アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはその性質上、収容不可能です。SCP-XXX-JPは治療不可能です。また、ゴーグルやマスク、空気清浄機等の予防も不可能です。
SCP-XXX-JP-1を発見し次第、SCP-XXX-JP-1を直視しない方法で即時終了して下さい。
説明: SCP-XXX-JPは世界各地の2月から8月の間に発症する花粉症に類似した致死性の突発的症状です。症状は対象が死亡するまで進行します。一度発症した時の致死率は全段階含め100%です。症状は精密検査を行わない限り通常の花粉症ととても似ています。SCP-XXX-JPには元となる草木が存在せず、人間の意識として発症します。
SCP-XXX-JPの症状は大きく次の3段階に分類されます。
- 第1段階: 目の痒み、くしゃみ、鼻水、鼻詰まりなどの一次症状
- 第2段階: アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、花粉症皮膚炎、アレルギー性咽喉頭炎、中耳炎、蓄膿症、花粉喘息などの二次症状
- 第3段階: 失聴、失明、呼吸困難、アナフィラキシーショック、[削除済]などの末期症状
症状は3時間で段階的に進行します。また、段階に関係なく最短10分の間に78%の確率で死亡することがあります。これらの症状は薬品による緩和及び治癒は不可能ですが、促進は可能です。
SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JPの影響を受けている人物を示します。SCP-XXX-JP-1を直視した人間はSCP-XXX-JPの影響を受け、SCP-XXX-JP-1に変化します。
補遺1: SCP-XXX-JPによる死亡例
日付19██/05/██ (38歳/女性/眼科医)
- 花粉喘息による呼吸困難で死亡
日付19██/07/██ (28歳/男性/耳鼻科医)
- 睡眠中の鼻詰まりによる窒息死
日付19██/04/██ (18歳/男性/学生)
- 花粉症皮膚炎の激しい痒みによりショック死
日付19██/05/██ (56歳/女性/耳鼻科医)
- 咳を原因とする吐血により死亡
日付19██/02/██ (43歳/男性/耳鼻科医)
- [削除済]を発症したことよる消滅
日付19██/03/██ (78歳/男性/無職)
- アナフィラキシーショックを引き起こし死亡
日付19██/03/██ (5歳/女性/幼児)
- 痰が気管支に入ったことによる窒息死
日付19██/06/██ (13歳/男性/学生)
- 大量の鼻水排出による脱水症状で死亡
日付19██/06/██ (36歳/女性/看護師)
- 咳による骨折が原因で死亡
日付19██/08/██ (53歳/男性/耳鼻科医)
- [削除済]を発症したことよる消滅
SCP-XXX-JPは花粉症の重度症状を意識的に引き起こし死に至すことが判明しました。
また、SCP-XXX-JPによる死亡または消滅は年間█████件発生していることが後の調査で明らかになりました。その被害者の多くが医療関係者だということも判明しています。 —██研究員
補遺2: SCP-XXX-JPの実験記録
実験記録1 - 日付20██/03/██
対象: SCP-XXX-JP-1-a実験目的: 投薬による治療が可能か。
実施方法: SCP-XXX-JP-1-aに花粉症用の医薬品を投与する。
結果: SCP-XXX-JP-1-aの症状に変化なし。
分析: SCP-XXX-JPには花粉の実体が無く、知覚及び認識に作用しているため変化が起こらなかったと考えられる。
実験記録2 - 日付20██/04/██
対象: D-4771実験目的: 通常の花粉症と同じく予防ができるか。
実施方法: D-4771を洗浄した後、ゴーグルとマスクを装備させ空気清浄機を設置した部屋で3日間生活させる。
結果: D-4771は問題なくSCP-XXX-JP-1に変化した。
分析: SCP-XXX-JPに通常の花粉症対策は無意味だと判明。今後、このD-4771をSCP-XXX-JP-1-bと表記する。
実験記録3 - 日付20██/04/██
対象: SCP-XXX-JP-1-b実験目的: 人間の知覚や認識を麻痺させ、意識を喪失させた場合はどうなるか。
実施方法: SCP-XXX-JP-1-bに知覚や認識を麻痺させる薬を投与する。
結果: SCP-XXX-JP-1-bの知覚や認識能力は麻痺したが、SCP-XXX-JPの症状は通常の2倍の速さで進行した。
分析: SCP-XXX-JPは意識に影響を与えているが、それらを司る組織が麻痺した場合は症状の進行が増加すると判明。
実験記録4 - 日付20██/05/██
対象: 実験用ネズミ一匹実験目的: SCP-XXX-JPが人間以外の動物でも発症するか。
実施方法: 実験用ネズミにSCP-XXX-JP-1-cを曝露させる。
結果: 実験用ネズミはSCP-XXX-JPの影響を受けなかった。
分析: SCP-XXX-JPの標的はあくまで人間だということが判明しました。
補遺3: SCP-XXX-JPの事故記録
日付20██/04/██
<記録開始>
実験が終了し、SCP-XXX-JP-1-bを収容施設に移送しようと4名の研究員が実験施設に入る。
15秒後、SCP-XXX-JP-1-bを確認した瞬間4名の顔に目の充血や鼻をすする動作が確認できる。4名のうち1人が目を擦りながら医療部隊を要請する。
19分後、医療部隊が到着する。医療部隊はSCP-XXX-JP-1-bと4名の研究員を医療施設に移送する。
医療施設に到着の後、4名の研究員は医療部隊に先導され精密検査室を入る。40分後、4名の研究員が精密検査室が出てくる。
この時、4名ともにSCP-XXX-JP-1に変化していたことが判明しているが、発生の経緯は不明。25秒後、輸送に関わった医療部隊員及び検査員がアレルギー症状を訴え始める。そして検査の結果、アレルギー症状を訴えた医療部隊員及び検査員はSCP-XXX-JP-1に変化していることが判明する。
<記録終了>
事後報告: この事件で発生したSCP-XXX-JP-1は皆口を揃えて「SCP-XXX-JP-1-bが視界に入った瞬間、アレルギー症状が起こった」と言っています。このことからSCP-XXX-JPはSCP-XXX-JP-1を視認することで感染すると判明しました。また、モニター越しに観察していた職員には異常が見られなかったため、あくまで"直視"することが関係すると考えられます。
事件の後、SCP-XXX-JP-1-bを含むSCP-XXX-JP-1たちは速やかに終了させられました。
SCP-XXX-JP-1を視認するだけでSCP-XXX-JPを発症するなんて予想外だ・・・
まあ、せめてもの救いは奴らが最短10分の間で死亡することだな。突然大量発生するのは最悪だが・・・
今後、財団内にSCP-XXX-JP-1による被害を出さないためにも新たに発生したSCP-XXX-JP-1は即時終了しろ。絶対だぞ?あと、今のところは死体には異常性ないから、死体処理は通常の死体処理方法を適用しておいてくれ。今のところはな・・・。 —██博士
██博士はこのメモを残した後、目の痒みを訴え自己終了しました。後の司法解剖の結果、██博士は普通のスギ花粉症だと判明しました。