山藤(santou)の覚え書き
評価: 0+x
1505

財団の施設に降下するKTE-1505-Corona

脅威ID: KTE-1505-Corona "スター・アステロイド"

認可レスポンスレベル: 1 3

概要: KTE-1505-Corona (以後、"対象"と称する)とは、棘皮動物の海星目と類似した生体的特徴をもつ生物である。総数は約4200体程度で、上空350km付近の低軌道上に浮遊している。定期的に太平洋に建設された財団の施設に緑色の光を帯びて降下する。個体は最大で全長80cmのものが確認されている。

交戦規定: 財団との協定によって交戦は禁止されている。協定には各種の隠蔽は財団によって保証されることも明記された。対象はデブリ群として偽装されているため、破壊すると混乱が発生するだろう。

附則1: 2023/7/7に対象は一個体の周囲に集まり始めた。その個体は全長5mであり、確認された個体の中でも最大のサイズである。財団は集合体(KTE-1505-Corona-massと認定。以後、"mass"と称する)の落下への対策として演算プログラムを用いた空中確保を予定している。

附則2: 2023/10/3にmassは突如崩壊した。当時massには全個体の内の約半数が集合していた。対象は太平洋沖に落下し、GOCと財団の共同で全て回収された。しかし、massの中心に存在していた最大の大きさの個体は確認されなかった。

その後、対象の死体を検査したところ、全ての個体の体細胞が欠損していることや魔術的な痕跡があることが分かった。状況証拠から、周囲に集まった個体群は中心個体へ向かってアスペクト放射を行い、中心個体はテレポートし他の個体はバッククラッシュによって死亡したと推測されている。

中心個体に取り付けられていた装置がケンタウルスα星系に存在する惑星(以後、S17α星)の軌道上で位置情報を発信していることが確認された。以降、対象はGOC星間部門が取り扱うこととなった。

PSYCHE部門の記録

以下は無人探索機オグン1によるS17α星への探査記録である。これは概要をまとめたものであるため、詳細な情報については附属資料を参照せよ。

2025/11/3 12:00 国際統一奇跡論研究センター、ロンドン本部で起動。

2025/11/6 03:50 多数のテレポーテションを繰り返しS17α星より約4000km地点に到着。

2025/11/6 05:52 周回軌道上を約2時間かけて公転しながら惑星表面を撮影。赤道上のある地点(KTE-1505-Corona-pointと認定。以後、"point"と称する)で対象が集合しているのを確認。対象を観察し続けるために同期軌道上に移動。

2025/11/6 06:24 赤道に対して約21度の角度である同期軌道上に到着。観察を開始。

2025/11/7 12:24 一周の自転を終えた。視認できるだけで約22000体の個体ができ、一分に平均3体が降下しているのが確認されている。また、降下する範囲が地球のものよりも広く、地球の個体と生態が違うことがわかる。地上の探索を行うため高度を下げる。

2025/11/7 12:49 オグンより小型ロボットを投入。オグンは同期軌道状に帰還し、観察を継続。

2025/11/7 13:13 地上に着陸。大気組成は地球に近しいものであることが確認された。気温はマイナス30.2℃を記録。周囲は雪原が広がっており、地形的な起伏は小さい。先ほど降下が確認された地点への移動を開始。

2025/11/7 13:34 降下地点に到着。周囲は窪地になっており、対象が多く降下していることがわかる。中心部に白い体毛で覆われている四足歩行の生命体(S17α-αと認定。)が4体おり、3体は体長1.5mほど、1体は体長2mほどである。S17α-αが行動を起こすまで待機。

2025/11/7 14:21 対象の降下を確認。小さい3体のS17α-αが対象の下へ向かい噛みついた。発声によるコミュニケーションとみられる行動をした後、2体は元の場所に戻り、口に咥えた1体は北東へ向かった。追尾を開始。

2025/11/7 14:46 他のS17α-αとすれ違う際に発声によるコミュニケーションとみられる行動が行われる。

2025/11/7 15:02 洞窟に到着。持ち込まれた対象が集められていると思われる一角があり、同様に対象を置いた後、洞窟の外へ向かった。そのS17α-αには発信機がとりつけられた。洞窟内部には大きい個体と1m以下の個体が多く存在している。そのため小さい個体が成熟していないS17α-αだと仮定すると、大きい個体が"メス"の役目であり、この洞窟は育児・防寒のための巣であると考えられる。また、対象を捕食しているS17α-αが確認されたため、先の個体は食糧を巣に持ち込む"働きアリ"のような役目を持つと考えられる。洞窟内の探査を継続する。

