アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの収容に携わるすべての職員は眼鏡等の視力矯正器具の着用が義務付けられています。SCP-XXX-JP-Aは音響観測装置を備えた標準的肉食動物収容施設に個体別に収容してください。羽化の兆候が見られるSCP-XXX-JP-A個体、あるいはSCP-XXX-JP-Bは鳥類収容施設を改装した収容室に個体別に収容してください。1時間に1度、SCP-XXX-JP-A及びSCP-XXX-JP-Bの状態を観察してください。収容室内には1日に生きた牛を最低1匹給餌してください。SCP-XXX-JPの交配は個体数の維持の為にのみ許可されます。
説明: SCP-XXX-JPは眼鏡等の視力矯正器具を着用した上で視認する以外では知覚出来ない異常性を備えたトンボ目に類似した昆虫類です。SCP-XXX-JPはその性質上一般的な観測機器を用いた監視行動は収容現在では不可能です。SCP-XXX-JPの幼虫は音響装置を用いての観測が可能ですが、確実性を確保するため目視による観測も行ってください。SCP-XXX-JPは一般的なトンボと同様に、約8ヶ月かけ幼虫から成虫(以下幼虫を「SCP-XXX-JP-A」と、成虫を「SCP-XXX-JP-B」と呼称)へと変態します。SCP-XXX-JP-Aは体長約3m、脚部の形状から水生ではなく陸生に適応しています。また既存のトンボ目の幼虫とは異なり発達した下唇が一対の関節肢の役割を果たしており、下唇の先端は鋏状の牙が存在します。下唇は獲物の捕獲よりも獲物の切断等に用いられています。SCP-XXX-JP-Aは「小鳥の囀り」と形容される音を発することが確認されています。この音はエコロケーションのような反響定位に用いられていると推測されています。SCP-XXX-JP-Bは後翅長約4m、頭部から腹部先端まで約2mで2対の丈夫な翅、発達した2対の脚部と牙を備えた強靭な顎、翅以外を覆う甲殻を持ちますが、頭部に対して小さな複眼や滑空を中心とした飛行能力等から原始的な部分が多数確認されています。既存のトンボ目とは異なり腹部先端に鋭い爪を供えた付属器が存在し、獲物の脊髄や腹部を攻撃、交尾の際に相手を確保する際に使用されます。
SCP-XXX-JPは九州地方の██県の観光地である██炭鉱跡地から観光客の通報により発見されました。通報時、SCP-XXX-JP-Aが3体出現し、炭鉱跡地の観光ツアー団体の観光客を襲撃しました。観光客、及び事態収束に駆けつけた警察関係者の7割が眼鏡を着用していた為、被害状況は負傷者█名、死傷者█名に留まりました。
観光客、及び警察関係者には記憶処理を行い、カバーストーリー「有毒ガス発生」を適用し、██炭鉱跡地を封鎖、内部調査を行い、SCP-XXX-JP-Aを█匹、██個の卵を発見し、収容しました。また内部調査を行なった際に化石化したSCP-XXX-JP-Bに類似した昆虫の化石が発掘されており、関連性が調査されています。
観察記録01
予定内容: 収容施設内のSCP-XXX-JP-Aに牛(Bos taurus)を給餌する
結果: SCP-XXX-JP-Aはしばらく牛の周囲を旋回するような行動を取った後、牛の頸部を下唇を用いて攻撃し、頭部を切断した後、牛を摂食した。SCP-XXX-JP-Aは27分掛けて骨を残し牛を完食した。SCP-XXX-JP-Aに攻撃されるまでの牛を観察したところ、SCP-XXX-JP-Aの発する音に対しては反応していたが、SCP-XXX-JP-Aを知覚した様子は見られなかった。
分析: その後、個体別にSCP-XXX-JP-Aの捕食を観察した所、脊椎動物に対して頚動脈や脊椎に対する正確な攻撃を行なう事、及び自身の異常性を用いて積極的に捕食活動を行なっていることが確認出来ました。-河村研究員
観察記録04
予定内容: 収容施設内のSCP-XXX-JP-Bに牛(Bos taurus)を給餌する
結果: 樹木上のSCP-XXX-JP-Bはしばらく牛を観察した後、滑空すると牛の頸部に降り立ち、脚部で頸部に掴み掛かり、腹部先端の付属器で腹部、及び脊髄を数回突き刺した後、頭部を噛み千切りながら牛を捕食した。SCP-XXX-JP-Bは18分掛けて頭部の一部を除いた骨を残し牛を完食した。
分析: 牛の骨を回収した所、頚椎に相当な負荷による罅、脊髄が完全に破壊を確認しました。SCP-XXX-JP-Aと同様、脊椎動物に対して頚動脈や脊椎に対する正確な攻撃を行なう事、及び自身の異常性を用いて積極的に捕食活動を行なっていることが確認出来ました。また牛がSCP-XXX-JP-Bに対して抵抗したが、牛の足が通過するなどSCP-XXX-JP-Bに干渉した形跡は確認出来ませんでした。-河村研究員
観察記録05
予定内容: 収容施設内のSCP-XXX-JP-BとDクラス職員を接触させる。
付記: Dクラス職員には対大型動物用の装備を着用している。
