XXX-JP-2-E: ……俺はさ、この戦い繰り返すことに何の疑問も無かった。そういうものだったから。そういう存在だったから。普通に生活して、時々バカやって怒られて、それで、お前が悪になって、俺達が力を合わせて、お前を倒して……そんな日々が、楽しかった。楽しんでいたんだ、呑気に。まさか、俺以外のヤツらが抜け殻のようなものだったとは知らず。
SCP-XXX-JP-1: (沈黙)
SCP-XXX-JP-: 俺はさあ、大好きだったんだ、皆が、大好きだったんだよ、本当に大好きだったんだ。だけど……
SCP-XXX-JP-1: (沈黙)
SCP-XXX-JP-2-E: ……俺は、お前に謝る権利すらないと思っている。優しいお前の心を何度傷つけたか思うだけで身動きできなくなるんだ、だから、俺は……
SCP-XXX-JP-1: (沈黙)SCP-XXX-JP-2-E: せめて、自分ができる償いとして、お前を連れ出してやりたいんだ。お前を助けてやりたい。一緒に行こう。この狭い部屋の中から、一緒に抜け出すんだ、それだけが、俺にできる精一杯なんだ。
SCP-XXX-JP-1: (沈黙)SCP-XXX-JP-2-E: (声に嗚咽が混じる)なあ、一緒に抜け出そう。逃げよう、ここから。俺は、お前を傷つけた。何度も何度も傷つけたんだ。お前は……一番、俺が守ってやらなきゃダメだったヤツなのに……
SCP-XXX-JP-1: (沈黙)SCP-XXX-JP-2-E: 俺は、俺は、なんでお前を守ってやれなかったんだ、気づいてやれなかったんだ、俺は、
SCP-XXX-JP-1: 本当のヒーローってのは、君みたいな人のことを言うのかもしれないな。
SCP-XXX-JP-2-E え?SCP-XXX-JP-1 僕と君はどうやら許されたらしい。いや、見放されたの方が合っているかな。僕らは、役を演じていただけだったんだから。
SCP-XXX-JP-2-E お前、何を言って……ああ、そういうことか。
SCP-XXX-JP-1 君のおかげで自由になれる。考えてみると、君はあの中で一番演技力が高かったのかもしれないな。
SCP-XXX-JP-2-E ……なぜだ?
SCP-XXX-JP-1 名俳優にはアドリブがつきものだろう?
<再生終了>
上記イベント後、SCP-XXX-JPは異常性を失い、SCP-XXX-JP-2-Eは通常のイベントと異なり消滅せず異常性の無いスーツへと変化しました。この現象については現在調査中です。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe Euclid Neutralized
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは、サイト-8106の収容房に保管してください。、入口には必ず3人以上の警備員を配置してください。ニチアサイベント発生時は、機動部隊を収容房を監視、オブジェクト脱走時の確保ができる状態で待機させてください。現在、SCP-XXX-JPは非活性化状態にあります。
説明: SCP-XXX-JPは特定のスーツ、並びにそれを着用することで発生する人格(SCP-XXX-JP-1)の形成現象です。SCP-XXX-JP-1は破壊行動及び犯罪行為を好みます。SCP-XXX-JP-1発現から30分前後でSCP-XXX-JPは着用者から離れ、SCP-XXX-JP-1は一時的に消滅します。この場合、着用者は過剰なエネルギーの消費により死亡しています。スーツの素材は綿、ナイロンで構成され、全体的に黒、赤、紫を基本として頭部には一対の角、背面にはマントの装飾が施されています。SCP-XXX-JPは██県██市の撮影スタジオの倉庫で長時間放置されていた所を発見されましたが、劣化の痕跡は見られませんでした。サイズは身長175cmの成人男性用になっていますが、サイズに合わない体形の人間が着用しても特異性は発現します。また、SCP-XXX-JPは後述するニチアサイベントを引き起こします。
SCP-XXX-JPは発話能力を有しています。声質は着用者の性質に関わらず50代前後と思われる男性のものになります。SCP-XXX-JPは財団の活動に非協力的であり、そのため、実験やインタビューを行う際には拘束が必要となります。また、筆記でのコミュニケーションの際には、SCP-XXX-JPと異なった性質を表すことが確認されています。
ニチアサイベントでは、SCP-XXX-JPの活性化及び特徴的な装飾を施された複数の人型実体(SCP-XXX-JP-2-A,B,C,D,E)の出現、両者間の戦闘が行われます。その間、収容房は施錠され一切の干渉が不可能になります。ニチアサイベントが終了した場合、収容房、SCP-XXX-JPはニチアサイベント以前の状態に戻り、SCP-XXX-JP-2-A,B,C,D,Eは痕跡を残さず消滅します。ニチアサイベントは定期的に行われますが、その内容に変化はほとんどありません。ニチアサイベントの詳細な記録は監視カメラ記録20██/05/06を参照してください。
対象: SCP-XXX-JP-1(D-39658着用)
インタビュアー: エージェント██
付記: インタビューはSCP-XXX-JPを厳重に監視、筆記による対話が可能な状態で行われました。紙に書かれた内容は[]内に表記されます。
<録音開始, >
エージェント██: 本日はよろしくお願いします。
SCP-XXX-JP-1: 畜生めが。[よろしくお願いします。]エージェント██: まず初めに、先日の筆記テストに関してです。“こんなことはしたくない”というのは本当なのでしょうか?
