付録470-2-A
この記録は、SCP-470-JPの第一発見者である[削除済み]氏への、SCP-470-JP発見時に関するインタビューです。
録音開始
████研究員:[では、あなたがSCP-470-JPを発見した時のことを、お聞かせ願えますか?]
██氏:[はい。私はあの日、夏休みの部活の監督をしていました。ちょうどお昼休憩の時です。事務員さんから連絡があって、3年2組の教室からタバコの匂いがしたから見てきてくれないか、と頼まれました。私は生徒指導部長でもあったので、すぐに了解の旨を伝え、教室に向かいました]
████研究員:[最初に教室に入った時、あなたは何を見ましたか?]
██氏[最初は…最初は、暑さで頭が参ってしまったのかと思いました。だって、目の前に、霧の体の少女がいるんですよ?私が狼狽えていると、彼女は、見たことない先生だけど、新人さん?と聞いてきました。(この後しばらく、██氏とSCP-470-JPは自己紹介など世間話をしていた。不必要だと思われるため省略する)
████研究員:[あなたは、SCP-470-JPがなんなのか、詳しく聞きましたか?]
██氏:[ええ。彼女は、昔ここで男の子と心中したと言いました。また、自分は生きているかはわからないが、幽霊ではないから安心して欲しい、とも言いました]
████研究員:[なるほど。他に何か話しておくべきことはありますか?]
██氏:[いいえ、ありません]
████研究員:[それではこれでインタビューを終わります。ありがとうございました]
録音終了
この後、██氏は記憶処理の後、解放されました。
付録470-2-C
この記録は繖研究員によるSCP-470-JPへのカウンセリングの最中の音声を文章化したものです。
繖博士:[…では、この間話してくれた母親からの虐待の記憶が、君の根幹に居座っているという事かな?]
SCP-470-JP:[このあい、だ?私、繖、さんに、そ、その事話したっ、け?]
繖博士:[ああ、話してくれたよ。忘れてしまったかな?数ヶ月前だから仕方ないかもしれないが]
SCP-470-JP:[わす、れた?…ああ、またか]
繖博士:[また、とはどういう事かな、SCP-470-JP?]
SCP-470-JP:[え、あ、昔、私は、頭で記憶し、してた。でも今は、あの、体全部で、き、記憶してる。大事なことも、そうでないことも]
繖博士:[ふむ。君は今、忘れっぽくなってるのかい?]
SCP-470-JP:[う、うん。あと、大切な事、もおな、同じように、体が入れ替わってく、と、忘れるようになった。タケシとの、思い出も、みんな、みんな…]
繖博士:[なるほど。匂い物質が記憶を保存しているのかもしれないね]
SCP-470-JP:[そ、そうなの、かな。ね、ねぇ、繖さん、私は、匂いでできてる、けど、それが全部、入れ替わったら、そ、それって、本当に、私って、い、言えるの、かな。…怖いよ…タケシ、会いたい…うぅ…]
録音終了
結果:SCP-470-JPを構成する匂い物質は、それぞれが記憶を保持しているという可能性が浮上しました。また、匂い物質の拡散により、SCP-470-JPは記憶を失っていっており、そのことに強い苦痛を感じている事も判明しました。