結果: 樹木上のSCP-XXX-JP-BはしばらくDクラス職員を監察するような行動を取った後、Dクラス職員を襲撃した。SCP-XXX-JP-Bは7分掛けて対大型動物用の装備のヘルメットに噛み付く、腹部先端の付属器でアーマーの破壊を試みていたが、対大型動物用の装備を破壊するには至らず、樹木に退避した。Dクラス職員は状況を理解できずに暴れたがSCP-XXX-JP-Bに対する干渉は確認できなかった。
分析: Dクラス職員にインタビューを行なった所、ヘルメットの破壊音やアーマーに対する衝撃のみが聞えたとの証言が得られました。やはり眼鏡等の視力矯正器具を着用しなければSCP-XXX-JPには干渉は出来ませんでした。-河村研究員
観察記録06
予定内容: 収容施設内のSCP-XXX-JP-BとDクラス職員を接触させる。
付記: Dクラス職員には対大型動物用の装備に加え、視力矯正器具を着用。
結果: Dクラス職員は収容室内のSCP-XXX-JP-Bをすぐさま確認しました。SCP-XXX-JP-BはしばらくDクラス職員を観察していましたが、6分経過するとDクラス職員の背後の樹木に飛び移ると、背後から襲撃した。SCP-XXX-JP-Bは対大型動物用の装備のヘルメットに噛み付いていたが、Dクラス職員が抵抗した際にSCP-XXX-JP-Bに接触すると、SCP-XXX-JP-Bはすぐさま樹木に退避した。
分析: Dクラス職員のインタビューを行なった所、SCP-XXX-JP-Bの姿や、滑空の際の羽音などの行動音も観測出来たと証言しており、眼鏡等の視力矯正器具を着用することによりSCP-XXX-JPに干渉できることが確認出来ました。-河村研究員
終了報告書: 観察記録は全て映像機器にて撮影していましたが、映像内にSCP-XXX-JPは確認出来ませんでした。観察記録からSCP-XXX-JPの性質に関する仮説としてSCP-XXX-JPは我々の存在する空間と別次元の空間の狭間に生息する昆虫類であり、SCP-XXX-JPを知覚する条件は眼鏡等の視力矯正器具を用いての視認の他に、脳の補正によってSCP-XXX-JPを初めてこの空間に存在するものとして干渉が可能になると推測されます。-河村研究員
事件記録1: Dクラス職員から未収容化のSCP-XXX-JP-Aをサイト-81██内で発見したとの通報がありました。しかし駆けつけた機動部隊はDクラス職員が主張する収容下に置かれていないSCP-XXX-JP-Aは確認できず、虚偽報告かと思われましたが、機動部隊の部隊長が通報を行なったDクラス職員の眼鏡を装着した所、睡眠中と思われるSCP-XXX-JP-Aを確認出来ました。収容違反したSCP-XXX-JP-Aを調査した結果、通報を行なったDクラス職員が着用していたものと同様の度数の高い老眼用の眼鏡を着用しないと知覚出来ない性質を備えている事が判明しました。収容違反通報前のSCP-XXX-JP-Aの定期観察報告の際に個体数の変化については報告されていなかった事からこの性質は突発的な突然変異によるものと推測されています。
事件記録2: 個体数維持のための交配により誕生したSCP-XXX-JPの内、小型化、特定の視力矯正器具を用いらなければ知覚出来ない性質を保有したSCP-XXX-JP-A個体が確認されました。
確認された固体 |
体長 |
知覚に用いられた視力矯正器具 |
備考 |
SCP-XXX-JP-1 |
2.5m |
老眼用の多焦点レンズを用いた眼鏡 |
事件記録1と同個体。SCP-XXX-JP-Bへの変態後に性質の消失を確認。 |
SCP-XXX-JP-2 |
2.1m |
度数-█.██の遠近両用の多焦点レンズを用いた眼鏡 |
SCP-XXX-JP-A段階では性質の保有は確認出来ず、SCP-XXX-JP-Bへの変態時に性質を保有したと推測。 |
SCP-XXX-JP-3 |
1.6m |
コンタクトレンズ |
小型化により、SCP-XXX-JP-A時の運動性の向上が確認されており、収容室内の壁や天井を這い回り、上から給餌された牛を襲撃する等の行動を確認。 |
SCP-XXX-JP-4 |
1m |
通常とは異なり、単焦点レンズを逆付けされた眼鏡 |
以降この個体を用いた交配が行なわれていないにも拘らず、体長以外の性質を保有したSCP-XXX-JP-Aの個体数の増加を確認。 |
以上の点から、今後、交配によりSCP-XXX-JPの性質が変化する可能性の為、サイト-81██内での監視体制の強化及び、取り扱う視力矯正器具の種類を追加が承認されました。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プログラム: SCP-XXX-JPの周囲は有刺鉄線付きのフェンスで覆い、「自然保護区」のカバーストーリーを適用し、一般人の侵入を防いで下さい。SCP-XXX-JPの範囲内でSCP-XXX-JP-1が確認された場合はサンプルとして捕獲してください。捕獲したSCP-XXX-JP-1に異常性が見られた場合は
アイテム番号: SCP-████-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プログラム: SCP-████-JPはGPS及び遠隔起爆可能なドローンを最低100台を用いてエリア-81██