2025/11/7 16:24 洞窟内部には234体のS17α-αが存在していた。しかし、対象以外の貯蓄がみられないため完全に食糧を対象に依存していると考えられる。"メス"のS17α-αが単独で洞窟の外へ出たため追尾する。また、先のS17α-αにつけられた発信機は先の降下地点より位置情報を発信した。よって個体1体ずつに持ち場が決められていると考えられる。

2025/11/7 17:09 別の窪地に到着。他のS17α-αは存在しない。行動を起こすまで待機。

2025/11/7 18:42 対象の降下を確認。S17α-αは仰向けになり、腹部に対象が乗る。接近するとS17α-αの腹部には対象の開口部と類似した器官が存在しており、その内部に対象が精液を流し込んでいるように見える。暫くすると対象は腹部から降りて、強力なアスペクト放射の発生と共に消失した。S17α-αは仰向けになったままである。観察を維持。

2025/11/7 20:15 腹部の若干の隆起を確認。開口部は閉じられている。

2025/11/7 21:56 腹部が五芒星状に隆起する。開口部からは体液が漏れ出す。

2025/11/7 23:24 開口部が大きく開き、微力なアスペクト放射が発生する。腹部が通常の状態に戻る。S17α-αは気絶している。小型ロボットは観察を継続している。

2025/11/8 03:21 地球で確認されたものよりかなり大きいmassの形成を確認。オグンは観測を継続している。

附則4: 2026/6/3にS17α星のmassが崩壊した。消失した個体は前回のものとは違い1体ではなく53体であった。中心個体に取り付けられていた装置は地球の軌道上にて位置情報を発信していることが確認された。このようにして一度に大量の個体がテレポーテーションが可能であるという性質を考慮してレスポンスレベルを3に引き上げ、S17α星周辺個体の粛清を目標とすることが決定された。粛清にあたっては隠蔽の必要性が存在しないため、高度な技術の必要はない。しかし交戦における武具を搭載した無人機がGOCの技術でS17α星が向かうことは現在も不確定な要素を孕んでいるためPTOLEMY部門による研究が進められている。

附則5: PTOLEMY部門による働きかけもあり2028/9/21にGOC-財団間宇宙協定2の改定を行った。改定内容は情報取り扱い要項や技術共有についてである。財団外宇宙支部とGOC星間部門は大きな衝突も無く活動できているため問題なく執り行われた。超光速航行含む奇跡論を利用した特殊技術は共有されないため、有人太陽系外航行船についてはGOCがより早く完成すると見られている。協定書の全文は附属書類に記載されている。

附則6: 太陽系外無人航行機サンドラが完成し、対象の粛清が2030/4/5に行われた。大型爆弾の一斉投下によって完了され、食糧源を失った白毛の生命体は南下し温暖な地域へ向かう様子が二週間後の4/21に確認された。残存個体の粛清のため無人探索機は観察を継続している。

PTOLEMY部門の記録

セクター-213所属、ウィリアム・ルーク主計下士官の書類によるAOD(Armaments Used in Destruction、破壊に使用された兵器)報告

需品課-AOD-1505
番号 指定 機材名 数量
1 Gen0-IKK GOC太陽系外無人航行機 サンドラ 1
注: この任務が初めての航行であったが目立った問題もなく航行を完了した。
2 +2Gen-CHA 爆撃ユニット-12-S-大型拡散爆弾 150
注: 脅威存在を爆撃し粛清することは成功したが、過剰な量であったことは否めない。

附則7: 2031/2/3にS17α星で約1m程の個体の出現が確認された。粛清から現在までに地上で発生したとみられている小型の個体が確認されたこともあったが、これほど大型の個体は初である。無人探索機による検査は強い魔術的痕跡を示した。よって、この個体がまた別の惑星からテレポーテーションを行ったと考えられるだろう。脅威を根絶するためにも地球においてまたmassが形成された場合に備えなければならない。

(下書きここまで)

SCP-JP:

Tale-JP:

その他:

  1. (24 Jun 2017 00:40) 山藤(santou)の覚え書き (評価: 0)
  2. (27 Aug 2017 09:51) 帝国情報 (評価: 0)

共著:

評価: 0+x

 

Yama.jpg

 
春の陽光が差す南アルプスの山麓で、ある家族に写真撮影を頼まれた。ええ、いいですよと快諾しレンズ越しに彼らを覗く。八歳くらいの男の子はまだ元気そうだが、五歳くらいの女の子はもう退屈して疲れているようだった。こりゃ帰りはおんぶ確定かな、と自分が娘を育てていたころを思い返しながら苦笑いした。