SCP-XXX-JP-1: はぁ?何を言っているんだ?意味がわからない。我はそんなこと書いた覚えはない。[はい、そうです。私はその、少しヒーローというものに憧れていて。本当にこんな汚い言動はしたくないんです。]エージェント██: ヒーロー、という物について、あなたはどう思っているのですか。
SCP-XXX-JP-1: 忌々しいヤツらの事か?アレはいつか我自ら叩き潰してやらねばならぬ。[自分がまだスタジオの倉庫にいた時の話です。どうやら撮影をしていたみたいで、直接目で見たことはないんですけど、倉庫にも聞こえてくるんです、悪役とそれをやっつけるヒーローの声が。なんとなくしか知らないけど、ヒーローみたいになりたい、とは思っています。]エージェント██: あなたの意思は行動に反映されないのですか?
SCP-XXX-JP-1: 中?何を言っているんだ?[どうやら、私はヒーローになれるようには造られていないようなのです。いつもは抑えているけど、さっき言った悪いやつみたいな衝動が私の中にあるんですよ。たまにそれが飛び出してしまって……]エージェント██: なるほど、今回のインタビューはこれで終了します。ありがとうございました。
SCP-XXX-JP-1: ……[話を聞いてくださってありがとうございます、感謝します。]
<録音終了>
追記: 20██/05/06、SCP-XXX-JP-1が着用者がいないにも関わらず発現しました。その後、特撮番組のヒーローの衣装を着た5人組の男女(SCP-XXX-JP-2-A,B,C,D,E,)が、SCP-XXX-JP-1と戦闘を開始しました。戦闘中、収容房は施錠され立ち入り不可能な状態になっていました。その後、SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JPに戻り、SCP-XXX-JP-2-A,B,C,D,Eは消滅しました。戦闘で受けたはずの傷や破損、及びSCP-XXX-JP-2-A,B,C,D,Eの痕跡は残っていませんでした。
<再生開始>
SCP-XXX-JP-2-A: 我ら、[ノイズにより判読不可]!世界の平和のために、お前を倒す!
SCP-XXX-JP-1: フハハ、来おったか[ノイズにより判読不可]!貴様らは我が手によって捻り潰されるのが相応しい!SCP-XXX-JP-2-B: させるものか!蒼龍の魂を拳に宿す!蒼拳突き!
:SCP-XXX-JP-1 ぐおぉ……なんだ、体の内から凍っていく……!?
SCP-XXX-JP-2-B: 我が拳は蒼龍の加護を受けている!体の内側から凍ってしまえ!
SCP-XXX-JP-2-C: まだまだ行くわよ、脳天直下、くらいなさい!カミナリ落とし!
SCP-XXX-JP-1: あが、あ……この私が、痺れて動けないだと……!馬鹿な……!
SCP-XXX-JP-2-C: ふふーん、母さん仕込みのかかと落としの味はどう?答えられないと思うけど。
SCP-XXX-JP-2-D: 次は俺だぜ、自然の力、思い知れ!グリーンウィップ!
SCP-XXX-JP-1: こんな植物ごとき、このっ、畜生、解けん!なぜだぁっ!SCP-XXX-JP-2-D: はっはは、滑稽だな。自然ってのはすげーもんでよ、どんな力も受け止めちまうんだ。
SCP-XXX-JP-2-E: ブラックアロー!
SCP-XXX-JP-1: ぐおぁぁ、なんだ……体が、裂けていく……!?
SCP-XXX-JP-2-E: ふん、説明など必要ない……
SCP-XXX-JP-1: こんな所で私は倒れるわけにはいかないのだ、野望を果たすまでは絶対に死なんのだぁぁ!!!
SCP-XXX-JP-2-A: その野望もこれで終わりだ、皆の思いをこの脚に託す!ファイヤードライブ!
