万化鏡
文書A
*警告*
この文書を対象に閲覧させてはなりません。このことは未分類のk-クラスシナリオを引き起こす可能性が極めて高いです。そのため対象に対する殺害ミームを表示する機能がこの文書に含まれています、実験をする際にもこの文書を閲覧させてはなりません。
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル:
SCP-XXXX-JPはサイト-81██内の(編集済み)に常に保管され、いかなる場合でもSCP-XXXX-JP-1と接触することがないように監視されなければなりません。現在のところ、SCP-XXXX-JP-1以外にSCP-XXXX-JPと関連があるものは見つかっていませんが、
説明:
SCP-XXXX-JPは大部分が未知の言語で記された一枚の文書です。今までに幾度となく解読の試みがなされてきましたが、序文を除いて解読はおろか単語、また文字の一つ一つに至るまで、全く解明することが出来ていません。序文の内容は見た人間が最も慣れ親しんだ言語で書かれているように見えるため、序文以外の部分が理解できないのは我々が対応するミームを所持していないためであると考えられています。また文書を閲覧した人によって、内容は一定であるものの、文字や文章表現が若干変化していることからこの文書に用いられている言語は何らかのルーン文字のようなものである可能性があります。
初めに
私の名は██です。私をご存知の方には「始点」と呼ばれることの方が多いです。
この文書は「始点」から「終点」への伝言です。残念ながら私にはこの文書を直接あの方にお渡しすることができません。
恐らく現在この文書を手にしている方は文書の内容はわからないでしょう。
もしよろしければ、この文書をあの方に渡してはくれませんでしょうか?
この文書が読むべきものの手に渡ることを祈ります。
██
この文書の差出人の名前は読み取ることはできませんが、序文にはこの文書は『始点』という人物から『終点』という人物への伝言であると書かれており、『終点』は「あの方」と同一人物であると考えられています。検査の結果、文書は全体が一定のDNAで構成されており、そのDNAはエージェント██のものと一致しました。██は身に覚えがないと主張していますが、解雇した後にDクラスとして再度雇用し研究のためにSCP-XXXX-JPの保管されているサイトと同じサイトに収容されています。今後、エージェント██はSCP-XXXX-JP-1と呼称します。
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警告・不明な理由でミームの表示に失敗しました。
緊急時プロトコルに則り、データを表示します。
女神の盾
収容室内のSCP-XXXX-JP |
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アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPは10m×10m×10mの側面がガラス張りの収容室に、森林・田園・家屋など一般的な日本の田園風景を再現し、そこに1匹以上、3匹以下のSCP-XXXX-JP-1と共に収容されなければなりません。収容室内のそれぞれのSCP-XXXX-JP-1個体には1から3までの番号が割り振られ、その背中に油性ペンなど、SCP-XXXX-1を殺傷せず、かつ確実に文字を刻み込めるもので対応する番号が刻まれます。皮膚の損傷などで文字が失われた場合、速やかに記載しなおして下さい。SCP-XXXX-JPとSCP-XXXX-JP-1の動向はカメラやセンサーで常に監視し、収容室内のSCP-XXXX-JP-1の個体数が4匹を上回った場合、最も古いSCP-XXXX-JP-1を速やかに焼却処分し、新しく生まれたSCP-XXXX-JP-1に焼却処分されたSCP-XXXX-JP-1に記載されていた番号を割り当て、個体に番号を刻んでください。
説明: SCP-XXXX-JPは日本に生息するヒバカリ(学名Amphiesma vibakari)という蛇に大変よく似た異常存在です。SCP-XXXX-JPは19██/██/██に、██県██村でヒバカリが異常発生したという通報を受け調査に向かったフィールドエージェントにより、SCP-XXXX-JP-1と分類されるまるで生きているかの様に動く、大量の蛇の抜け殻と共に行動しているところを発見されました。収容時、全てのSCP-XXXX-JP-1は処分され、SCP-XXXX-JPは近くのサイト-81██に収容されました。周囲のSCP-XXXX-JP-1を全て処理されたSCP-XXXX-JPは生命力を著しく低下させていましたが、新たなSCP-XXXX-JP-1を発生させ発見時と同様の活発さを取り戻しました。メカニズムは不明ですが、SCP-XXXX-JPをこのような状況に長期に渡って置くことはSCP-XXXX-JPの死亡に繋がる可能性があるため、実験時など特殊な場合を除き収容時にはSCP-XXXX-JPの側に必ず1体以上のSCP-XXXX-JP-1が存在するようにしてください。
