sirousagi

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Keter Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは有毒生物保管サイト-81XXの大型耐圧冷凍室に休眠状態で20匹保存されています。耐圧冷凍室は‐20℃に設定されています。収容されているSCP-XXX-JPが覚醒した場合、休眠状態に入るまで液体窒素を室内に散布します。


1958年改定
現在、野生の野生のSCP-XXX-JPはほぼ全てウイルスを保持していないと考えられています。SCP-XXX-JPが発見された場合、レベルC化学防護服を着用し、窒素ガス噴霧器を装備した最低2名の研究職員が無力化及び確保に派遣されます。SCP-XXX-JPが群体状態で確認された場合、レベルB化学防護服を着用し、大型の窒素ガス噴霧器を装備した10名のDクラス職員で構成された決死隊が編成されます。野生のSCP-XXX-JPが保有するウィルスの変化が確認された場合、レベル3クリアランス以上の研究員に直ちに報告する義務があります。SCP-XXX-JPを目撃した民間人はBクラス記憶処理の後、必要ならば治療後に解放される手順になっています。
もし仮に大規模な「巣穴」が発見された場合、周辺3kmの封鎖の後、カバーストーリー「不発弾処理」を発令した後に地中貫通爆弾の使用がレベル4職員二名の承認によって許可されます。

説明: SCP-XXX-JPは全長平均20cmほどの大きさのヒトを主食とする節足動物です。オニグモ目の特徴を保持してしており、解剖の結果、腹部の通常のクモでは卵巣部分に当たる部分に汚染されたヒトの血液を大量に溜め込んでおり、必要に応じて生殖門から噴霧します。又、生殖門にヒトの細胞を器用に足で押し込む姿が「巣穴」に送り込んだ決死隊の報告で確認されています。SCP-XXX-JPは気温-10℃を下回ると仮死状態に入ります。

SCP-XXX-JPは狩りを行うさいに、従来のオニグモ目とは違い、生殖門から高濃度に汚染された血液を辺りに散布します。汚染物質の主成分は前述の方法でヒトの細胞で培養、もしくは保管されたウィルスであり、天然痘ウイルス(Variola virus)が96%を占めています。現在、野生のSCP-XXX-JPは1958年から急速に減少傾向にあり、ピーク時期には31██████体以上存在したと思われ、この数は1958年までに天然痘に罹患し、死亡したヒトとほぼ同じ総数に上りました。現在、SCP-XXX-JPは1990体ほど自然界に存在すると考えられており、20██年には全てのSCP-XXX-JPは絶滅する見通しです。

SCP-XXX-JPは時に大量の獲物(主にヒトの集落)を襲うときに群体行動を取ることがあり、このときのSCP-XXX-JPは、まず何匹かが必ず斥候として村に侵り、集入し、ヒトが集まる空間で汚染された血液を撒き散らしアウトブレイクを発生させます。ある程度集落に発症者が行き渡ったことが確認され次第、SCP-XXX-JPはおよそ██匹が折り重なった巨大なクモに見える集合体になります。
この状態のSCP-XXX-JPは重なった個体の数にもよりますが、平均で全長約6mになります。SCP-XXX-JPの集合体は発症者の上に寄りかかり、発症者の体中に群がり鋏角で皮膚を引き裂き、体液を吸い取ります。従来のクモと同じく体液を吸引する食事方法を取りますが、卵巣部分が消化管を圧迫しているため、この食事には2時間ほどかかるようです。この方法で集落全体を壊滅させるには約一週間ほどかかり、集落の一定数のヒトを食事した後に「巣穴」に軽度感染者、又は感染から回復傾向にある人間を基本的に男女二名ずつをおよそ20匹ほどで引きずり、輸送します。この時、SCP-XXX-JPは捕食した人間の数と同じ数増加していることが確認されています。SCP-XXX-JPはこの食事は頻繁に行う必要はありませんが、飢餓状態になると共食いをする性質もあることが確認されています。


SCP-XXX-JPは日本の九州の山間部に古くから存在が文献などで確認されています。一番古い文献で17██年の書物にはそれらしきものが確認されており、14██年にはすでに風土病の原因であるとして戯画的に誇張されたSCP-XXX-JPの群体の姿が記録で確認されています。財団の目に留まったのは1920年のことで、当時の大日本帝国から生糸を輸送する商船の中にまぎれていたSCP-XXX-JPが船の中で引き起こした天然痘の流行が原因です。

発見当時、天然痘ワクチンは未だ世界にほぼ普及しておらず、殖民地や不衛生な土地への外来種としてSCP-XXX-JPが世界各国へ広まることを恐れた財団はKeterクラスへと格付けを行い、当時財団は現在収容されている個体のSCP-XXX-JP以外の自然個体の根絶を目指しましたが、当時の医療技術と装備では困難を極め、輸送船の発達の影響や、1945年の終戦の混乱に乗じて東アジア全域、インド、アフリカ、ソマリア等発展途上国への広がりを見せたSCP-XXX-JPに対して世界的な天然痘のパンデミックを懸念した財団はSCP-XXX-JPに対してプランδプロトコル"ジャネット・パーカーの使用人"を発令しました。
これは世界中の人間に対して天然痘ワクチンを投与するというもので、現在知られている天然痘撲滅への流れと同じものです。
1958年、プランδプロトコル"ジャネット・パーカーの使用人"は成功し、人類は天然痘の撲滅に成功しました。それに伴いSCP-XXX-JPの危険性は大幅に減少し、又、コンクリートの地面では「巣」を形成できないことや財団の巣の除去活動、SCP-XXX-JPの共食い習性の影響による個体数の激減、「巣」や感染者がなくなった事によるほぼ全ての個体からの天然痘ウイルスの消失などから2000年にEuclidクラスへ格下げが決定しました。