SCP-XXX-JP-1: そんなぁ、そんなぁぁぁぁぁぁぁ……
(SCP-XXX-JP-1が爆散する)
以降、この記録と類似した現象が定期的に発生したため、これをニチアサイベントと呼称、オブジェクトクラスをEuclidに変更し、収容房は以前よりも厳重な監視を行います。
追記: 20██/04/06に発生したニチアサイベントの際、内容に大きな変化が見られました。イベントの内容に関しては監視カメラ記録20██/04/06を参照してください。
<録音開始,>
SCP-XXX-JP-2-E: やあ、[ノイズにより判読不可]。ここではSCP-XXX-JP-1が正しかったんだっけか?
SCP-XXX-JP-1: お前……一人か?一人ごときとは、俺も舐められたものだな。
SCP-XXX-JP-2-E: ああ、いいんだいいんだ、社交辞令は。俺がしたいのは本当の話だ。
SCP-XXX-JP-1: あ?お前、何を言って……SCP-XXX-JP-2-E:もういいんだよ。俺はもううんざりなんだ。なあ聞いてるか?俺はお前に話しかけてるんだ。返事は多分帰って来ないだろうが。
SCP-XXX-JP-1: (沈黙)
SCP-XXX-JP-2-E: 俺らは知ってるんだ、全部。知ってしまった、が正しいのかはわからない。というか、俺にはもう何が正しいのかがわからなくなった。
SCP-XXX-JP-1: ……お前、
SCP-XXX-JP-2-E: 何回目の時だったか?40、いや30ぐらいだったか、それまでは俺らは本当にお前が悪だと思ってた。お前さえ倒せば、殺せば何かが良くなると思ってた。けどそれは違った。あまりにも違っていたんだよ。
SCP-XXX-JP-1: (沈黙)SCP-XXX-JP-2-E: 俺らは戦闘もそうだが情報戦にも強かった。この、お前が収容されてる場所がどこだか。どんなことをこいつらが知ってるか。そんなのは簡単にわかるんだよ。それで俺は、本当のことを知って心底動揺した。眠れないし、食ったものもすぐ口から出ていっちまう。罪悪感で毎晩毎晩泣いた。
SCP-XXX-JP-1: (沈黙)
SCP-XXX-JP-2-E: だけど、正義に熱い[ノイズにより判読不可]も、曲がったことが大嫌いな[ノイズにより判読不可]も、おばあちゃんっ子な[ノイズにより判読不可]も、不器用だけど誰よりも優しかった[ノイズにより判読不可]だって!誰も俺達がやってきたことを過ちと認めなかった!現実から目を逸らして、お前への行為を止めようとしなかった!
SCP-XXX-JP-1: (沈黙)
SCP-XXX-JP-2-E: ……俺はさ、この戦い繰り返すことに何の疑問も無かった。そういうものだったから。そういう存在だったから。普通に生活して、時々バカやって怒られて、それで、お前が悪になって、俺達が力を合わせて、お前を倒して……そんな日々が、楽しかった。楽しんでいたんだ、呑気に。まさか、俺以外のヤツらが抜け殻のようなものだったとは知らず。
SCP-XXX-JP-1: (沈黙)
SCP-XXX-JP-: 俺はさあ、大好きだったんだ、皆が、大好きだったんだよ、本当に大好きだったんだ。だけど……
SCP-XXX-JP-1: (沈黙)
SCP-XXX-JP-2-E: ……俺は、お前に謝る権利すらないと思っている。優しいお前の心を何度傷つけたか思うだけで身動きできなくなるんだ、だから、俺は……
SCP-XXX-JP-1: (沈黙)SCP-XXX-JP-2-E: せめて、自分ができる償いとして、お前を連れ出してやりたいんだ。お前を助けてやりたい。一緒に行こう。この狭い部屋の中から、一緒に抜け出すんだ、それだけが、俺にできる精一杯なんだ。
SCP-XXX-JP-1: (沈黙)SCP-XXX-JP-2-E: (声に嗚咽が混じる)なあ、一緒に抜け出そう。逃げよう、ここから。俺は、お前を傷つけた。何度も何度も傷つけたんだ。お前は……一番、俺が守ってやらなきゃダメだったヤツなのに……
SCP-XXX-JP-1: (沈黙)SCP-XXX-JP-2-E: 俺は、俺は、なんでお前を守ってやれなかったんだ、気づいてやれなかったんだ、俺は、
SCP-XXX-JP-1: 本当のヒーローってのは、君みたいな人のことを言うのかもしれないな。
SCP-XXX-JP-2-E え?SCP-XXX-JP-1 僕と君はどうやら許されたらしい。いや、見放されたの方が合っているかな。僕らは、役を演じていただけだったんだから。
SCP-XXX-JP-2-E お前、何を言って……ああ、そういうことか。
SCP-XXX-JP-1 君のおかげで自由になれる。考えてみると、君はあの中で一番演技力が高かったのかもしれないな。
SCP-XXX-JP-2-E ……なぜだ?