が、当事者であろう父親もグローブで額の汗をぬぐう様子から見るに結構疲れていそうだ。休みの日を家族サービスに捧げた、って感じだな。それでも家族にバレないよう顔は笑っている。母親はともかく、子供達は彼のこの顔以外を知らないんだろうな。うーん、家族の時間は限られているのだから、私もあのころ自分に鞭を打って幸せな時間を作るために行動するべきだったんだなぁ。彼はその年でもう気づいているのだろう。その誠実な顔を真正面から見れば、同じ父としてその強い信念が伝わってくる。

そんなちょっとした尊敬を抱きながら、シャッターを切ってから、家族は登山を、自分は下山をするのですぐに別れた。遠くで聞こえるトビの声が、今日は特別晴れやかに聞こえる。いい気分だ、家族に何か買っていこう。


新しいバイトがやってきた。上京したての十九歳で、珍しくもない貧困の大学生だろう。ひょろっとした体つきだが、熱心に体を汚しながら作業を進めていく。ただ指示を聞くだけのロボット人間ではなく、自ら次にやるべきことを考えて行動している。既に軍手がかなり似合うぐらいには仕事にも馴染んだようだ。

どうだ、ここで働かないか、と誘ってみたが自分には夢があるので、といって丁重にお断りされた。大物になるぞ、と仲間同士で言い合ったが、誰も馬鹿にしていなかった。みなあいつの温柔でありながら、隠しきれないほどの熱量の籠った顔を信じた。きっと今だけではなく、日中俺たちが寝ているときもその顔を崩すことなく夢に向かって勉強しているんだろう。その瞳は目の前の物事を捉えているようで、その先の人生をしっかりと見据えている。未来を動力として、生きることに妥協しない。あいつの顔からは、熱意という単語だけに収まらないほどの想いが伝わってくる。

大きな勇気に感銘されて、俺たちは休憩を打ち切って夜に輝くおっつきさんの下で作業を再開した。別に新しい挑戦をする、という訳ではないけれども、自分の生き方を見つめ直してみようと思う。俺の生き方が誰かに伝播して、そいつの生き方がまた誰か伝播して、この国はもっとよくなる。そうなったらいい…うんにゃ、そうするんだ。


席替えで君の隣にしばらくいれるようだ。英語の時間とか、君か僕が消しゴムとかを転がした時にしか話せないんだろうけど、それでもいいんだ。君はゴルフ部で活躍していて、頭もよくて、クラスでも人気で、なにより可愛くて、そしてこんな僕にも優しくしてくれた。別に君と仲良くなってやろうとかその白い手袋をつけた手に触ってやろうという気は微塵もないんだけれども、ただ君の顔をちょっとでも長く見れるようになったのが凄く嬉しいんだ。どうみてもよくあるただの勘違いオタクだよなぁ、やっぱり。

まぁ、僕がオタクであろうが、絶世のイケメンでお金持ちだったとしても結局は変わらない。だって知ってるんだよ?君には彼氏がいるんだもん。忘れもしないよ、先月の21日、彼と一緒の君の帰路。学校から駅までは一直線だったから図らずとも僕はストーキングをすることになってしまった。夕日が照らす君の顔色はいつもより明るくて、そしていつもとは間違いなく違う輝きを持っていたんだ。これが愛の結晶ではなくなんなのだろう?君の輝きは駅に近づくほど強くなって、そして別れ際に君はどうしようもなく暗い顔をしたんだ。暗い顔なんて見たこともなかったから、僕は彼がひどいことをいったんじゃないか、って一瞬思ったけれども、それは違った。最後は君は笑顔になったんだ。そう、僕にとっての非日常である君のその顔は、君達2人にとって、別れ際に起こりうる哀愁という日常の一片でしかなかったわけだ。そこで僕の僅かながらの野望は自分の身を守るためにも打ち砕いた。僕には無理だ、ってね。

彼は、君の世界を彩ることができる。君とドラマチックで、素晴らしい日々を共有できる。そして、普段の君にはない顔を引き出すことができる。僕には全部できない。正直言って完敗だし、そもそも同じ土俵にすら立てていない。彼が君の彼氏で本当に良かったと思うんだ。嗚呼、僕は君の好きな人にしか見せることはない顔を一生見ることなく死んでいくんだろうね。

