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SCP-XXXX-JPの群生

アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Safe Keter

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPの繁殖を防ぐ為、これらが自生していると考えられる箇所を中心とした半径20m地点の地中へ、高さ3m厚さ5cmのチタン板を円形となるように埋めて下さい。その後、年に2度周辺地域の調査を行い、SCP-XXXX-JPの地下茎1の範囲とチタン板の破損状況を確認して下さい。また、管理維持を目的とする6人の財団職員以外は、SCP-XXXX-JPが自生している場所への許可無き侵入が禁止されています。カバーストーリー「天然温泉」を設け、財団の下に創設された別組織によって該当地域を管理して下さい。適切に監視されている状況であれば一般市民の接近、及び接触も許可されます。 現在は一般市民には開放されておらず、許可を得た財団職員の場合でも、複数人での接近及び自己嫌悪を抱いている者の接近が禁止されています。また、該当地域より半径5km以内の範囲で似た植物が発見された場合は財団に報告することが全ての職員に義務付けられています。

説明: SCP-XXXX-JPは██県の山岳地帯に存在する火山性温泉の周囲に自生している植物です。その外見はアシ(学名: Phragmites australis)に似ており、およそ840㎡に広がる地下茎、1~4mに及ぶ多くの地上茎から成ります。SCP-XXXX-JPの群生地の中心には70㎡に渡って湯が沸き出して溜まっている地点(以後、SCP-XXXX-JP-A)が存在しており、調査の結果、これが日本の温泉法の基準を満たしていることが分かっています。

SCP-XXXX-JP-Aは20██年██月██日、秘湯巡りを行っていた1人の男性登山客によって発見されました。その後、SCP-XXXX-JP-Aの「効能」を記したブログ記事は█本書かれ、それらが財団職員の目に留まったことで調査が行われました。現在はSCP-XXXX-JP-Aの効能に疑問を呈する記事が反証として財団職員によって書かれ公開されています。


SCP-XXXX-JP-Aについて書かれたブログ記事の一部 (一部抜粋、画像は省略)

第1██回秘湯巡り ██県の山奥に眠る「奇跡の湯」
20██年██月██日

うわ!!!すごい!!!(*´ω`)
めっちゃ肌スベスベになってる!!!(((o(*゚▽゚*)o)))

ってあれ?おかしいな、右足に火傷の跡が一つあったはずなんだけど
治ってる?え?中学の時にヤカンひっくり返して付いたあの傷が?えっ!?!?!?
嬉しいわー、自業自得だけど学生時代からコンプレックスだったんだよ!((+_+))

【検証】「奇跡の湯」は本当に「奇跡」を起こすのか
20██年██月██日

最近、秘湯マニアの間で話題になってる「奇跡の湯」。
正直半信半疑でしたが、まとまった休みが取れたのでこれは行くしかないと。

(中略)

感想ですが、ああこれは効くな、という感じでした。
身体から嫌な物が抜けていくのが分かるようでとても心地良かったです。
噂のように傷が治るとかは無かったけど、うん、これは「奇跡の湯」って呼ばれますね。

追記: 次の日健康診断に行きましたが、かねてから悩まされていた高血糖に改善が見られました。特に意識して血糖値を下げる食事をとっていた訳じゃない(ダメじゃん)ので、もしかしたら本当に奇跡が……?


当時の記事内においてSCP-XXXX-JP-Aが人間へ危害を加えた例は見られませんでしたが、財団は温泉が持つ未知の性質故、周辺地域をカバーストーリー「水質調査」によって一時的に閉鎖しました。その間、Dクラス職員らを用いた簡易的な実験が行われました。
Dクラスには身体測定と心理学に則ったアンケートを行い、身体的特徴及び精神状態を確認した後にSCP-XXXX-JP-Aへ10分間だけ入浴させました。そして上がった後にもう一度同手順で同項目を確認しました。内容は以下の通りです。

実験期間中にSCP-XXXX-JP-Aが人間に危害を加えることは確認出来ませんでした。既にインターネット上で認知されているSCP-XXXX-JP-Aの閉鎖が一般市民へ違和感を与えないよう、一旦SCP-XXXX-JP-Aは財団の管理下において秘湯「██温泉」として開放され、その後漸次的に閉鎖する措置が取られました。開放されている間、一般の登山客と財団職員が何名か該当地域を訪れ、その利用の様子は担当職員によって内密に記録されました。

