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アイテム番号: SCP-xxxx-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル:SCP-xxxx-JPはガス栓から取り外したうえで、包装米飯(ジャポニカ米、もち米、あるいは混合率1.7%以下の麦飯のみを内容物とするもの)と共に、サイト-yyの低危険度物品ロッカーに保存されています。同梱する包装米飯は220日毎に交換を行います。SCP-xxxx-JPの実験や利用についてはセキュリティクリアランスレベル3以上の職員の監督の下でサイト-xx内の社員食堂にて行ってください。

説明: SCP-xxxx-JPは3箇所のバーナーと魚焼きグリルを備えた横幅60cmの標準的なサイズのビルトインガスコンロです。本体側面にあるラベルに記載された製品番号からSCP-xxxx-JPは20██年に████社から製造、発売された製品である██████の内のひとつであると考えられます。このため同製品についての調査が行われましたが、特異性を有する個体はSCP-xxxx-JPを除き現在も発見されていません。

SCP-xxxx-JPの魚焼きグリルで焼き上げられた焼き魚(以下SCP-xxxx-JP-1と指定)は摂取した人間(対象者と呼称)に2つの作用を及ぼします。

1.精神的変調: SCP-xxxx-JP-1を摂取後、対象者はそれまでの食習慣や嗜好、宗教的価値観に関わらずSCP-xxxx-JP-1を美味であると感じ、制止されない限りSCP-xxxx-JP-1を完食します。以降1分以内に対象者は白米(ジャポニカ米、もち米、あるいは混合率1.7%以下の麦飯を加熱調理したもの。またそれらをレトルトパウチした包装米飯)を食したいという欲求に囚われるようになります。発生当初こそ、この欲求は本人の意思で制御が出来ますが、時間の経過に伴い白米への執着は増大していき、約20分後にピークに達します。この時点で対象者は自身の欲求に一切の疑問や自制心を持つことがなくなり、SCP-xxxx-JP-1以外からは精神的、ミーム的な影響を受け付けなくなります。周囲の人間に対しては自分の食事を妨害する敵対者であると断定し、積極的に排除しようとする攻撃的な傾向を見せるようになります。この精神的な変調は無効化されるまで永続します。

2.肉体的変化: SCP-xxxx-JP-1を摂取後、対象者の肉体は精神的変調とは異なり迅速な変化を示します。主な変化の内容としては皮膚、歯、骨格、筋肉、内臓器官といった身体機能の著しい向上と、半径1km以内に存在する白米を正確に感じ取る事が可能な探知能力の発現が挙げられます。この能力についてはSCP-████-JPにより五感が制限された職員にも発現することから、既存のものではない全く新しい感覚器官が発生しているものと考えられます。またこれらの能力に加え、SCP-xxxx-JP-1には対象者が白米へと接近する際に必要となる能力を与える作用があることも判明しています。これまでに判明したSCP-xxxx-JP-1によって付与され得る能力は短時間の飛行能力、目から熱線を放射する能力、水中での呼吸能力、生体電流を用いたハッキング能力、小規模な分子の操作能力です。これらの肉体的な変化は無効化されるまで永続します。

上記のどちらの作用も白米を摂食することでただちに無効化されます。また変化を来すまでに摂取した場合には予防をすることも可能です。

SCP-xxxx-JPは「帰宅したら壁に大穴が開いており、隣人一家がキッチンで座り込んでいた」という異常な通報により財団の注意を惹き、エージェントによる警察の捜査への介入を経て特定されました。通報者宅に侵入していた隣人一家へのインタビューから、この事故は隣人一家が炊飯器の故障のためにSCP-xxxx-JP-1の対象者となりながら長時間の白米の摂取が出来ず、同時刻に通報者宅の炊飯器が時間予約機能で白米を炊き上げてしまったために起きたものと考えられます。以上のことが判明した後に、エージェントは回収作業と関係者への記憶処理を実施しました。

実験記録Fxxxx - 20██/██/██

対象: SCP-xxxx-JP-1の対象者(D-4871)

実施内容: 社員食堂と備蓄庫から1km外にある探知可能範囲内に白米が存在しない一室で、D-4871にSCP-xxxx-JP-1を摂食させ、別室にて対象者のモニタリングを行った。

結果: 対象者は室内で20分間叫ぶ、パイプ椅子を曲げる等のヒステリックな行動を取るも、白米を探知した場合と異なりそれ以上の暴力的行動を示すことはなかった。しかしながら20分経過後に、突如として観察中の室内に椀に盛られた白米と箸が出現し、同時に観測チームの1人が体調の異変を訴えた。対象者はすぐさま白米を摂取した。その後の検査で対象者から異常性が失われたことが確認された。体調の異変を訴えた職員の体内からは肝臓の一部と胃が喪失していたことが確認された。

分析: 対象者は周囲の物体を分子レベルで操作する能力を得たと考えられる。これは職員が喪失した部位からも窺え、対象者は肝臓内のグルコースと胃の未消化の食料を原材料とすることで白米を生成したものと推察される。

補遺: 現在SCP-xxxx-JP-1が対象に与える能力についての調査実験は禁止されています。行動が半ば制限され無力化も容易であるとはいえ、いたずらに現実改変者やそれに準ずる能力者を生み出すリスクを冒す必要はありません。