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- こんなもの買ったっけ?
- 雨上がりの小道
- ハンサムバリカン(仮)
- ストレス起動式連鎖性爆発人間
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの活動エリアを中心とした半径800mの範囲はフェンスにより封鎖されます。また、カバーストーリー「土砂災害危険区域」を適用し民間人の収容区画内への侵入を防止して下さい。収容区域内への侵入者に対しては、カバーストーリーに基づいた警告および必要な場合は記憶処理を行い、解放して下さい。
SCP-XXX-JPは、取付けられたGPS発信機の信号を元に常時監視を行って下さい。月に1度SCP-XXX-JPと適合者の面会を行なわせて下さい。また、現在SCP-XXX-JPはこの適合者との面会を条件に財団による収容に協力的な姿勢を示しています。
説明: SCP-XXX-JPは岩手県██市██山中に存在する、高さ2.2m、直径1.9mの異常な焼売です。SCP-XXX-JPは不可視であるものの物理的な接触は可能です。
SCP-XXX-JPは、人間によって摂食される以外の凡ゆる損傷に対して非常に高い耐性を有し、腐敗の兆候を見せません。摂食によりSCP-XXX-JPから切り離された部位はこれらの不可視性、損傷・腐敗への耐性を喪失します。また、SCP-XXX-JPは不明な方法による発話1・底面を波打たせる形での移動2が可能です。現時点で、SCP-XXX-JPは半径約500mの活動エリアを離れた例は確認されていません。
SCP-XXX-JPは一部の人間(以下、適合者と表記)にのみ知覚可能な強い匂い3を放っています。この匂いはSCP-XXX-JPを中心とした約200mの範囲内で知覚可能です。適合者がこの匂いの知覚可能な範囲に入ると、SCP-XXX-JPは対象者に素早く接近し、対象者に対し質問形式の対話を試みます。質問の内容は「世間での流行りごと」や「対象者の趣味趣向」、「家庭・職場等に於ける人間関係」等一般的な人間の生活に纏わるものが大半です。一連の問答の最中、SCP-XXX-JPは対象者に対し自身の摂食を促します。摂食は拒否する事も可能ですが、その場合は問答が終了するまでの間、複数回同様の旨の発言を行います。
また、非適合者であってもSCP-XXX-JPとの物理的接触は可能ですが、殆どの場合SCP-XXX-JPは素早く移動することで非適合者との接触を回避します。
SCP-XXX-JPを摂食した対象は、日常生活に於ける焼売との遭遇率が大幅に上昇します。この焼売との遭遇に異常性は確認されておらず、どれも偶発的なものである事が確認されています。
補遺1: 以下はSCP-XXX-JP摂食者である███氏に対するインタビュー記録の抜粋です。███氏は██山の麓に位置する集落に暮らしており、氏の証言からSCP-XXX-JPの発見に至りました。当インタビュー終了後、███氏には記憶処理が行われています。
対象: ███氏
インタビュアー: 及川研究員
<記録開始>
及川研究員: それでは、えーあの見えない焼売と遭遇した際の状況を教えて下さい。
███氏: そうだな。あの日は休日で、ふとあの山に行こうと思ったんだ。ガキの頃に親父とよく遊んだ川にな。暇な時、たまーに行くんだよ。
及川研究員: そうですか。
███氏: ああ。でも、あの時は久々だったからか、何だか迷っちまって。ウロウロ山の中を歩き回ってたら、不意に何だか旨そうな匂いがして立ち止まったんだ。
███氏: すると、遠くの方からガサガサ草木が揺れる音がしてよ。その音が凄い勢いで近付いて来て、俺の前で止まったんだ。そしたら、そこから声が聞こえてきたんだよ。
及川研究員: それは、驚かれたでしょう。
███氏: そりゃ驚いたさ。でも、「こんにちはー。」何て優しく声を掛けられたもんだから、ついつい話を聞いちまったよ。
及川研究員: あの焼売からはどの様な質問をされましたか?
███氏: 大した内容じゃない。俺の好物の話とかウチの犬の話、あとは最近テレビで流行ってる事なんかの話もしたな。3、40分位話してたと思う。
及川研究員: そうですか。えーあの焼売を食べたそうですが。
███氏: ああ、勧められた直後はちょっと躊躇ったんだ。気味悪いしよ。でも、話してると悪い奴じゃなさそうだったし、何と無く食べたらいい事がありそうな気がして。俺、焼売好きだったし。
及川研究員: 好き“だった”と言うのは、今はそうではないという事ですか?
███氏: ああ。あの次の日から始まったんだ、焼売が。
及川研究員: 焼売が、ですか?
███氏: 最初の内は職場の仕出し弁当だとか飯屋の定食の付け合せ何かに2、3日に一度ちょいと見かける程度だったんだ。
███氏: だが、それから2週間位経った頃からだ。それに加えて、知り合いにお土産で貰ったり、ウチの家内が何故か毎日の様に作り始めたりよ。あとは、ウチの蔵の壺に目一杯詰められてたり、空から突然ぽとぽと落ちてきた事もある。終いには、応募してもいないのに”焼売1年分が当選しました!”なんて、毎週毎週ドカドカ届くようになっちまった。もう訳わかんねぇよ。
及川研究員: それは大変ですね。
███氏: ウチの冷蔵庫を見てみろよ!ウチの婆さんが勿体無いからって、隅から隅まで焼売に占拠されちまってる。もう嫌いだよ、焼売なんて。
及川研究員: そうですか。他に何かお気付きの事はありませんか?
███氏: 他に?他には何も。いや、そう言えば……関係があるかはわからないんだが。
及川研究員: 何でしょう。
███氏: 俺がガキの頃、よく焼売を食べてた時期があった。親父が死ぬ少し前からだったな。あの頃、何故かウチには山ほど焼売があったんだ。親父が死んでからはパッタリと出なくなったが。
及川研究員: なるほど。今日の所はこの辺りで。ありがとうございました。
<記録終了>
補遺2: 以下は、SCP-XXX-JPの収容当初に行われたSCP-XXX-JPに対するインタビュー記録の抜粋です。尚、当時SCP-XXX-JPに対しては事前に財団の収容下に置かれている事が説明されています。
対象: SCP-XXX-JP
インタビュアー: 及川研究員
<記録開始>
SCP-XXX-JP: こんにちは、人の方。
及川研究員: こんにちは、SCP-XXX-JP。少しお話を聞かせて頂いてもよろしいでしょうか?
SCP-XXX-JP: どうぞ、構いませんよ。
及川研究員: ありがとうございます。では先ず、あなたはどういった存在なのですか?
SCP-XXX-JP: 私は焼売です。それ以上でもそれ以下でもありません。
及川研究員: わかりました。あなたは人と接触した際に毎回いくつかの質問をされていますが、何か意図はあるのでしょうか?
SCP-XXX-JP: 私は人々がどの様に暮らしているのか、興味があるのです。私はこの様な身体ですから、人里には降りれませんので。
及川研究員: あなたが人に自身を食べるように勧めるのは何故ですか?
SCP-XXX-JP: 私なりの”お・も・て・な・し”です。これも少し前に来た人の方から流行り言葉だと教わりました。折角この様な所まで来て頂いたのですから、歓迎と感謝の意を込めて、私の出来る精一杯のことをしているのです。
及川研究員: なるほど。あなたはどうして此処に留まっているのですか?
SCP-XXX-JP: え? と、特別な理由はありません。ただ此処にいるのが好きなだけです。
及川研究員: そうですか。えー、あなたは一部の人間のみを選んで対話を行なっている様ですが、今回私が選ばれた理由は何でしょう?
SCP-XXX-JP: り、理由と言われましても。
及川研究員: SCP-XXX-JP、説明して頂けませんか?
SCP-XXX-JP: で、ですから、それは、その……。
及川研究員: SCP-XXX-JP?
SCP-XXX-JP: ……タイプなのよ。
及川研究員: ……え?
<記録終了>
その後のインタビューでSCP-XXX-JPは、適合者の条件として「肉付きが良い」「柔和な顔立ち」「色黒」等、計24の項目が挙げられました。また、SCP-XXX-JPが活動エリア内に留まっている理由について、麓の集落には古くから適合者が多く存在する為であると説明しています。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 現状、SCP-XXX-JPの収容は行われません。現時点でのSCP-XXX-JPに対する対応は、機動部隊し-21("焼売売り")による追跡および監視のみが行なわれます。
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SCP-XXX-JPが現在位置する北海道██市の████国立公園内に於いてSCP-XXX-JPを中心とした150m×150mの区画をフェンスによって封鎖し、カバーストーリー「山崩れ危険区域」を適用して民間人のSCP-XXX-JPへの接近を防止して下さい。
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SCP-XXX-JPが現在位置するサイト-81██の地下大型車両格納庫内に於いてSCP-XXX-JPを中心とした100m×100mの区画をフェンスによって封鎖し、職員のSCP-XXX-JPへの接近を防止して下さい。
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茨城県██市██山南西部のSCP-XXX-JPが現在位置する洞窟は封鎖され、カバーストーリー「洞窟内の環境保護」を適用して民間人のSCP-XXX-JPへの接近を防止して下さい。
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SCP-XXX-JPが現在位置する鳥取県██村内の空き家及び土地は財団により買い上げられ、家屋の周囲50m×50mはフェンスによって封鎖されます。カバーストーリー「家屋倒壊の可能性の高まり」を適用して民間人のSCP-XXX-JPへの接近を防止して下さい。
(以下、第1版~第4版まで共通)
収容区画付近には常時、機動部隊し-21("焼売売り")が在中し、収容区画および超音波観測機を用いたSCP-XXX-JPの監視を行って下さい。
SCP-XXX-JPの自発的な転移が確認された場合は取り付けられたGPS発信機の信号を元に追跡し、転移を繰り返し誘発させ、収容に適した地点に転移した時点で再度収容を行なって下さい。SCP-XXX-JP-2には焼売を摂食させ、適宜記憶処理を実施した後、解放して下さい。
説明: SCP-XXX-JPは高さ1.8m、直径1.7mの異常な焼売です。SCP-XXX-JPは不可視であるものの物理的接触は可能です。
SCP-XXX-JPは、人間によって摂食される以外の凡ゆる損傷に対して非常に高い耐性を有し、腐敗の兆候を見せません。摂食によりSCP-XXX-JPから切り離された部位はこれらの不可視性、損傷・腐敗への耐性を喪失します。
SCP-XXX-JPは常時、強い匂い4(SCP-XXX-JP-1と表記。)を放っています。SCP-XXX-JP-1を知覚した人間は後述するSCP-XXX-JP-2へ変化します。SCP-XXX-JP-1は無風状態の場合、SCP-XXX-JPを中心とした半径約100m以内に於いて知覚が可能です。
SCP-XXX-JP-2へ変化した人間は、焼売に対する強い摂食願望を抱き、SCP-XXX-JP-1を辿る形でSCP-XXX-JPを捜索します。SCP-XXX-JPを発見したSCP-XXX-JP-2はSCP-XXX-JPを摂食します。SCP-XXX-JPまたは、それ以外の焼売を摂食できていない状態でSCP-XXX-JPが付近に存在しなくなった場合、SCP-XXX-JP-2は錯乱状態となり、周辺の人間や民家、商店等に対し焼売を要求します。要求が受け入れられない場合、SCP-XXX-JP-2は周囲に対し、激しい暴力的な行動を取ります。SCP-XXX-JP-2はSCP-XXX-JP及び他の焼売を摂食する事で、SCP-XXX-JPに起因する異常性の影響下から脱する事が出来ます。
SCP-XXX-JPの摂食者は味について「ほのかに温かい。」「ジューシーである。」「非常に美味。」等、皆好意的な感想を述べています。また、一部の摂食者からSCP-XXX-JP摂食時に「痛い」「もうやめて」といった摂食に対する嫌悪を表す内容の女性の声を聞いたとの証言を得ています。
SCP-XXX-JPはその複数箇所を摂食される若しくは、摂食が行われない状態が約60分間継続すると消失し、半径5km圏内の別地点に転移します。また、SCP-XXX-JPに対する移送を試みた際にも同様の転移が発生しました。
SCP-XXX-JPは以下の活動サイクルを繰り返し行っています。活動期 | 消極期に移行後、2~3年が経過すると移行。活動期のSCP-XXX-JPは自身に対する摂食が行われなかった場合、自発的に転移する。転移時は移動先として人口のより多い地点を選択する傾向が見られる。 |
消極期 | 活動期に移行後、約30~50回のSCP-XXX-JPの摂食が行われた時点で移行。消極期のSCP-XXX-JPは自身に対する摂食が行われない場合でも自発的な転移は発生しない。転移時は移動先として人口のより少ない地点を選択する傾向が見られる。また、摂食時には摂食行為に対する嫌悪を表す言葉を発する。 |
SCP-XXX-JPが消極期から活動期への移行する際にSCP-XXX-JPから、消極期に確認されるものと同様の声で「やっぱりさみしい」またはそれに類する言葉を発声する事が確認されています。
現在、SCP-XXX-JPは多数の人間に摂食された事によりその全体の98%が欠損しています。SCP-XXX-JPの質量の減少に伴いSCP-XXX-JP-1の影響範囲は縮小し、現状ではその影響力をほぼ失っています。その為、SCP-XXX-JPの収容は不要であると結論付けられ、現在の特別収容プロトコルに改定されました。SCP-XXX-JPは2006/██/██に活動期に移行して以来、現在に至るまで消極期への移行は発生していません。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 回収されたSCP-XXX-JPはサイト-81██の低脅威度異常飲食物収容庫にて一時的に保管され、特徴を記録した後に焼却処分されます。
日本国内の一般市民に対しカバーストーリー「流行りの過激なイタズラ」を流布し、SCP-XXX-JPの摂食を抑制して下さい。
インターネット上に於けるSCP-XXX-JPに関する情報はウェブクローラによって監視および収集されます。SCP-XXX-JPの発生が確認された場合は、速やかに回収を行なって下さい。
SCP-XXX-JP-Aは同サイトの標準人型収容室に収容され、SCP-XXX-JPの発生の予測・抑止及びSCP-XXX-JP-Aの異常性の除去手法の確立に向けた研究に用いられます。
説明: SCP-XXX-JPは日本国内に於いて不特定な地点に発生する食品群の総称です。SCP-XXX-JPの種類は生鮮食品や加工食品、飲料等と多岐に渡ります。SCP-XXX-JPは一般的に販売されている商品と相違ないパッケージングが施された状態で出現します。SCP-XXX-JPは主に冷蔵庫内や商品棚等の他の食品に紛れる様に出現する傾向にありますが、道路上や山林、海上等他の食品が存在しない場所での発生例も確認されています。
各SCP-XXX-JPは外見上の特異な点は見られないものの、成分分析に於いて極微量ながら何らかのヒト(Homo sapiens)由来の成分を含有する事が確認されています。
SCP-XXX-JPのパッケージには商品名や製造元等の表記はありませんが、必ず1枚のラベルが貼付されています。ラベルには貼られたSCP-XXX-JPの特徴から連想される言葉が表記されます。表記されている文字は手書きであり、ラベル毎に異なる人物による筆跡で書かれていることが判明しています。以下は発見されたSCP-XXX-JPとラベルの一例です。
指定番号 | 品目 | ラベル |
---|---|---|
SCP-XXX-JP-3 | 大根 | 嫁の足 |
SCP-XXX-JP-7 | ブロッコリー | ちびアフロ |
SCP-XXX-JP-15 | イカ墨 | 政治家の胃袋 |
SCP-XXX-JP-18 | ショートケーキ | キュートな夢 |
SCP-XXX-JP-21 | モンキーバナナ | ████ |
SCP-XXX-JP-29 | 日本酒1升 | 老い溺れ |
SCP-XXX-JPを摂食した人間(SCP-XXX-JP-Aと指定)は、摂食したSCP-XXX-JPのラベルに表記されていた言葉を、その意味合いに関わらず会話の端々に織り交ぜて話す様になります。 SCP-XXX-JP-Aへの変化は不可逆的なものであり、記憶処理も効果を及ぼさない事が確認されています。
以下は、SCP-XXX-JPの摂食実験に於いてSCP-XXX-JP-AとなったD-XXX-03に対し行われたインタビューの記録です。
対象: D-XXX-01
インタビュアー: 渦本研究員
付記: 対象は当インタビューの前日にSCP-XXX-JP-21を摂食している。
<記録開始>
渦本研究員: それでは、インタビューを始めます。
D-XXX-01: ああ、████。
渦本研究員: まず、昨日あなたに食べて頂いたSCP-XXX-JP-21について、摂食した感想を聞かせて下さい。
D-XXX-01: ああ、そうだなぁ。香りは████、味も████、大きさも丁度████。うん、極上の████だった。
渦本研究員: えー、確認ですがそれは褒めているのですか?