だから、僕が望める範囲で最高の幸せだよ。ありがとう、神様。


「対象を発見した。確保する。」
騒々しいショッピングモールのゲームセンターにヤツはいた。ご老体の方々は固い椅子に座り腰を曲げてメダルゲームに熱中していた。それ自体は異常ではない。現代において高齢者が限られた余生と僅かに余る年金をこれに浪費するのは別によく見る光景だ。異常なのはあの手袋をつけた白髪交じりの老婆だ。といっても危険性はない。現実改変者であればヤツか俺は今頃もう消えているだろう。

「すみません、お話を聞かせてください。ここではお店にご迷惑になりますので、外にまでついてきて頂けますか。」
ヤツは、細い目でメダルゲームを見つめていた。しかし垂れた瞼の奥には鋭い瞳孔がメダルの細かい動きを捉えている。たまに震えるそのしわくちゃの両手は加齢と酷使の証であり、言い換えれば今まで生きてきた長い時間を証明するものであった。警官に扮した俺が声をかけると反抗することもなく、店外に連れ出すことができた。しかし、間違えて一般人を連れてきたのかと思ったほどに、対象は今まで見てきたどんな人型よりも落ち着いた顔をしていた。もちろん多少の不安も感じれたが、それは逆にリアリティーを帯びていた。そしてメダルをバンクに戻していいですか、とまで言った。帰れる前提でこれからのことを考えている。本当に一般人として振舞っているのだ。いや、対象は自分のことを一般人だと思い込み、人としての道を歩いている。この顔と、そしてこれ以外の数多の顔でこれまでを生きてきたのだ。


付録████-JP
以下の内容の文がSCP-████-JPの右手の甲に刺青されていました。

おーっと!ワンダーテインメント博士の日本進出記念版コレクションのミスターを見つけたみたいだね!キミの"ミスター・かおだらけ"はいろんな顔をもっているんだ!会うたび変わるミスター・かおだらけと一緒に楽しい思い出を作っちゃおう!

01. ミスター・おやすみ(発売未定)
02. ミスター・かおだらけ
03. ミスター・ずぶずぶ
04. ミスター・くらやみ(発売未定)
05. ミスター・にんじゃ(発売未定)
06. ミズ・きみのだいじなひとを(発売未定)
07. ミスター・ひきさかれる(自主回収中)
08. [判別不能]
09. [判別不能]
10. [判別不能]

*日本国内にて、ワンダーテインメント博士の正規製品の悪質な類似品が多数出回っているとの報告を受けています。お客様各位におかれましては、そのような製品に充分ご注意ください。


鏡を見せられていた。これが主人格の私なのかと問いかけられた。こんなことをされている理由を聞いたが、訳が分からない。…と言いたいけれどもそれが事実なのは右手の甲が物語っている。困惑する私を見た研究者は今までの「私」を教えてくれた。主人格の私は一家の大黒柱なのかもしれない。未来を夢見て努力する若者なのかもしれない。青春を生きる女子高生なのかもしれない。メダルゲームを心から楽しむ老人なのかもしれない。

考えれば考えるほどわからなくなって、嫌になってしまう。過去への嫌悪と絶望が私を包んでいく。それらは全て偽物で、嘘だったのか。虚構だったのか。ひどく冷たい汗が、頬を伝ってこぼれていく。無くなってしまったのか。最初から無かったのか。回想した事実は湧き上がるが、泡のように消えていく。無駄だったのか。意味なんてなかったのか。死んでいたも同然だったのか。全ての顔は貼り付けられたものだったのか。

誰が知っているのだろうか、私の顔を。私も知らない私の顔を。

下書きここまで


<オリエンテーション音声: 再生開始>

「ようこそ、外宇宙支部へ。 私は財団外宇宙支部所管、サイト-0038、通称ポート・ガニメデ所属のイレーネ・ハーケ博士です。専門は外宇宙心理学で、ファースト・コンタクト時の地球外知的生命体の心理について研究しています。
 皆さんがここからサイト-0001の高度訓練区画に至るトラムに乗車している間、私がオリエンテーションを担当します。大丈夫です、地球でお渡しされた資料以上のことは基本的にお話しませんので、確認程度にお聞き下さい。手元のパック式コーヒーとベーグルはご自由にどうぞ」

<事前の想定通り、各員に低重力に不慣れなことによる動作の不安定さが確認できる>
<対応のため、該当する音声: 再生>

「まずもって、皆さんが戸惑われているのはこの宇宙における無重力または低重力環境と思います。体をしっかりと支えられず浮遊するか飛び跳ねるしかない状況というものは不安だと、皆さんは月往還船の中で感じたでしょう。大丈夫、地球と異なる重力環境は新人職員の突き当たる問題ですが、慣れによって解消されます。」

