rain-000
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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP及び子房内にSCP-XXX-JP-1を有さない個体全ては自生地域一帯をセクター-8155に指定し、低危険度オブジェクト収容室に収容されます。収容室内は低危険度植物性オブジェクト収容プラントR-77A6-Fと同様の環境を維持しポリネーターの散布や一定時間毎の散水を行ない、週に一度担当職員による土壌の整備や剪定を行って下さい。詳細は平沢博士著:異常性植物生育論を参照です。
発見されたSCP-XXX-JP-aはセクター-8155内に併設された低音乾燥プラント内の保存カプセル-RD5型に1人ずつ収容して下さい。
オブジェクトの保存状態の維持の関係上、担当者以外の職員がSCP-XXX-JP-aとの接触を希望する場合にはクリアランスレベル3以上の職員による承認と接触理由を纏めたレポートを担当職員に提出して下さい。
解凍と経過観察の後に接触が許可されます。

説明: SCP-XXX-JPは異常成長により発達したカキツバタ(Iris laevigata)です。

SCP-XXX-JPは通常のカキツバタに比べ花軸の直径が6cmであり地表から全長78cm、主根はおよそ63cmと逸脱した形状をしています。SCP-XXX-JP周辺には通常のカキツバタが複数確認されましたが、枯死した形跡が無くSCP-XXX-JPが何処から成長を得ていたのかは不明です。

また、SCP-XXX-JPは異常成長した子房内の種子(以下、SCP-XXX-JP-1)が日本人と思われる全裸のアジア人女性の形状に変化している事が確認されています。
SCP-XXX-JP-1は、身長は統一して156cm、体重は49kgです。モンゴロイド系の肌に茶髪の20代程度と思われる女性であり、体内には臓器のような器官は存在せず胚乳に近い組織と未成熟なカキツバタの苗が存在していました。
神経や筋組織、その他器官の欠如からSCP-XXX-JP-1に五感や自意識は存在せずコミュニケーションを取る事は不可能であると考えられ、実行された全ての実験において此方への反応がない事でその仮説は証明されました。
体表面の色相や触感は人体と同程度の状態であり、原因は不明ですが37.5℃程度の体温が存在します。
接触した職員によれば“肌は触れると温かく頰が僅かに紅潮している” ”優しい笑みを浮かべている“といった印象を受けると報告されています。

補遺1: SCP-XXX-JPは200█年4月23日に██県███の山中で近隣に在住の児童により発見され、報告を受けた保護者の通報によって財団に収容されました。発見地域一帯は1987年に施工される予定だった再開発計画地域であり、計画中止後には県が管理する私有地でした。山道入り口は不十分な施錠により侵入が容易な状況であり、道中の山道も舗装されていました。
所有権が県に移譲された後に正式な手順に則り私有地内部に侵入した人物は存在しませんが、調査員の報告により複数回に及ぶ車両の侵入があった痕跡が確認されました。
侵入した人物をSCP-XXX-JPの発生の重要参考人として特定を進めています。

補遺2: SCP-XXX-JP発見地域一帯は廃棄物の不法投棄と燃料ガス製造工場の有害物質による深刻な土壌汚染と観測されていました。
初期収容処置後にセクターの設営とSCP-XXX-JP保護の為に汚染土の除去を実行した際に、担当職員がSCP-XXX-JPの直下0.4m地点に9名分の子供の遺体(以下、SCP-XXX-JP-a)を発見しました。

識別番号 死因 報告
N-XXX-1 窒息 首に人の手による索溝。生前は栄養失調だったと思われる。
N-XXX-2 撲殺 頭蓋骨の陥没、顔面に複数の殴打痕。 衣服を着用していなかった。
N-XXX-3 失血性ショック 右腕部に輸血用注射器によるの注射痕。右乳房の欠損、傷口から人間の歯型を確認。
N-XXX-4 撲殺 背骨の骨折。下半身の衣服を着用していなかった。
N-XXX-5 失血性ショック 首と足首に刃物による裂傷。両足首には縄による索溝を確認。
N-XXX-6 撲殺 全身に打撲痕。右眼球が圧縮され眼孔が何らかの手法で拡張されていた。遺体は金髪のコーカソイドでした。
N-XXX-7 不明 外傷無し。
N-XXX-8 窒息 首に縄による索溝。[編集済み]内に[編集済み]の器具が挿入されていました。
N-XXX-9 ███ 頭部、右手首及び[編集済み]の欠損。内臓の内容物から人間の体組織1を確認。
N-XXX-10 撲殺 頭部に殴打痕。201█年に出現。詳細は下記の事例1を参照。

全てのSCP-XXX-JP-aは遺棄から最低でも3年以上経過しているのにも関わらず死後3時間程度の状態を維持しています。
現在全てのSCP-XXX-JP-aは今後の腐敗を抑制する為にセクター-8155内の低温プラント内で保管され、発見された遺留物は低危険度オブジェクト収容ロッカー内に保管されています。(詳細は下記添付ファイル参照。)

追記(200█/██/██) : エージェントの調査により、SCP-XXX-JP-a全員の身元の特定に成功しました。

SCP-XXX-JP-aの全てが死亡時に10代未満であり、出生から4年を迎える以前に母親に当たる人物の離婚や失踪により父子家庭であった事が確認され、その全員が実父からネグレクトや性的虐待を受けている事が判明しました。
また全員が実父からの虐待で死亡しており、財団によって収容される以前に親類の墓地、もしくは各自治体の共同墓地に埋葬され遺骨の存在を確認しました。

事例1(201█/██/██) : SCP-XXX-JP収容プラント内に撲殺された子供の遺体が出現したのを監視中の職員が発見しました。
即座に遺体は回収され、検死の結果によると死後3時間程度である事が判明しました。
セクター-8155周辺の警備状況により侵入が困難である事、出現場所がSCP-XXX-JPの近辺であった為に出現遺体をN-XXX-10に指定し保護しました。
調査により、N-XXX-10は出現の6時間前に実父の虐待により死亡し、現在遺体は病院に安置されており他のSCP-XXX-JP-aと同様に父子家庭である事が判明しました。

現在、事情聴取を含め殺人容疑で逮捕されているSCP-XXX-JP-a群の実父全員を略式裁判の後にDクラス職員として雇用が予定されています。

補遺3: 事例1の結果を受け、今後のSCP-XXX-JP-aの出現の調査が提案されました。
財団データベース検索により、日本国内においてSCP-XXX-JP-aと同様の境遇を持ち得ると考えられる家庭は201█年現在において4件確認され、経過観察の後にそれぞれの家庭から新たなSCP-XXX-JP-aの出現の有無を計測する実験が立案されています。

死後の世界なんてものを馬鹿正直に信じるわけでも頭ごなしに否定する気もないが、存在するとしたなら、SCP-XXX-JPがきっとそうなのだろう。
別の時間の別の場所、同じ境遇に生まれ、死んでしまった子供達。
そして彼らはあのカキツバタの花畑に行き着いたのだ。
彼らが生前求めて、それでも手に入らなかった何かがあの場所にはあったのだろう。

私の職務の域を超える考察だろが、そう信じたい。
そうでなくては救われない。

-██研究員の手記より抜粋。