D-XXX-01: ████。[対象は頷く]
渦本研究員: [3秒間の沈黙]わかりました。えー、あなたは何故その言葉を繰り返し用いるのですか?
D-XXX-01: ████の事か?まあ、口癖みたいなもんだよ。████ ████言っていると気持ちが安らぐんだ。昨日あのバナナを食ってる時に気付いた。████に気付いた瞬間はまさに、空で轟いた████が頭の天辺から俺の身体を貫いた様な衝撃だったさ。神の████ってこういう事を言うんだろうなぁ。
渦本研究員: そうですか。その口癖はあなた自身の意思でやめる事は出来ますか?
D-XXX-01: ████?うーん。出来ないってことは……ないけど。何と言うか……その……気持ち悪い……というか……息を止めてるみたいで……苦しい。████。
渦本研究員: なるほど。えー、あとその口癖ですが……言っていて恥ずかしくないですか?
D-XXX-01: 恥ずかしい?████が?まさか!確かに████はあの████と同じ発音だが、あくまで俺が言っている████はあの████とは全く別の素晴らしい████なんだ。
D-XXX-01: まず前半の██、これは山や海とそこに住まう動物たち。つまり地球のエネルギー。そして後半の██、これは夜空の吸い込まれるような闇とそこに浮かぶ星々の光。つまり宇宙のエネルギー。████、それは地球と宇宙、██と██を繋ぐ一本の架け橋で――
渦本研究員: もう結構です。お疲れ様でした。
D-XXX-01: ああ、そうかい?お疲れ██。
<記録終了>
調査では、SCP-XXX-JPの面積に対する発生数が、非過疎地域に比べ過疎地域に多い傾向がある事が判明しています。また、SCP-XXX-JP-Aの周辺に於いても発見例が多く確認される点にも留意して下さい。
SCP-XXX-JPに対する調査は、現在も進行中です。
(予定タグ)scp-jp euclid 記憶影響 強制力 言語 食物 聴覚 認識災害
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはその全域を養生シートで囲う形で封鎖し、民間人の侵入を防止して下さい。近辺には代替路が敷設され、カバーストーリー「地盤沈下による工事」及び「市の財政難による工事の遅延」が適用されます。SCP-XXX-JP内部はカメラにより監視されます。侵入者が現れた場合はカバーストーリーに基づいた警告と必要に応じて記憶処理を行った後、解放して下さい。
説明: SCP-XXX-JPは愛知県██市に存在する1本の道路内の全長120mの区間です。雨天時にSCP-XXX-JPの東端から内部に侵入した抑うつ状態5の人間(以下、被験者と表記。)は後述するSCP-XXX-JP-A内の同地点に転移します。被験者が雨具やそれに類する防雨性を有するものを着用・携帯している場合、異常性は発現しません。
SCP-XXX-JP-Aは収容以前のSCP-XXX-JP及びその周辺と同一の外見的特徴を持つ異常空間です。SCP-XXX-JP-A内に於けるSCP-XXX-JP内から外部への移動は不可視の障壁の存在により成功していません。また、SCP-XXX-JP-A内ではGPSや通信機器は正常に作動しない事が確認されています。
転移時のSCP-XXX-JP-A内は弱い降雨状態ですが、被験者が西側に進むに従い天候が徐々に悪化していきます。位置 | 天候等 |
---|---|
~10m | 弱い雨。 |
11m~20m | やや強い雨。 |
21m~50m | 強い雨、強い風、照度の若干の低下。 |
51m~70m | 豪雨、暴風、雷、水位20cm程の水流、照度の大幅な低下。 |
71m~100m | 猛烈な雨、猛烈な風、枝葉や石の飛来、強い雷、水位50cm程の水流、照度の著しい低下。 |
101m~ | 急激な天候の回復。 |
SCP-XXX-JP-Aの西端に辿り着いた被験者は、SCP-XXX-JPの同地点に転移し、帰還します。SCP-XXX-JP-Aへの転移から帰還までの時間は被験者により大きく異なります。また、SCP-XXX-JP-Aからの帰還に成功した被験者は以前の抑うつ状態からの大幅な回復を見せる事が確認されています。
SCP-XXX-JP-Aの性質上、実験により得られる情報は帰還した被験者による証言や記録に限定されるため、現在帰還が確認できていない被験者がどの様な状況下に置かれているのかは不明です。尚、現時点で3名の人員の帰還が確認出来ていません。
補遺: 20██/██/██ SCP-XXX-JP内にて、37日前に行われた実験に於いて帰還が未確認であったD-XXX-05が実験時に装備していたカメラ及び同地点から約250m離れた別箇所にて着用していた衣服が発見されました。発見されたカメラは何らかの強い衝撃により破損していましたが、一部のデータが復元されました。
D-XXX-05及び他の帰還未確認者の行方は現在も不明です。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe Neutralized
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-81██の低危険物収容ロッカーにて収容されます。実験は担当研究員の管理下でのみ行われます。
説明: SCP-XXX-JPは持ち手部分が肥満体型の男性の上半身6を模した形状をしたバリカンです。持ち手部分の外側はシリコン素材で構成されており、人肌に近い触感が再現されています。内部構造の調査は全て失敗に終わっています。
持ち手部分の胸部の窪みを押し込むことでON/OFFを切り替える事ができます。また、腹囲は常時±0.5cmの範囲で増減を繰り返しています。SCP-XXX-JPを使用して毛髪等を切断した際に、その量に応じて腹囲が減少する事が確認されています。SCP-XXX-JPには電源用の接続端子等は存在せず、電力の供給無しで使用することができます。
SCP-XXX-JPを使用して毛髪や体毛等(以下、対象物)を切断した場合、切断された対象物は吸い込まれる様にSCP-XXX-JPの内部に入り、消失します。消失した対象物の行方は不明です。
発見経緯: 20██/██/██ネットオークションにて「切った髪がパッと消える!魔法の太っちょバリカン」として出品されていた当オブジェクトを財団職員が発見し落札、収容に至りました。後に行われたインタビューで、出品者は「ゴミ捨て場にあった物を売れそうだったから拾ってきた」と証言しています。
実験記録XXX-JP-01 - 日付20██/05/11
対象: D-81XXX-01
実施方法: 対象の頭髪および体毛をSCP-XXX-JPを使用し切断する。
結果: 全ての頭髪および体毛の切断に成功。切断した全対象物は消失。持ち手部分の腹囲が25cmから24.5cmに減少。
実験記録XXX-JP-03 - 日付20██/05/11
対象: ニホンザル(Macaca fuscata) イエイヌ(Canis lupus familiaris)、ヒツジ(Ovis aries)、カピバラ(Hydrochoerus hydrochaeris)、ナミハリネズミ(Erinaceus europaeus)
実施方法: 対象の体毛をSCP-XXX-JPを使用し切断する。
結果: 対象の全体毛の切断に成功。切断した全対象物は消失。持ち手部分の腹囲が23.5cmから22.5cmに減少。
実験記録XXX-JP-05 - 日付20██/05/11
対象: 全て毛髪と同程度の太さである0.1mmの糸状に加工した”綿・アクリル樹脂・鋼鉄・炭素繊維・チタン合金”各100本
実施方法: 対象の片側を固定した状態で、SCP-XXX-JPを使用する。
結果: 全対象の切断に成功。切断した全対象物は消失。持ち手部分の腹囲が21cmから19cmに減少。
実験記録XXX-JP-08 - 日付20██/05/11
対象: ヒツジ(Ovis aries)200頭
実施方法: 対象の体毛をSCP-XXX-JPを使用し可能な限り切断する。
結果: 158頭目の試行中にSCP-XXX-JPの動作が停止。持ち手部分の腹囲は18.5cmから4cmに減少し、色が肌色から灰色へと変化。以降、SCP-XXX-JPは使用不能となった。
補遺: 20██/05/12 ██県██市にて、同県警に「隣の部屋の窓から異様な毛の様なものが溢れ出している」との通報がなされました。県警内に潜入していたエージェントが現地のアパートに急行しました。当時、当該室内は繊維状の物質によって90%以上が埋め尽くされていました。この繊維物質は、人毛や動物の毛、プラスチック、鉄等が層を形成しており、これらはSCP-XXX-JPの実験対象となった物質と一致しています。
また、部屋の中央部から居住男性の遺体が非常に痩せ細った状態で発見され、これらの繊維物質は男性の頭部全域から発生していました。解剖の結果、遺体内部は脂肪や筋肉、臓器全般の約90%が損失しており、残る約10%の一部は溶解している状態でした。
遺体発見時、遺体の周囲からはスマートフォンとボールペン、1枚の印刷紙が発見されました。以下は、発見された印刷紙の内容です。
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TEL.██████████ くたばれ!!7
SCP-3しゃん3しゃん7にゃにゃ3しゃん-JP-J ストレス起動式連鎖性爆発人間しゅちょれしゅきどうしぃきれんしゃしぇーばきゅはちゅにんげん
アイテム番号: SCP-3373-JP-J
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-3373-JP-Jはその特異性発現の危険性から収容は行われません。現行の対応策として、全人類にSCP-3373-JP-Jの異常性発現のトリガーとなり得る言葉・行動を”世界の破滅を引き起こす愚行”として周知させる事が最優先事項として設定されています。全財団職員はSCP-3373-JP-Jにとって完全なるストレスフリーな社会構造の実現に向け、ありとあらゆる努力を尽さなければなりません。
説明: SCP-3373-JP-Jは全人類の█.█%存在する爆発性の身体を有した人間です。SCP-3373-JP-Jは一定量のストレスを受けた時または、SCP-3373-JP-Jの爆発に巻き込まれた際に起爆します。SCP-3373-JP-Jが爆発した際の威力は███ktと推測されており、仮にSCP-3373-JP-Jの内1体が起爆した場合、その大規模な爆発により連鎖的にSCP-3373-JP-Jが次々と起爆し、全人類及び地球自体の存続に関わる事態となる事が予測されます。
SCP-3373-JP-Jは通常の人間との外見的な差異は認められませんが、大きな特徴として、主に「か行」「が行」「さ行」「ざ行」「た行」「だ行」「な行」「ら行」の発音が苦手である事が挙げられます。また、SCP-3373-JP-Jはこの事に関する周囲の反応に対し、非常に強いストレスを受けます。
以下はSCP-3373-JP-Jの起爆のトリガーとなり得る非常に高いストレスを与える言動・行動の一例です。これらの行為はSCP-3373-JP-Jに対し、絶対に行わないでください。
▪︎ 注文したものと違うものを出す。
▪︎ 会話中にイライラしたような行動をとる。
▪︎ 必要以上に気を使う。
▪︎ 早口言葉を強要する。
▪︎ 筆談を求める。
▪︎ 道を聞かれた際に「I can only speak Japanese.」と返答する。
追記1: SCP-3373-JP-Jの生活上のストレスを最小化する為、滑舌が悪い人に対し、以下の対策を提案します。
▪︎ 各種税金の免除。
▪︎ 滑舌侮辱罪の制定。
▪︎ 電車全線に滑舌が悪い人専用車両。
▪︎ 賃金の大幅な引き上げ。
▪︎ 出勤時間を遅めに設定。
▪︎ 舌休め休暇の導入。
追記2: あ、あと食堂の無料利用権も。
佐々木博士、いい加減にして下さい。見ていて痛々しいですよ。 --██研究員
うりゅちゃいっ!! --しゃしゃきぃ博しぇ
投稿済
SCP-1199-JP - エノキひとつを友にして
SCP-1058-JP - マッチ箱の中の迷宮
SCP-1262-JP - 慈愛の牢獄
SCP-1393-JP - そういえばこれステンレスじゃん!