<オリエンテーション本編の音声: 再生再開>

 「しかし、それは根本的には慣れきってはいけないものです。ふとした手違いで、あなたはベーグルの欠片を数百万ドルもする機械の隙間に紛れ込ませ故障させてしまうかもしれないし、低重力によって動かされた慣性重量数トンの物体にゆっくりと押しつぶされていくかもしれない。そうしたアクシデントを避けるため、常に環境には警戒心をもって挑んで下さい。
 さらにいえば、月往還船やトラムの、星々の煌めきが覗ける硬化テクタイトの窓の外は、まさに板1枚を挟んだ真空の地獄であることも忘れてはいけません――皆さん、宇宙服の気密を再確認して下さいね」

<各員の反応は正常/オリエンテーション音声の再生を継続する>

「さて、少々脅かしすぎました。実際のところ、月はかなり安全です。特にサイト-0001は極初期から作られた最大規模のサイトですので、安全設備も福利厚生も充実しています。皆さんが口になさっているパック式コーヒーをこぼしたとしても、真空掃除機がすぐにセンサで感知して吸い取ってくれますので、ご安心を。サイト-0001では、低重力を除けば、ほぼ地球のサイトに居るのと同じ環境で仕事ができます」

「しかし――月より遠い、例えば私の勤務先のような外惑星サイトにおいては、事はより慎重に運ばなければなりません。そこではあらゆるものが必要十分『しか』存在しません。最新の外惑星往還船でも1ヶ月以上かかって人員を送り込むのが精一杯の場所では、たとえフォン・ノイマン・マシーンの力を借りたとしても、ほとんど自給自足で、ありとあらゆる無駄を省き、資源を再生し、最高効率で還流しなければなりません。そうしなければ生存できないからです。
 例えば皆さんが口にされているベーグルは月の水耕栽培農場で取れた小麦を加工しているものですが、私達が普段口にしているそれは培養クロレラの代用品です。外惑星往還船ではベーグルを食べることすら危険行為として禁じられるでしょう。地球から遠く離れていくほどに、皆さんの生活・活動環境は厳しいものとなっていきます。外宇宙に身をおいた先達としていいましょう。『月は厳格な女教師であるが、外惑星は学びを実践する星々の荒野である』と」

「そこまで厳しい環境において、財団は一体何を目的とするのか。それについて再確認しましょう。外宇宙支部は、財団の基礎理念である確保・収容・保護に加え、探査・発見・観察が加わります。観察は研究としてもいいですね。
 宇宙には様々な驚異があり、そしてそれは同時に脅威でもあります。例えば、木星とガニメデの間を走るフラックスチューブは、太陽系最大スケールの雷であり、木星大気に発生させるオーロラと相まって、私たちの心を捉えて離さない壮大さを持ちますが、同時にその軸線上にあるすべてのものを破壊するだけのエネルギーを持ち、接近観測は極めて危険です」

「ですが、既知の宇宙の現象は、アノマリーに比べるとまだ驚異でも脅威でもありません。それらはすでに解明された法則によって成り立っているのですから。
 外宇宙に存在するアノマリーの多くは、残念ながら私達の既存知識体系をもってしても不可解であるだけではなく、時に危険で、時に私達の知識体系にコペルニクス的転回を与えかねないものです。それらアノマリーは宇宙全体に広がっていると推測されます。現在確認されている最も脅威的なアノマリーは、地球から数百光年先に存在しています――流石にこれは現在の外宇宙支部では対処できませんが」

「とにかく、宇宙の広域探査により、可能な限りのアノマリーを発見し、確保・収容・保護すること、そしてそれが不可能なアノマリーについては観察を行い動静を注視すること、それら両方について研究を実施すること、最後に、アノマリーの脅威と導き出される真実が、人類にとって受け入れがたい、あるいは早すぎるものであった場合、神秘のヴェールに包み隠すことが、皆さんの使命となります。皆さんは研究によって宇宙法則を書き換えるガリレオと、天動説を固守した教会の2つの立場を併せ持つことになるというわけです」

<指定位置に達するまでオリエンテーション音声: 再生中断>
<指定位置に到達/オリエンテーション音声: 再生再開>

「さて、左手方向をご覧下さい。先程まではクレーターの縁に隠れて見えませんでしたが、ここからだと地球が見えますね。今まで過ごしてきた大地を横から眺めるというのを不思議に思う方もおいでかと思われますが、それよりもあの美しさに心を奪われる方が多いと思います。いずれにせよ、この色と輝きを忘れないで下さい。それが皆さんの任務の励みとなるでしょう」

