Soranaki
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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはそのデータをキーロック式USBメモリ内にコピーされた状態でサイト-81██の高危険度物品保管庫に格納されます。

説明: SCP-XXX-JPは視聴することで超常現象が引き起こされる映像記録です。SCP-XXX-JPは、その映像記録を所有していた██氏とその友人らによって撮影された一般的に迷惑動画・或いはイタズラ動画に分類1される自作映像です。映像内容は██県█市の████公園内にて██氏等が群衆に向けて爆竹と思われる発破物を投げ入れ、その時の群衆が示す反応を終始撮影したものになります。

SCP-XXX-JPの特異性は、映像記録を視聴している最中にSCP-XXX-JP-1と呼称される人型実体を認識した場合に引き起こされます。SCP-XXX-JP-1を認識した人間(以下影響者と呼称)はSCP-XXX-JP-1の見た目の特徴を以下のように証言します。

  • 30~40代の成人男性である。
  • スーツ姿で黒のブリーフケースを手提げている。
  • 容姿に関して「特徴の無い」「どこにでも居そうな」「捉えどころのない」等と形容。
  • 表情に変化が一切現れないが、無表情とも形容できない。

SCP-XXX-JP-1は映像記録内の群衆に紛れて存在していますが、映像を視聴した人間によってはその存在に気付くことなく視聴を終える場合があり、その場合は異常性に暴露することはありません。SCP-XXX-JP-1は再生箇所によっては1画面内に複数存在を確認することができ、何れの個体も全く同じ容姿かつ前述の特徴を満たします。

SCP-XXX-JP-1を認識した影響者は一般的にドッペルゲンガー現象・ポルターガイスト現象(以下分けて言及しない場合は超常現象と呼称。)に分類される超常現象に見舞われます。これらの超常現象は異常に暴露してから約36時間前後まで顕著に発生します。しかしこれらの現象、特にドッペルゲンガー現象においては世界的に報告されるような事例が当て嵌まらず、ドッペルゲンガーと会話や接触が可能である等ドッペルゲンガー側から積極的な接触を図られるケースが存在します。異常暴露から36時間程度が過ぎた頃から徐々に超常現象の発生頻度が減少していきます。最終的に異常暴露から75時間以上経過してから超常現象が確認された事例はありません。また同じ影響者に複数回SCP-XXX-JPを視聴させSCP-XXX-JP-1を認識させる試みは、前述と同様の現象が引き起こされる結果に終わります。

SSCP-XXX-JPは20██/██/██、██県█市で起きた██氏の自殺事件を地元警察が捜査している最中にその存在が示唆されました。警察内部に潜入中の財団エージェントが、██氏によって書き残されたと考えられている手記の内容を不審に思った事がきっかけにより財団の介入が行われました。その後██氏の死亡事件に関わる警察の捜査は打ち切られ、カバーストーリーとして「不慮の事故」が適用され関係者全員に記憶処理が施されました。現在財団による調査の結果、本事件は当初考えられていた自殺ではなく、[編集済]による[編集済]の██氏に対する殺人事件であると断定しています。

補遺1: ██氏の手記
以下の文章は死亡した██氏の自室で発見された手記の内容を転記したものです。手記自体は乱雑に殴り書かれていたため、一部文章の補完が行われています。原文の閲覧を希望する職員は三谷博士の承認を得た上で閲覧してください。

あれから3日だ。あまりにも長く感じた。多分時間もあまりない。俺は1人だ。存在の証明を残したい。

初めてもう一人の俺を見たときは心臓が飛び出るかと思った。だけど向こうも同じだったみたいだ。しばらく呆然と見つめ合っていたと思う。でも言葉を発しようとした時、もう一人の俺は消えてしまった。これドッペルゲンガーって言うんだっけか。

あと時々物が勝手に動きやがる。何なんだよ。こういうのって分けわかんない動きするんじゃないのかよ。なんか普通に生活してるような動きしやがって。ベッドの上に本が浮きながらページがめくれるの見て、何が起きてんだよ。誰かそこで本でも読んでんのかよ。

思い出したかのように俺は現れるし、そのたび驚いた顔しやがって。俺はあんなに憶病だったのか?怖くてたまらない。どうしてこうなったんだ。でも思い当たるふしがある。

あの動画だ。完全に悪ふざけで撮ったあの動画。編集は俺だ。何度か再生しているうちにあいつに気付いた。多分、気づいちゃいけなかったんだと思う。

特製の爆竹と煙玉で、みんな想像以上に驚いて、俺達は腹抱えて笑った。投稿したら叩かれるの分かってたけど、でも俺等は最高の動画が撮れたってはしゃいでた。でも多分、あの宇宙人には気づいちゃいけなかったんだ。あれは宇宙人なのか?

みんな本気で驚いてるのに、表情1つ変えないサラリーマンなんて別にいたっていいよ。でも同じ画面に同じ顔の人間が3人もいたら、俺だって。でも、何で宇宙人?それからだ。何か自分がすごく中途半端な場所にいる感じになったんだ。俺のいた世界ってこんなんだっけかなって。いやほんと感覚の話なんだ。

で、何だ。そう宇宙人でいいや。いいか、動画を観るな。宇宙人を見つけちゃいけない。見た瞬間もう取り込まれてるんだ。何でわかるかってそりゃ、俺の後ろにいるからだよ。何なんだよこいつ。

外に出る勇気が出ない。奴らはやっぱり一人じゃない。話しかけてくんなよ。俺の質問に答えやがれ。

もうすぐ会えるよ。早く会いたいよ。早く見つけて。ほら、ここだよ。

止めてくれ。気持ち悪い。

少しずつ消えかかってるのが分かる。俺自身だ。向こう側が見えるんだ。もうすぐだ。何で俺が、糞が。認めたくない。1人は嫌だ。俺も一緒に。

[徐々に筆圧が薄くなる]やっぱり都市伝説何て嘘っぱちだ。ドッペルゲンガーを見たら死ぬだって?そうじゃない、俺が殺すんだよ。あれ?合ってる?

偽物は俺だったんだ。元の世界の俺[以下筆圧が薄くなり判読不能となる]
















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