SCP-1640-JP - ふえるへる肉
保管庫
- 脚注
- 画像
- マッチ箱の中の迷宮(A案)
- サルでもできる錬金術(没)
- エノ友ver.2
- エノ友ver.1
- 底あり沼(没)
- 慈愛の牢獄ver.2
- 慈愛の牢獄ver.1
- 愛しの笑み(没)
- 人生やり直しダイアル(没)
- クリエイティブ・ベーカリー(没)
- エノキドーナツ(没)
- エノキタケは安心安全な食品です。(没)
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-81██の低危険物収容ロッカーに収容されます。SCP-XXX-JP-1の調査・実験は、担当研究員の監督のもとDクラス職員を用いて行われます。
探査079の結果を受け、現在SCP-XXX-JPに対する実験は禁止されています。
説明: SCP-XXX-JPは大きさ30×15×50mmのマッチ箱です。SCP-XXX-JPの表面には大きく書かれたMATCHの文字と15本入りとの表記がされています。SCP-XXX-JPの中箱を出し入れする度に、SCP-XXX-JPの半径1m以内のSCP-XXX-JP-1が2本になるように、中箱内にSCP-XXX-JP-1が出現します。SCP-XXX-JPの側薬を使用してSCP-XXX-JP-1を点火した対象は、点火したSCP-XXX-JP-1とともにSCP-XXX-JP-2へ転移します。
SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JP内に出現するマッチ棒です。SCP-XXX-JP-1は一般的なマッチ棒と異なり、頭薬が青く着色されています。また、先端の火が持ち手部分に延焼せず、燃焼は約15分間持続します。SCP-XXX-JP-1をSCP-XXX-JPの側薬以外を用いた手段で点火する事は出来ません。
SCP-XXX-JP-2は迷路を模した異常空間です。SCP-XXX-JP-2内の通路は高さ幅ともに2mで、外見上は紙製に見えますが非常に高い強度を有しており、破壊の試みは全て失敗に終わっています。SCP-XXX-JP-2内ではSCP-XXX-JP-1以外の照明器具は動作しない事が確認されています。所持しているSCP-XXX-JP-1の火が消えた時点で対象者はSCP-XXX-JPの傍に転移し、帰還します。
補遺1: 以下は探査079に於いてSCP-XXX-JP-2の出口に辿り着いた際の映像記録です。(重要な部分のみ抜粋)
探査079 - 日付20██/██/██
対象: D-81XXX-03
備考: 当映像は対象のヘッドギアに装着されたカメラによって撮影された。
<再生開始>
[対象はSCP-XXX-JP-1内を迷い無く走っている。]██研究員: D-81XXX-03。そのまま真っ直ぐ。3つ目で左だ。
D-81XXX-03: ああ、わかってる。
[対象は真っ直ぐ進み、丁字路を素早く左へ曲がる。]██研究員: 次が…
D-81XXX-03: 右、右、左だろ?
██研究員: ああ、そうだ。
[対象は右、右、左へと進み、十字路の交差地点直前で立ち止まる。]D-81XXX-03: ここはどう進めばいい?
██研究員: 今回は真っ直ぐ進め。その先は逐一報告しろ。
D-81XXX-03: りょーかい。
[対象は十字路を抜け、丁字路に差し掛かった所で再び停止する。]D-81XXX-03: 真っ直ぐ進んだ。次は左右に分かれてる。どっちに進めば……おい!あれ扉じゃねぇか?
[対象が丁字路の左側を覗き込むと前方に、隙間から差す光が扉の形を象っている様子が確認できる。]██研究員: よし!その扉に迎え!火はまだ大丈夫だな?
D-81XXX-03: 弱ってはいるが、問題ない。
[対象は全力疾走で扉へ向かう。]D-81XXX-03: やっと辿り着いたぞ出口! 開けるぞ?
[対象は扉に手を掛ける。]██研究員: その先、何が待ってるかわからない。十分注意しろ。
D-81XXX-03: あいよ。
[対象が扉をゆっくり開くと、差し込んだ光の眩しさに顔を下に向け、そのまま扉を抜ける。]D-81XXX-03: ここは……?
[対象が顔を上げると、目の前に巨大な棚、机、パソコンが現れる。][対象が後方を振り向くと巨大なマッチ箱の側面が映る。そこに扉は確認できない。]
[突如、周囲が暗くなる。対象が上方を見上げるとともにカメラは巨大な██研究員の顔を映す。]
[対象が右手を見る。SCP-XXX-JP-1の火はすでに消えている。]
<再生終了>
補遺2: 探査079以後、SCP-XXX-JP-1の出現本数が、1本に減少しました。これ以上の減少は好ましくないと判断され、今後のSCP-XXX-JPに対する一切の実験は禁止されました。
補遺3: SCP-XXX-JP発見の数年前よりインターネット上及びSNS上を中心に、SCP-XXX-JPの発見地である███県での小人・妖精・妖怪等の目撃例が増加傾向にある事が確認されており、現在調査が行われています。
追記: 20██/██現在、D-81XXX-03は然るべき適性審査を通過した後、機動部隊█-██にて超狭小箇所担当員として職務に従事しています。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは現在収容されていません。まもなく封鎖が実行され、収容される予定です。SCP-XXX-JP内に客を装った職員を2名以上配置し、SCP-XXX-JPの異常性の調査、SCP-XXX-JP-2及び来店客の行動の監視を行なってください。回収されたSCP-XXX-JP-3は、全て専用の臨時収容室に保管されます。その際、収容室内のSCP-XXX-JP-3は空間面積の1%以下に留めてください。
説明: SCP-XXX-JPは███県██市に存在する”████シューズ”という店名の靴屋です。靴の販売に加え、買い取りを行っています。SCP-XXX-JPの内部は3台のショーケースが配置された販売スペースと後述するSCP-XXX-JP-1のみの簡素な構造で、総面積は40m2となっています。SCP-XXX-JPでは対面販売方式が取られており、SCP-XXX-JP-2が常時接客を行なっています。
SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JP内に存在する4×3×3mの部屋です。SCP-XXX-JP-1は倉庫として使用され、多数の商品が保管されています。SCP-XXX-JP-1内に保管されている物品は取り出されているにも関わらず、減少している様子が見られません。
SCP-XXX-JP-2は50歳代の日本人と見られる男性です。SCP-XXX-JP-2はSCP-XXX-JPが24時間営業にも関わらず、常に1人で接客を行い、飲食や睡眠、排泄等の生活行動を一切行いません。また、不可解な買取価格やSCP-XXX-JP-1の異常性に対して一切疑問を抱いている様子を見せません。SCP-XXX-JP-2に対して行われたインタビューの試みは、多忙を理由に全て拒否されました。
SCP-XXX-JP-3はSCP-XXX-JP-2によって作成される、複数の同物品が同一座標上に重ねられた集合体の総称です。SCP-XXX-JP-3は外見上1つの物品に見えますが、視認した対象はSCP-XXX-JP-3が複数の物品の集合体であると知覚します。実験の結果、SCP-XXX-JP-3は結合された物品1つ分の質量を持ち、被験者の意思によって容易に分離・結合が可能で、最大結合数は99個である事が判明しています。
発見経緯: 20██/██/██ SNS上に”買って売るだけで儲かる靴屋”についての情報が投稿されました。異常存在への関連性を鑑み調査を行なった所、対象の店舗(SCP-XXX-JP)では、発見の数日前に行われた買取価格の改定以後、███社製のスニーカーの買取価格が販売価格を上回っている状態であり、当時店内では██名の客が同商品の購入・売却を繰り返し行なっていました。それに伴った商品販売数の急激な増加にも関わらず倉庫(SCP-XXX-JP-1)内の物品が減少する様子を見せない事から異常存在であることが確認されました。
補遺: 現在、SCP-XXX-JP内には3096人の来店客と推定5,███,███個以上のSCP-XXX-JP-3が存在しています。これは、SCP-XXX-JPの建物面積を大きく超過していおり、SCP-XXX-JPがSCP-XXX-JP-1と同様の異常性を有しているものと考えられます。
追記1: 20██/██/██ 突如として、███社製スニーカーの買取価格が相場範囲内の価格に再改定されました。再改定が行われた理由は不明です。
追記2: SCP-XXX-JPの発見以後、世界各地でSCP-XXX-JP-1及びSCP-XXX-JP-3と同様の異常性を有した空間・物品が多数報告されています。この事から、SCP-XXX-JPの異常性の要因が別に存在し、世界規模に影響を及ぼしているとみt
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの映像内容は記録されたDVD1枚のみがサイト-81██の低危険物収容室内のロッカーにて保管されます。新たに発見されたSCP-XXX-JPが含まれる記録媒体は、破壊または当該箇所の削除を行ってください。SCP-XXX-JP-2は標準人型収容室にて収容され、1日に最大900gのエノキタケが配給されます。
説明: SCP-XXX-JPは██県のローカル局である██放送に於いて放映された30秒のテレビCMです。SCP-XXX-JPは20██/10/10~16に渡り、1日に1度、3:558から放送されました。SCP-XXX-JPは主にエノキタケ9(Flammulina velutipes (Curt.: Fr.) Sing.)を多方面から称賛するという内容となっています。SCP-XXX-JPの最後の5秒間に映し出される異形のエノキタケ10(SCP-XXX-JP-1と指定)を視認した対象はSCP-XXX-JP-2へ変化します。
SCP-XXX-JP-2へ変化した対象はエノキタケに対し非常に強い執着を見せるようになります。 SCP-XXX-JP-2はエノキタケを可能な限り摂食しようとし、エノキタケ以外の飲食物を拒絶します。エノキタケ以外の飲食物を強制的に飲食させた場合は、それらを吐き出します。 また、一切の排泄行為を行いません。
補遺1: 20██/██/██ SCP-XXX-JP-2-4がエノキタケの配給の為に収容室を訪れた██研究員に対して、窓外を指差し「エノキの塔が見える」と発言しました。
以下は同日、SCP-XXX-JP-2-4に対して”エノキの塔”発言の真意の確認のため行われたインタビュー記録です。
対象: SCP-XXX-JP-2-4
インタビュアー: ██研究員
<録音開始>
██研究員: おはようございます。SCP-XXX-JP-2-4。体調はいかがですか?
SCP-XXX-JP-2-4: もっとエノキを頂きたい!
██研究員: すでに朝食分は支給されたはずですが?
SCP-XXX-JP-2-4: そうではありません。1日の支給分が少な過ぎるのですよ。本来はあの量の3倍――いや!30倍は必要なのです!
