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テキスト
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アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPを収容する試みはSCP-XXX-JPの性質上、現在まで成功していません。
出現したSCP-XXX-JPの早期発見のために、警察組織および生命保険企業に在籍中の財団エージェントが故人の死因と家庭内情を調査し、条件に合致すると判断された場合に経過監視が行われます。監視は最低でも4週間は継続してください。監視中の対象に異常な行動が見られた場合、またはSCP-XXX-JPが出現した場合は速やかに上席の職員へ報告を行ってください。観察実験が許可されている場合を除き、SCP-XXX-JPが出現した家庭の住人はクラスA記憶処理を施し転居させます。
外部の目撃者を防ぐため、SCP-XXX-JPが出現した住居は壁面の塗装工事を偽装し完全に覆い隠すことで住居内の様子が外側から視認できない状態にしてください。出現先が集合住宅の場合は偶発的な遭遇を防ぐために「施設設備の不具合」のカバーストーリーを用いて同階層の住人を退去させます。どちらのケースにおいても非殺傷性の対人装備を携帯した警備員1名を配置して侵入者を防いでください。SCP-XXX-JPを目撃した人物は拘束し、クラスA記憶処理を施した上で開放して構いません。SCP-XXX-JPが出現した住居には適宜ビデオカメラおよび録音機材を設置し、行動を記録してください。これらの措置はSCP-XXX-JPが消失するまで継続されます。
SCP-XXX-JPと出現先の家庭の住人を接触させる観察実験には、セキュリティクリアランス4以上の職員の許可が必要ですが、集合住宅におけるSCP-XXX-JPの観察実験はインシデント以降禁止されています。(インシデントXXX-JP-1を参照)
観察実験は個人住宅のみで行ってください。観察中、対象の言動に暴力的な兆候が現れた場合、実験を中止し対象をSCP-XXX-JPから隔離して然るべき治療を行ってください。
説明: SCP-XXX-JPは光学的実像です。それは概ね人間が頭から白いシーツ状の布を被り全身を覆っている姿に見えます。シーツの表面には、上部に二か所切り取られたような穴があけられており、そこから人類と同形状の視覚器が二つ確認できます。シーツの内部を完全に視認する試みは成功していませんが、体表面上の陰影から予測される内部の形状は身長や体形、性別の差違がある人型であると推定されています。
SCP-XXX-JPは目視、写真、ビデオなど視覚を用いた方法でしか認識できません。可視光線以外の撮影、映像機材以外の検知装置、被験者の視覚以外の感覚機能を用いた測定では、そこにSCP-XXX-JPが存在することを確認できませんでした。特にSCP-XXX-JPに被験者の身体や作業用のマニピュレーター、遠隔からの投擲物などで物理的に触れようとした場合、接触箇所は煙に似た流動性を持ち対象物を完全に透過しました。
SCP-XXX-JPは英語を第一言語とする地域において死亡した人物が所属していた家庭に出現します。その選出は完全に無作為のように見えますが、現在まで事故死以外の死因では出現が確認されていません。「家庭内の複数人が一度の事故で死亡した場合」、「故人に家庭がない場合」、「家庭内が不和である場合」も同様です。
SCP-XXX-JPは同時多発的に出現することが知られており、SCP-XXX-JPには複数の個体が存在する、もしくは同時に異なる場所に存在できる可能性が示唆されています。
SCP-XXX-JPは故人の死亡日時からおよそ3週間から4週間内に故人の家族が定住する住居の入り口に出現します。出現の瞬間を確認する試みは、観察者の視覚異常、撮影機材の突発的な不調により成功しませんでした。
SCP-XXX-JPが出現すると住人はあらゆる行動を中断し、SCP-XXX-JPを出迎えます。SCP-XXX-JPを視認した住人はそれを故人であると認識し情愛を示しますが、SCP-XXX-JPの外見や「死者が家に戻ってきたこと」に対して不安や疑問を示しません。SCP-XXX-JPに遭遇した家庭外の人物にSCP-XXX-JPへの関心が薄れる傾向が表われることも、SCP-XXX-JPがなんらかの精神的な影響能力を持つと信じられている根拠となっています。同時にこの影響力は故人から関係の遠い人物ほど効果が薄くなることも知られています。
出現したSCP-XXX-JPはその住居に定在し生活します。その生活習慣は故人のそれと概ね一致していることが確認されていますが、例外的に職場への出勤や友人等との交流、旅行など外部との接触を伴う行為は含まれません。
活動中のSCP-XXX-JPの行動は直立のままの移動と停止のみで構築されており食事や排せつなどの実際の動作を伴いません。しかしながら、SCP-XXX-JPの影響下にある人物はその動作が行われたかのように反応し整合性をとります。同様にSCP-XXX-JPは対話に応答しませんが、影響下にある人物はそれが成立しているように振る舞います。
SCP-XXX-JPと生活する故人の家族は、平均して2週間が経過したころから「他者への猜疑心」「誰かに監視されているという妄想」「他者または自己への攻撃性の増加」を主な症状とする偏執病の兆候を示し始めます。これは時間の経過とともに緩やかに悪化していき、おおよそ二か月以内に住居の住人に対する致命的な事態を引き起こします。