に収容してください。SCP-████-JPがエリア-81██外からの脱走が確認された場合は各国の空軍及び空港に連絡し航空機の離陸許可を取り消してください。さらに無人偵察機、及び機動部隊ら-22("鋼鉄のイカロス")
説明: SCP-████-JPは翼竜に類似した形状の生命体です。翼長7m、体重は不明です。SCP-████-JPは食事・水分補給・排泄を一切行わずに自立飛行が可能です。また確認されている限り、着陸は確認できませんでした。自立飛行可能な生命体、物体に激しい敵意を向け、積極的に破壊活動を行ないます。飛行物体を確認した場合、SCP-████-JPは翼部に相当する部分(ヘリコプターやドローンのロータ部分等)、それ以外ではコックピットを破壊する事により、飛行物体を撃墜します。
SCP-████-JP-1は██県の恐竜博物館に展示品として展示されていました。201█年に同県で発生した集中豪雨が発生し、豪雨による土砂災害の被害状況の確認の最中にSCP-████-JPを目撃した消防隊員による報告に傍受した財団のエージェントにより発見されました。財団の調査により付近の地形状から発生するであろう土砂ダムが発生していない事から土砂内に含まれていた流木等を摂食したことがSCP-████-JPが出現した理由であると判明しました。調査終了後、行政関係者には記憶処理を施しました。
補遺: SCP-████-JPの収容
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル:
説明:
補遺-1:
補遺-2:
アイテム番号: SCP-███-JP
オブジェクトクラス: keter
特別収容プロトコル: SCP-███-JPの正確な埋蔵量は不明です。
説明:
補遺-1:
補遺-2:
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル:
説明:
補遺-1:
補遺-2:
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル:
説明:
補遺-1:
補遺-2:
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは人型収容室内の専用のケースに保管してください。収容室には1年おきにDクラス職員を配属させてください。収容室内に出現した植物はすべて回収し、異常性の有無を調査し、種子以外は焼却処分してください。収容室内のDクラス職員には自身が知覚している存在に対して供述した日報の提出を義務付けさせてください。収容室内のDクラス職員の要望は可能な限り許可してください。
説明: SCP-XXX-JPは爬虫類の卵化石です。SCP-XXX-JP放射性炭素年代測定の結果、約7,700万年前の化石であると推測されています。SCP-XXX-JPの異常性は物理的接触した人物に対して2つの異常性を付与します。1つはSCP-XXX-JPに接触した人物の付近に数時間おきに植物を出現させます。出現する植物の量は1ヶ月事に増加の傾向が見られます。現在まで出現した植物に異常性は確認されていません。2つ目は接触者は衝撃波の発生を可能とします。この衝撃波は接触者は自発的に発生させる事は不可能で接触者を防御する目的にのみ発生する事が確認されています。接触者に付加される異常性は1年前後で消失します。SCP-XXX-JPは長期に渡り接触者がいない場合、物理的接触以外にSCP-XXX-JPを視認、あるいは「小さな動物の声」のような音と主張する音を発生し、音に反応した対象に対して異常性を付加します。SCP-XXX-JPに接触する対象が複数人いた場合、異常性が付加されるのは1人だけです。また過去にSCP-XXX-JPに接触した場合、再度の異常性の付加は現在確認されいません。接触者はSCP-XXX-JPに対して好意的な印象を持ち、深い精神的な繋がりを感じると主張します。
SCP-XXX-JPは当初、██府の自然史博物館に勤務していた学芸員である██氏を標準人型オブジェクトとして収容していました。しかし██氏に対するインタビューにより、██氏がSCP-XXX-JPとの接触によって異常特性を付加された接触者であることが判明し、当時██氏が学芸員として勤務していた██府の自然史博物館において期間限定で開催されていた展覧会において展示物として展示されていたSCP-XXX-JPを確保されました。██氏は異常特性が消失してから1年後に記憶処理を施した後、財団管理下の博物館に職員として雇用されました。
インタビュー記録SCP-XXX-JP
インタビュー対象: ██氏
インタビュアー: エージェント・筒井
付記: ██氏の異常特性の起源を調査する為に██氏を収容直後に実施。
<録音開始>
エージェント・筒井: どうもこんにちは。██さん。
██氏: こんちは。
エージェント・筒井: 早速で申し訳ありませんがあなたの能力についてお話を伺いたいと思います。
██氏: あーえっと…あれは俺がやった訳じゃなくてその…何て言えば… あの…信じてくれるかな?