██研究員: 分かりました。検討しましょう。
SCP-XXX-JP-2-4: いつも通りの答えですな。
██研究員: …。本日お聞きしたいのは、先程あなたが言っていた”エノキの塔”の事なのですが。
SCP-XXX-JP-2-4: さっき言った通りですよ。沢山のエノキたちが集まって、楽しそうにはしゃいでいるんだ。あの塔は本当に可愛らしい…。君には見えないんでしたね。実に――実に可哀想。うん。
██研究員: 可愛らしい…?
SCP-XXX-JP-2-4: そう。言ってみれば、私たちの子供の様なものなわけですから。
██研究員: なぜそう思うのです?
SCP-XXX-JP-2-4: なぜ。なぜ? ――なぜだ? わからない――
██研究員: そうですか。今回のインタビューはこれで終了します。
SCP-XXX-JP-2-4: もういいのかい?エノキの増量の件、くれぐれも宜しく頼みますよ。君。
██研究員: 分かりました。検討しましょう。
<録音終了>
後に行われた収容中の全SCP-XXX-JP-2に対する調査で、 SCP-XXX-JP-2-13・SCP-XXX-JP-2-28も同様の方向を指し示し「エノキの塔/タワーが見える」と証言しました。
事案記録XXX-JP: 20██/10/16 02:20頃、収容中であったSCP-XXX-JP-2 ██名全員が突如として消失しました。それとほぼ同時刻、N36° ██.███' E138° ██.███' 地点にエノキタケで構成された全長約3500mの塔が出現しました。現地に急行したエージェントによって塔の周辺から収容されていた対象を含むSCP-XXX-JP-2と見られる人間、計1██名が死亡した状態で発見されました。
同日03:30頃、現地に於いてM█.█の地震が発生しました。その直後、塔内部から歪んだSCP-XXX-JP-2-4のものと思われる声で10秒からのカウントダウンが開始され、カウントが0になると同時に塔の先端からエノキタケで構成されたと思われる直径約130mの球体(SCP-XXX-JP-Aと指定)が発射されました。SCP-XXX-JP-Aはその3分後には大気圏外へと達し、急激に速度を上昇させながら太陽に向かって移動を続けました。 その後、SCP-XXX-JP-Aは最大1██,███,███km/hまで速度を上昇させ、発射から1時間57分後、太陽から約13万km地点で完全に焼失しました。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの映像内容は記録されたDVD1枚のみがサイト-81██の低危険物収容室内のロッカーにて保管されます。新たに発見されたSCP-XXX-JPが含まれる記録媒体は、破壊または当該箇所の削除を行ってください。SCP-XXX-JP-2は標準人型収容室にて収容され、1日に最大900gのエノキタケが配給されます。3日に1度、SCP-XXX-JP-2に対して症状の進行状況の確認の為のインタビューを行なってください。
説明: SCP-XXX-JPは██県のローカル局である██放送に於いて放映された30秒のテレビCMです。SCP-XXX-JPは20██/10/10~16に渡り、1日に1度、3:5511から放送されました。SCP-XXX-JPは主にエノキタケ12(Flammulina velutipes (Curt.: Fr.) Sing.)を多方面から称賛するという内容となっています。SCP-XXX-JPの最後の5秒間に映し出される異形のエノキタケ13(SCP-XXX-JP-1と指定)を視認した対象はSCP-XXX-JP-2へ変化します。
SCP-XXX-JP-2へ変化した対象はエノキタケに対し強い執着を見せるようになります。また、変化後の経過日数によって症状は段階的に進行します。
ステージ1(SCP-XXX-JP-2へ変化直後~) | エノキタケへの強い執着を見せる。エノキタケを積極的に摂食しようとする。 |
ステージ2(SCP-XXX-JP-2へ変化後、約30日~) | エノキタケへの非常に強い執着を見せる。エノキタケ以外の摂食に抵抗を見せる。エノキタケを使用または、それに纏わる物品を製作する(製作された物品の詳細は後述) |
ステージ3(SCP-XXX-JP-2へ変化後、約60日~) | エノキタケへの非常に強い信仰心を見せる。エノキタケ以外の飲食を拒絶する。また、強制的に飲食させた場合は吐き出す。一切の排泄行為を行わない。 |
以下はSCP-XXX-JP-2 ステージ2の対象者が製作した物品の一例です。
完全なリストは物品リストXXX-JP-2を参照してください。
製作者 | 物品詳細 |
---|---|
SCP-XXX-JP-2-2 | 衝撃を与えると白面が赤く発光し、黒面に空いた無数の穴から多量のエノキタケを放出するサッカーボール。 |
SCP-XXX-JP-2-5 | 光輝くエノキタケが降り注ぐエノキタケ製の超高層ビル群が、着色されたエノキタケによって描かれた貼り絵。 |
SCP-XXX-JP-2-7 | 小さな町工場が純エノキタケ製のロケットを完成させるまでをエノキタケ視点で描いた長編小説。 |
SCP-XXX-JP-2-10 | ██線と見られる電車1車両の模型の内部に収められた、平均身長1.5cm程の様々な服装をした、22体のエノキタケ製人型実体。 |
SCP-XXX-JP-2-11 | 毎食時にエノキタケのみを使用し、ナポリタン・カツ丼・マグロの刺身等の様々な料理を不明な方法で作成。(それらの料理は全て SCP-XXX-JP-2-11によって消費。) |
補遺1: 20██/██/██ Dクラス職員を用いたSCP-XXX-JP-2の症状の進行過程の調査の際、当時ステージ3へと移行した直後と見られるD-XXX-5に行われた定期インタビューに於いて、D-XXX-5が窓外を指差し「エノキの塔が見える」と発言しました。その直後、D-XXX-5は気管内に大量のエノキタケが発生したことにより窒息死しました。
以下はD-XXX-5の”エノキの塔”の発言を受け、すでにステージ3へ移行していたD-XXX-3に対して行われたインタビュー記録です。
対象: D-XXX-3
インタビュアー: ██研究員付記: 対象は非常に短気で、感情的になりやすい人格を有している。
<録音開始>
██研究員: おはようございます。D-XXX-3。体調はいかがですか?
D-XXX-3: エノキをくれ!
██研究員: すでに朝食分は支給されたはずですが?
D-XXX-3: あんなんじゃ全然足りないんだよ!エノキをくれよ!
██研究員: 分かりました。このインタビューが終わり次第、ご用意します。
D-XXX-3: ありったけだぞ!!
██研究員: …。今日あなたにお聞きしたいのは、”エノキの塔”についての事です。
D-XXX-3: な、なんだよ…!し、知らねえよ!そんなもん…!
██研究員: どうもあちらの方向にあるようですが?
D-XXX-3: 知らねぇって言ってるだろ!!
██研究員: D-XXX-3。落ち着いてください。…まぁそうでしょうね。そんなもの――あるわけがないですもんね。
D-XXX-3: ああ、あるわけねぇ!
██研究員: あんなヒョロッヒョロの…高がエノキ如きが塔みたいな大型建造物を形成するなんてありえないですよ。
D-XXX-3: …。
██研究員: それに、エノキで出来た塔なんてものが本当にあったのなら――あまりにも――気色が悪すぎる。そんなものがあってたまりますか?あなたもそう思うでしょう?
D-XXX-3: お、おい!エノキ如きとは何だ!気色悪いとは何だ!!██研究員: 私が何か間違ったことを言いましたか?
D-XXX-3: エノキ様を馬鹿にするな!!あの塔には俺たちの…エノキ様の夢が詰まってるんだ!!俺たちがどんなに苦労してあの塔をつくっ――うぐっ…うぐっ…
██研究員: D-XXX-3! くそっ…またか…。おい! すぐに医療班を!
<録音終了>
終了報告書: D-XXX-3はD-XXX-5と同様の症状により死亡しました。インタビュー内でD-XXX-3は”エノキの塔”についての発言の際、D-XXX-5と同様の方向を指で差し示しました。
事案記録XXX-JP: 20██/10/16 02:20頃、収容中であったSCP-XXX-JP-2 ██名全員が突如として消失しました。それとほぼ同時刻、N36° ██.███' E138° ██.███' 地点にエノキタケで構成された全長約3500mの塔が出現しました。現地に急行したエージェントによって塔の周辺から収容されていた対象を含むSCP-XXX-JP-2と見られる人間、計1██名が死亡した状態で発見されました。
同日03:30頃、現地に於いてM█.█の地震が発生しました。その直後、塔内部から歪んだ女性のものと思われる声で10秒からのカウントダウンが開始され、カウントが0になると同時に塔の先端からエノキタケで構成されたと思われる直径約130mの球体(SCP-XXX-JP-Aと指定)が発射されました。SCP-XXX-JP-Aはその3分後には大気圏外へと達し、急激に速度を上昇させながら太陽に向かって移動を続けました。 その後、SCP-XXX-JP-Aは最大1██,███,███km/hまで速度を上昇させ、発射から1時間57分後、太陽から約13万km地点で完全に焼失しました。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの周囲25mを有刺鉄線付きのフェンスで囲み、その周辺には2名の警備員を配置してください。SCP-XXX-JPはその周囲50mを囲う様に建設されたサイト-81██内にて収容されます。周辺住民にはカバーストーリー「放射性廃棄物保管場」を適用し、立ち入りを防止してください。また、1時間毎にK-515型撮影機を用いてSCP-XXX-JP-2の観測を行い、状態に変化が起きた場合は、担当研究主任に報告してください。
説明: SCP-XXX-JPは長崎県██町内の███山中に存在する泥沼です。SCP-XXX-JPは直径10mの円形で、深さは78~83cm、内部は暗緑色の泥で満たされています。SCP-XXX-JP内に入った人間(以下、対象と表記)を中心とした直径約1mの範囲にはSCP-XXX-JP-1が発生します。SCP-XXX-JP内の泥はSCP-XXX-JP-1の影響を受けている様子を見せません。
SCP-XXX-JP-1は原因不明のSCP-XXX-JP-2によって引き起こされる異常な重力場です。SCP-XXX-JP-1内の重力は少なくとも通常の█████倍以上と非常に強く、SCP-XXX-JP-1の影響下の対象の身体は約1秒程で下方から自重により崩壊します。
SCP-XXX-JP-214は不可視の人型霊的非実体です。全長約12m、外見は人種不明の男性で衣服を身に付けていません。下半身や左腕の手首より先が欠損し、それ以外の身体の大部分にも多数の傷や欠損が見られます。また、欠損部の断面等の様子から、SCP-XXX-JP-2の身体は主に土で構成されていると思われます。
SCP-XXX-JP-2はSCP-XXX-JPの北東1mの位置に存在し、通常時は左腕を地面につきSCP-XXX-JPを見下ろしながら、右腕を振り上げた状態で停止しています。対象がSCP-XXX-JP内に入ると、SCP-XXX-JP-2は対象に対し手の平を叩き付ける動作を行い、SCP-XXX-JP-1を発生させます。その後、SCP-XXX-JP-2は自身の身体に手の平を擦り付けるような動作を行った後、通常時の状態へと戻ります。
補遺: 以下はSCP-XXX-JPの調査に於いて██町の生活環境課長である███氏に対して行われたインタビューの記録です。
対象: ██町 生活環境課長 ███ █氏
インタビュアー: エージェント██
<録音開始>
エージェント██: 早速ですが、███さん。あの沼について教えて頂けますか?
███氏: はいはい。あの沼ね。ううん… 私もね、大昔からあそこにあると聞いたぐらいでね。どういった経緯で出来たのかっていうのは…ちょっと分からないんですよ。エージェント██: そうですか…。あの沼は”捨命沼”と呼ばれているようですが——
███氏: そうそう。まぁあれだけ危険な底なし沼ですからね。入る者は命を捨てに行くのと同じだって昔からそう呼ばれているんです。 町の人間も気味悪がって誰一人近づきませんよ。ここうん十年と調査すら出来ていないんですからね。エージェント██: なるほど。
███氏: …実はね。捨命沼って名前の由来には別の説もあるらしいんですよ…。エージェント██: 別の説…ですか?
███氏: あなたは旧約聖書を読んだことがありますかな?エージェント██: は? え…ええまぁ。
███氏: 神様が作った初めての人間は土から出来ていた。エージェント██: …ええ。そう記されていますね。
███氏: でもね…。いくら神様だからって初めて作った人間な訳ですから、ちゃんとした人間が完成するまでに失敗作も沢山作られたんじゃないかって。エージェント██: …。
███氏: それで、その出来損ないたちをあそこに捨てていた…だから”捨命沼”なんじゃないかってね。エージェント██: …人間の失敗作を…ですか?
███氏: はっはっ!もちろん作り話ですよ。まぁ…ここは代々クリスチャンの多い町ですから、町の歴史の中で産まれたお伽話みたいなもんでしょうね。はっはっはっ!
