えらい上司
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アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPは標準人型オブジェクト収容室に収容されます。GPSを装着させ収容室前には脱走の予防および曝露者からオブジェクトを保護するために警備員を1名配置してください。
SCP-XXXX-JPの収容に関わる職員へは、異常性の影響下にあるかの検査を行ってください。曝露者が発見された場合は全関係者に対し検査を行い、曝露者に対してはAクラス記憶処理を受けさせた後に、最低でも半年の間は当オブジェクトの収容業務から外れてください。
収容のためDクラス2名以上からなる集団を作成し最低でも1日に1度交流させます。人員は半年以内に1度交代してください。

説明: SCP-XXXX-JPは199█年に██県で生まれた日本人男性の田中██氏です。身長168cm、体重60kgで後述する特性を除けば一般的な人間との差異は見られていません。

SCP-XXXX-JPの特異性は3人以上の集団に半年以上所属した際に発揮されます。SCP-XXXX-JPは所属する集団において能力の有無や規定等の条件に関わらず自動的に高位の役職に配置されます。この昇進に対しては集団に所属しているかの有無に関わらず疑問に思われません。田中氏の人物評価は多くの場合「無能」と評されますが、所属組織からはその地位及び行動について必ず黙認されます。
SCP-XXXX-JPは20██年、9月7日にサイト-██において██研究員が名簿に記録が無い所属不明の人物が清掃員として勤務していることを発見、尋問を行ったところO5-██であることが判明し、調査したところ半年前に清掃員として一般企業から派遣された田中氏が新たなO5-██として就任していることが判明しました。財団は直ちにO5-██を元の役職に再任命し、自宅で就寝中の田中氏を拘束しSCP-XXXX-JPとして収容しました。収容に際し財団は各役職の田中氏を同姓同名の他人として各団体、自治体における個人情報を改変した上で死亡扱いとした後に収容しました。

インタビュー記録

対象:大村█
インタビュアー:██博士
付記:大村氏はSCP-XXXX-JPが社長を務めていた株式会社████の元社長です。
<録音開始>

██博士: 大村さん、今日はインタビューにご協力いただきありがとうございます。早速ですが元社長だった田中さんについてのことを教えてください。

大村氏: 特に何も、普通の人でしたよ。病気があるとも言ってなかったのでなんで死んでしまったかもわからないです。仕事ぶりは・・・、その・・・、あんまり。それと休みが多かったです。

██博士: そうですか、ところであなたは総理大臣だった田中██氏を知っていますか?

大村氏: 勿論、とはいえ名前を知っているくらいですが。あの人も最近亡くなりましたね。

██博士: これを見てください。これは先日発行された新聞です。この部分の写真を見てください。元総理と貴方の会社の元社長ですが似ていると思いませんか?

大村氏: ・・・(腕を組み写真を見る)確かに顔が似ていますね。名前も同じだし同一人物みたいだ。

██博士: なるほど、話を戻しますね。大村さん、貴方は195█年に会社を設立して以来ずっと社長を勤めていましたが20██年に社長が田中さんに代わっていますね。そのことについてお話していただけますか。

大村氏: ・・・。

██博士: 大村さん、大丈夫ですか?

大村氏: いや、なんでだろうか全くわからないんだ。なんで入社してすぐの田中さんを社長にしていたんだろう?引継ぎをした記憶も無い。

██博士: 田中さんが仕事をしていた記憶はありますか?

大村氏: いや、私たちががかわりに仕事をしていました。そもそも会社に来ていなかった気がする、なぜ誰も気にしなかったんだ?なんであんな新人に私は社長の座を譲ったんだ?おかしいぞ?なんでだ?

██博士: 思い出せないですか、分かりました。では質問を変えます、田中さんが社長を勤めている際に貴方の仕事は・・・。

大村氏: (机を殴りつける)あのクソヤロウ何をしやがった!録に仕事もせず会社にもこねぇ!その癖して給料はもらってやがった!俺たちが必死に働いていてた間サボりやがって!イライラする、アイツがどんな手を使いやがったかは知らんが許さん!(暴言が続く)

██博士: 大村さん落ち着いてください、田中さんは既に死んでいます。

大村氏: ああそうか、だったらあいつの墓でもぶっ壊しにでも行くか、今すぐにあの屑をぶちのめしてやりたいんだ。

<録音終了>

終了報告書:インタビュー後強い興奮状態にある大村氏を拘束し鎮静剤を投与しました。その後数日間経過を観察したところ異常が見られなかったため財団は記憶処理を施した後に大村氏を開放しました。

対象:SCP-XXXX-JP
インタビュアー:██博士
<録音開始>

██博士: ではインタビューを開始します、SCP-XXXX-JP、貴方が自分の異常性に気がついたのはいつですか?

SCP-XXXX-JP: あー、田中で良いよ、呼ばれてるのが自分だって分かんないし。幼稚園の頃から劇の主役やってたから生まれてからずっとだと思う。自覚したのは小学生の頃だな、知らないうちに生徒会長に選ばれていてよ、おかしいとは思ったがその時は面白そうだったから否定しなかった。

██博士: 収容の際に警備員の仕事をしていましたが。

SCP-XXXX-JP: あれは暇つぶしでやってたのよ。面白そうだし一度警備員やってみたかったからさ。

██博士: 勤務中にこの施設がどのような機能を持っているか知っていましたか?

SCP-XXXX-JP: いいや。正直今でもよく分かってないしこんなふうに捕まるって知っていたらここで働いてなかったよ。

██博士: そうですか。自分の異常性で困ったことはありましたか?

SCP-XXXX-JP: 初めて就職した時に████っていう小さい会社にはいったんだけどさ、なにも仕事も覚えてないのに半年たったら社長になっててよ、あのときは焦ったな、社長って何やればいいかも分からないしさ。それで朝礼のときに入社して半年なのに社長なわけないだろうって言ったのよ。そしたら騙しやがってとか詐欺師とか散々言われたあげく椅子とかぶん投げられて骨折れたんだよ、それですぐにその会社は辞めた。そんなふうにいきなり怒られて殴られたりしたことが何回もあった、傷跡見る?

██博士: 結構です。収容時に貴方はいくつかの会社の社長や総理大臣になっていましたが知っていましたか?

SCP-XXXX-JP: まぁ大体は知ってたよ、偶然ニュースで見たりしたしな。ただ新興宗教の教祖とかは知らなかった。

██博士:それらに関して、例えば総理大臣になって何か思うところはありましたか?

SCP-XXXX-JP: 別になにも。俺なんもやってないけど問題なく普通に仕事進んでたし、いなくていいじゃんって思ったから放っておいた。

██博士: では昇進に対して否定はしなかったのですか?

SCP-XXXX-JP: 無茶言うなって。ちっちゃい会社でもあんな恐ろしいことなったんだぞ、総理大臣とかで実は何もやってないなんて言ったら殺されるだろ。それにだな・・・

██博士: 何でしょうか。

SCP-XXXX-JP: 働かなくても何億と金がはいってくるんだぞ、言わないだろ普通。

<録音終了>