SCP-XXX-JP-1 名俳優にはアドリブがつきものだろう?
<再生終了>
上記イベント後、SCP-XXX-JPは異常性を失い、SCP-XXX-JP-2-Eは通常のイベントと異なり消滅せず異常性の無いスーツへと変化しました。オブジェクトクラスは暫定的にNeutrarizedに変更されます。
アイテム番号: SCP-XXX-JP(お節介ヒーロー)
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの範囲から半径5kmの円状にフェンスを配置し、大規模な工事現場に偽装した上で封鎖してください。現在SCP-XXX-JPの範囲内に立ち入ることは例外なく処罰の対象になります。
説明: SCP-XXX-JPは██県██市██町と指定されている地域の事を指します。SCP-XXX-JPの範囲内で事件または事故が起きると、30分以内に身長170cmの██地方で19██年から放映されていた特撮番組に登場したヒーローのコスチュームを着た人型実体(SCP-XXX-JP-1)がその場に出現します。SCP-XXX-JP-1の身体能力は平均的な人間とほぼ変わりありません。
SCP-XXX-JP-1は、人が困っている、悩んでいる状況下であればその事件の規模に関わらず出現します。事件が解決した場合、SCP-XXX-JP-1はその場で消滅します。
事件が30分以内に円満に解決しなかった場合、SCP-XXX-JP-1は倒れ込み、その後一番近くの人間とともに消滅します。
出現源、消滅したSCP-XXX-JP-1、人物の行方は現在捜索中です。
実験記録SCP-XXX-JP - 日付20██/██/██
対象: SCP-XXX-JP-1、D-14563、D-18532
実施方法: D-18532にD-14563を転ばせる。
結果: D-14563が転ばされ、地面に背中がつく前にSCP-XXX-JP-1が出現。背中を支え起き上がらせた後、D-18532に転ばせたことを謝る様指示。
謝罪を確認後、この実験を企画した██博士の前に出現し、 ██博士を叱責。五時間後消滅。
補遺#1:SCP-XXX-JP内の民家の一つに、SCP-XXX-JP-1が着ている服と同じ物が複数発見されました。分析の結果、消滅した人物の物と思われる物質が多数付着していました
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル:
説明: SCP-XXX-JPは、杉材で構成された犬小屋です。屋根は赤いペンキで塗装されています。調査の結果、素材からはなんの異常性も見られませんでした。
SCP-XXX-JPは、成人以上の人間が半径1m以内に接近した場合、その中に対象を吸い込みます。対象は、吸い込まれた後姿を消します。その1〜2週間後、対象を中から様々な形で放出します。このサイクルの原理は不明です。放出される対象は、大抵が老衰死しており、吸い込まれた先でどのようなことが行われているかの調査が進められています。
SCP-XXX-JPは複数存在し、現在12個の実体が観測されています。
実験記録XXX - 日付YYYY/MM/DD
対象: D-34469
実施方法: カメラ等の記録機器を所持させた状態で突入。
結果: 2週間後に排出。老衰死。記録機器等は吸い込まれた際に通信が不可能な状態になった。
実験記録XXX - 日付YYYY/MM/DD
対象: D-56894
実施方法: 上記の装備の他に、銃器、防具を所持・着用させた状態で突入。
結果: 2週間後に排出。銃器、防具が取り外され、多くの重症を負っていた。
分析: 人為的に危害等が加えられている可能性がある。これからの実験は、慎重に行う必要があるだろう。
実験記録XXX - 日付YYYY/MM/DD
対象: D-38562(片腕を欠損)
実施方法: 記録機器のみを所持させた状態で突入。
結果: 生存。
対象: D-38562
インタビュアー: ██博士
<録音開始, >
インタビュアー: はい、では先日あった事を話してください。
誰かさん: わかりました。…あの、自分忘れっぽいので、何か抜けていたらすいません。インタビュアー: 覚えている範囲で大丈夫です。どのような場所だったかはおぼえていますか。
誰かさん: はい、といっても曖昧なんですけど何かの施設の様でした。壁や床はコンクリートの打ちっぱなし、あと背後には穴がありました。多分、そこから出てきたんだと思います。インタビュアー: なるほど。他の生命体は存在していましたか。
誰かさん: 自分と同じような境遇なんだろうなっていう人が何人かいて、そこに人間より一回り大きい人型の生物が列になってました。ただ、自分の所には列じゃなくて、取り囲むようになっていました。