<録音終了>
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-81██の低危険物収容室にて防音加工が施された専用のケース内に格納された状態で収容されます。SCP-XXX-JP-A~C内での実験や調査等は、担当研究員の同伴の元で行われます。
説明: SCP-XXX-JPは10×10×4cmの正六角柱をしたタラセア15のオルゴール箱16です。SCP-XXX-JPを中心とした半径1.5mの範囲内でその音色を聞いた対象者はSCP-XXX-JP-Aに転移します。同時に転移可能な人数の上限は判明していません。
SCP-XXX-JP-A~CはSCP-XXX-JP内に存在すると思われる17異常空間です。SCP-XXX-JP-A~Cはそれぞれ特徴の異なった、子供向けに作られたと思われるアトラクションによって構成されています。アトラクションに於いて説明が不十分な点が散見される事から、ガイド役の存在が前提として作られているものと思われます。
以下はSCP-XXX-JP-A~C内部の詳細です。
SCP-XXX-JP-A: SCP-XXX-JP-Aは宇宙船の内部をイメージしたと思われる無重力立体迷路です。SCP-XXX-JPの音色を聞いた対象者はこの迷路のスタート地点へ転移します。内部は様々な生物18や玩具、菓子類などのポップ調なイラストや装飾が施されています。また、点在する窓には宇宙空間を始め、深海や古代遺跡、江戸時代の城下町や白亜紀頃の恐竜が闊歩する荒野など多岐に渡る風景が映し出されています。壁や装飾品の数々は外見に反し柔らかく、怪我防止への配慮が見られます。
道中には特定のイベントが発生する”イベントエリア”が4ヶ所存在します。各イベントエリアでは、機器の組み立て・船外に於ける船体の修繕・ロボットアームを利用した小惑星のサンプル採取・小型宇宙船のドッキング作業・地球外生命体19との徒競走、あっち向いてホイ、ジェスチャーを用いた意思疎通等の全32種類のゲームの内、ランダムに選択された1つが発生します。イベント終了時には終了までの時間や正確性を元にスコアが与えられます。ゴール地点に到着時、設置された大型ディスプレイでそれぞれの対象者の総獲得スコアの発表が行われた後、対象者はSCP-XXX-JP-Bへ転移します。
SCP-XXX-JP-B: SCP-XXX-JP-Bは青空とそこに浮かぶ円形の浮遊島から成る空間です。浮遊島内は東西南北でそれぞれ森林・湖・砂漠・山岳地帯に分かれています。島の中央には石造りの遺跡をモチーフにした広場があり、この広場がSCP-XXX-JP-Aからの転移地点となっています。また、浮遊島の外側に落下した対象者も同様に広場に転移します。広場内部には大型ディスプレイと対象者1人につき、固定された2×1×1mのガラスケースと、捕獲網・釣竿・小型ケージが1セットで配置されます。
浮遊島内には小動物・小型の魚類・昆虫等をモデルとして作られたと思われる未知の生物群(以下SCP-XXX-JP-B-1と呼称)が生息しています。SCP-XXX-JP-B-1は生息地に応じた様々な種類が存在しており、現在51種類が確認されています。
SCP-XXX-JP-BではSCP-XXX-JP-B-1を捕獲しスコアを競う”採集ゲーム”が行われます。対象者は3時間の制限時間内で浮遊島に生息するSCP-XXX-JP-B-1を捕獲網や釣竿等を用いて採集します。捕獲されたSCP-XXX-JP-B-1は、ケージに入れられた時点で中央広場の対象者それぞれのガラスケースに転移します。その際、捕獲したSCP-XXX-JP-B-1のサイズや希少度に応じたスコアを獲得できます。制限時間が終了した時点で島内の全対象者は中央広場へ転移し、ディスプレイにて各対象者の総獲得スコアとランキングが発表されます。発表終了後、対象者はSCP-XXX-JP-Cへ転移します。
SCP-XXX-JP-C: SCP-XXX-JP-Cは夜の遊園地を模した円形の空間です。上空は星空となっています。空間の外側は暗闇となっていて、視認できません。また、この空間はループ構造となっており、空間の外側に侵入した場合はその反対側へ移動します。空間はSCP-XXX-JP-Bからの転移地点である橋が掛けられた噴水を中心に、それを囲むようにそれぞれライトアップされた、メリーゴーランド・小型観覧車・コーヒーカップ・小型ローラーコースターの計4種の稼働状態のアトラクションと、高さ5m程の西洋モチーフの城20の計5つの建造物が等間隔に配置されています。中央の噴水の傍にはSCP-XXX-JPと同外見のオルゴールが設置されており、その付近で音色を聞いた対象者はSCP-XXX-JPを中心とした半径1.5m以内に転移し、帰還します。
補遺: SCP-XXX-JP-Cの初回探査時に於いて、空間内部から子供の死体12体とそれぞれ死亡時期の異なる成人の死体4体が腐敗および白骨化した状態で発見されました。後に行われた詳細分析の結果、発見された子供の死亡時の年齢はおよそ4~11歳、性別は様々で、成人の死体は年齢およそ28~45歳、全て女性である事が判明しています。また、死亡時期は子供12名と女性の内1名が約25年前、残りの女性3名はそれぞれ約18年前、11年前、3年前であり、死因は皆餓死であると結論付けられました。
第█回目の探査時に行われた死体搬出の際、探査に同行した███研究員が、搬出作業中であった█研究員に対し、所持していたボールペンを用いて襲い掛かりました。███研究員は直様無力化されました。█研究員はこの事象により、軽傷を負っています。留意点として███研究員は探査に参加した初の女性であり、探査開始直前に自ら志願して探査に参加しています。
後に行われたインタビューで███研究員は「SCP-XXX-JPを目の当たりにした時に何か使命感の様なものを感じた。」「(搬出作業を始めた█研究員を見て)子供を守らなければと思った。」と証言しています。
実験の結果、SCP-XXX-JPは半径3m以内で視認した18歳以上の女性に対し、SCP-XXX-JPを積極的に使用したい又は、SCP-XXX-JP-Cに行きたいと思わせる効果を持っている事が確認されました。しかし、全死体の搬出完了後、SCP-XXX-JPはこの効果を喪失しました。
回収された死体計16体は同サイト内に設けられた専用室に保存されていますが、回収から█年経過した現在まで一切の異常性が認められない事から、近く財団の管理下である█████園に埋葬される予定です。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-81██の低危険物収容室にて防音加工が施された専用のケース内に格納された状態で収容されます。SCP-XXX-JP-A~C内での実験や調査等は、担当研究員の同伴の元で行われます。
説明: SCP-XXX-JPは10×10×4cmの正六角柱をしたタラセア21のオルゴール箱22です。SCP-XXX-JPを中心とした半径1.5mの範囲内でその音色を聞いた対象者はSCP-XXX-JP-Aに転移します。同時に転移可能な人数の上限は判明していません。
SCP-XXX-JP-A~CはSCP-XXX-JP内に存在すると思われる23異常空間です。SCP-XXX-JP-A~Cはそれぞれ特徴の異なった、子供向けに作られたと思われるアトラクションによって構成されています。アトラクションに於いて説明が不十分な場面が散見される事から、ガイド役の存在が前提として作られているものと思われます。
以下はSCP-XXX-JP-A~C内部の詳細です。
SCP-XXX-JP-A: SCP-XXX-JP-Aは宇宙船の内部をイメージしたと思われる無重力立体迷路です。SCP-XXX-JPの音色を聞いた対象者はこの迷路のスタート地点へ転移します。内部は様々な生物24や玩具、菓子類などのポップ調なイラストや装飾が施されています。また、点在する窓には宇宙空間を始め、深海や古代遺跡、江戸時代の城下町や白亜紀頃の恐竜が闊歩する荒野など多岐に渡る風景が映し出されています。壁や装飾品の数々は外見に反し柔らかく、怪我防止への配慮が見られます。
道中には特定のイベントが発生する”イベントエリア”が4ヶ所存在します。各イベントエリアでは、機器の組み立て・船外に於ける船体の修繕・ロボットアームを利用した小惑星のサンプル採取・小型宇宙船のドッキング作業・地球外生命体25との徒競走、あっち向いてホイ、ジェスチャーを用いた意思疎通等の全32種類のゲームの内、ランダムに選択された1つが発生します。イベント終了時には終了までの時間や正確性を元にスコアが与えられます。ゴール地点に到着時、設置された大型ディスプレイでそれぞれの対象者の総獲得スコアの発表が行われた後、対象者はSCP-XXX-JP-Bへ転移します。
SCP-XXX-JP-B: SCP-XXX-JP-Bは青空とそこに浮かぶ円形の浮遊島から成る空間です。浮遊島内は東西南北でそれぞれ森林・湖・砂漠・山岳地帯に分かれています。島の中央には石造りの遺跡をモチーフにした広場があり、この広場がSCP-XXX-JP-Aからの転移地点となっています。また、浮遊島の外側に落下した対象者も同様に広場に転移します。広場内部には大型ディスプレイと対象者1人につき、固定された2×1×1mのガラスケースと、捕獲網・釣竿・小型ケージが1セットで配置されます。
浮遊島内には小動物・小型の魚類・昆虫等をモデルとして作られたと思われる未知の生物群(以下SCP-XXX-JP-B-1と呼称)が生息しています。SCP-XXX-JP-B-1は生息地に応じた様々な種類が存在しており、現在51種類が確認されています。
SCP-XXX-JP-BではSCP-XXX-JP-B-1を捕獲しスコアを競う”採集ゲーム”が行われます。対象者は3時間の制限時間内で浮遊島に生息するSCP-XXX-JP-B-1を捕獲網や釣竿等を用いて採集します。捕獲されたSCP-XXX-JP-B-1は、ケージに入れられた時点で中央広場の対象者それぞれのガラスケースに転移します。その際、捕獲したSCP-XXX-JP-B-1のサイズや希少度に応じたスコアを獲得できます。制限時間が終了した時点で島内の全対象者は中央広場へ転移し、ディスプレイにて各対象者の総獲得スコアとランキングが発表されます。発表終了後、対象者はSCP-XXX-JP-Cへ転移します。
SCP-XXX-JP-C: SCP-XXX-JP-Cは夜の遊園地を模した円形の空間です。上空は星空となっています。空間の外側は暗闇となっていて、視認できません。また、この空間はループ構造となっており、空間の外側に侵入した場合はその反対側へ移動します。空間はSCP-XXX-JP-Bからの転移地点である橋が掛けられた噴水を中心に、それを囲むようにそれぞれライトアップされた、メリーゴーランド・小型観覧車・コーヒーカップ・小型ローラーコースターの計4種の稼働状態のアトラクションと、高さ5m程の西洋モチーフの城26の計5つの建造物が等間隔に配置されています。中央の噴水の傍にはSCP-XXX-JPと同外見のオルゴールが設置されており、その付近で音色を聞いた対象者はSCP-XXX-JPを中心とした半径1.5m以内に転移し、帰還します。
補遺: SCP-XXX-JP-Cの初回探査時に於いて、空間内部から子供の死体12体27と成人女性の死体1体が腐敗した状態で発見されました。城内部では左側の3部屋には排泄物の跡、右側の最奥の部屋には、子供の死体の内の2体が発見されました。これら2体の死体には刃物で切断された痕跡が確認されています。発見された計13名の死因は餓死であると結論付けられました。
後の調査で、発見された子供12名全員の身元が判明しています。12名は皆、同日に行方不明になったものと推測されていますが、居住地は日本各地に分散しており、SCP-XXX-JP内にどの様な経緯で侵入したかは不明です。また、12名中で捜索願が出されているのは3名に留まっています。成人女性の身元は現在も明らかになっていません。
探査当初、噴水傍のオルゴールは破損しており帰還が不可能な状態でした。現在では修復がなされ帰還が可能となっています。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-81██の低危険物収容室にて防音加工が施された専用のケース内に格納された状態で収容されます。SCP-XXX-JP-A~C内での実験や調査等は、担当研究員の同伴の元で行われます。現状、SCP-XXX-JPの娯楽目的での使用は認められません。
説明: SCP-XXX-JPは10×10×4cmの正六角柱をしたタラセア28のオルゴール箱29です。底面には”K & E 2002”と彫られています。SCP-XXX-JPを中心とした半径1.5mの範囲内でその音色を聞いた対象者はSCP-XXX-JP-Aに転移します。同時に転移可能な人数の上限は判明していません。
SCP-XXX-JP-A~CはSCP-XXX-JP内に存在すると思われる30異常空間です。SCP-XXX-JP-A~Cはそれぞれ特徴の異なった子供向けに作られたと思われるアトラクションによって構成されています。アトラクションに於いて説明が不十分な場面が散見され、案内人のような存在が前提として作られているものと思われます。
以下はSCP-XXX-JP-A~C内部の詳細です。
