SCP-JP下書き 

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは保管サイト-81XXにてカバーを被せた状態で収容されています。実験に使用する場合を除いて、オブジェクトの肉眼での閲覧は禁止されます。また、オブジェクトの移動の際は安全のため眼鏡を着用してください。

説明: SCP-XXX-JPは高さ1m、幅2.3mの画用紙に描かれた作者不明の絵です。使用されている画用紙とクレヨンには特異性は見受けられません。内容は、幼児が描いたような乱雑で幼稚な絵です。被験者がSCP-XXX-JPを視認し続けると、異常性が現れます。SCP-XXX-JPを視認し続けた多くの被験者は、SCP-XXX-JP内に「何か」(以下SCP-XXX-JP-α)を発見します。SCP-XXX-JP-αの発見に要する時間、SCP-XXX-JP-αを発見する位置には個人差があります。発見する時間は最短で6秒、最長で3分53秒です。SCP-XXX-JP-αを発見するだけでは被験者に異常は発生しませんが、SCP-XXX-JP-αを具体的に知覚した被験者はコンマ数秒のうちに脳機能の大部分が停止し、昏睡状態となります。そのため現在までSCP-XXX-JPを具体的に記録することは実現していません。一定の条件下にある場合は、SCP-XXX-JPを視認し続けても異常性が発生しないことが確認されています。
また、一部の被験者は肉眼でSCP-XXX-JPを視認しても、SCP-XXX-JP-αを知覚することはありませんでした。知覚する対象としない対象の差異は明らかになっていません。
詳細は実験記録を参照してください。

SCP-XXX-JPは、19██年、北海道████町の████幼稚園で発見されました。幼稚園の教員の話によると、SCP-XXX-JPは気が付かないうちに床に放置されており、園児による絵だと思い教員によって教室に飾られていました。その後SCP-XXX-JPによる異常性により1日で教員と園児██名が昏睡状態となりました。この事件に疑念を抱いた財団職員によりSCP-XXX-JPは回収されました。SCP-XXX-JPの回収後は、教員と園児には記憶処理が施され、被害者達は財団の所有する病院にて経過を観察中です。なお、この時職員1名がSCP-XXX-JPの異常性にに暴露し昏睡状態となりました。

以下はSCP-XXX-JPの主な実験記録です。

実験記録XXX-JP - 日付████/█/██

対象: 裸眼のD-11254、D-11255、D-11256
実施方法: SCP-XXX-JP-αを知覚するまで視認させる。
結果: D-11254は1分22秒、左部分でSCP-XXX-JP-αを知覚。意識不明。D-11256は2分3秒、右部分で発見。発見した瞬間にSCP-XXX-JPから視線を外したためか、意識喪失せず。D-11256は「ちらっと見えただけだからよくわからない。何か言葉にはできないけどそこだけ変な感じだった。」と主張。その後時間を置いて視認させたが、直後に意識を喪失した。
D-11255は██時間経過しても知覚せず。45秒時点で何かを発見するそぶりを見せたが、埃だったと主張。
分析: SCP-XXX-JP-αが何か理解すると発動するようだな。しかし何故あいつは見つけられないんだ?見つけずに済む方法があるのか。それとも人によるのか。

実験記録XXX-JP - 日付████/█/██

対象: 眼鏡をかけたD-11257とコンタクトレンズを付けたD-11258
実施方法: 上記と同様。
結果: D-11257はSCP-XXX-JP-αを██時間経過しても知覚せず。D-11258は35秒、右上部分でSCP- > XXX-JP-αを知覚。
分析: ある程度の強度を持つ目を保護するものがあれば対処できるようだ。

実験記録XXX-JP - 日付████/█/██

対象: 眼帯により片目を隠した状態のD-11257と薬剤で一時的に失明状態にしているD-11259
実施方法: 上記と同様。
結果: D-11257は3分5秒、右上部分でSCP-XXX-JP-αを知覚。D-11259は3分53秒、左下部分で知覚。
分析: 目線が絵に向いていれば見えているか見えていないかは関係なく発動するらしい。何かが絵から出て目に入っているのか?

実験記録XXX-JP - 日付████/█/██

対象: 裸眼のD-11255
実施方法: 上記と同様。
結果: ██時間経過してもSCP-XXX-JP-αを知覚せず。
分析: メガネはかけていないしコンタクトすらない。一体何だってんだ?

補遺1: 現在植物状態の被験者を精密検査した結果、被験者の眼球に極微小な穴が開いていることが分かりました。穴は水晶体までで止まっており、脳機能の停止との関係は現在調査中です。また、D-11255とインタビューを行った██博士を検査したところ、D-11255の眼球を視認し続けた検査官がSCP-XXX-JP-αを知覚した際と同様の反応を示して昏睡状態になりました。現在D-11255と██博士には眼鏡の着用が義務付けられています。

補遺2: 2度目の幼稚園の調査が終了し帰還後、D-クラス職員一名のポケットにに小さな紙片が入っているのが確認されました。紙片には拙い文字で一言書かれている以外に特筆することはありません。その職員は気づかないうちに入っていた、と証言しています。紙片の内容は以下のようなものでした。
 

いっぱいふやしてね。

SCP-XXX-JPとの関連があるとして、現在紙片の作成者の捜索が行われています。