保管庫

執筆中scp

タイトル「廃船のネズミ捕り」

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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル:

説明: SCP-XXX-JPは一隻の監獄船であり、船型や過去の資料から、18██年から利用されていたイギリスの監獄船「██くろぬり」と同一の、又は酷似した特徴を持った船舶であることが判明しています。SCP-XXX-JPは通常、その存在を認識することができません。SCP-XXX-JPが反ミーム的特性、又は局所的な空間隔離能力を有している可能性が指摘されていますが、現在までのところこの認識の不可能性についての明確な回答は得られていません。SCP-XXX-JPは明らかな劣化の兆候を見せており、内部の監獄の殆どは錆び、破損しています。また、内部には明らかに過去囚人が監獄に入れられていた痕跡が残っています。牢の数や、痕跡の数から、元々SCP-XXX-JPには200人以上の囚人が収監されていたと考えられています。しかし、それら囚人の遺体は4体を除き発見されておらず、残りの囚人の行方は不明です。

SCP-XXX-JP内部に適切な処置をとった状態で入らなかった人物は、高確率で発疹チフス、皮膚病、壊血病、赤痢、コレラなどに非常に似た症状を表します。これら症状の発症確率は、その人物がSCP-XXX-JP内に滞在した時間に比例して増大することが判明しています。適切な防護服を身にまとった状態であれば、これら症状を発症することはありません。これら症状は中世の船舶においては一般的な症状であり、その原因は船内環境の不衛生、食の偏りによる栄養不足、医療に精通する船員の不足などが上がられます。しかし、SCP-XXX-JP内は不衛生であることを除けば、これら症状を直ちに発症する要因は認められておらず、これら症状がどのようにして発生するのかのメカニズムは目下研究中です。

SCP-XXX-JP-1は一匹のイエネコです。体長は約30cm、黒毛で人に対する警戒心が薄く、老化の兆候を一切示しません。SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JPを認識するために必要な、唯一の手段です。SCP-XXX-JP-1は時折、あらゆる障壁を通過し、SCP-XXX-JPの元までただ一人の人間を誘導する、「招きイベント」を発生させます。この誘導の過程は時として、誘導されている人間にも障壁の通貨能力を与え、空間転移に類似した現象を発生させます。最終的にSCP-XXX-JP-1と誘導された人間は所在不明な埠頭に辿り着きます。GPS装置による追跡によれば、その場所は現在埋め立てられており、埠頭は存在しないことが明らかとなっています。誘導された人物はその後、目の前にSCP-XXX-JPが碇泊しており、いつでも乗り降りが可能な状態であることを認識します。誘導された人物はこの時、SCP-XXX-JP-1についていきSCP-XXX-JPに乗船するか、乗船を拒否しそのばから離れるか選択することが出来ます。その人が後者を選択したならば、その人はイベントが発生する直前にいた場所へ転移し、SCP-XXX-JP、SCP-XXX-JP-1に関する記憶を全て喪失します。

補遺1-回収された文書:


タイトル「ハイパーストラクチャ」

yosh0123yosh0123のアイデア<ハイパーストラクチャ>を原案とします。

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アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Safe-doctrina1

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは全5区画に分割され、それぞれが無機的オブジェクト収容サイト-8421に収容されています。収容室はSCP-XXX-JPの発見当時の状態を可能な限り保持するため、海水で満たされています。収容室は外部と繋がり、海水を常に循環させることで、調査や研究による環境悪化を防止します。各区画の研究状況は一つのデータベースにまとめられ、SCP-XXX-JPの合同研究チームは誰であっても、そのデータベースを閲覧することができます。ただし、データベースの編集を行えるのは各区画の研究責任者のみであり、編集を加えた場合には責任者に報告義務が生じます。報告のない編集は差し戻されます。

SCP-XXX-JP内部の探索は十分にダイビング能力に優れていると判断された人員のみで構成された、4名からなる調査チームによって行われます。調査チームは探索の際、外部との連絡手段を常に確立し、これを損失しないことを第一優先事項と見做します。調査メンバーは捜索終了後に、捜索内容を報告する義務が生じます。

SCP-XXX-JP内部の捜索によって、内部の状況は殆ど明らかとなり、その異常性も判明しているため、現在では基本的に調査チームの捜索は行われません。しかし、SCP-XXX-JPに関する調査は継続されます。