SCP-XXX-JP-A: SCP-XXX-JP-Aは宇宙船の内部をイメージしたと思われる無重力立体迷路です。SCP-XXX-JPの音色を聞いた対象者はこの迷路のスタート地点に転移します。内部は様々な生物31や玩具、菓子類などのポップ調なイラストや装飾が施されています。また、点在する窓には宇宙空間を始め、深海や古代遺跡、江戸時代の城下町や白亜紀頃の恐竜が歩き回る荒野など多岐に渡る風景が映し出されています。壁や装飾品の数々は外見に反し柔らかく、怪我防止への配慮が見られます。
道中には特定のイベントが発生する”イベントエリア”が4ヶ所存在します。各イベントエリアでは、機器の組み立て・船外に於ける船体の修繕・ロボットアームを利用した小惑星のサンプル採取・小型宇宙船のドッキング作業・地球外生命体32との徒競走、あっち向いてホイ、ジェスチャーを用いた意思疎通 等の全32種類のゲームの内、ランダムに選択された1つが発生します。イベントクリア時にはクリアまでの時間や正確性を元にスコアが与えられます。ゴール地点に到着時、設置された大型ディスプレイでそれぞれの対象者の総獲得スコアが発表されます。その後約30秒で対象者はSCP-XXX-JP-Bへと転移します。
SCP-XXX-JP-B: SCP-XXX-JP-Bは青空とそこに浮かぶ円形の浮遊島から成る空間です。浮遊島内は東西南北でそれぞれ森林・湖・砂漠・山岳地帯に分かれており、島の中央には石造りの遺跡をモチーフにした広場があります。SCP-XXX-JP-Aをクリアした対象者はこの広場へと転移します。広場内部には大型ディスプレイと対象者1人につき、固定された2×1×1mのガラスケース・捕獲網・釣竿・小型ケージが1セット配置されます。また、対象者が浮遊島の外側に落下した場合はすぐ様中央広場へ転移します。
浮遊島内には小動物・小型の魚類・昆虫等をモデルとして作られたと思われる未知の小型生物群(以下SCP-XXX-JP-1群と呼称)が生息しています。SCP-XXX-JP-1群は生息地に応じた様々な種類が存在しており、現在32種類が確認されています。
SCP-XXX-JP-BではSCP-XXX-JP-1群を捕獲しスコアを競う”採集ゲーム”が行われます。対象者は3時間の制限時間内で浮遊島に生息するSCP-XXX-JP-1群を捕獲網や釣竿等を用いて採集します。捕獲されたSCP-XXX-JP-1群は、ケージに入れられた時点で中央広場の対象者それぞれのガラスケースに転移します。その際、捕獲したSCP-XXX-JP-1群のサイズや希少度に応じたスコアを獲得できます。制限時間が終了した時点で島内の全対象者は中央広場へ転移し、ディスプレイにて各対象者の総獲得スコアとランキングが発表されます。発表終了の約30秒後、対象者はSCP-XXX-JPを中心とした半径1.5m以内に転移し、帰還します。
20██/██ SCP-XXX-JP-Bに於けるSCP-XXX-JP-1群の調査の際、浮遊島東部の森林内の1本の木に巧妙にカモフラージュが施された扉が発見されました。扉の内部は下方へ続く螺旋階段、その先に新たな空間の存在が確認され、SCP-XXX-JP-Cと指定されました。
SCP-XXX-JP-C: SCP-XXX-JP-Cは夜の遊園地を模した円形の空間です。上空は星空となっています。空間の外側は暗闇となっていて、視認できません。また、この空間はループ構造となっており、空間の外側に侵入した場合はその反対側へ移動します。空間の中央にはSCP-XXX-JP-Bへ続く螺旋階段、それを囲むようにそれぞれライトアップされた、メリーゴーランド・小型の観覧車・コーヒーカップ・小型のローラーコースターの4種の常時稼働状態のアトラクションと、西洋の城をモチーフにした高さ5mほどの建造物 が等間隔に配置されています。また、城の頂上には金や宝石で装飾が施された椅子が設置されています。城内部は3×3×3m程の部屋となっており、部屋の中央にはバスタブ、その周囲には 用途不明の工具・大量の薬品の空ビン・子供用の衣類十数点 が無造作に置かれています。
初回探査時に於いて、稼働状態のアトラクション内の席に計██体の様々な人種の子供の死体、城の頂上の椅子には30歳代と見られる女性の死体が固定された状態発見されました。全ての死体には防腐処理が施されていましたが、処理が不十分で部分的に腐敗が進んでいる状態でした。また、女性の死体は顔の両口角部が切り開かれていました。これらの死体は暫定的にSCP-XXX-JP-2-1~██と指定され、現在はサイト-81██にて温度・湿度等が管理された状態で保管されています。
発見経緯: 20██/██ SCP-XXX-JPは█████共和国████の見世物小屋にて当時、現地を旅行中だったエージェント██が発見し、報告を受けた財団が買い取る形で確保、収容されました。見世物小屋の主人は「日本のNPOから来た”ケイタ”という名前の男が1ヶ月程前に置き忘れていったものだ」と証言しています。
補遺1: SCP-XXX-JPの以前の所有者に関して見世物小屋の主人の証言を元に調査を行った結果、SCP-XXX-JP発見の約1ヶ月前██████というNPOによって行われた支援活動に参加していた”タニモト ケイタ”という人物の存在が明らかとなりました。また、タニモト ケイタ氏が過去に派遣された地域の住民の人種とSCP-XXX-JP-Cで発見された子供の死体の人種が一致する事が確認されています。█████共和国からの帰国後、タニモト ケイタ氏は消息不明となっており、現在も行方は判明していません。
補遺2: タニモト ケイタ氏の自宅内の調査の際、SCP-XXX-JPの製作記録と見られる文書がバラバラに引き裂かれた状態で発見されました。以下は復元された文書の抜粋です。
2003/██/██
今日から”オルゴールランド”の製作に取り掛かる。
“持ち運べるテーマパーク”という発想は、実に君らしい。
アトラクションは子供たちから貰った絵を元に作ることにしよう。
まずはこの宇宙船の絵だ。迷路なんかがいいかもしれない。
自分の技術を君の笑顔のために使える…こんなに幸せなことはない。
2003/██/██
製作状況
ひとまず宇宙船の迷路構造は完成した。
あとはイベントの作成と無重力機構だな。
恵美にはガイド役をお願いしよう。きっと喜んでくれるはずだ。
日記
今日はいつもより危険な地域での活動で恵美もピリピリしていたが、
現地の子供を目の前にした途端いつものあの素敵な笑顔になっていた。
恵美は本当に子供が大好きみたいだ。
2003/██/██
製作状況
無重力機構にトラブル発生。
今日は徹夜になりそうだ。
日記
恵美が”宇宙人と対決するイベント”のアイデアをとても楽しそうに話してくれた。
生物の作成には生物素材が必要になる…。
君の笑顔の為だ…絶対に実現する。
2003/██/██
製作状況
”スペースラビリンス”が完成した。
風景を写す窓やゲームイベントも問題無く稼働している。
次のアトラクションはこの”空に浮かぶ島”の絵を元に作っていこう。
日記
早速、恵美にテストプレイをお願いした。
彼女自身すごく楽しんでくれたみたいだ。
子供に戻った様な君の笑顔がこれを書いている今でも頭から離れない。
最近は支援活動と製作作業とで寝不足なのがちょっと辛いが…君の笑顔のためなら、いくらでも頑張れる。
2004/██/██
製作状況
現在、島の成形作業中。現状40%ってところか。日記
恵美から”島を探検しながら動物を採集するゲーム”のアイデア。アイデアについて話す君の無邪気な笑顔は本当に可愛らしい…。
そうなると…また素材を手に入れなければ…。
“宇宙人”を作った時には█や█が20匹近く必要になってしまった。やはり質量やオルゴールの中に誘い込む事も考えると██を使うのが一番効率的かもしれない。
2004/██/██
製作状況
現在、動物10種類完成。
生物素材が不足中。
日記
今日█████を使ったせいで、村で騒ぎが起きた。
あんなヨボヨボでも村では結構慕われていたらしい。
村の住民に「最後に会っていたのがお前だ」とか言って散々行方を聞かれたが、適当な事を言って何とか誤魔化した。
これも恵美の笑顔の為だ…仕方ない。
2004/██/██
製作状況
“スカイアイランド”がほぼ完成した。
あとは動物の数を増やせば完成なのだが、相変わらず素材が不足している。
素材の確保ができ次第、動物を追加する予定だ。
次は”遊園地”の絵。
日記
恵美と共にスカイアイランドのテストを行った。
恵美は終始…最高な笑顔だった。
特に”リス”はとても気に入ってくれたようだ。
次で最後だ。頑張ろう。
2004/██/██
製作状況
動物を3種類追加。
メリーゴーランドが完成。
日記
今日██をオルゴールの中に連れ込んだのを恵美に見られてしまった。
恵美には適当な理由を付けて誤魔化し、██は解放した。
折角の素材を手に入れるチャンスだったのだが…。
2004/██/██
製作状況
オルゴール城の外装が完成。
城のてっぺんには恵美のために特製のイスを付けた。
あそこなら子供たちが遊ぶ様子を見渡せる。恵美も喜ぶはずだ。
日記
ここの所、恵美が笑いかけてくれない。
この間の██の事、未だに疑っているようだ…。
いくら説明しても納得してくれない…。
どうしたものか…。
2004/██/██
製作状況
もうどうでもいいよ。日記
恵美に生物素材の事がバレた。
リスの毛に███ちゃんの特徴的な髪を使ったのがまずかったみたいだ。
君のアイデアを実現する為だったと、君を喜ばせたかったんだと、いくら説明しても彼女は僕を罵り続けた。
君が悪いんだ…。
僕はこんなにも頑張ってきたのに…。
どうしてわかってくれないんだ…。
恵美をオルゴールの中に運んだ。
2004/██/██
製作状況日記
僕はどうすればいい…
今まで君の笑顔が見たい一心で頑張ってきたのに…
もう一度恵美の笑顔が見たい…
君の笑顔が恋しい…
2004/██/██
製作状況日記
素晴らしいアイデアが浮かんだ。
恵美の笑顔をもう一度蘇らせる方法だ。
これで…君の笑顔は僕だけのものになる。
永遠に…。
2005/██/██
製作状況
君の大好きな██を2つ飾ったよ。日記
おはよう、恵美。
今日も素敵な笑顔だね。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe Neutralized
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-81██の低危険物収容室に受話器を固定された状態で保管されます。実験時以外で受話器を取る、又投入口から硬貨を投入する行為は禁止されています。
説明: SCP-XXX-JPは一般的にピンク電話と呼ばれる特殊簡易公衆電話です。SCP-XXX-JPは███県██市にある廃ビル33にて発見されました。外見は███社が1980年代に製造した商品に酷似していますが、電源コードまた電話回線の接続端子は存在しておらず、ダイアルは内側から固定されており使用できません。
SCP-XXX-JPは受話器を取った状態で投入口に10円硬貨を投入することで使用することができます。その際、3回のコール音の後に壮年期34の女性と思われる人物(以下”SCP-XXX-JP-1”と呼称)との通話が可能です。通話開始後、SCP-XXX-JP-1は対象者(以下”回答者”と呼称)に対し”これから出題するクイズに全問正解すれば人生をやり直すことができる”という旨の説明を行い、その後”クイズ”を開始します。
クイズは一問一答形式の全10問で、全て回答者の過去に纏わる問題で構成されます。クイズは途中で回答者が誤った回答を行った場合でも最後の問題が終了するまで続けられます。クイズが進むにつれ、問題は回答者のより古い過去かつ詳細なものになっていきます。また、同一の回答者が複数回クイズを行った場合でも毎回異なった問題が出題されます。SCP-XXX-JP-1がどのように回答者の過去の情報を認知しているかは不明です。
補遺1: 以下の実験はクイズの正解数と結果の関係性を調べる目的で行われました。全実験記録は[実験記録XXX-AD]にて閲覧できます。
実験記録XXX-001 - 日付20██/10/18
対象: D-XXX-01
実施方法: 対象者をクイズに参加させる。その際、極力正解を導き出すようにと指示。
結果: 10問中5問正解。特異な現象は確認されませんでした。
実験記録XXX-007 - 日付20██/10/18
対象: D-XXX-02
実施方法: 実験記録XXX-001と同様
結果: 10問中9問正解。特異な現象は確認されませんでした。
実験記録XXX-019 - 日付20██/10/19
対象: D-XXX-05
実施方法: 実験記録XXX-001と同様
結果: 10問中1問正解。特異な現象は確認されませんでした。
分析: 1〜9問正解では何も起こらないようだ。全問正解者が出るまで実験を継続する。
実験記録XXX-028 - 日付20██/10/21
対象: D-XXX-08
実施方法: 実験記録XXX-001と同様
結果: 全問正解。異常な現象が発生しました。以下は実験当時の音声記録です。(重要な部分のみ抜粋)
<再生開始>
SCP-XXX-JP-1: では第8問目。あなたのご両親があなたにそのお名前を付けた理由は何でしょう?
D-XXX-08: 俺の名前—— [5秒間の沈黙]——█に█と書いて██だよ。俺が道を踏み外さないようにって付けてくれたんだろうな… まぁ見事に正反対の生き方してきちまったけど。
SCP-XXX-JP-1: 正解です。それでは第9問目。あなたが小学生になった登校初日に食べた朝食は何だったでしょう?
D-XXX-08: 流石にそこまでは——いや… 思い出した! あの日はお袋が”小学生になったお祝い”とか言って、俺が大好きだったオムライスを作ってくれたんだ… 間違いない!