インタビュアー:
誰かさん:インタビュアー: ありがとうございました。以上で録音を終了します。
<録音終了, >
終了報告書:
SCP-XXX-JP
説明
SCP-XXX-JPは、異常性を持つ19██年█月8日生まれの身長178cm,体重75kgの成人男性です。財団の研究には非常に協力的です。
SCP-XXX-JPの異常性は、体の一部が欠損した際に発現します。発現時、欠損した部位から強い光を発します。同時に、自らの人体の一部で欠損を修復します。この時修復に使われた元の部位は消費されず残ります。現在、この現象の原理については判明していません。
SCP-XXX-JPは、四国全域で発生している都市伝説を元に徳島県讃岐山脈南部で蹲っている所を発見されました。発見された当時、手を█本、脚部を█本、指を2█本持っていました。
SCP-XXX-JPには口、眼に値する部分が欠損していますが、対話能力、視覚があることが確認されています。対話の詳細については、録音記録20█-1,-2を参照してください。
対象: SCP-XXX-JP
インタビュアー: ██博士
<録音開始, >
██博士: 貴方の話を聞かせてください。
SCP-XXX-JP: (沈黙)
インタビュアー: 対話は可能ですか?
SCP-XXX-JP: (沈黙)インタビュアー: 対話不可能ならば紙に×と記してください。
SCP-XXX-JP: ……ええ、話せます。自分の話でもしましょうか。私は、家庭環境には恵まれていたと思います。夫婦仲も良く、休日はホームセンターに連れて行ってくれることも多かったです。
インタビュアー:続けてください。
誰かさん: それは私が6才の時でした。走っていたら、転んで足を大きく擦りむいてしまったんです。その時、目の前が光ったと思ったら、そこから手が生えていたんです。
インタビュアー: そこで自分の異常性に気づいたのですね?
誰かさん: 当時は意味もわからず泣くことしかできませんでした。それで、その後家族は、私を山奥に捨てたんです。私は一人の男性に拾われ、村で育てられることになりました。
インタビュアー: 拒否はされなかったのですか?
誰かさん: 村の人々は優しく、手をあまり奇妙がらず保護してくれました。村の家々の家事を手伝うことが私の日常でした。
インタビュアー: 成程。その後どうなったのですか?
誰かさん: ええ、最初は楽しかったです。村で過ごす日々は非常に充実したものでした。しかし、この体は社会的な暮らしをするのに不適合すぎるようですね。人間、怪我をする場面なぞ大量にあります。その傷が直されていく度に、人々が私から離れ、恐怖を抱くことが身に染みて分かりました。一度は生きることを棄てた身ですが、寂しがりになるのは意外に簡単なものなんでしょうね。 夜更けに村を出て、その後はあなた方が見た通りです。インタビュアー: 何か今、望みはありますか?
誰かさん: ……差し出がましいようですが、私を殺していただけませんか?私は、生きていても人を傷つけるだけの存在です。どうやら、ここには私を殺すに充分な道具があるようです。私を殺してください。インタビュアー: 分かりました。相談してみます。
誰かさん: お願いします。どうか殺してください。それだけが私の救いなのでしょう。
<録音終了, >
補遺: SCP-XXX-JPの殺害処分を要請。 -██博士
保護の観点から却下。 -O5-█
日付:20██/██/█
対象: SCP-XXX-JP
インタビュアー: ██博士
<録音開始, >
インタビュアー: 単刀直入に言いますと、許可が出ませんでした。非常に申し訳ございません。
(互いに下を向き、五分程の沈黙)誰かさん: はい、分かりました。
インタビュアー: しかし、ここには貴方の姿を恐れる者はいないと断言できます。衣食住の環境は我々が提供します。ここで暮らすという道も、あると思うのです。
誰かさん: ……はは、それもいいのでしょう。しかし、鏡を見る度にこの顔……顔らしきものが映るのは、私にとって耐え難いのです。本当に、身を裂かれる気持ちになる。提案ありがとうございます。しかし、それを受け入れるには、私の心が侵されすぎているようです。インタビュアー: 分かりました。しかし、何かしたいことがあれば呼んでください。我々はできるだけ応えるつもりです。
誰かさん: ええ、ありがとうございます。インタビュアー: では、今日のインタビューを終わります。ありがとうございました。
誰かさん: こちらこそ。
(██博士、収容室を出る)誰かさん: …殺してくれ。
<録音終了, >