タグ: scp-jp keter 化学 幻覚 思考 中毒 共著
共著メンバー:sandselbstmord
ukarayakara
1枚目: 人魚の絵(merrow_label.jpg)
出典: flickr
作者: Plum leaves
ライセンス: CC 2.0
日付: 2014/11/01
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe/Keter
特別収容プロトコル: 回収されたSCP-XXX-JP実例が実験・研究の目的で異常薬剤・薬物保管庫に保管されています。実験はセキュリティレベル2以上、詳細な構造研究は特殊セキュリティレベル3/JaXXX以上の指定となります。SCP-XXX-JP実例の構造解析記録の大部分は財団標準薬剤情報取扱規定に基づき秘匿されます。
現在、財団の収容下にないSCP-XXX-JP実例の使用1に伴う正常社会への影響を考慮して、評議会結論によりSCP-XXX-JP実例のSafeクラス指定と同時にSCP-XXX-JPに纏わる事象全体のKeter指定が為されました。SCP-XXX-JP関連事象の封じ込め完了後、SCP-XXX-JPオブジェクトクラスはSafeクラスに変更されます。
SCP-XXX-JPユーザの自殺事案の発生が確認された際には、SCP-XXX-JP関連事象に割り当てられたMTF戊-33("胡乱なヤク中")およびMTF癸-22("呑んだくれの素面")が出動し、自殺現場の目撃者、並びに自殺体の発見者全てを一時的に拘留、不自然でない溺死体の発見事案として記憶処理が行われます。SCP-XXX-JPの異常性に関する公共の記録は全て破壊されます。
SCP-XXX-JP-Aの販売は恒久的に妨害されなくてはなりません。関西圏の麻薬・覚醒剤販売についての情報はMTF丑-58("前後不覚")によって収集され、SCP-XXX-JP-Aの販路が発見され次第全ての関係者とSCP-XXX-JP-A実例を押収します。
GoI-7142を担当する財団、世界オカルト連合、警視庁公安部特事課の捜査プロジェクトには、1名以上のSCP-XXX-JPの流通状況に関する見識を持つ人物が含まれていなければなりません。

回収されたSCP-XXX-JP紙片の図画(写し)
説明: SCP-XXX-JPは主に日本の関西圏内の民間で、既存の違法な薬物流通ルートにおいて流通していた異常な幻覚剤です。SCP-XXX-JP実例の構造解析の結果からは現在あまり知られていないものの、それ自体は非異常な化合物が検出されています。特筆すべき点として、回収されたSCP-XXX-JPの構成はすべて一様で2、配置は奇跡論的な意味を示します。
SCP-XXX-JP実例の服用は短期間の自律神経系の異常に伴う諸症状と感覚の鋭敏化、次に5-15時間に渡る多幸感、酩酊、サイケデリックな幻覚等の症状を引き起こします。幻覚症状の大半は通常の幻覚剤に似た非異常な物ですが、全体の6%の被験者は共通する幻覚症状(SCP-XXX-JP-A)を体験します3。既知のSCP-XXX-JP-Aの内容の抜粋が以下に示されます:
- 視界の中央に映る輪上の光。
- 奇跡論的な図画。
- 不明な言語での歌。
- [データ削除済]
- 視界の隅の人型の幻覚4。
SCP-XXX-JP-Aの体験者はSCP-XXX-JP実例の服用から3-15時間の間、クラスⅡ-Psiに相当する"感覚伝達"に類似した性質を見せます。具体的な症例として、対象の周囲に存在する個人は対象のその時点での感情や感覚を体験します — 体験の明瞭さの度合いは両者間の物理的な距離、あるいは被影響個人が対象に向ける注意の度合いに正の比例を見せます。加えて、SCP-XXX-JP-Aの影響を受けた個人がSCP-XXX-JP実例を使用した際にSCP-XXX-JP-Aを体感する確率は有意に増加します。
また、SCP-XXX-JP-Aの体験者はこの特徴を含め、いくつかの異常行動及び精神異常の兆候を示します。
- 海や海水への親しみ
- 双極 I 型障害(bipolar I disorder)
- 応答型異言
- 特に水中での突発的な身体の硬直5
クラスB以上の記憶処理はSCP-XXX-JP-Aを体験した対象の後期症状を抑制することが可能ですが、殆どの使用者は2年以内に非異常な要因でSCP-XXX-JP-Aのフラッシュバックを体験します。フラッシュバックを体験した使用者には再び後期症状が見られ、後に同様の手段で自殺を試みます。[データ削除済]の記録を鑑みるならば、SCP-XXX-JP-Aの記憶は薬学的・物理的な破壊に耐性を持つ、あるいは自動的な自己復元を行う未知のミーム/情報因子です。結果として、自殺の妨害の試みは自殺達成までの期間を僅かに延長するのみに留まっています。