「ですが、まだ皆さんの外宇宙支部職員としての任務は始まってもいません。改めて、ヴェルナー・フォン・ブラウンの言葉を借りていいましょう。『新人職員にとっての2つの大きな問題は重力と事務仕事だ。月の重力にはじきに慣れるだろうが、事務仕事は時に圧倒的すぎる』」

「もうすぐトラムが終点へと到着します。減速Gに備え、シートベルトをしっかりと確認して下さい。そして停止したら、ステーションへと第1歩を踏み出して下さい。人類にとっては小さな1歩ですが、皆さんにとっては大きな1歩です。」

<オリエンテーション音声: 再生終了>
<アナウンス: 開始>

――皆様、お疲れさまでした。本オリエンテーションはこれにて終了となります。

改めて、一方的な音声通信によるオリエンテーションとなったことをお詫び申し上げます。これは、木星圏のサイト-0038と月面の間では、双方向通信を用いると無視できない程度のタイムラグが生じるためです。

では、良い旅を。こちらは外宇宙支部所属、月面サイト群管制支援用人工知性体、Artemis-IIIbisです。

<アナウンス: 終了>

アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPはサイト-8123の標準収容ロッカーに施錠して保管されています。SCP-XXXX-JP-1内部は常に遠隔操作型無人機を用いて監視してください。通信を接続し続けるためにポータルを維持してください。

説明: SCP-XXXX-JPは樽に入っている米油です。食品表示と「ホテル・スルースで作られたスペシャルオーガニック米油」「あなたも味わってみてはいかがですか?」と書かれたラベルが貼られています。製造元である████████社はこれを否定し、財団の調査でも████████社が実際にこの製品を製造している事実は確認できませんでした。。通常の米油との成分の違いはありません。

SCP-XXXX-JPを用いて作成された天ぷらの断面は亜世界(以下、SCP-XXXX-JP-1)へと繋がるポータルとなります。天ぷらを食べるとポータルは消失します。天ぷらは熱を確実に通してあるにも関わらず、食べた人物は食中毒になります。ポータルはSCP-XXXX-JP-1の空間にランダムに繋がります。

SCP-XXXX-JP-1は「ホテル・スルース」と思われるホテルです。現在建設中の「ホテル・スルース」の設計図と構造が完全に一致しています。高温の天ぷらの衣で覆われており、衣を切削し外部へ向かうことはその衣が果てしなく厚いためできません。

SCP-XXXX-JP-1には複数の人間が生存しており、自分たちが「ホテル・スルース」の従業員であったと主張しています。████████社の経営している他のホテルで労働している人物と同一と考えられる人物もいますが、数年分の老化が見られます。慢性的な食中毒の状態にあり、大抵はトイレの個室にいます。衣を食べて生活しており、苦痛に耐えかねて自殺したと見られる死体も見つかっています。通常の食事を提供する試みは行われましたが、対象人物の吐瀉によって失敗しています。衣は非常に栄養価が高く、他の食物を摂取せずとも生活することができます。

SCP-XXXX-JPは20██/█/██に東京都内で複数の家庭が原因不明の食中毒で病院に搬送されたことが財団の興味を引き収容されました。全ての家庭は建築中の「ホテル・スルース」の工事現場で働く建設作業員が世帯内にいるという共通点があり、作業中に差し入れされたSCP-XXXX-JPを用いた天ぷらを食したようです。多くの人物が差し入れた人物は女性で、痩せ細っていたと証言しています。

補遺: ████████社の社長にもSCP-XXXX-JPが以前にも届けられていたことが発覚しました。差出人が不明であり、「ホテル・スルースの建設をやめろ」「あの子はこの味を知るべきではなかった」といったメッセージがラベルに殴り書きのように書かれていたと証言しています。



立候補期間が終わりました。

立候補者は以下の一名で、条件を全て満たしています。

santousantou

投票方法
以下の表を、これから示すルールに従って完成させた内容を含んだポストしてください。ポストができるのは7月15日0:00までに本サイトに登録していたメンバーのみです。
候補者 職種 YES NO
santousantou scp-starスタッフ
||~ 候補者 ||~ 職種 ||~ YES ||~ NO || 
||[[*user santou]]|| scp-starスタッフ || || ||

1. 内定に賛成ならば、YESの欄に何かしらを記載する。
候補者 YES NO
useruser おっけー
2. 内定に反対ならば、NOの欄に何かしらを記載する。
候補者 YES NO
useruser だめ
3. 棄権ならば両方の欄に、「ABSTAIN」あるいは「棄権」と記載する。
候補者 YES NO
useruser 棄権 棄権