エージェント・筒井: 大丈夫です。どんな事でもいいのでお話してください。
██氏: あれが全部あいつがやったんだ。
[██氏はエージェント・筒井の後方の壁を指差すが、そこには何も存在していない]
エージェント・筒井: すみません。私には見えませんがあいつとは?
██氏: やっぱり見えねえか。その…恐竜だよ。多分ハドロサウルスだと思う。恐竜図鑑に載ってるみたいなやつが俺だけに見えるんだ。そいつが草を持ってきてくれたり、俺に何かしようとした奴ら…えーとたとえば3日前のあんたらの仲間とか車を吹っ飛ばしたりしてくれてんだよ。今でも壁から顔だけ出して俺を見てる。
エージェント・筒井: それはいつからですか?
██氏: 1週間くらい前。俺の働いてる博物館で期間限定で展覧会やることになってさ、それに展示する卵の化石を触った時からあいつが現れた。
エージェント・筒井: その卵化石に触れるまでは一切そのようなこと能力は無かったと?
██氏: ない。そんなんじゃ今頃俺有名人じゃん。
エージェント・筒井: 確かにそうですね。その化石は今も██████████に存在しますか?この資料の中にあなたの主張した卵の化石はありますか?
[エージェント・筒井が██氏の勤務してる博物館に関する資料を渡す]
██氏: ええっと…あ、これだこれ。これも持っていくのか?
エージェント・筒井: はい。それが仕事ですから。
██氏: じゃあ壊さないでくれよ。多分あいつすげえ怒るから。
エージェント・筒井: 心得ておきます。その他に何かお話しすることはありますか?
██氏: ないよ。じゃあ気をつけてな。あ、ちょっと下がったほうがいいと思う。
[激しい雑音が発生]
<録音終了>
終了報告書: インタビューの最中に██氏の付近に多量の植物が出現、録音装置が停止させた為、録音は中止されました。この後、博物館内に存在していた卵化石の回収に成功。博物館内の卵化石のデータを削除済。関係者には記憶処理を実行。
██氏が主張する「ハドロサウルス科の植物食恐竜」(以下SCP-XXX-JP-1)は実験の結果、SCP-XXX-JPに異常特性を付与された接触者全員がその存在を知覚していることが判明しました。接触者は自身に付与された異常性に関してすべてSCP-XXX-JP-1が実行していると主張します。SCP-XXX-JP-1は対象となる接触者に付加された異常性の喪失すると同時に知覚不能となります。接触者はいずれもSCP-XXX-JP-1に対し、「自分を見守ってくれる」等の好意的な印象を述べています。
実験記録1 - 20██/05/1█
対象: D-XXX-1(対象のDクラス職員はSCP-XXX-JPに接触してから5ヶ月経過。)
実施方法: D-XXX-1に向けて9mm弾使用の拳銃を発砲する。
結果: 発生した衝撃波により銃弾は対象の目前で停止。SCP-XXX-JP-1については「体を盾にして銃弾から身を守ってくれていた」と記述。
分析: 観測装置を確認した所、対象の主張したSCP-XXX-JP-1については観測されなかった。
実験記録2 - 20██/05/1█
対象: 実験1と同様
実施方法: 対象に未連絡の状態で、機動部隊の狙撃班の標準装備である狙撃銃で狙撃する。
結果: 発生した衝撃波により、銃弾は対象の目前で停止。SCP-XXX-JP-1について対象は実験記録1と同様の記述。
分析: 接触者の意識外からの攻撃に対しても衝撃波の発生は確認された事からSCP-XXX-JP-1にはある程度の感知能力があると推測される。
実験記録3 - 20██/06/1█
対象: 実験1,2と同様。
実施方法: 自身に付与された異常性の実行を指示する。
結果: 植物の発生も衝撃波の発生も確認できなかった。CP-XXX-JP-1について対象は「ただじっと自分を見つめているだけで動いてはくれなかった。」と記述。
