アイテム番号: SCP-XXX-JP
SCP-XXX-JP_██博士が至近距離にいた際に変化
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル:
SCP-XXX-JPは45cm四方のラミネート構造を施されたガラスケースに保管してください。ケース内部はSCP-XXX-JP以外に有機物、特に脳に該当する部位を有する生物(以下、有脳生物と呼称します)が存在しないことを確認して下さい。ケースは常時2名の武装警備員による監視下に置かれます。
SCP-XXX-JPを用いた実験はクラス3以上の職員の許可が必要です。
現在SCP-XXX-JPを用いた実験は許可されていません。
説明1:
Phase-1: SCP-XXX-JPは果実に類似した食品の形態を取ります。SCP-XXX-JPを摂取した有脳生物は中枢神経系が約1█%肥大化し、肥大化した周囲の肉体が圧迫されることにより死亡します。極低確率で生存します。具体的な生存率は不明ですが、対象の脳の大きさに比例する可能性があると報告されています。生存した有脳生物及びその周囲に存在する"同種"の有脳生物をSCP-XXX-JP-1と呼称します。なお、SCP-XXX-JPが"同種"と判断する詳細な基準は判明していません。
Phase-2: SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JPを摂取する前と比較して、頭部が約1█%肥大化します。また、SCP-XXX-JP-1には社会性の取得が確認されました。具体的には、実験対象となったハエ目・ショウジョウバエ科のSCP-XXX-JP-1は明らかに社会的な役割分担制度を生み出し、また、同種の為に自己犠牲的な行動を行う個体も確認されました。Phase-1と同様の過程を経て生存したSCP-XXX-JP-1をSCP-XXX-JP-2と呼称します。
Phase-3: SCP-XXX-JP-2はSCP-XXX-JP-1と比較して、頭部が約1█%肥大化します。また、SCP-XXX-JP-2には言語の取得が確認されました。具体的には、実験対象となったハエ目・ショウジョウバエ科のSCP-XXX-JP-2は翅脈を用いた視覚的な言語によって会話を行っていることが確認されました。また、これは未確定ですが、SCP-XXX-JP-2には感情の概念が発生している可能性があります。SCP-XXX-JP-2は高頻度で同種間で争います。捕食を目的としたものではなく、その理由は不明です。Phase-1と同様の過程を経て生存したSCP-XXX-JP-2をSCP-XXX-JP-3と呼称します。
Phase-4: SCP-XXX-JP-3はSCP-XXX-JP-2と比較して、頭部が約1█%肥大化します。SCP-XXX-JP-3は全て自死します。具体的には、実験対象となったハエ目・ショウジョウバエ科のSCP-XXX-JP-3はSCP-XXX-JPとガラスケースの間に潜り込み圧死、もしくは複数個体で相互に頭部を捕食し合うなどの方法によって全て自死しました。SCP-XXX-JP発見の経緯から、SCP-XXX-JP-3がPhase-1と同様の過程を経ることによってSCP-XXX-JP-4の段階に到達するとの予測が██博士によってされていますが、現在さらなる実験は禁止されています。
説明2:
有脳生物以外がSCP-XXX-JPはを摂取した場合、特段の異常事象は確認できませんでした。
SCP-XXX-JPの形態はSCP-XXX-JPに最も接近した有脳生物の嗜好に応じ、1時間ごとに変化します。SCP-XXX-JPを有脳生物が摂取する以外の方法で欠損させた場合、欠損部位は即座に消滅し、SCP-XXX-JPは欠損前の状態に戻ります。SCP-XXX-JPを有脳生物が摂取した場合、1時間後、SCP-XXX-JPは摂取される前の状態で5㎡以内に出現します。
実験記録001 - 日付18██/██/██
対象: Dクラス職員
実施方法: 対象にSCP-XXX-JPを摂取させる
結果: 対象の頭部は、内側からの圧迫により破壊された
分析: 対象の頭部を調べたところ、脳の肥大化が確認された。脳の肥大化に伴い頭部の破壊が起こることが確認された。
実験記録002- 日付18██/██/██
対象: ハエ目・ショウジョウバエ科の個体、ハト目ハト科の個体、星形動物亜門オニヒトデ科
実施方法: 対象にSCP-XXX-JPを摂取させる
結果: 対象は星形動物亜門オニヒトデ科を除き、脳の肥大化及び頭部の破壊が確認された。
分析: SCP-XXX-JPは脳を有する生物にのみ適用される様子。SCP-XXX-JP発見時の経緯から脳が肥大化しても生存するものと推測されていたが、現時点では当該事例は発見されない。
実験記録003 - 日付18██/██/██~19██/██/██
対象: ハエ目・ショウジョウバエ科の個体(███体以上)
実施方法: 100cm四方のアクリルケースにSCP-XXX-JP及び対象を投入。対象が全て終了した場合、アクリルケースを清掃し、次の対象を投入すること。
結果:
18██/██/██: 現時点で実験記録001と異なる事象は確認されない。