4. ポストの際、選定理由についてあれば自由記述で表の下に記載してください。


アクティブメンバーのほとんどの回答ののち、賛成反対の単純多数決によって、スタッフ任用を確定します。

評価: 0+x
ld-bar-stool.JPG

使用されていない状態のSCP-1212。

アイテム番号: SCP-1212

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1212はサイト-██にある5m×5m×3mの収容セルに収容されています。実験を行う場合は、少なくともセキュリティクリアランスレベル3以上の職員2名の許可が事前に必要です。また、実験後はすぐに収容室に残った体液や残留物を取り除く必要があります。

SCP-3311内で発見されるSCP-1212のコピーは長期間保管するためにすぐにサイト-██に輸送されます。

説明: 使用されていない状態のSCP-1212は高さ74cm、座面38 × 38 cmの単純な木製のバースツールです。アルコールのかすかな香りがすること以外の物理的な目立った異常は無く、メーカーのマークや他の識別記号はありません。15才以上の精神的に健全な生きている人間がSCP-1212に座ると、2つの異常な活動が直ちに観察されます。

  • SCP-1212は使用者に影響を与えず瞬時に形が変わります。これまでに███回の変形が観察されていますが、同一の形状が二回以上とられた例はありません。以下は観察された形状の抜粋です。
    • 鮮やかな赤いプラスチック製のシートを備えた光沢のある金属製のバースツール。
    • 黒い塗料で拙く塗装されていると考えられる作りの粗い木製のスツール。
    • 滑らかな砂岩の椅子。正方形を模した複数の記号が精密に刻まれているが、その由来は未判明である。
    • 座面が正方形の小型スツール。清代後期の中国文化を想起させる雲のモチーフが彫られている。
  • 使用者は五感を幻覚に支配され、以降は周囲の現実を認識することが出来なくなります。同時に、使用者はSCP-1212に固定されます。(特殊な方法を用いた使用者の除去の試みについては、補遺1212-Aを参照。)

SCP-1212の使用者が誰かに話す様子が確認されていますが、対話の相手の音声を録音しようとするこれまでの試みは失敗しています。通常、使用者(以下、参加者)が酒飲み競争に招待されていることが明らかとなります。なお、当該競技は参加意志の有無に関わらず開始されます。生存した全被験者から共通して得られた報告として、事前の招待には「その場所に座り、自らの限界を理解する力が欠けていた者達を悼む為、君は私と酒を飲み交わさなければならない。」「私達は弱い者を蔑み、強い者を尊ばねばならない。」にそれぞれ類似した内容が含まれます。時折、参加者が理解できない言語で話しかけられ、コミュニケーションの試みが失敗に終わる場合があります。この場合も、イベントは通常通りに進行します。次に参加者は自発的に、あるいは強制的に、飲酒を行うかのような動作を繰り返します。参加者は目の前に置いてある"仮想上"の液体の入った容器を掴み、それを唇につけ、一息に飲み干します。そして乱暴に容器を元の位置に戻します。一連の動作の合間には、30秒から50秒の休止が挟まれます。これは、参加者が自分の「ターン」を待っているものと推測されます。参加者は常に話すことができますが、飲酒行為によって中断されます。飲酒行為はいかなる種類の干渉も不可能です。

参加者の唇の間に実際に液体が通っていないにも関わらず、アルコール中毒に関連する通常の症状が見られ始め、各手番を繰り返すにつれて、中毒の影響がますます深刻になります。最初に吐き気、不明瞭な発語、眼瞼等の顔面部位の下垂、続いて身体の揺れ、窒息、嘔吐が観察されます。前述した症状のいずれも、参加者の競技の続行を妨げるものではありません。何人かの参加者は、液体を飲むのに必要な十分な時間の間だけ、嘔吐を中断することが確認されています。その後の検査では吐瀉された液体および参加者の血液には、アルコールが存在しなかったことが明らかにされています。参加者が無意識、身体の脱力および時折の震えに代表される重度のアルコール中毒の症状に目に見えて苦しんでいる様子が見られた後でさえも、「飲酒」は継続します。姿勢は維持され続け、身振りは中断されません。

コンテストは、以下の2つの条件のうち1つが満たされた場合にのみ終了します。

  • 1時間以上の時間が経ち、1分に平均1回飲んだ場合。 財団によって行われた███回の実験のうち、██の参加者のみがこの時点まで十分に生存し、そのグループの95%が意識を失っています(記録1212-B12参照)。SCP-1212は非活性時の形状に戻り、以降はその参加者の存在に反応を示しません。
  • アルコール中毒がすべての身体機能を停止させ、死亡した場合。心拍の停止時にSCP-1212から解放され、床に倒れます。その後、SCP-1212は非活性状態になります。