SCP-XXXX-JPの生態はほぼあらゆる面において通常のヒバカリと同じですが、収容以来老化が確認されていないということと脱皮をおおよそ一週間ごとに行うということの2つの異常性が確認されています(一般的に蛇の脱皮は年に1回から4回とされています)。またSCP-XXXX-JP-1と分類されるSCP-XXXX-JPの抜け殻は、内部が空洞であるにもかかわらず生きているかのように動きまわります。SCP-XXXX-JP-1の生態もほぼ通常のヒバカリと同様ですが、SCP-XXXX-JP-1は常にSCP-XXXX-JPと共に行動します。SCP-XXXX-JP-1が最大何匹同時に存在しうるかは不明ですが、発見時大量のSCP-XXXX-JP-1が存在していたこと、また財団よって収容された後もSCP-XXXX-JP-1が生まれ続けていることから考えてSCP-XXXX-JP-1は処分しなければ無限に増えてゆくものであると推測されています。
現在まで、SCP-XXXX-JPが老化する存在かは判明していません。今後SCP-XXXX-JPとSCP-XXXX-JP-1の不死性を確かめる実験が行われる予定です。
実験記録XXX - 日付YYYY/MM/DD
対象: SCP-XXXX-JP‐1
実施方法: サイト-81██にあった一般的な物質の処分に使われる装置(圧縮処分機、切断処分機、焼却処分機)を用いてSCP-XXXX-JP-1の耐久を確認、またSCP-XXXX-JP-1の効率的で確実な処分方法の模索(追加で対照データ収集のために異常性のないヒバカリに対しても同じ実験が行われた)
結果: SCP-XXXX-JP-1は圧縮、切断、焼却いずれの場合も活動を停止しました。また追加で行われた対照実験の結果、SCP-XXXX-JP-1の耐久力や生命力は異常性のないヒバカリのものと同等であるということが確認されました。
分析: 半永久的に増殖できるためか、またはSCP-XXXX-JPを守るための存在であるためか、SCP-XXXX-JP-1自身には特殊な防衛能力は備わっていないようです。このことから、SCP-XXXX-JPに関する研究はSCP-XXXX-JP自体についてのものを中心とするべきであると考えます。また、SCP-XXXX-JP-1の処分方法は、処分の確実性と処分後の廃棄の手間の観点から焼却処分を採用します。
対象: SCP-XXXX-JP通報者(40代男性)
インタビュアー: エージェント・███
付記: SCP-XXXX-JPをサイト-81██に収容後、同日中に同サイトにて実施されました
<録音開始>
インタビュアー: 「███さん、わざわざご足労いただきありがとうございます。温かいお茶でもいかがですか?」
通報者: 「あぁ頂くよ。で、私は何を話せばいいのかな?というかここは…?」
インタビュアー: 「猟友会の事務所ですよ。ヒバカリの群れを最初に発見された場所、そして通報なさってから我々が到着するまでにあったことをお話しいただけますか?」通報者: 「分かったよ。(お茶を一口飲む)ふぅ。あれは今日の昼過ぎくらいだったかな、昼を食べてからいつもの様に薪を調達しようと薪割り小屋に向かった。そこへ行く道の途中で奴らに出会ったんだ。」
インタビュアー: 「ヒバカリの群れですね。その時何か他に違和感や普段見慣れないものを見たりはしませんでしたか?」
通報者: 「あれより見慣れねぇもんは無いが…。そういえば奴ら変な格好してたな。」
インタビュアー: 「変な格好、ですか?具体的に教えてください。」
通報者: 「あぁ、通報する前のことで忘れてたんだが、真ん中のやけにくっきり見える一匹のヒバカリに他の色の薄いヒバカリが巻きついてまるで、…なんて言ったかな、あの怪物。首だけの蛇まみれの怪物…カルボナーラじゃなくて。」
インタビュアー: 「…ゴルゴンゾーラですか?違いますが。」
通報者: 「そうそうゴルゴ」
<通報者が突然会話をやめ、そのままの姿勢でピクリとも動かなくなる>
インタビュアー: 「███さん?███さん!聞こえますか!(インタビュアーが通報者の顔を触り、より険しい表情をとる)」インタビュアー: 「おい、医療スタッフを呼んでくれ!」