18██/██/██: 現時点で実験記録001と異なる事象は確認されない。
…
18██/██/██: 現時点で実験記録001と異なる事象は確認されない。へのへのもへじ
18██/██/██: 前と変化なし。やってられん。
…
18██/██/██: 変化なし。こんなクソ部署に左遷されるとは思わなかなった。来る日も来る日もコバエが死ぬのを見てるだけ。こんなのはDクラスにやらせときゃーいいのに。
…
19██/██/██: 現時点で実験記録001と異なる事象は確認されない。実験記録は日誌ではありません。提出が必要となる可能性は高くありませんが、それは実験記録を日誌にしていい理由にはなりません。前任の██研究員はDクラスに変更されました。私の後の██研究員も気をつけて下さい。
…
19██/██/██: SCP-XXX-JPを摂取し、脳が肥大化したにもかかわらず生存した個体が確認された。
分析:
脳が肥大化したにもかかわらず生存した個体がいた場合、少なくともサイト-81██内の、当該実験003の為に飼育されていた同種の個体も、同様に脳が肥大化していることが確認された。これらを合わせてSCP-XXX-JP-1と呼称する。
SCP-XXX-JP-1は群れての餌の確保、リーダーによる統制的な活動、餌の確保に従事しない階層の存在等、社会的な活動を行うようになった。
実験記録004 - 日付19██/██/██~19██/██/██
対象: SCP-XXX-JP-1
実施方法: 実験記録003と同様。
結果:
19██/██/██: 現時点でSCP-XXX-JP-1が生存した事例は確認されていない。
…
19██/██/██: SCP-XXX-JPを摂取し、脳が肥大化したにもかかわらず生存したSCP-XXX-JP-1が確認された。
分析:
実験記録003と同様の事象が発生。変化したSCP-XXX-JP-1をSCP-XXX-JP-2と呼称する。
実験記録004では実験記録003と比較して、SCP-XXX-JP-1の生存が発生するまでの期間が短かった。確率論的な要因か、何らかの比例相関関係があるかは現時点では不明。
SCP-XXX-JP-2は翅を用いた視覚的な言語を用いたコミュニケーションを取っている。また、SCP-XXX-JP-2は親個体を共食いした個体を子個体が殺害する(復讐?)、同時期に同親個体から発生した兄弟個体の終了に際し、他の兄弟個体が動かなくなる(悲しみ?)等、感情が発生している可能性がある。さらなる実験により、より顕著に変化が確認できるものと思料する。
実験記録005 - 日付19██/██/██
対象: SCP-XXX-JP-2
実施方法: 実験記録003と同様。
結果:
19██/██/██: 現時点でSCP-XXX-JP-2が生存した事例は確認されていない。
…
19██/██/██: SCP-XXX-JPを摂取し、脳が肥大化したにもかかわらず生存したSCP-XXX-JP-1が確認された。
分析:
実験記録003と同様の事象が発生。変化したSCP-XXX-JP-2をSCP-XXX-JP-3と呼称する。
実験記録005では実験記録004と比較して、SCP-XXX-JP-2の生存が発生するまでの期間が短かった。物理的な変化は脳の大きさであるが、具体的な相関比例関係があるかは判明しない。
SCP-XXX-JP-3は全て自死した。SCP-XXX-JPとガラスケースの間に潜り込み圧死、もしくは複数個体で相互に頭部を捕食し合う、[データ削除済]、[データ削除済]等の方法による。
実験記録006 - 日付19██/██/██
対象: ハト目ハト科の個体(███体以上)
実施方法: サイト-81██の鳥類生息環境を充足した収容室を実験に代用。それ以外は実験記録003と同様。
結果:
[データ削除済]
分析:
対象は既にSCP-XXX-JPの影響下にあった可能性がある。
同種の個体がSCP-XXX-JP-1となる範囲は距離によって制限されない。実験記録003から005で用いたコバエは変異種であった可能性があり、そのために影響がサイト-81██の個体に限定されていたと推測される。
カバーストーリー"リョコウバトの絶滅"を実行。
以上、実験記録001~006をもってSCP-XXX-JPを用いた実験は全て禁止されます。
特にホモ・サピエンスを対象とした実験を試みた財団職員は終了されます。
我々がSCP-XXX-JP-2でない保証はないのです。
補遺:
奈良県███の古墳を██大学の研究チームが発掘した際、SCP-XXX-JPを摂取した██教授の頭部が破裂した事件を受け、財団がその存在を認識しました。財団のエージェントにより関係者にはレベル3の記憶処理が行われ、SCP-XXX-JPは財団に収容されました。
なお、その後の財団の調査で当該古墳の周囲を発掘したところ、SCP-███、SCP-███-RU、SCP-███-CN、SCP-███-JP、SCP-███-JPが発見、収容されました。
古墳からは███体以上の人間の頭蓋骨及び1体の████の骨格が発掘されました。████の頭蓋骨は現存する同種に比べ2.██倍に肥大化していました。
報告は以上です。