アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPはサイト-81██の小型オブジェクト保管用の密閉型ロッカーにて、棒を差し込むなど、ふたが閉まらない状態にした上で保管してください。SCP-XXXX-JPの実験は、レベル3以上の担当職員2名の許可を得た上で、監視カメラを用いた監視の元に行ってください。SCP-XXXX-JPをパーティグッズとして使用することは一切許可されていません。
Webクロールシステムを用いての監視対象にSCP-XXXX-JP回収時の事件に関するSNSへの投稿などを追加し、目撃証言、関連映像などが発見された場合は、SNS運営会社やISP等に所属するエージェントと連携し、可能な限り速やかに映像証拠の廃棄と投稿者の位置の特定を行い、SCP-XXXX-JPの外観に関して記憶処理を行ってください。
説明: SCP-XXXX-JPは板紙でできた一辺が15 cmの立方体のびっくり箱です。側面にハロウィンのジャック・オー・ランタンを連想させる顔のイラストが描かれており、ふたを開けた際に内部から飛び出るギミックの先端にも同じく板紙でできたジャック・オー・ランタンをモチーフにした顔が付いています。
SCP-XXXX-JPはふたを開けた状態では何ら異常性を発揮しませんが、ふたを閉めた状態のSCP-XXXX-JPを直接目視した場合、目視した者(以下、曝露者)は即座にタイマー音のようなものが聞こえるようになり、SCP-XXXX-JPが精巧にできた時限式の爆弾であると認識します。この異常性はモニターや写真などを通しての間接的な観察に対しては影響力を持ちません。
実験の結果、認識上の爆弾の構造は曝露者によって細部が違いますが、青と赤の二本のコードとタイマーが付いているという部分は共通していることがわかりました。曝露者は爆発範囲から逃げることができないと判断し、通常、強い恐怖を感じながらも、その場で対処しなければいけないと認識します。
SCP-XXXX-JPは、最初の曝露者が目視してから60分経過するか曝露者が何らかの対処を行った場合、一般的なびっくり箱と同様に勢いよくふたが開いて中のギミックが飛び出し、ギミックの先端にある顔の背面に貼り付けられた小型音声再生装置から、「ギャッハハハー!オドロイタカー!」と言う日本語の音声を再生します。曝露者はギミックに大きな驚愕を受けた様子を見せますが、間もなく平静を取り戻し、直前まで精巧な爆弾に見えていたことを疑問に思わず、概ね「よくできたびっくり箱だ」という感想を持ちます。
回収経緯: SCP-XXXX-JPは20██/10/31、ハロウィンセールイベントの行われていた神奈川県██市のショッピングモール内のベンチの下で発見されました。発見後、曝露者を中心に大きな騒ぎとなり、爆発物処理班が出動する事態となりましたが、処理の後にびっくり箱と判明し、悪質な悪戯であったと処理されました。この騒動で発生した小規模のパニックにより、3名が軽傷を負いました。処理直後、その場にいた一人がSNSにアップロードしたびっくり箱の写真が、他目撃者のSNSでの爆弾の見た目に関する発言と全く一致していなかったことを発見した財団により、即座に認識災害オブジェクトとして回収され、その場に残っていた目撃者に対して記憶処理を行いました。
補遺1: SCP-XXXX-JPの保管サイトでは、本物の爆発物をSCP-XXXX-JPであると誤認して安易な扱いをすることのないように、爆発物の取り扱いマニュアルに「びっくり箱だと思うべきではない」を追加し、徹底してください。
補遺2: SCP-XXXX-JPをストレスケアを目的としたレクリエーションに使いたいという申請がありましたが、「直接目視していない者が逃走行動によるパニックを起こす惧れがある」「極度にストレスに弱い者や心臓に持病を持つ者が曝露した場合は、心身への負担によって重大な問題になる可能性がある」という二点を懸念した██博士の意見を元に、全面的に禁止されました。