説明: SCP-XXXX-JPは全長400.8m、全高74.2メートル、推定重量27万トンの超巨大構造物です。SCP-XXX-JPは本来、フィリピン海海底で発見された由来不明の巨大船舶の艦橋部分でしたが、現在までのところSCP-XXX-JPを除く船体内部に異常性は確認されていません。SCP-XXX-JPは概ね鋼鉄製であり、一部に非異常な木材が使用されています。その材質に異常性はありません。SCP-XXX-JPは大きく分けて6つの区画に分かれており、それぞれの区画へは、各階層に二か所設置されている梯子を使用することで行き来が可能ですが、研究上の利便性に鑑みられタ結果、現在では5つの区画ごとに分解されています。

SCP-XXX-JPの主要な異常性は6つの区画ごとに異なります。便宜上、各階層を第一区画~第六区画と指定し、各階層の潜入調査が行われています。以下に示すのは、2020年7月2日現在までに行われた調査の結果明らかとなった、各階層の異常性の説明です。

第一区画: 巨大なセンサを除き、SCP-XXX-JPの最上部に位置し、SCP-XXX-JP第2区画正面から大きく突き出した箱型の区画です。底面を除く四方が厚いガラスで覆われており、内部から外部の状況を観察することが可能です。海底に放置され続けた影響によるものと思われるひびが各所に確認できますが、現在までのところ目立った損壊報告は挙がっていません。内部には計測機器、操作盤と思われる機会設備が多数存在していますが、そのいずれもが現在の地球上のあらゆる機器との互換性を持ちません。これら機器を再現する試みは失敗に終わっています。しかし、これら機器は現在でも正常に動作しており、その動力源は不明です。これら異常な機器類を除けば、当区画に異常性はありません。

第二区画: SCP-XXX-JP第3~6区画の前部を貫通する、最も厳重に装甲された楕円筒型の区画です。第一区画と隣接して存在しており、第5区画の出入口からのみ進入が可能でした。当区画へ通じる扉が厚さ540mmの気密ハッチであること、内部構造が第二次大戦期の戦闘艦の司令塔に類似していることなどから、1930年以降になってから建造されたと推測されていますが、正確な建造年日は判明していません。外壁両側面4か所に舷窓が設置されていますが、内部とは通じておらず、どのような理由からこれら舷窓が取り付けられたのかはわかっていません。第二区画内は由来不明の光源で隅々まで照らされています。第二区画はそれ自体が常に細かく振動しており、低周波帯の音波が発振されています。第二区画を中心に半径100kmに潜入したすべての大型船舶(潜水艦を含む、また戦闘能力の有無を問わず)は、当区画の内壁に、当区画からの距離や戦闘能力の有無などの情報を含んだ文字列とともに「影」のように映し出されます。この機能は現在の軍事センサーと同等かそれ以上の能力を有すると推測されています。

第三区画: 詳細不明。詳しい理由については補遺を参照してください。

第四区画: 多数の機器が設置されていた痕跡が残っているモノの、そのほとんどがなんらかの巨大な物理的作用によって引きはがされ、持ち出されたと推測される跡が諸所に確認されています。当区域内に設置されていた非異常なセンサ類は残っていますが、故障しています。当区域に特筆できる異常性は存在しませんが、便宜上ここを第4区画と呼称しています。

第五区画: 調査中につき執筆は控えます。—第五区画内部調査隊隊長 ”鞍馬”

補遺1-SCPオブジェクト登録以前の歴史: SCP-XXX-JPの目撃情報として最古のものは1944年です。目撃者はすでに故人であり、正確な情報であるかは疑わしいとされていますが、目撃者の親族によれば「長門艦上からたしかに扶桑型戦艦に酷似する船をみた」と幾度も語っていたといいます。しかし、のちの調査で蒐集員が当時、「突如として出現する巨大戦艦」をはっきりと目撃し、記録していたことが判明したために、この証言の信ぴょう性の再評価が為されることとなりました。