SCP-XXX-JP-1: お見事、正解です。…それでは次が最後の問題です。第10問目。あなたがあなたのお父様に初めて送ったプレゼントは何でしょうか?
D-XXX-08: 親父にプレゼント——確か”似顔絵”かな。4歳か5歳の頃だったはずだ。親父がバカみたいに涙流して喜んでたから覚えてるよ。…親不孝者だよな、俺—— 結局、刑務所の中で2人の訃報を聞くことになっちまった——
SCP-XXX-JP-1: ——正解です。お疲れ様でした。それでは結果を発表します。10問中10問、つまり全問正解です。おめでとうございます。
D-XXX-08: お、おう。
SCP-XXX-JP-1: ところで…短い時間ではありましたが、あなたはこのクイズを通してこれまでの自分の人生を見つめ直すことが出来たのではありませんか?
D-XXX-08: ——そうかもな。
SCP-XXX-JP-1: あなたがそれでも尚人生をやり直したいと願うのであれば、そう強く念じながら受話器を戻してください。あなたの願いは叶えられるはずです。…それでは失礼致します。ご利用ありがとうございました。
D-XXX-08: お、おい! ちょっと!
<音声記録終了>
通話終了後、受話器を戻すと同時にD-XXX-08は苦悶の表情を浮かべ、両手で頭を抑えながら崩れるように倒れ込みました。その直後にD-XXX-08の身体が数分間をかけて徐々に萎縮し、最終的に新生児の姿に変化しました。検査の結果、D-XXX-08に身体的な異常は見られませんでした。現在D-XXX-08はサイト-81██の養育施設にて経過を観察中です。
実験記録XXX-029 - 日付20██/10/22
対象: D-XXX-09
実施方法: 対象者をクイズに参加させる。その際、全問”不正解”するようにと指示。
結果: 全問不正解。異常な現象が発生しました。以下は実験当時の音声記録です。(重要な部分のみ抜粋)
<再生開始>
SCP-XXX-JP-1: こちらで最後です。第10問目。あなたの5歳の誕生日にご両親からもらったプレゼントは何だったでしょう?
D-XXX-09: そんなの覚えてねぇよ。 よし、これで終わりだよな。
SCP-XXX-JP-1: 結果を発表します。10問中0問、全問不正解です。 あなたはご自分の人生を殆ど覚えていないのですね… それはとても寂しい事です。 そうですねぇ—— あなたを閲覧室にご案内します。 目を瞑ってみてください。
D-XXX-09: 閲覧室? 目を瞑ればいいのか? ——うわっ! 何だこりゃ…! す、すごい! 見える! 俺の人生が見える!
SCP-XXX-JP-1: 今あなたがいるのは、私がお客様にクイズを出題する際に利用する人生の閲覧室です。あなたご自身が歩んで来た人生の中を自由に行き来する事が出来ます。
D-XXX-09: ここは… 俺が産まれた時か? 母ちゃんも父ちゃんも若いなぁ。 —ここは3歳くらいの時か? …あっ! あの子は近所に住んでた██ちゃんだ。懐かしいなぁ… おいおい! こんな汚ぇ所で遊ぶのかよ? 無邪気だよな子供ってのは。 ハハハッ! 次は——
[中略]
D-XXX-09: ——ここは… 俺がこの施設に連れて来られた時だな。 …なんだこの部屋… 見覚えがないぞ?
SCP-XXX-JP-1: 閲覧室の記録は正確なものです。あなたが見ている光景はあなたが実際に経験した出来事です。
D-XXX-09: これは—蓄音機…か? 実験…? うっ! 何だこの音は…!やめろ…頭が狂いそうだ…! 止めてくれ! 頼む…止めて!! とめ…て…あ███あいぃぃ█████ぎぎ█████████████████████ █████████████ ████████████ █████████████████████ ██████████████████████
<音声記録終了>
当実験中、収容違反が発生しました。当時の監視カメラ映像の分析の結果、SCP-XXX-1-JPと通話中のD-XXX-09が突如”人間のものでない金属音の様な声”をあげ、約3分後に死亡。声を聞いた職員に同症状が次々と伝播し、当時実験棟内にいた計██名が影響を受け死亡しました。D-XXX-09は以前SCP-███-JPに対して行われた実験内で、SCP-███-JPの影響下に置かれた人間に記憶処理が有効かどうかの実験に従事していた事が確認されています。
補遺2: 後日行われた実験でSCP-XXX-JPは一切の反応を見せず、異常性の消失が確認されました。実験記録XXX-029内で起きた収容違反時にSCP-XXX-JP-1がSCP-███-JPの影響を受け、死亡したのではないかとの推測がなされています。
20██/██/██ SCP-XXX-JPは異常性を完全に喪失したものと看做され、Neutralizedに再指定されました。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-81██内の中庭を模した専用収容室にてSCP-XXX-JPが好む環境を維持する事によって収容されます。尚SCP-XXX-JP内にはGPS発信機が設置されます。SCP-XXX-JPにおいて毎日30個以上のSCP-XXX-JP-2群を購入してください。SCP-XXX-JP-1との接触時は、SCP-XXX-JP-1に対しSCP-XXX-JP-2群が優れている・当サイト職員がSCP-XXX-JPを必要としているという事を積極的に言い表し、思い込ませてください。SCP-XXX-JPの移転が確認された場合は、速やかに移転先を特定しSCP-XXX-JP-1に対し、サイト-81██内に戻るように説得を行なってください。SCP-XXX-JP-2群は実験用等を除き、焼却処分されます。
説明: SCP-XXX-JPは現在サイト-81██にて「クリエイティブ・ベーカリー」という店名で営業35されているパン販売店です。外見はログハウス風で、通りに面した側の壁はガラス貼になっています。面積は15㎡程と小規模で厨房はなく、商品棚とレジカウンターのみの簡素な作りとなっています。
SCP-XXX-JP-1は日本人の50代男性と見られる容姿をした実体です。SCP-XXX-JP-1は自身をSCP-XXX-JPの店主であると主張し、営業時間中SCP-XXX-JP-2群の販売を行なっています。また、SCP-XXX-JP-2群の生産も自身が行なっていると証言しています。
SCP-XXX-JP-2群はSCP-XXX-JP-1によって作られたと思われる異常性を有したパン類の総称です。月に1種のペースで新たなSCP-XXX-JP-2群が新商品として追加されます。SCP-XXX-JP-1がSCP-XXX-JP-2群をどのように作成しているのかは不明です。
SCP-XXX-JPは現在地の50km圏内に瞬間的に転移する”移転”を行う場合があります。その際、転移先に別の建造物等が存在する場合は対象物と入れ替わる形で転移します。過去の傾向から転移可能な対象物の規模にはある程度の制限があるものと考えられています。移転のきっかけは、来店客による”SCP-XXX-JP-2群に対する苦情”や”パンの売れ行きが悪い”といった事が主ですが、移転はSCP-XXX-JP-1の意思によって行われるため、その限りではありません。
補遺1: 以下は現在確認されているSCP-XXX-JP-2群の全リストです。
商品名 | 概要 | 摂食結果 |
---|---|---|
バズーカロール | 一般的なウインナーロール。 | 摂食時、内部のウインナーが射出。対象者の頭部を貫く。 |
保湿パン | 内部にとろみのある無色透明な液体が入ったパン。 | 摂食後、対象者の全身をとろみのある液体が覆う。対象者は溺死。 |
柔軟パン | 人間の身体がねじられたような形をしたパン。 | 摂食後、対象者の全身の骨が消失。 |
雑草パイ | 上面の中心部に円形に草が生い茂るパイ。 | 摂食後、対象者は強い空腹感を訴え涙が止まらなくなる。 |
充電式コッペパン | 充電スタンド付きのコッペパン。色が白く非常に硬いが充電が進むにつれ色合い触感ともに焼きたてのパンのようになる。 | 摂食から5分後、対象者の体内で充電が切れ[編集済] |
スマートパン | 片面がタッチパネル式ディスプレイになっているスライスされた食パン。android 2.3搭載 | 月に1度バージョンアップされた新モデルが発売される。最新版はandroid 4.3搭載 |
カエルパン | カエルを模して作られたパン。 | 摂食後、対象者は胃袋を吐き出し摂食したパンを排出。その後、胃袋を飲み込む。 |
クールパン | 冷気の出る白いアンパン。 | 摂食後、対象者の体温が-███℃まで急低下。 |
胸キュンパン | ピンク色のハートに矢が刺さっている形をしたパン。 | 摂食後、対象者は心臓発作により死亡。 |
みかんパン | みかんのように見えるパン。 | 香り・触感・味ともにみかん。成分分析の結果みかんである事が判明。 |
海パン | 波の形を模したパン。 | 断面から████Lの海水と██匹の魚類を排出。 |
パンパンパパン・パンパパン | 開いた両手の上に乗った音符の形をしたパン。 | 摂食後、対象者はパンパンパパン・パンパパンとリズムよく発声し、全ての行動をそのリズムに合わせて行うようになる。 |
ウナギドーナツ | ウナギの胴体部が輪っか状になっているように見えるドーナツ。強い滑りがある。 | 摂食後、対象者の全身から滑りの強い液体が分泌。 |
如意パン | ”西遊記”に登場する如意金箍棒を模したパン。 | 摂食時、消費した分の倍伸びる。 |
絶パン | 本の形を模した食パン。薄くスライスされ、左側が綴じられている。ページをめくる毎に絶版になった書籍の内ランダムに選ばれた1ページを焼き目の文字で表示する。 | 1ページ摂食後、元になった書籍の同ページが全て消失。 |
██████パン | 1個限定。星の形をしたパン。██████という大型小惑星が実在する事が判明。██年後に地球に超接近すると予測されている。 | 摂食後、██████が突如として消滅。 |
補遺2: 事案記録-XXX
20██/██/██ SCP-XXX-JPが突如消失し、同位置に████████と思われる建造物が出現しました。その際、サイト内施設に大きな被害を及ぼすとともに、大規模なテレビ・ラジオ障害が発生しました。すぐさま移転先周辺は封鎖され、エージェント██によってSCP-XXX-JP-1への説得が行われました。以下は当時の音声記録です。
<録音開始>
——[扉が開く音]
SCP-XXX-JP-1: いらっしゃ— ██君じゃないか!
エージェント██: 店主…!どうしていきなり移転なんてしちゃったんですか!
SCP-XXX-JP-1: ああ… その事か。——夢を叶えるためさ。
エージェント██: …夢?
SCP-XXX-JP-1: そう! 日本中の… いや世界中の人々に俺が焼いたパンを食べてもらいたいんだ!
エージェント██: 世界中の—— 人々に——
SCP-XXX-JP-1: 君たちには感謝してる。俺のパンを毎日食べてくれて… 褒めてくれて… 嬉しかったよ。
エージェント██: 当たり前ですよ!あんなに素晴らしいパンはここ以外では食べられないんですから!みんなそう言ってます!
SCP-XXX-JP-1: ありがとう… 君たちの所に出店するまで、色々な所を転々としてきたが— “うちの子が内蔵を吐き出した”だの、”身体からヌメヌメの液が出た”だの、”うちの村が[編集済]した”だの、そんな苦情ばっかりでウンザリしてたんだよ。
エージェント██: こんなに最っ高なパンなのに… 苦情なんて信じられない!!
SCP-XXX-JP-1: だろ?でも君たちのお陰で、改めて自分のパンに自信が持てたんだよ! ここなら色んな人に俺のパンを食べてもらえ—
エージェント██: 見損ないました!!
SCP-XXX-JP-1: え…?
エージェント██: 私達の気持ちはどうなるんですか!私達はあなたの焼いたパンを—— こんなにも愛しているのに——
SCP-XXX-JP-1: ██君…!
エージェント██: みんなここのパンが食べれないって涙を流して悲しんでいるんです!お願いします!戻って来てください!!
SCP-XXX-JP-1: お、おい! 土下座なんてやめてくれ!わかった!わかったよ!戻るから…!
エージェント██: ほ、本当ですか!?
SCP-XXX-JP-1: ああ… まさかそこまで俺のパンのことを思ってくれているなんてな… 俺が悪かったよ。
エージェント██: よかった…! 本当によかった…!
SCP-XXX-JP-1: それに—— この店を動かさなくても俺のパンを世界に売り出す方法はあるだろうからな!
エージェント██: え? そ、そうですね…
SCP-XXX-JP-1: じゃあ、今日の営業が終わったら、そっちに戻ることにするよ!
エージェント██: わかりました。お待ちしてます…!よぉし! 早く戻ってみんなに知らせなくっちゃ!
SCP-XXX-JP-1: ハッハッハッ!みんなの喜ぶ顔が目に浮かぶぜ!
