SCP報告書下書き
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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは周囲がコンクリートで形成された室内で厚さ5mmの防弾ガラスを5枚重ねで形成されたガラスから監視してください。また、収容所内にはSCP-XXX-JPのみを収容してください。
十分に日光が当たる環境が整った全面強化ガラス張り状態で収容してください。
また、毎日正午にSCP-XXX-JPの状態をまとめた報告書を提出してください。週に一度、財団が独自に開発した栄養剤をSCP-XXX-JPに与えてください。
SCP-XXX-JPの実験等で収容所内に入る際は事前にレベル3職員3名から許可を得てください。また、実験等でSCP-XXX-JPの根に外部から衝撃を与える、またはSCP-XXX-JPとSCP-XXX-JP-Aを切り離されている状態には決してしないでください。

説明: SCP-XXX-JPは種目名不明の枯れた花であり、根の部分にはおよそ█歳と思われる痩せ細った少女(以下SCP-XXX-JP-Aと呼称)が根に覆われて眠るように存在しています。SCP-XXX-JPは枯れた花のような外見を有していますが生命活動は維持しているようです。また、通常の植物と同様の細胞組織でありながら土壌による支えは必要とせずSCP-XXX-JPの根うち4本が太く発達しSCP-XXX-JPを支えています。
SCP-XXX-JPはSCP-XXX-JP-Aに職員が接触されることをひどく拒絶します。収容時財団職員がSCP-XXX-JP-Aを切り離そうとした際、それに関わった職員数名が死亡、うち2名がSCP-XXX-JPの根におよそ30分拘束され後解放されました。当時の職員の状態は水分が抜け干からびた状態で死亡が確認されました。また調査を行った結果、水分が存在しない状況でも空気中に存在する僅かな水蒸気を吸収し光合成を行い、生命活動を維持していることが分かりました。SCP-XXX-JPのサンプルを採取し調査した結果では葉緑体は確認されました。しかし、SCP-XXX-JPが光合成によって生成する物質は酸素ではない観測不能なエネルギー量が存在する正体不明の物質でした。またSCP-XXX-JPによる呼吸は観測できたものの呼吸による二酸化炭素の排出は確認されませんでした。

SCP-XXX-JPはSCP-XXX-JP-Aに何かしらの危険が迫るとき覆われている根を厚くする、4本の太い根で威嚇をするなどSCP-XXX-JP-Aを守護するような行動を示します。そのためSCP-XXX-JP-Aについての情報は現在まで得られていません。しかし、SCP-XXX-JPを刺激しない程度の調査によりSCP-XXX-JP-Aも微弱ながら生きている事は判明しています。SCP-XXX-JP-AはSCP-XXX-JPの光合成で生成した物質を分け与えられる事によってその生命活動を維持していると推測されます。財団側は、SCP-XXX-JPの根にはエネルギー、栄養素などの吸収、放出が出来るものとして考え以下の実験を行いました。

また、上記実験以外においても同様の結果が得られました。以下はSCP-XXX-JPによって引き起こされた事案の記録です。

その後、SCP-XXX-JPはおそよ1ヶ月間実験を行っても反応を示しませんでした。最後に記録した音声は、おそらくSCP-XXX-JP-Aの声と思われます。しかし、今までは反応を示さず、年代の近い██代職員を取り込んだ際に反応を示したのかは不明なままである。そして、SCP-XXX-JPがSCP-XXX-JP-Aに従う行動を示したのかは不明です。SCP-XXX-JPがSCP-XXX-JP-Aを守る行動と関係があると推測され、その後も調査は続行されています。
事件から3か月後、SCP-XXX-JPを監視していた財団職員1人が突然不明な実体との会話を開始しました。

後にその職員に問いただした結果、SCP-XXX-JPは声を発生し、職員はそれと会話をしたと発言しました。SCP-XXX-JPは頭に直接語りかけてくる形で話しかけてきたと証言しています。以下の文書は、SCP-XXX-JPと会話をした記録です。

その後、SCP-XXX-JPの収容所の移動が提案され可決、SCP-XXX-JPが希望された太陽の光を十分に吸収出来る場所へ収容しました。また、財団側でSCP-XXX-JPの成長促進効果のある栄養剤を開発、O5評議会に申請し承認されました。これにより、SCP-XXX-JPの特別収容プロトコルを改定しました。

SCP-XXX-JPは最初の対話以降話せる限界はあるものの、対話をするたびにその会話技術の向上を確認しています。また、SCP-XXX-JPが██と呼ぶSCP-XXX-JP-Aの詳細を調査した結果、50年前のアメリカの████州の██町に住んでいたことが判明しました。しかし、SCP-XXX-JP-Aの親族や子孫は現在は存在しておらず、確認はとれないものとなっています。SCP-███-JPの話では、SCP-XXX-JPは海外視察中であった███博士により秘密裏に保護されたそうです。

その後、SCP-XXX-JPに対してインタビューを行うことにしました。これはそのときの会話をまとめた文書になります。

以上が、SCP-XXX-JPがSCP-XXX-JP-Aを守り命を繋ぎ止めたと思われる記録です。インタビューの結果でも、SCP-XXX-JPは元々は普通の植物であると思われ、何かがきっかけで異常性を開花させた可能性も浮上してきました。現在に至ってもSCP-XXX-JPによる生物の生命活動を維持している仕組みは解明されていません。ですが、SCP-XXX-JPはSCP-XXX-JP-Aに手を出さない限り安全に収容できています。また、収容環境を整備した後のSCP-XXX-JPからラベンダーのような香り並びにセラピー効果のある物質が散布されることが確認されました。財団の調べによりそれらはリラックス効果あるとされ以下の実験を行いました。

実験記録XXX

対象: うつ病を患っている██代の女性Dクラス職員

実施方法: SCP-XXX-JPの収容所内にDクラス職員を入室させ数分間SCP-XXX-JPと会話させ職員の精神状態に変化はあるのか。

結果: 実験後、Dクラス職員の精神状態が安定、その後もうつ病の症状は回復、現場復帰まで至った。

分析: Dクラス職員は実験中SCP-XXX-JPと会話をしているときとても穏やかな気持ちになると供述しています。SCP-XXX-JPが散布されている香りと物質に依存性は無いものと財団の調べで判明しています。

以上の実験後も、そのDクラス職員は時折SCP-XXX-JPの収容所の入室を希望し、SCP-XXX-JPと雑談を交わしています。これにより、SCP-XXX-JPの精神的異常回復能力は散布されている物質だけではなくSCP-XXX-JP自信の会話能力によるものだと推測されます。この事からSCP-XXX-JP有用性が一部信頼され以後実験以外ではSCP-XXX-JPの収容所内は精神に異常をもたらした職員にのみレベル3以上の職員の付き添いのもと入室が許可されています。唯一の注意点としては、SCP-XXX-JPならびにSCP-XXX-JP-Aには決して接触しないようにしてください。

SCP-XXX-JPは現在では白い花を咲かせるまで回復しました。SCP-XXX-JP-Aに関しては未だに変化はありません。