実験記録4 - 20██/08/██
対象: 実験1,2,3と同様。
実施方法: 収容室内の対象に酸化マグネシウムを混入させた飲料水を提供する。
結果: 対象は腹痛を訴え、収容室内にトイレに駆け込んだ。衝撃波の発生は確認できず、実験開始の翌日に至るまで、出現する植物の増加が確認された。SCP-XXX-JP-1については「右往左往しているだけで何もしなかった」と供述。
分析: 接触者に対し、内部要員による加害活動の有効性が確認された。
インタビュー対象: ██氏
インタビュアー: エージェント・筒井
付記: 特別収容プロトコル制定前に██氏にインタビューを実施。インタビュー時点で██氏はSCP-XXX-JPに接触してから█ヶ月経過。
<録音開始>
エージェント・筒井: どうもこんにちは。██さん。
██氏: こんにちは。なあ、俺はいつまでここに居るんだ?
エージェント・筒井: あなたの異常性を解明するまでです。ご協力をお願いします。
██氏: はいはい。で、今日は何を聞きたいんだ?
エージェント・筒井: あなたにのみ見えている存在の事に関してです。
██氏: あの恐竜のこと?あれだよ。恐竜図鑑のハドロサウルスの仲間ってページ引いたら復元図で載ってるような奴、あのパラサウロロフスとかランベオサウルスみたいな頭の派手じゃねー奴な。あれがずーっといんだよ。今もあんたのすぐ後ろにいるぜ。鼻息が掛かる距離に頭があるぞ。
エージェント・筒井: [エージェント・筒井は一度だけ振り返る。] すみません。やはりその恐竜はあなたにのみ見えるようです。その恐竜について詳しくお願いします。
██氏: まじか。えっと、まずすげえデカイ。高さは象くらいで全長は…路線バスくらいかな?色はオレンジっぽい。触った感触は…あれは…何だろうな旨く表現できない。4つ足で歩くけどたまに2足歩行するぜ。
エージェント・筒井: そのような巨体なのですか?ですがそれではこの部屋や建物には入れないのではないのでしょうか?
██氏: あー、それなんだけど…こう壁抜けっていうのか?壁なんか無いみたいにそこに佇んでずーっと俺を見てる。寝てる時なんかすげえぜ。鼻息が当たるくらいの距離まで近づいてきてやがる。
エージェント・筒井: その恐竜は四六時中あなたを見てるということですか?危害を加えることは?
██氏: ああ。それこそ朝起きてから寝るときまで。あ、1日に何回か草持ってくる何分か前くらいの時だけ見えない時があるぞ。何かしてくるってのは特にないかなあ。
エージェント・筒井: まさしく「おはようからおやすみまで」ですね。ストレスが溜まりませんか?
██氏: それが不思議と嫌じゃないんだ。どっちかってーと落ち着く。たまに鼻先擦り付けてきたりするけどそれも嫌じゃない。なんてーか…こう…一緒にいても嫌じゃないっていうの…家族か?俺に家族がいたらそう答えるかもな。
エージェント・筒井: 家族ですか…。
██氏: 草咥えてやってくるのも俺のこと子供とでも思ってんのかもな。ははは。
<録音終了>
終了報告書: ██氏は自身にのみ知覚できる存在に対し、好意的な印象を述べていますがインタビュー後に行なった実験から特別な影響力を及ぼしていない事が判明しています。
補遺: 接触者の付近に出現する植物には唾液等のDNAを含んだ体液や歯型は検知されておらず、あらゆる観測装置を用いた実験結果から██氏を含むSCP-XXX-JPの接触者が主張する「ハドロサウルス科の植物食恐竜」と推定される生命体は確認されていません。しかしSCP-XXX-JPの接触者はいずれも植物食恐竜の息遣いや触った感触を述べる事、また出現する植物の出目は今現在をもっても不明であることから何らかの存在がSCP-XXX-JPの接触者に干渉していると推測されています。接触者から提出される日報を確認し、変化が見られるようであれば新たに特別収容プロトコルを改訂してください。