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オブジェクト番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: 財団の管理するいかなるSCPオブジェクトも、その異常な挙動・特性が一般人に知られることのないようにしてください。また、異常な事象・物体・空間の情報は可及的早期に収集・秘匿し、それが広く知られることを防いでください。確認された異常な現象は最大限広範囲・長期間に渡りその発生を阻止してください。確認された異常な物品は可能な限り迅速に確保してください。確認された異常な空間は財団の管理下に置き、収容してください。財団の管理する情報は機密を厳守し、外部に漏れることのないよう保護してください。

説明: SCP-XXX-JPはある条件を満たす事象・物体・空間に対して働く現実改変を伴う現象です。

SCP-XXX-JPはSCP-████の発見に際した隠蔽工作が不完全であったことに起因するSCP-████の情報漏洩が確認された後、SCP-████が不明な原因により異常性を喪失していたというインシデントにより存在を捕捉され、以降数回に及び発生した同様のインシデント群によりその発生条件、異常性が明らかになり、収容プロトコルが制定されました。

財団の把握している、これまでにSCP-XXX-JPの対象となった事物の代表例は以下の通りです。

改変前の対象 改変後の対象
描かれている人物が動く肖像画 動いているかのように見える錯覚を引き起こす構図の絵
空間同士が捻じれて繋がっており、移動方向と実際の方角が一致しない異常空間 方位磁針等の計測器に影響を及ぼす磁場の乱れ及び方向感覚を鈍らせる視覚的効果を持つ景観
認識災害的な効果を含む楽曲群 聴衆の精神に特定の影響を与える音のパターンを多用した楽曲
外宇宙の干渉に起源を持ち、儀式的効果を持つ地表面に描かれた数十m規模の図形群 古代███文明を起源とする用途不明の図形群
██湖に棲息する未確認の巨大生物 流出した記録が証拠能力の低いものや対象の存在を肯定しないものに変化、対象は消失
一般社会では未解明の科学的原理に基づき飛行する構造物 解明済みの科学的原理により同様の行動を取るものへ変化。同時にその形状も変化前と類似した印象を与えうるもののまま、解明済みの原理により飛行可能なものへと変化
暗所や閉所などに[編集済]がいるという強迫観念をもたらす異常性ミーム ミーム的異常性を喪失、精神作用も極めて弱化(初等教育機関就学前後より低年齢の子供の間では異常性が残存したまま流布)

SCP-XXX-JPはAnomalusアイテムやSCPオブジェクトなどの異常な物品・空間・現象が大衆の下に晒された際に発動すると推定されています。この際対象がどれ程の人数・範囲・期間に認識されたときにSCP-XXX-JPの発動条件を満たすのかは不明ですが、財団の収容下にある各種オブジェクトのインシデント記録などから少人数・小範囲・短期間における民衆への曝露では発動しないことが推察できます。また、目撃者の終了や記憶処理などに始まる隠蔽処置が完全に行われた場合もSCP-XXX-JPは発動しません。SCP-XXX-JPによる被害により目撃者が全員落命した場合も同じです。

以上からSCP-XXX-JPは、隠蔽処置が何らかの事情により不完全・未遂行であった場合など、目撃証言や物的証拠そのものまたはそれらを元にした噂などが二次的三次的に社会に広まった場合に発動すると考えられます。

SCP-XXX-JPは現実改変を行い、対象を無力化します。その際対象の有していた性質は改変後も現代の一般社会が有する科学で解明できる範囲内の、あるいは非異常性の形で残存することがあります。このとき性質が残存する/しない、及びどの程度まで残存するかなどの基準は曖昧であり、不明です。

SCP-XXX-JPの現実改変現象の由来について、荒楠博士の仮説

多数の人間の下に曝露したオブジェクトが現実改変の対象になっていること、そしてあくまで民衆の下に流出したオブジェクトやデータそのもののみが無力化され、秘密裏に活動している財団の有するデータなどには一切その改変が及んでいないことから、「大衆の認知」がトリガーであることが推察できる。これに加え████博士が『認識係数によるヒューム相移1』及び『共同幻想と現実改変~~████小学校の実例の検証~~2』で提唱された「人間の認知機構はごくわずかながらも現実改変的な効果を有しており、またその際同一の観念や先入観に基づく特定の対象の観測においてはヒュームの偏りが収束し、それらの偏見に基づく現実改変能を示しうる」という理論から、SCP-XXX-JPによる現実改変は何らかの焦点を有する認識を以て収束した集合的意識――あるいは無意識――の膨大なヒューム総量に由来するという仮説を提唱する。

この仮説に基づき、荒楠博士を中心とした担当チームの主導でSCP-XXX-JPの発生原因、またSCP-XXX-JPによる現実改変の厳密な法則などの研究が行われています。現時点において、SCP-XXX-JPの発生原因は、荒楠博士の仮説通り対象となる事物を認識している民衆の集合意識がある基準点へと向かうことによる現実性の増大であることが推定されていますが、認識の基準点となる観点は不明であり、SCP-XXX-JPの効果の厳密な法則も未解明です。

補遺:

このオブジェクトは確保・収容・保護を理念とする我々にとっては最大の敵になりうるものだ。オブジェクトを無力化するばかりではなく、我々財団の「一般民衆を異常な物品から保護する」という使命すら嘲笑いうるものだ。考えてもみてほしい。仮に、このオブジェクトが民衆の集合的意識に基づいてオブジェクトの無力化を行っているとすればそれは、我々による庇護がなくとも彼らが彼らの力で異常存在と立ち向かい、それに打ち勝ちうるという可能性すら示すのだ。それはある視点においての我々に対する否定であるとさえ言っていいだろう。

が、しかし、それ以上に。彼らの目に我々が触れたとき、彼らの目に我々はどう映るであろうか。考えてみよう。――おそらく、社会から闇を遠ざけるべく闇の中に立つ我々は、彼らの目には闇それ自体と変わらぬものに映るだろう。非常識なものを回収し保管し続ける組織など、それこそ彼らの目には非常識なものと映りうるのだ。そしてそのとき、彼らの目から見た異常なものを正常化してしまうこのオブジェクトが、我々財団に牙を剥かないとは考え難い。もしそうなった場合、彼らが我々の隔離してきたモノの脅威に打ち勝てるかどうかは分からない。そもそもこのオブジェクトの作用では、一瞬にして全てが終わるようなインシデントに対しては無力という推論もある。彼らの持つこの常識化の機構が、我々が匿ってきた世界や人類にとって脅威であるオブジェクトたちすべてに有効かどうか、それが計り知れない以上、我々は続けなければならないのだ。たとえ彼らが闇の中から現れる脅威を無力化できる機構を持っていたとして、それでも、それを試すわけにはいかないのだ。一度失敗してしまえば、やり直しは効かないのだから。そして何より、そんな機構に頼らなくとも人類は今までうまくいっていたのだから。だから我々は、やはり続けるべきなのだ。我々は人類を守らなければならない。今まで通りに、これからも。

諸君。闇の中に立て。人知れず闇と戦え。そして、確保し、収容し、保護せよ。なんとしてもだ。
                                       
     SCP-XXX-JP統括管理者 日本支部理事“升”