現在以降、最初にSCP-XXX-JPを発見したのはポール・アレン率いる海底調査チームでした。同チームは2015年3月に戦艦「武蔵」を発見した後、フィリピン海周辺で海底調査を行っていました。同年5月末、チームは海底に存在する「軍艦の艦橋構造に類似する巨大構造物」を自立型無人潜水機AUVにより発見していました。チームは反復してAOVによる音響調査を対象の構造物に対して実施した後、遠隔操作型無人潜水機ROVを用いて対象の具体的な外観を観察しました。チームはフィリピン海域の調査を6月末に終了し、調査海域を北大西洋に移しました。当時、チームが蒐集した対象の構造物に関する情報はすべて、ポール・アレンによって完全に隠蔽されました。そのため、財団が対象の構造物、SCP-XXX-JPを発見したのは2016年8月の海洋性アノマリー調査の一環で偶然にも発見されるのを待つことになりました。ポール・アレンがこの情報を隠蔽した理由は、2016年12月に行われた当時の調査チームメンバーへのインタビューで明らかになりました。

率直に申しますと、あの巨大構造物はあの場にいた私たち全員を驚かせ、そして焦らせました。なぜなら、あの構造物、私たちはアンノウンと呼んでいましたが、それが明らかに私たちが知るどの国の軍艦とも異なっていたからです。形だけであったら、私たちがよく知る帝国海軍の戦艦「扶桑」および「山城」に酷似していたのですが、その大きさは人知を超えていました。あれほどまでの大きさの艦橋をもつ軍艦は、私たちが知る限りでは、存在しません。それがフィリピン海の底に鎮座している!
これは大スクープだと思いました。世界に発信すれば大反響間違いなしでした。だからこそ、私たちはあれの公表を控えました。あなた方も知っているでしょうが、私たちチームはたとえ軍艦を見つけても、それが具体的にどこにあったのかは公表しません。公表すれば、どこかの墓荒らしどもの餌になることは目に見えていたからです。
しかし、私たちのほかにも、あれを発見した団体がいたなんていうのは予想外でした。どうやって見つけたんです?いつから探してたのです?そもそも、あなた方はあれがなんなのか知っていたんですか?

補遺2-SCP-XXX-JPの多元宇宙論的研究: SCP-XXX-JPの有力な起源として挙げられている仮説が「SCP-XXX-JPの異空間転移説」です。その根拠として、SCP-XXX-JPの底部にある局所的な捻じれに物理学的理由付けが行えないこと、SCP-XXX-JPがほとんど時間を掛けずに発見地点に出現していたことがほぼ確実であること、SCP-XXX-JP内から収集された文書にこの説を示唆する内容が含まれていること等が挙げられています。この仮説は2017年にScranton博士によって立証された「多元宇宙の非干渉性の破れ」を根拠として、何ら論理的矛盾を含むことなく証明することが可能となりました。

各支部主任研究者覚書


結論として、SCP-XXX-JPはこことは違う、そしてこの宇宙と非常に密接した異空間で、何らかの巨大な衝撃を被り、その結果としてここに出現したということです。その異空間がどこにあるのかは、我々の知りえないことではありますが、この仮説が事実だとすれば、我々は多元宇宙に関する重要な研究材料を手に入れたことになります。-桑名博士


この仮説で重要なのは、SCP-XXX-JPの異常は破壊不能性と、乗組員の消息をつなげて説明することが出来る点です。発見されたとき、SCP-XXX-JP内には誰もいませんでした。ただ人がいた痕跡があるだけでした。しかし、外部からこの仮説が成り立つほどのエネルギーが加わったとなると、いくらSCP-XXX-JPが堅牢であっても、内部にいた人間はひとたまりもない。おそらく、乗組員は空間を転移する瞬間にはすでに内壁にとてつもない速度で衝突し、塵となっていたことでしょう。内壁をより詳しく分析することが出来れば、乗組員の残滓が検出されるはずです。-Dr.Friedmann

補遺3-インタビュー記録: 2040年前後に起きた財団内の技術的ブレークスルーによって、SCP-XXX-JP内をより綿密に調査することが可能となりました。それまで中断されていた捜索が再開され、結果として微量の人由来成分を各区画の内壁から採取することに成功しました。成分は解析され、現在までにSCP-XXX-JP内を捜索したどの職員のものでもないことが確かめられました。財団の再生医学部門は最先端の記憶再生術によって、乗組員の情報を組織から吸収し、複数の乗組員の統合意識概念体として再構築することに成功しました。以下は概念体(対象Aと表記)と専用の機器を介して行われたインタビュー記録です。

質問者: 安部 公、再生医学部門、脳神経再生科博士

回答者: 対象A


質問者: 初めまして。

回答者: 此処は?