SCP-XXX-JPの流通には、GoI-7142 ("WithManFollowers/WMFs")6の関与が確認されています。
SCP-XXX-JPは関西圏の警察内部に潜入していた財団エージェント数名による「特徴が共通した不審死」の報告と、当時GoI-7142に関する捜査プロジェクト(コード: MG)を進めていた警視庁公安部特事課の報告により齎された「新種の違法ドラッグ7」の報告の間の関連が見出されたことで存在が発覚しました。SCP-XXX-JPはユーザーの大部分から"メロウ8"あるいは"人魚ドラッグ"と呼ばれており、使用疑惑のある者も含めれば総████人以上の使用者が想定されます。SCP-XXX-JPは異常な幻覚が発現しなかったユーザーには単に安価な幻覚剤として流通していました。SCP-XXX-JP使用者の自殺は噂話以上の信憑性を持たず、ユーザ数や増加率の有意な減少は見られませんでした。また、SCP-XXX-JPの成分は体内から検出されたとしても法規制されている薬物反応が出ないこともあり、"安全なドラッグ"としても流通していました。
SCP-XXX-JPの性質上、SCP-XXX-JP-Aの体験者が狭い範囲に複数人存在する場合に薬理的体験が相互に伝達と増強の影響を受けながら、周囲の無関係な個人にも影響を及ぼすことで際限の無いトランス状態が誘発される事象9が起こり得ます。現在までに、イベント-XXX-JP-tfは関西圏を中心に██件確認されています。既知のイベント-XXX-JP-tfの発生事例では、該当するクラブイベントにおけるWMFsの関与が確認されています。
インタビューログ-XXX-JP-41234
[アクセス拒否]
補遺 XXX-JP: 不自然な溺死の報告が世界各地の都市で増大しています。これらの地域はSCP-XXX-JPの流通状況が[データ編集済]。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Keter
サブステータス: 未収容 未発見
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP被影響者の自殺事案が発生した場合は、関連事象に割り当てられたMTF戊-33("胡乱なヤク中")およびMTF癸-22("呑んだくれの素面")が出動し、自殺現場の目撃者、並びに自殺体の発見者全てを一時的に拘留、不自然でない溺死体の発見事案として記憶処理が行われます。SCP-XXX-JPに関して特に信憑性が高いと見做された公共の記録はすべて破壊されるべきです。
SCP-XXX-JP-1の販売は恒久的に妨害されなくてはなりません。関西圏の麻薬・覚醒剤販売についての情報はMTF丑-58("前後不覚")によって収集され、SCP-XXX-JP-1の販路が発見され次第全ての関係者とSCP-XXX-JP-1実例を押収します。
GoI-7142 ("WitahManFollowers/WMFs")の速やかな解体に向けた試みが進められなくてはなりません。
説明: SCP-XXX-JPは未知の実体、ミーム、集団、因子、奇跡論システムによって引き起こされる殺人事象、あるいは自殺の流行です。SCP-XXX-JPには以下に示される共通性質を持ち、それによって識別されます。数字は溺死者のうち、特徴が当てはまる割合です。
- 複数人での実行(100%)
- 海、または河川への入水(83%)
- 非異常的な薬物乱用者を含む(76%)
- 死亡する際に体を硬直させており、抵抗した痕跡がない(87%)
- 周辺に不明な紋様を残している(73%)
- SCP-XXX-JP-1の乱用者を含む(98%)
SCP-XXX-JPの発生地域は過去のSCP-XXX-JP-1(旧識別コードSCP-XXX-JP)の流通地域と完全に一致していますが、これはSCP-XXX-JPの発生そのものが被害者のSCP-XXX-JP-1の過去の服用歴および/または当時の該当地域におけるSCP-XXX-JP-1の流通の停止と関係していることは意味しません。事実、
インタビューログ-XXX-JP-41234
日付: 2016/██/██
質問者: 本条博士。
回答者: ██ ██。
序文: 本インタビューはWMF捜査の一環でコンタクトの取れた回答者への一連のインタビューの内、SCP-XXX-JPに関連する部分のみを抜粋した物です。
質問者: では、例のドラッグについてお聞かせ願えますか?