この症状はBクラス記憶処理を施した上で、SCP-XXX-JPから隔離することによって完全に治療することが可能です。
SCP-XXX-JPは対象の生死にかかわらず住居から故人の家族が退去した状態で数日が経過すると消失します。
観察記録 XXX-JP-12
故人: ・34歳 / 男性
備考: ・201█/03/24 に高所作業中の転落事故により、頭部を損傷し死亡。
観察対象:
・ 30歳 / 女性 : 故人との続柄 / 妻 (以降、対象を12-Aと記載)
・ 7歳 / 男性 : 故人との続柄 / 息子(以降、対象を12-Bと記載)
・ 5歳 / 男性 : 故人との続柄 / 息子(以降、対象を12-Cと記載)
備考:住居はイングランド北部のウェストヨークシャー州██████████████にある一般的な戸建て住宅です。
映像ログ 日付(201█/4/16/15:32:40):
SCP-XXX-JPが玄関前に出現した状態から再生が開始。
40秒後、12-Aが玄関を開けSCP-XXX-JPを視認。SCP-XXX-JPを抱きしめるような動作を見せ家へ招き入れる。映像ログ 日付(201█/4/16/19:00:40):
居間にて12-B、12-Cがテーブルに着席。SCP-XXX-JPはテーブルに備えられた椅子の前に立っている。
12-Aが台所から料理を運び込み、食事を開始する。
12-A、12-BがSCP-XXX-JPに話しかけている。
SCP-XXX-JPに変化は見られないが、12-A、12-Bは笑顔で相槌を打っている。
SCP-XXX-JPの前にも料理が用意されているものの食事が終わるまでの20分間SCP-XXX-JPは直立したまま停止。映像ログ 日付(201█/4/16/22:20:48):
寝室にSCP-XXX-JPと12-Aが入室。
12-Aがベッドに入り読書を始める。時折、SCP-XXX-JPの方を向き発話を行う。
1時間後、消灯し就寝。
SCP-XXX-JPは12-Aの方を向いたままベッド横で直立。朝までの8時間動きなし。映像ログ 日付(201█/4/20/07:50:04):
台所にSCP-XXX-JPが入室。
コーヒーメイカーの前に移動し停止。
5分後、12-Aが台所に入室。SCP-XXX-JPに対しコーヒーを入れるように頼んだ後、自身でコーヒーメイカーを操作しコーヒーを淹れ、SCP-XXX-JPに礼を述べた後呑み始め、直後、首をかしげるような所作を見せる。映像ログ 日付(201█/4/25/11:23:44):
居間で12-Aが椅子に腰かけ、少し疲労した様子で何か考え込むような所作を見せている。
SCP-XXX-JPが画面端を横切る。
12-Aはそれを見つめている。映像ログ 日付(201█/5/6/12:35:52):
居間にて12-A、12-B、12-Cが食事をしている。
SCP-XXX-JPはテーブルに備えられた椅子の前に直立して停止。
およそ30分間会話なし。
食事が終わると12-Aはすぐに自室へ向かい扉に鍵をかけ閉じこもる。映像ログ 日付(201█/5/14/18:40:20):
台所にて12-Bが冷凍食品を解凍し、居間へと運ぶ。
居間にて12-B、12-Cがテーブルに着き食事が開始される。
その間SCP-XXX-JPはテーブルに備えられた椅子の前に直立して停止。
12-Aは自室に閉じこもっている。
それぞれの部屋はまったく掃除が行われていないように見える。映像ログ 日付(201█/5/26/15:58:20):
子供部屋にて12-Aが12-Bと12-Cを怒鳴りつけている。
叫び声のほとんどは意味を成していないように見える。
12-B、12-Cは怯えながら泣き喚いている。
SCP-XXX-JPは居間のテレビの前で直立して停止。
メモ:直接的な暴力には発展していないものの、実験が倫理的な問題に直面しつつある。明日、██████研究員に実験を継続するか確認をとる。映像ログ 日付(201█/5/27/10:42:50):
12-Aが各部屋の掃除を行っている。
12-Aが家事を行うのはおよそ二週間ぶり。映像ログ 日付(201█/5/27/18:00:10):
12-Aが台所にて料理をしている。
12-B、12-Cが物陰からそれを見ている。映像ログ 日付(201█/5/27/19:38:10):
居間にて12-B、12-Cがテーブルに着いている。
12-B、12-Cは少し興奮しているように見える。
12-Aが料理を運び込み、食事が始まる。
12-A、12-B、12-Cが笑顔で会話している。
SCP-XXX-JPはテーブルに向かい直立したまま停止。映像ログ 日付(201█/5/27/19:52:00):
12-B、12-Cが倒れ込み痙攣している。
12-Aは床に這いつくばり嘔吐している。
SCP-XXX-JPは直立したまま停止。
財団の医療チームが部屋内に進入、救命措置を始める。
ストレッチャーが運び込まれ、三人が搬送されていく。
画面内から人が消える。
SCP-XXX-JPが移動、テレビの前で直立し停止している。
付記:
12-A、12-B、12-Cは財団の私設病院に搬送されました。
12-Aは重体、12-B、12-Cは一時心肺停止に陥りましたが現在では快復しています。
対象からは有機リン系の農薬の成分が発見され、映像ログの精査から12-Aが提供したスープに混入させていたことが判明しました。
後のインタビューにより無理心中をはかったことが確認されています。
対象は心身の回復後、Bクラス記憶処理を施し転居させました。
この事案以降、実験中止の判断基準が引き上げられました。
補遺: [SCPオブジェクトに関する補足情報]
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