罪の工房 設計図保管庫 & 農林専門学校 校舎
評価: 0+x
湖2

非活性化時のSCP-XXX-JP

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはエリア81DR区域内部に収容されています。エリア81DRは常に鉄製フェンスで囲われており、その周囲では2名以上の財団警備員による監視が行われています。エリア81DR付近に侵入した関係者以外の人物は即座に記憶処理が行われる事になっています。

説明: SCP-XXX-JPは佐賀県郊外に位置する湖です。水温及び水質等には特に異常な点は存在せず、人間が侵入した場合も人体に影響は見られません。後述する異常性は夜の時間帯に発言します。

SCP-XXX-JPは上記の時間帯になると水面下からキンギョ(Carassius auratus)の外見をした生物実体(以下、SCP-XXX-JP-1)が約100匹程度出現します。後述するSCP-XXX-JP-2は、SCP-XXX-JP-1を"誰かが見る夢そのもの"であると証言していますが詳細は不明です。これまでにおいてSCP-XXX-JP-1が他の人類や生物に敵対心を持った事例は存在していません。

SCP-XXX-JPの異常性が発現すると同時に、高齢男性の外見をした人型実体(以下、SCP-XXX-JP-2)が出現します。SCP-XXX-JP-2は自身を"夢の育て屋"と自称しており、財団に対しては友好的に接します。また、SCP-XXX-JP-2はSCP-XXX-JP-1と会話出来ると証言していますが詳細は不明です。

以下は、収容当時に行われたSCP-XXX-JP-2に対するインタビュー記録です。

対象: SCP-XXX-JP

インタビュアー: 藤光研究員

〈記録開始〉

藤光研究員: こんにちは、少しいいですか?

SCP-XXX-JP-2: ああ、構わぬよ。少し待ってくれ。

[SCP-XXX-JP-2はSCP-XXX-JP-1の餌と思われる球体の物質をばらまいた後、付近の岩に座る]

SCP-XXX-JP: して、何の用だったかな。

藤光研究員: はい。この湖の事とキンギョの事。そして、貴方の事を詳しく教えていただきたいのです。

SCP-XXX-JP-2: ふむ、語りすぎると長くなるからのう。簡単に説明するなら、ここは"夢と現実の国境"みたいな物だ。そこに金魚が見えるだろう。これが夢だ。

藤光研究員: 夢……ですか?

SCP-XXX-JP-2: お主も夜寝る時1度は見たことがあるじゃろう、その夢じゃ。このキンギョが誰かの夢を作り出しているのじゃ。

藤光研究員: なるほど。では、貴方は一体何者なんですか?

SCP-XXX-JP-2: わしはわしじゃよ。キンギョ…いや、夢を育ててるだけじゃ。夢の育て屋、とでも名乗っておこうか……む、すまん、ちと待ってくれ。

藤光研究員: あ、はい。

[SCP-XXX-JP-2が立ち上がり水面を跳ねているSCP-XXX-JP-1に駆け寄る。5分間、話かけるような仕草をした後戻ってくる。]

SCP-XXX-JP-2: すまんのう。最近死にたがってる夢が多くてな。

藤光研究員: それは何でですか?

SCP-XXX-JP-2: 好きな人にアピールしてフラれてしまったのと同じ理由じゃ。いわば夢を見せた相手に悪夢と言われたのじゃろうな。彼らも夢を見せる子の支えとなりたいと思うてるからな。

藤光研究員: そういうキンギョにはどうしてるのですか?

SCP-XXX-JP-2: ワシなりの慰めをしてやるだけじゃよ。それでもダメなら、まあ、その時じゃな。さて、そろそろ夜明けじゃな。皆が夢から帰る頃じゃ。もう、大丈夫か?

藤光研究員: はい、一通り記録したので大丈夫ですよ。本日はありがとうございました。

SCP-XXX-JP-2: ああ、お疲れさん。

〈記録終了〉

終了報告書: 記録を再確認した所、SCP-XXX-JP-1はインタビュー中約██回に渡り水面下を跳ねていた事が判明しました。SCP-XXX-JP-2及びSCP-XXX-JP-1との関係を再調査するため、SCP-XXX-JP内部の監視カメラ設置を申請します。 -藤光研究員

追記: 承認します、20██/█/██から設置を開始してください。 -██博士

事案XXX-JP: 20██/██/█、1匹のSCP-XXX-JP-1が異常に早い周期に渡り、水面下を跳ねるという事案が発生しました。後述する映像記録を拝見した所、SCP-XXX-JP-2はそれに対して、苦悶した表情を浮かべ、慰めの言葉を発していた事が判明しました。この記録に対し、後日SCP-XXX-JP-2に質問した所、回答を拒否しました。以下はその映像記録です。

[前半部分は重要性が薄いため省略]

[一匹のSCP-XXX-JP-1が水面下を███回跳ねる]

SCP-XXX-JP-2: お主はまた嫌われたのか?

[跳ねる]

SCP-XXX-JP-2: まだチャンスはあるじゃろう?

[跳ねる]

SCP-XXX-JP-2: ダメなのか?

[跳ねる]

SCP-XXX-JP-2: 泣いちゃったのか。

[跳ねる]

SCP-XXX-JP-2: お主は彼女を支えたいだけなのになぁ。

[跳ねる]

SCP-XXX-JP-2: 時期が時期かもしれんのぅ。

[跳ねる]

SCP-XXX-JP-2: お主が支えたいと思うとる彼女はもうじき、夢を抱くらしい。

[跳ねる]

SCP-XXX-JP-2: 見る方の夢じゃない、そんなちっぽけな物より、ずっと幸せな夢じゃ。君はその夢となりて、支えてあげるがいいじゃろう。そっちの夢の方が、嫌われずに済むじゃろう。

[跳ねる頻度が上がる]

SCP-XXX-JP-2: よしよし……、それじゃぁ、彼女の夢となっても元気でやるんじゃぞ。おっと [笑う] 盗み聞きはよくないよ。

[SCP-XXX-JP-2がカメラを拾い上げ、SCP-XXX-JPに投げ捨てる]

[カメラが破損する]