plumstar0655

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはアクリル製の飼育ケージに入れた状態で小型生物用収容室に保管されています。食事として一日に100g以上の銅板を与えてください。SCP-XXX-JPが脱走したことが確認された場合、サイト-81██敷地内での車両の運転をすべて禁止したうえで捜索及び捕獲活動が進められます。

サイト外部にてSCP-XXX-JPが原因とみられる交通事故が発生した場合は、関係者に記憶処理を施したのち、カバーストーリー「野生動物との接触」を適用します。その後、周辺の捜索を行い、SCP-XXX-JPを発見次第収容してください。SCP-XXX-JPを発見できなかった場合は、周辺地域に殺虫剤を散布した後、一定期間周辺の自動車道で、工事を理由とした速度制限を実施し、更なる事故の発生を防ぐ事が義務付けられています。事故車両を撤去する際は、必ず財団職員が立ち会い、SCP-XXX-JPが車体に潜んでいないかを確認したうえで撤去作業を行ってください。

説明: SCP-XXX-JPは、外見がハエトリグモ(Salticidae)と近似した未知の種類のクモです。SCP-XXX-JPが一般的なクモと大きく異なる点として、金属を栄養として摂取することが挙げられます。また、ハエトリグモの原種とは異なり、巣を利用した狩猟活動を行います。後述の習性上、二つの壁、もしくは二本の柱の間に数本の糸を渡す、という独特な形状の巣を張ることが確認されています。

SCP-XXX-JPの野生の個体は██県内のごく狭い範囲に分布しており、現在のところ財団はSCP-XXX-JPの全個体を収容しきれていません。もしSCP-XXX-JPが都市部にまで生息域を広げた場合、交通や住民の生活に大きな被害をもたらすことが予測されるため、財団はSCP-XXX-JPの生息域の拡大を防ぐことに力を注いでいます。

SCP-XXX-JPの糸は、接触する物体の速度に応じてその性質を大きく変えます。接触する物体が人間が歩行する程度の速さだった場合では、SCP-XXX-JPの糸は一般的なクモの糸と同様の強度を持ちます。接触する物体の速度が時速60㎞を超えると、SCP-XXX-JPの糸は硬質化し、接触した物体は糸に衝突する形で停止します。接触する物体の速度が時速100㎞を超えると、SCP-XXX-JPの糸は接触した物体を切断する程の強度を持つようになります。糸の成分からは幾つかの種類の金属が検出されており、SCP-XXX-JPは、摂取した金属を混ぜ込むことで糸を硬質化させているものと見られますが、接触する対象の速度によって硬度が変わるメカニズムについては明らかになっていません。SCP-XXX-JPはこの糸の性質を利用し、通行する自動車、および自動二輪車を停止、損壊させ、食料である金属を手に入れるという狩猟活動を行うことが明らかになっています。

SCP-XXX-JPは、██県██市内において連続して起こった不審な交通事故がきっかけとなり財団に発見されました。いずれの事故においても、事故車両は大きく損傷しているものの、付近のガードレールに衝突の痕跡はなく、また対向車両の通行もなかったことが確認されています。一連の事故の中で財団が特に注目したのは、自動二輪車に乗っていた成人男性が頭部の切断により死亡した一件でした。調査の結果、死体の切断面がほぼ完全な平面であること、ヘルメットには何かに衝突した形跡が一切見られない事、などの異常な事実が明らかになりました。詳しい調査のため、研究チームが車両で現場に向かった所、現場付近にてSCP-XXX-JPの糸に衝突、█名が負傷しました。その際、研究員の一人が糸の持つ異常性に気づき、サンプルを確保しました。その後、糸の成分の分析を行った結果、事故に関わっているのが付近に生息するSCP-XXX-JPであることが明らかになりました。

補遺: SCP-XXX-JPは、そのほとんどが██県の██山付近において発見されています。本来、SCP-XXX-JPは元鉄鉱山である██山内に生息していたようです。その後、鉱石の枯渇により鉄鉱山は閉山、それに伴いSCP-XXX-JPは現在の範囲まで生息域を広げたものと見られます。当時の鉱山の従業員にインタビューを行ったところ、レールの損傷によるトロッコの脱線事故が相次いで起こっていたこと、その際、積載していた鉱石の一部が消失し、発見されなかったことが確認されています。SCP-XXX-JPは、車両を停止させることで金属が手に入ることを学んでおり、現在もその経験に基づいた狩猟活動を行っているようです。

事案XXX-1 日時: 20██/08/22