rotceridekedekeのサンドボックス

説明:SCP‐XXX‐JPは、電源供給の絶たれた状態においてその野菜室のみが冷却作用を示す1機の家庭用冷蔵庫とされるオブジェクトです。SCP‐XXX‐JPは上から順に冷蔵庫、野菜室、冷凍室の3室を備えており、外見上の特徴とその内部構造(分解せずに確認できる範囲)は[編集済]社製の気化圧縮型直冷式冷蔵庫「████-██型」(以下「一般品」と呼称する)のそれらに一致します。冷蔵室ドア内側の品質表示銘柄(本来は機種名や製造番号等を示す印字がなされたシール)には一切の印字は存在せず、かわりに「1989年1月1日」という文字列(実際には上下逆さ)が存在します。同様のシールが野菜室にもあり、いずれの文字列も同一の人間が[編集済]社製の油性ペン[編集済]を用いて筆記したものである、という判断がインク成分の解析及び筆跡鑑定を経て下されました。冷凍室においてはまた、同形のシールが剥がされたとみられる跡が存在します。以上の他に特筆すべき事項は以下です。

・冷凍室ドアと野菜室ドアには電動ドリルで開けたと考えられる直径5mmの穴が存在する
・冷蔵室と野菜室の壁面が紫外線を放射している

外部プラグ接続部の部品が破損しており、かつ電源供給が為されない状態にあるにも関わらず、SCP‐XXX‐JPの野菜室は冷却作用を示します:冷凍室内の空気は常に-(3.0±1.0)×10°C(以下「平衡状態」と呼称する)に保たれ、外部から熱的な干渉を与えると一般に数分で平衡状態へ移行します。加えて、サーモカメラを用いた測定により、SCP‐XXX‐JPの全表面の温度は常に均一に実験室内の温度に一致します。以上に挙げたSCP‐XXX‐JPの特異性は少なくとも現代における熱力学や化学熱力学上のいかなる理論によっても説明されません。また、何らかの原理のもと電源供給なしに冷却機関が稼働していたとしても、その場合は気化圧縮型直冷式冷蔵庫の構造上全ての室内が冷却されるはずであり、後者の性質もまた説明されません。以上のように理論の構築によりSCP‐XXX‐JPを解析する試みが失敗していること、そして特異性の消失や予測されない事故の発生等に対する懸念よりSCP‐XXX‐JPの分解及び解析をする計画が現在凍結中となっていることから、SCP‐XXX‐JPの特異性を解明する見通しが全く立っていないのが現状です。

SCP-XXX-JPは、1983年夏、██県██市の役所に対する「近所の共有ごみ捨て場に稼働中の冷蔵庫が捨てられている」という旨の市民からの通報を受けて、当時その役所へ潜入していた財団エージェントが現場へ駆けつけ特異性を確認し確保、収容に至ったオブジェクトです。なお、当時既にSCP-XXX-JPの存在を認知していた複数の人間が存在していたことが判明していますが、彼らの認識はいずれも鋭敏なものではなく、少なくともSCP-XXX-JPがごみ捨て場に出現した/運搬されてきた正確な日時や製造者を、当時施行したインタビューの内容より特定する試みは失敗しています。彼らの認識についてのより詳細な情報はインタビュー記録XXX‐JP-1を参照してください。

SCP‐XXX‐JP本体の調査を目的として過去に行った実験についての記述を以下に記載しました。


また、SCP‐XXX‐JPにまつわる情報の取得を目的とし、SCP‐XXX‐JPの存在を知る住民に対しインタビューを行いました。それらの音声ログの一部分が以下です。

補遺: [SCPオブジェクトに関する補足情報]