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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは、周囲20m×20mの範囲を工場に偽装した仮設収容サイト-81██内に管理されています。サイト81XX内には捕縛術の訓練を受けた8名からなる収容チームを常駐させ警備と監視を行って下さい。警備を行う際は、思念波妨害装置をチーム全員に配備し、財団のフロント企業である笹咲喜中央警備(Sasasaki Center Policing)という会社に偽装し一般的な民間警備会社として振る舞って下さい。最低5人は常時敷地内を巡回し、外部からの立ち入りを防止して下さい。

民間人がサイト-81██内に進入し場合は、対象を速やかに確保しBクラス記憶処理を施して下さい。記憶処理を施した後は対象を解放し、監視を行って下さい。

説明: SCP-XXX-JPは、██県██市に建てられた部屋数10の標準的なアパートです。現在SCP-XXX-JPは20██/█/██に発生した火災の被害によって半壊しており、大半の構造物が倒壊もしくは焼け落ちています。火元は恐らく2██号室であり、火災の原因は不審火であることが判明しています。

SCP-XXX-JPは、家屋からの火災が一切消えることのない異常を示す構造物です。この炎は通常の住宅火災の火と同様の温度や光度を有していますが、その勢いが増減することは一切なく、常に同じ状態が維持されています。放水や薬剤を用いた消火や窒息消火法など様々な手段が財団によって実行されましたが、炎を沈静化することはできませんでした。また、SCP-XXX-JPを修復または破壊する試みは、実施した箇所が瞬時に元の状態へと復元してしまうことから成功には至っていません。

SCP-XXX-JPの半径███km内では、人間の肉声と思われる幻聴が聞こえる事象の発生が認められます。幻聴を聞いた人間はSCP-XXX-JPの影響に曝露します。曝露者をSCP-XXX-JP-Aと呼称します。SCP-XXX-JP-Aの対象となる人物は無作為で選出されているものと推測されますが、複数人を対象とする場合曝露者同士の距離は直線距離で██m内に限定されます。SCP-XXX-JP-Aから聴取した結果幻聴の内容はオブジェクト内に取り残されている事、助けを求めている事の2点に終始しています。

以上の事柄を踏まえ財団が超音波探査法を用いてSCP-XXX-JP内部を調査したところ、2██号室内で1人分の生体反応が確認されました。大まかな身長及び座高から生存者は█歳程であると推察され、戸籍調査の結果同室に在住していた██夫妻の娘であると考えられます。大気温が摂氏███℃を超えている極限環境下で生存していることから何らかの異常性を発動させているものと考え、女児をSCP-XXX-JP-1に指定します。

SCP-XXX-JP-Aは曝露後不明瞭な使命感に駆られ、SCP-XXX-JPを目指すようになります。SCP-XXX-JPの位置や事故の情報を事前に知らない場合でも、SCP-XXX-JP-AはSCP-XXX-JPに関する情報を既知のものである、と考えます。オブジェクトを視認したSCP-XXX-JP-Aはそれまでの道徳観や性格などに関わらず、取り残されている幼気な少女を助けなければならない、という使命感に似た強い欲求を自覚します。この状態のSCP-XXX-JP-Aは自身への被害を顧みずオブジェクト内へ侵入し、SCP-XXX-JP-1の救出を試みます。大抵の場合SCP-XXX-JP-Aは耐火装備をせずに侵入を図るため、家屋内の火災によって死亡します。外部からの妨害によってこの行動を中断することが可能ですが、SCP-XXX-JP-Aはパニックに陥り激しい抵抗を見せます。Bクラス記憶処理によって異常性を沈静化できますが、記憶処理後でも再度SCP-XXX-JPを視認した場合オブジェクトへの執着を示すようになります。この性質は、事案XXX-JP-壱の発生によって確認されました。

SCP-XXX-JP-Aがオブジェクト内に侵入した場合、一両日中にSCP-XXX-JPの壁面に文章が浮かび上がります。出現した文字は人間の血液によって記述されており、DNA検査の結果侵入したSCP-XXX-JP-Aの血液であることが判明しました。文章のフォントやなどはそれぞれ異なっていますが、全ての文章がSCP-XXX-JP-1を一方的に批判もしくは罵倒する内容で構成されていました。

事案XXX-JP-壱以降もSCP-XXX-JP-Aが度々オブジェクト内に進入する事案が発生しています。数を重ねるごとに影響の及ぶ範囲や人数が増加していることが確認されており、現在██県及び██県全域にまで範囲が拡大しています。

補遺2: 近隣住民への調査の結果、SCP-XXX-JP-1は以前から火遊びをして頻繁にボヤ騒ぎを起こしており、その内数回は消防にて通報される騒ぎに発展するほどだったようです。またそれが原因で近隣住民から嫌厭されていたようです。