ここはまとめページです。今までのチャットで決まったことをまとめています。臨時更新されます。

実験計画: 527,097-JP
概要: SCP-527SCP-097-JPのクロステストを行う。両オブジェクトを対話させることによってワンダーテイメント博士等の新しい情報を得る。
詳細: SCP-527をサイト-8141へ空路を用いて移送し、SCP-097-JP収容室で対話を行わせる。Agt.恒川が同時翻訳を行う。両オブジェクト共に危険性は低く、かつ収容態度が良好であるため、収容違反の可能性は低い。
責任者: 川口 健太郎

高度10000mの空、アメリカから日本へ向かうジェット機の中には魚の頭の男とノートパソコンに熱心に向かう男と銃を装備した大柄な男がいた。

エージェント恒川は隣に座るSCP-527を見て報告書の内容を思い出していた。
本当にこいつが話すのだろうか?
この肌は乾いてしまったりしないのだろうか?
彼が今まで対峙してきたオブジェクトはどれも驚くべき異常性や、身が凍るような危険性を孕むものであった。そんな仕事の上で知的好奇心は忘れていたし、忘れなければならなかった。しかし今回は事前に聞かされた異常性が極めて単純なものであったがために、彼の純粋な興味を引き出していた。

それはそれとして疑問を彼はこの実験に対して抱いていた。ビデオ通話を用いない点である。ビデオ通話を用いればこの費用も時間もかかる旅路はなくなるし、第1安全だろう。もしGOCあたりに財団の科学技術による通話をスーパー奇跡論パワーで傍受されたとしても、そもそも機密情報はこの対話ではあまり出てこないだろうし、それよりかはこのジェット機が527もろとも破壊されるほうが現実味を帯びた危険であるように思えていた。

横目で527を見ていた恒川であったが、視線は川口の方に向けられることになった。
「できたぞ!097-JP軸のデッキが!」
川口が目を輝かせながら発した言葉は彼の疑問を解決するには充分な量だった。
「あ、今日はSCP-TCG-JP3のJP限定パック4の発売日か…。」
「君、 SCP-TCG-JPを知っているのか。」
謎が解けていく奇妙な感覚から呟いた言葉は意外にも527を刺激したのであった。

評価: 0+x
と

SCP-1440-JP「と」 aisurakutoaisurakuto

自分は宇宙に関する知識が全くないのですが、せっかくサイトに参加したのでJPナンバーで宇宙に関するものとちょっとしたscp-starに関する妄想という名のヘッドカノンを書きます。

SCP-039-JP──だれかのペン
O5より位の高い、もしくは生活の質が高く被験者より上位にいる知的生命体が、4.367光年先のケンタウルス座アルファ星方向にいるらしい。SCP-039-JPの座標を利用して知的生命体に会いに行くのとか、面白そう。

SCP-055-JP──ウエイン牧師の真珠の門
地球中心点より約100000km~200000kmの範囲で周回運動を行っています。直径約4km、長さ26kmの円筒形で外観はタバコモザイクウイルス状です。月より近い地球の衛星なのねーん。なぜ一般人にばれないのか。中が空洞だからサイトを建設しやすいかも。

SCP-078-JP──永久カイロ

0██/██/██にSCP-078-JPを宇宙空間に破棄する計画が提出されました。しかし外装の物理的な耐久性が不明であることから内容物の拡散する可能性、宇宙空間でも反応が停止しない可能性があることから現在保留中です。

シェアワールド要素に使えそう。これが収容されていたら「このカノンは財団の宇宙部門がO5などのセキュリティクリアランス部門からある程度の信頼を得ていること」を表現できるかも。

SCP-100-JP──屋根裏部屋の宇宙
大きな惑星型のやべー敵が現れて、こんなやつにどうすれば・・・(絶望)みたいなシーンで頭が切れるエージェントが地球に帰ってSCP-100-JPの惑星を壊しにいく、的な。サイトからエージェントが飛び出すシーンで同僚が「逃げ出すのか!?」みたいなことが言ったらそれっぽくない?

SCP-149-JP──公転儀
膨張、収縮に伴う外周の変化は地球の公転軌道に影響を及ぼすゴムボール。何かに使えるかもしれない。

SCP-155-JP──ほしのおひめさま
-2の監視を行ってたり、起源を探しているかも。ヘッドカノンではハチのような生態なのではないかと思うので、他の星でも活動しているかも。