回答者: 本題だな。ただこれについて言うってんなら……そうだな、俺をここで匿うって約束してくれ。身の安全を確保すると。
質問者: いいでしょう。ではお話を。
回答者: ああ。俺たちはあれをメロウって呼んでた。まあ、アッパー寄りのちょっと変わったヤクってぐらいの認識だよ。あれが普通の紙10とどう違うのかは、やってねえから知らん。……常習者が自殺してたんだって?
質問者: ええ。
回答者: 俺たちもそれは知ってた。でも違和感があったのは、客が倒れてからじゃねえ。
質問者: いつからですか?
回答者: 去年の末頃から。メロウが盗まれた、って騒ぎがあった。在庫の帳簿が大幅に合わなかったんだ。まず裏切り者が疑われて、WMF全体でリークしたバカを探した。あれはうち以外じゃ作れないからな。
質問者: 裏切り者は見つかったんですか?
回答者: いいや、いなかった。いくら探してもだ。メロウは際限なく流出を続けた。そして……
質問者: 常習者が自殺を始めた?
回答者: そうだ。それが一番ありえないことだった。アンタらの噂は9コミュ11で広まってて、こっちで知らない人間はいない。アンタらに睨まれないように、より長く金を引っ張れるように、魔法使いどもは慎重にメロウの致死性を調節してたんだ。
質問者: しかし、実際には███人死んでいます。
回答者: そうだ……組織全体が頭を悩ませ始め、もう一度大掛かりに調査をした頃、とんでもないことに気付いた。ああ、俺の気は確かだ、聞いてくれ。俺達は、最初からメロウを扱ってなんかいなかったんだ。
質問者: はい? いえ、あなた達は確かに……
回答者: そうだ。俺達がメロウを作っていたと思ってた。だが売人がいない、どの売人にもメロウを運ばせてない。メロウの詳細な作り方も誰も具体的に知らなかった。在庫があるとされていた隠し倉庫は建設さえされていなかった。そして死んだ常習者の情報だけがどんどん流れてきた。そうだ……顧客リストを洗い直して一人一人訪ねたら、全員が全員溺れて死んでやがるんだ。なのに、デコ12からはまた新しい溺死者の情報が流れてくる。そこでもう一度リストを見直すと、そいつは客の一人だ。メロウを買っている。俺達はそれを売っている。一体何の冗談だ?
質問者: それでは、あなた方だけが独占しているというのは……
回答者: 悪いけど、もうそれもわからなくなった。俺達がメロウを売ってたのか、メロウが俺達を使って泳ぎ出したのか。俺達の中でメロウに直接関わった人間はいないのに、俺達はメロウを独占してると思い込んでた。あれは本物の人魚なんかじゃねえけど、もっとまずい。もう俺達じゃ止められない。
質問者: 十分でしょう。インタビューを
回答者: やめるな。いいか、人魚を殺せ。人魚を殺すんだ。あいつは何だってやるぞ、死んだ友人を取り戻しに来る。でもそれはもう叶わねえ。何をやっても叶わねえことを無理矢理に叶えようとしてやがる。もうあいつは俺を見つけてる
[ログ終了]
終了報告書: 上記インタビューにおける回答者について詳細を開示するクリアランス、XXX-JP/Level3のパスコード認証は不明なトラブルによって機能していません。詳細を求める場合、情報管理者まで直接お問い合わせください。
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