<録音終了>
終了報告書: 通報者の男性は全身の筋肉がまるで石に変化したかのように強烈に硬直した状態で死亡していました。この硬直は当サイトの医療チームが通常用いる方法での死体の解剖を不可能にするほどの硬度で、最終的に遺体を処理するまでその硬度を維持していました。医療チームはレーザーなどの機器を用いて解剖を行い、一般的な疾病や外傷が死因ではないことを確認し、状況から考えて通報者の死因はSCP-XXXX-JPの異常性によるものである可能性が極めて高いと結論づけました。この異常性はSCP-XXXX-JPとSCP-XXXX-JP-1群の集合体を想起する、または「ゴルゴン」という言葉を発する、またはその両方を同時に行うことが発現のトリガーになっているものと予想されます。
このインタビューを踏まえると、一定以上の数のSCP-XXXX-JP-1をSCP-XXXX-JPと共に行動させることは大変危険であると考えられるためSCP-XXXX-JP-1が同時にどれだけ存在できるかに関する実験は現在許可されていません。有効な実験手段を構築した職員は担当者に実験の申請を行ってください。
またSCP-XXXX-JPの通報者の目撃した形態への集合は、集合の形態が神話上の怪物「ゴルゴン」の形であることから対人間用の攻撃手段のように思われます。非科学的で異常性を持つ生物という点で日本生類創研との関係性が疑われていますが、現在までに有益な情報は得られていません。
実験記録XXX - 日付YYYY/MM/DDから日付YYYY/MM/DDにかけての2週間で実施
対象: SCP-XXXX-JP
実施方法: 100匹の健康状態が良好で異常性のないヒバカリに、当サイトの耐久実験規定-A2「生物に対する耐久力及び生命力の確認方法」に従い外部からの衝撃や負傷による出血、有毒物質の注射などの耐久テストを実施し耐久力、生命力を確認したうえで、ヒバカリの生命維持に問題の無いと判断される範囲での耐久実験をSCP-XXXX-JPに実施し、その生命力および不死性の有無を検証する。またSCP-XXXX-JPの生命力がSCP-XXXX-JP-1の有無で著しく変化することを踏まえ、2体のSCP-XXXX-JP-1をSCP-XXXX-JPの傍に存在させた状態で全ての実験を行った。SCP-XXXX-JPの耐久力が不明であったため、実験はSCP-XXXX-JPの衰弱具合などを見ながら数回に分けて実施された。
結果: SCP-XXXX-JPはあらゆる耐久テストに対して異常性のないヒバカリと同様に外傷を負い、それに伴う出血などを起こし、異常性のないヒバカリと同様の衰弱具合を示しました。例外として、刃物による外皮の耐久実験の際にSCP-XXXX-JPが暴れたため胴体に致命的な裂傷を負い、SCP-XXXX-JPは活動を停止しましたが、同時に付近に待機させていたSCP-XXXX-JP-1の一体(背中に1と刻印された、当時存在したSCP-XXXX-JP-1の中で最も古い個体)が透明な状態からSCP-XXXX-JPと全く同じ色合いに変化し、もう一体のSCP-XXXX-JP-1(背中に2と刻印された、当時存在したSCP-XXXX-JP-1の中で2番目に古い個体)は色合いが変化したSCP-XXXX-JP-1に対しSCP-XXXX-JPに行っていたのと同様の追従行為を行おうとし、活動を停止したSCP-XXXX-JPへの興味は完全に失われました。その後改めてSCP-XXXX-JPと同様の色合いに変化したSCP-XXXX-JP-1にも同様の耐久テストを実施し、こちらの個体も耐久力や生命力はSCP-XXXX-JPと同様、異常性のないヒバカリとほぼ同等であることが確認されました。
分析: SCP-XXXX-JPには外傷に対する異常な耐久力や不死性は無いですが、SCP-XXXX-JPが活動を停止した際にSCP-XXXX-JP-1の一体が新たなSCP-XXXX-JPとなることが出来、実質的に不死に近い性質を持っていることが分かりました。今後はこの性質を利用しSCP-XXXX-JP-1からSCP-XXXX-JPを生み出すことで、より幅広い実験が可能であると考えます。
補遺: SCP-XXXX-JPの発見時周囲には大量のSCP-XXXX-JP-1が存在していましたが、その数は数十匹程度であったため、何者かによる処理がなされていなかったとするならば、発見された時点のSCP-XXXX-JPは異常性が発揮されてから1年程度であったと考えられています。またSCP-XXXX-JPの異常性が先天的なものか後天的なものか判明していないため、変化への警戒も必要です。