また、開放後、SCP-XXXX-JP-Aを取り扱ったブログ記事の微増を確認しています。しかし場所の為か利用数に大きな変化は見られませんでした。これ以上の一般市民の訪問を防ぐ為、財団職員によるSCP-XXXX-JP-Aに対するネガティブキャンペーンがインターネット上で行われました。

SCP-XXXX-JP-Aが開放されて1年間、温泉の利用者は微減を続けました。
しかし20██年██月██日、財団の監視下でSCP-XXXX-Aの危険性と思しき事象が確認されました。

利用記録017

対象: 若い男女の2名

結果: 男性の消失

補遺: 残された持ち物を調べた結果、男性は浮気をして、女性はそれに気が付いていたとされる

残された女性はAクラス記憶処理を施された後に帰還させられました。また、温泉内の様子を監視していた職員は男性が「溶けていくように無くなった」と証言しています。この事件を受けて財団は「██温泉」ことSCP-XXXX-JP-Aをカバーストーリー「施設の爆発事故」によって無期限閉鎖し、一時閉鎖中では行えなかった更なる調査を始めました。

調査の中で、SCP-XXXX-JP-Aの水を別の場所へ大量に移動させてその効能を調べる実験が行われました。結果は以下の通りです。

利用箇所 身体的効能 精神的効能
SCP-XXXX-JP-A 実験記録を参照 実験記録を参照
財団日本支部 効果なし 効果なし
サイト81██ 効果なし 効果なし

これによってSCP-XXXX-JP-A自体は特異性を持たないと判断されています。
2年半に及び財団の調査が続けられた結果、水に特異性を持たせているのはSCP-XXXX-JP-A周辺に生息している「アシに似た植物」の群生と断定され、それらはSCP-XXXX-JPと名付けられ財団の監視下に置かれました。

SCP-XXXX-JPの群生の一部を刈り取って調査した結果、地上茎の組織内に赤い斑点が見られました。分析の結果、これは人間の血液に含まれるヘモグロビンと判明しています。また、地上茎の先端に作られた穂の部分には異常量の脂肪分が含まれていました。

植物は光合成によって栄養を獲得するが、それでも根から吸収しない訳ではない。仮に人間の血や脂肪を吸収したのであれば根から吸収したと考えるのが自然だろう。しかし、まだ栄養分が含まれているだろう人間の血ならともかくとして、脂肪を吸収するとはどういうことだろうか。――草津博士

植物学者の草津博士と温泉学教授の鬼怒川博士により、以下の実験が執り行われました。

実験を経て、両博士はSCP-XXXX-JPの特性を「人間が『不要である』『不都合である』と思った物を、水を通して根から吸収する」こととしました。このことは続いて行われた追加実験で限りなく事実に近いとされていますが、SCP-XXXX-JPが人の感情・思考を読み取る手段は未だ判明していません。2人の報告を受けた財団幹部はSCP-XXXX-JPの不動性からオブジェクトクラスをSafeに指定し、当オブジェクトの性質について説明を受けた財団職員4人を周辺地域へ配置して管理維持に当たらせました。


補遺1: SCP-XXXX-JPのオブジェクトクラスが指定されてから数年後、該当地域周辺の水場の定期調査していた鬼怒川博士はSCP-XXXX-JPに似た植物が新しく生えているのを見つけました。博士の報告を受けた財団と草津博士の調査の結果、これらは同じ性質を持つSCP-XXXX-JPだと判明しました。鬼怒川博士の発見によりSCP-XXXX-JPの生息範囲はおよそ30m広がったと推定されています。
この報告を受け、財団は当オブジェクトのクラスを当初のSafeからKeterへ引き上げました。更に財団職員が追加で2名配置されました。収容の為、SCP-XXXX-JPの生息範囲より外側にチタン製の地下壁を埋め込み、これ以上の増殖を防いでいます。

補遺2: 鬼怒川博士の発見を受け、草津博士の追加実験が行われました。結果は以下の通りです。

補遺3: 20██年██月の記録的な豪雨によりSCP-XXXX-JP周辺で小規模の洪水が発生しました。これによりSCP-XXXX-JPの生息範囲が変化した可能性があります。詳細については現在調査中ですが、かつてのSCP-XXXX-JPの生息範囲より半径5km以内は要注意領域とされ、その中で似た植物を発見した場合は財団への報告が義務付けられています。