アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは、サイト-834の第22保管棟にある標準的な収容ロッカー内に、防護ケースに入れて保管します。SCP-XXX-JPは標準的な拳銃の手入れ方法に基づいて、定期的なメンテナンスを行なってください。また、SCP-XXX-JPを用いた実験を行う際には、武装職員1名が同席するようにしてください。SCP-XXX-JPの異常性ゆえに、同席する職員はドイツ以外の国籍の者か、15m以上離れるようにして下さい。セキュリティクリアランスレベル3以上の職員は、必要書類に記入・提出することで、SCP-XXX-JPの実験を行うことを許可されます。SCP-XXX-JPに使用される弾丸は、既に製造が中止されており、また生産量も限定されているため、用意のために多大な労力を必要とします。重要度の低い実験は控えてください。
説明: SCP-XXX-JPは、グリセンティM1910拳銃に酷似した外見をしています。SCP-XXX-JPは、通常の拳銃同様に発砲することが可能であり、弾丸はM1910で使用されるものと同規格のものを使用します。
SCP-XXX-JPの異常性は、その付近15m以内にドイツ国籍の人物がいることで発揮されます。SCP-XXX-JPの活性時に発砲すると、弾丸は対象の名前を発しながら、対象に向かって直進し、臀部に命中します。対象との間に障害物があった場合、弾丸はそれを迂回して命中します。拳銃や弾丸には、音を発するような機構は見られず、材質も一般のそれと違いはありません。
当初弾丸に異常性があると考えられていましたが、後に新規に追加した弾丸を用いて実験した場合にも、同様の異常性を示したため、拳銃がオブジェクトとして指定されました。
実験記録1 - 日付20██/10/2
対象: D-4377(イタリア人男性)実施方法: プラスチック製の標的に向かってSCP-XXX-JPを発砲するように指示。
結果: 弾丸は、同室内で警備にあたっていた武装職員の臀部に命中。この際、職員の名前を発しながら飛行した。職員の命に別状はなし。
分析: 銃口とは真逆の方向に、不可思議な軌道を描いて職員に命中した。何らかの条件で対象を追尾していると思われる。
実験記録2 - 日付20██/10/11
対象: D-4377実施方法: プラスチック製の標的に向かってSCP-XXX-JPを発砲するように指示し、被験者のみを入室させて行う。
結果: 弾丸は、正面の標的に命中した。
分析: この実験において、弾丸や軌道に異常性は見られなかった。異常性は人間にのみ発揮するようだ。異常性の発生範囲は15mといったところか?
実験記録3 - 日付20██/10/24
対象:D-4377、 D-7217(イギリス人男性)、D-5809(ドイツ人男性)、D-4534(スペイン人男性)実施方法: 前実験と同様の標的に向かって、順にSCP-XXX-JPを発砲するよう指示。被験者たちは防護服を着用して行う。
結果: 全ての場合においてD-5809の臀部に命中、自身の打った弾丸も命中した。また全ての時にD-5809の名前を発した。いずれの場合も命に別状、怪我等なし。
分析: 条件はまだ確定できないが、すべて同一目標に命中したのは偶然ではないだろう。まだ調査の必要がある。
追記: 以前の実験時に弾丸が追尾した職員とD-5809に聞き取り調査を行った結果、どちらもドイツ国籍であることが判明しました。今後の実験は、焦点を国籍にあてて実施します。
実験記録4 - 日付20██/11/7
対象: D-5809(ドイツ国籍ドイツ出身男性)、D-4067(フランス国籍ドイツ出身男性)、D-2377(ドイツ国籍ギリシャ出身女性)実施方法: 前実験と同様の標的に向かってSCP-XXX-JPを発砲するように指示。防護服を着た被験者を1人ずつ入室させて行う。
結果: D-4067以外の場合において発砲した本人の臀部に命中。発砲した本人の名前を発声。
分析: どうやらドイツ国籍の人間を追尾しているようだ。一緒に見つかった説明書はそういう意味だったのか?
発見経緯: SCP-XXX-JPは、20██/██/██、広島県南西部の廃棄された軍需工場で見つかりました。財団職員が支部の要地として購入するため調査を行った結果発見にいたりました。発見当時、SCP-XXX-JPは古びた木箱の中に入っており、イタリア語で書かれた仕様書らしきもの(資料1)と日本語で書かれた説明書と思しき紙(資料2)が同封されていました。どちらも劣化が激しい状態でしたが、部分的に解読に成功しました。