——[扉が開く音]
エージェント██: …はぁ。
<録音終了>
その後、SCP-XXX-JPはサイト内に転移した建造物と入れ替わる形で再収容されました。当事案を受け、SCP-XXX-JP移転時の転移可能な対象物の規模に制限が存在しない可能性が示唆されており、収容方法の見直しが検討されています。また、SCP-XXX-JPの再収容以来、SCP-XXX-JP-1による職員へのインターネット販売やフランチャイズ化についての質問が散見されていることに留意してください。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-81██内の██博士の研究室にて厳重に固定された電子ロック式の金庫内に庫内の湿度が30%以下に保たれた状態で保管されます。実験時以外はSCP-XXX-JPに水分を近づけてはなりません。また██博士の許可無くSCP-XXX-JPを持ち出す行為は禁止されています。
説明: SCP-XXX-JPは”えのきの素 粒タイプ”と表記された紙製のパッケージ36内のチャック付きビニールパックに入れられた、直径15mm 厚さ5mm の茶色いタブレット状の物体です。パッケージには”50粒入り”と表記されていますが、SCP-XXX-JP発見の段階では12粒のみが残されていました。分析の結果、SCP-XXX-JPは97%がエノキタケ(Flammulina velutipes)由来の成分、残りの3%は不明な成分で構成されていることが判明しています。
SCP-XXX-JPを水が入った容器に投入すると、容器内の全ての水がエノキタケ37に変化します。エノキタケへの変化は極短時間で行わますが、水量が増えるに従い変化完了までの時間は長くなります。また、SCP-XXX-JPの影響は2つ以上の水に満たされた容器がパイプ等で繋がっていたとしてもSCP-XXX-JPが投入された側の容器内のみに留まります。SCP-XXX-JPの影響が1つの容器内に留まる原理は解明されていません。
補遺: 以下の実験はSCP-XXX-JP1粒によってエノキタケに変化する水量の限界値を調べる目的で行われました。
実験記録XXX-01 - 日付20██/██/██
担当者: ██博士
対象: ガラスコップ 水量300ml
実施方法: 対象を水で満たした状態でSCP-XXX-JPを1粒投入する。
結果: 投入後、約1秒で全ての水がエノキタケに変化した。
実験記録XXX-02 - 日付20██/██/██
対象: ポリプロピレン製バケツ 水量10L
実施方法: 実験記録XXX-01と同様
結果: 投入後、約2秒間で全ての水がエノキタケに変化した。
分析: すごい。予想以上の変化速度だ。変化させる水量にもまだ余裕がありそうだ。更に大きな容器で実験を行う。
実験記録XXX-03 - 日付20██/██/██
対象: アクリル製大型水槽 水量300L
実施方法: 実験記録XXX-01と同様
結果: 投入後、約3秒で全ての水がエノキタケに変化した。
分析: 素晴らしい。この量の水がこんなにも簡単に— もっと実験を重ねる必要がある。何か良い容器はないものか—
実験記録XXX-04 - 日付20██/██/██
対象: SCP-███-JP収容水槽 容量125,000L
実施方法: 実験記録XXX-01と同様
結果: ███博士が使用を拒否。実験中止。
分析: 全く—███博士はこの研究の重要さを理解していないようだ。だが、もっと良い場所を思い付いた。次はそこで実験を行う。
実験記録XXX-05 - 日付20██/██/██
対象: ███小学校 25mプール 水量270,000L
実施方法: 実験記録XXX-01と同様
結果: 投入後、5秒で全ての水がエノキタケに変化した。
分析: 信じられない。未だに限界が見えない— この実験にもってこいの素晴らしい実験地があることに気付いた。明日が楽しみだ。
実験記録XXX-06 - 日付20██/██/██
対象: ██県 ██湖 水量27,500,000,000,000L
実施方法: 実験記録XXX-01と同様
結果:
分析:
事案記録-XXX
実験記録XXX-06内で██博士によって行われた実験によって収容違反が引き起こされました。以下は実験当時の映像記録を文章化したものです。尚、不明な原因により音声は記録されていません。
<映像開始>
<00:01 ~ 00:20> カメラは前方に広がる湖面と、厚い雲に覆われた空を映す。湖の対岸は確認できず、非常に広い湖であることが伺える。
<00:21 ~ 01:05> カメラ左側から██博士が湖に向かいゆっくりと歩みを進める。懐から取り出したSCP-XXX-JPと見られる物体1つを勢い良く湖に投げ入れる。
<01:06 ~ 01:40> 物体の投入地点から放射状に凄まじい速度でエノキタケへの変化が広がっていく。30秒ほどで確認できる範囲全ての湖面がエノキタケに覆われる。
<01:41 ~ 02:13> 突如、湖面から一本のエノキタケが空中へ飛び出す。エノキタケは物凄い速度で一直線に空へ向かい、そのまま雲に突入する。すると、エノキタケが突入した地点を中心に、跳ね除けられるように雲が晴れていき、巨大な円形の穴を形成する。その後、その穴から湖に向かって真っ直ぐに光が差す。
<02:14 ~ 02:45> ██博士はその場で膝をつき、両手を空に向かって大きく広げ、必死に何かを叫んでいるように見える。
<02:46 ~ 03:18> 湖面から、また1つエノキタケ飛び上がる。それに続くように他のエノキタケたちも次々と飛び上がり、さながら空へ昇る雨の様相を呈す。
<03:19 ~ 04:30> ██博士は膝をついたまま両腕を前方に伸ばす。そして、一度腕を下ろし、手の平を上に向け、力を込めながら頭上までゆっくりと腕を振り上げる。██博士はその上下動作を何度も繰り返す。██博士の動きに呼応するように、浮き上がるエノキタケの量が増加していく。
<04:31 ~ 06:15> ██博士は両手を前後左右にまるで指揮者の如く激しく振るう。エノキタケたちは更に勢いを増し、エノキタケの滝のようになって、空へと昇っていく。上空では昇っていったエノキタケたちが███m付近の一点に集束し、巨大な竜を彷彿とさせる姿へと変化していく。
<06:16 ~ 08:37> ██博士が両手を組み、頭上に円を描くように力強く回転させる。その動きに合わせるようにエノキタケの竜は渦を巻き、上空███m付近まで上昇したところで、徐々に形を変化させていくように見える。
<08:38 ~ 10:53> 湖は完全に”カラ”になったように見え、上空では渦を巻いていたエノキタケの竜が巨大なドーナツの形状へと変貌を遂げている。
<10:54 ~ 11:20> 巨大ドーナツ状エノキタケの中心部から強い光が発せられ、そこから翼をはやした人型の実体(推定身長3m)が2体現われる。
<11:21 ~ 11:55> 実体は直立姿勢のまま██博士の元へ真っ直ぐに向かう。実体がカメラに近づくに従って、実体は天使を模したエノキタケの集合体であることがわかる。天使型エノキタケたちは力無く両手足を垂らしながら、ぎこちなく翼を動かし██博士の元へ向かう。
<11:56 ~ 12:31>天使型エノキタケたちが██博士のすぐ側まで近づく。██博士はスッと立ち上がり、背筋をピンと伸ばすと、両手を大きく広げ、翼のように素早く上下に動かす。
<12:32 ~ 14:34> ██博士の身体がゆっくりと浮き上がり、天使型エノキタケたちの後に続く形で、巨大ドーナツ状エノキタケへと向かっていく。
<14:35 ~ 15:20> ██博士が巨大ドーナツ状エノキタケ中心部の穴に接近すると、そこから非常に激しい光が放たれる。映像が激しく振動し、そのままカメラが斜め後ろ方向に転倒。激しい光に包まれ映像がホワイトアウトする。
<記録終了>
後の調査で、██湖の水が完全に消失していることが確認されました。その際、██湖周辺また上空に異常な存在は確認できませんでした。それから██日を経て事態は終息に至りました。██博士の消息は現在不明です。
補遺2: 事案記録-XXXの発生以降、世界各地で”ドーナツ型の白い未確認飛行物体”や”エノキタケの雨”の目撃例が██件確認されており、調査が行われています。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-81██内の低危険物収容ロッカーに保管されます。SCP-XXX-JP-1は窓のない標準人型収容室に収容され、収容室外での行動は精神状態の向上を目的とした場合にのみ認められます。その際、必ず監視役の職員を同伴させてください。SCP-XXX-JP-1によって収穫されたSCP-XXX-JP-2は実験用等を除き、焼却処分されます。
説明: SCP-XXX-JPは”エノキあめ”という商品名で全国的(極小規模な商店が中心)に販売されていた飴玉です。人間がSCP-XXX-JPを長期間(1日最低1個を約1ヶ月)に渡り摂食し続けた場合、対象者はSCP-XXX-JP-1に変化します。
SCP-XXX-JP-1となった対象者は雨に対する視覚認識が歪められ、雨粒が”エノキタケ(Flammulina velutipes)”38(以下SCP-XXX-JP-2と呼称)に見えるようになります。また、水溜りは株状のSCP-XXX-JP-2が集まったものと認識します。この異常性が現れるのは対象者が”雨水である”と思った場合のみで、それ以外の水分は通常通り認識されます。
SCP-XXX-JP-1の手に触れた雨水は実際にSCP-XXX-JP-2に変化します。SCP-XXX-JP-1は雨水を視認している間、SCP-XXX-JP-2を積極的に集めようとします。この”収穫”行為を行う明確な理由は不明です。
分析の結果、SCP-XXX-JP-2は通常のエノキタケとの差異はほぼ認められませんでした。
補遺: 現在インターネット上で「エノキあめ由来のエノキタケこそ真のエノキタケである」とする小規模なコミュニティの存在が確認されており、調査の検討がなされています。
以下は当オブジェクト本来の報告書です。
現在公開が制限されています。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-81██内の低危険物収容ロッカーに保管されます。SCP-XXX-JP-1は窓のない標準人型収容室に収容され、収容室外での行動は精神状態の向上を目的とした場合にのみ認められます。その際、必ず監視役の職員を同伴させてください。SCP-XXX-JP-1によって収穫されたSCP-XXX-JP-2は実験用等を除き、焼却処分されます。
説明: SCP-XXX-JPは”エノキあめ”という商品名で全国的(極小規模な商店が中心)に販売されていた飴玉です。人間がSCP-XXX-JPを長期間(1日最低1個を約1ヶ月)に渡り摂食し続けた場合、対象者はSCP-XXX-JP-1に変化します。
SCP-XXX-JP-1となった対象者は雨に対する視覚認識が歪められ、雨粒が”傘が小さく色の白いもやし状な未知の大型菌類39”(以下SCP-XXX-JP-2と呼称)に見えるようになります。また、水溜りは株状のSCP-XXX-JP-2が集まったものと認識します。この異常性が現れるのは対象者が”雨水である”と思った場合のみで、それ以外の水分は通常通り認識されます。
SCP-XXX-JP-1の手に触れた雨水は実際にSCP-XXX-JP-2に変化します。SCP-XXX-JP-1は雨水を視認している間、SCP-XXX-JP-2を積極的に集めようとします。この”収穫”行為を行う明確な理由は不明です。
分析の結果、SCP-XXX-JP-2は”エノキタケ(Flammulina velutipes)”である事が判明しました。しかし、現在自然界に生息しているエノキタケ40とは外見が大きく異なっています。外見の違い以外の異常は認められませんでした。
補遺1: SCP-XXX-JPは19██/██/██に発見され、それと同時期にSCP-XXX-JP-2が”えのき”として一般の商店にて販売されているのが確認されました。SCP-XXX-JP-1が収穫したSCP-XXX-JP-2を市場に流しているものと思われます。
19██/██ SCP-XXX-JPのほぼ全てを回収する事に成功しました41。また、█名のSCP-XXX-JP-1を収容しました。しかし、SCP-XXX-JP-2は一部地域を中心に広まりを見せており、未だ収容出来ていないSCP-XXX-JP-1が多数いると見て調査が継続されています。
19██/██ 現在SCP-XXX-JP-2は全国的な広まりを見せており、回収が困難になっています。依然として、新たにSCP-XXX-JP-1を█名収容しました。
19██/██ 研究の結果、SCP-XXX-JP-2は”暗所にて生育されたエノキタケ”であることが判明しました。財団は独自にSCP-XXX-JP-2とほぼ同一のエノキタケの生育法を確立し、一般に流布しました。現時点ですでにSCP-XXX-JP-2は一般的な食材として定着しています。
20██/██ 現在一般に販売されている約9割の”エノキタケ”が財団由来の生育法で栽培されたものである事が確認されています。SCP-XXX-JP-1は現在までに██名が収容されていますが、捜索は継続されています。また、現状流通しているSCP-XXX-JP-2も財団由来のエノキタケの更なる広まりやSCP-XXX-JP-1の収容又は経年による減少により将来的に淘汰されるものと考えられています。
補遺2: 19██/██ 当サイト職員の多くもすでにSCP-XXX-JP-2を日常的に摂食していると思われます。SCP-XXX-JP-2に異常性は確認されていませんが、不要な不安感を与える可能性を鑑み、この文書の低クリアランス職員への公開停止が決定されました。以後、当該職員には代替文書が公開されます。
この報告書を初めて読んだ職員の中には不安や心配を抱く方もいることと思います。
ですが、その必要はありません。
このオブジェクト由来のもの、また財団由来のものも異常性は認められていません。
つまり、あなたが今まで食べてきた”えのき”には何の問題もないのです。
エノキタケは”安心安全”な食品です。 ──██博士
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