質問者: 病院ですよ。

回答者: お前は誰?何も見えぬ。

質問者: 今のあなたに目はありませんから、何も見えないのは仕方がありませんね。

回答者: 我はいまどうなっている。感覚がない。我はどうなっている。

質問者: それを知る必要はありませんし、正直なところ、私にもあなたの形状は分かりません。

回答者: お前は誰だ?

質問者: 私は研究員です。私はあなたにあの巨大な船橋内で何があって、今に至るのかを、あなたが知っている範囲の全てを知るためにここにいます。

回答者: 我は生きているのか?

質問者: 私はあなたの質問に答えるためにここに来たわけではありません。しかし、あなたは現在、生きているとも死んでいるとも判断できない状態にいるということは答えることができます。そして、あなたの生死を我々が操作することができることも。

回答者: 我を殺そうというのか?

質問者: いいえ。あなたが質問に答えてくれれば、なにも問題ありません。

回答者: 我に何を答えられる?

質問者: 私たちが一番知りたいのは、あなたが乗っていた船についてです。

回答者: 船?あれが船だと?

質問者: 船ではないのですか?

回答者: あれは船なんてものではない。あれは城だ。それも、一国分の容積を誇る、巨城だ。

質問者: それは私の認識と食い違います。私たちの見積もりでは、あの大きさの艦橋は確かに常軌を逸してはいますが、しかし一国分の大きさを持つ船の艦橋とは。

回答者: お前たちは艦橋を見ていながら、船其の物を見ていないのか?そんなことがありえるか?それとも、あまりの大きさにあれを船と認識できなかったのかもしれん。

質問者: 少なくとも、あなたの言うような超巨大構造物を、私たちは認識できていません。私たちが認識できているのは、あの戦艦の艦橋に似た構造物です。そこからあなたは発見されたのです。あなたはあの構造物を知っているはずです。あの構造物はいったい何なのですか?

回答者: お前、あれを艦橋と呼んでいたのか。もしそうなら見当違いだ。あれは単なる電探にすぎん。我はそこに就いていた電探員だ。

質問者: では、船はどのようなものなんですか?

回答者: 先ほども言ったように、我から見て、あれは船という概念をはるかに超越した巨体を誇る。おそらく、あれほどの大きさのものはどの世にも存在しないだろう。しかし、造船所の者に言わせれば、船はいくらでも巨大にできるらしい。まったく信じがたいことだ。

質問者: その船はなんのために作られたのですか?

回答者: あれは軍艦だ。その建艦理由は一つだろう。すなわち、敵を撃滅すること、敵を海の藻屑に変えることだ。

質問者: では、あなたはその船に乗り、戦闘をしていた?

回答者: いいや。あの船は艤装が完了して日が経っていなかった。まだ砲の1つも打ったことがない。それどころか、能動的に動かしたこともなかったのだ。

質問者: つまり、完成して間もなかったと。

回答者: いや、そうではない。船自体はかなり前に完成していた。だが、船を動かす動力、つまりエンジンの開発に時間がかかっていたのだ。その開発も造船所のものが請け負っていたのだが、どうもあれほどの巨体を動かそうとした時に必要なエネルギーを生み出せる機械を作るのは、彼らですら困難であったらしい。

お前も二乗三乗の法則は知っているだろう。この法則を考えれば、あの船がどれほどの排水量を誇っていたかは想像できるはずだ。実際、あの船が閉鎖海域に着水したとき、海域の水位が平均して数十mも上昇し、我らの宿舎はほとんど水没してしまったのだ。それほどの超質量の船を動かそうとしたら、そこらのディーゼルエンジンごときでは歯が立たぬことは、門外漢な我にもわかる。そこで、新たなエンジンが考え出されたわけだ。我は詳しいことはさっぱりわからんが、噂によれば、そのエンジン1つで富士の山を消し飛ばせるエネルギーを得られるらしい。

質問者: では、その船は実際には動かすのを、あなたは見ていないのですか?

回答者: いやいや、私は確かにあの船が動いているのを見たぞ。しかし、不思議なことに、あの船が動いた直後からの記憶がないのだ。

質問者: 何かしらの事故があったのでしょうか?

回答者: 思い出せない。ただ、とてつもない揺れに襲われたのは覚えている。そういえば、船の周りに煙がたっていたような気がするが。おそらく、エンジンの出力が高すぎて、海水が熱せらて蒸発していたのだろうな。もしかしたら、その熱で船のどこかしらに不具合がおきたか、弾薬かなにかが爆発したか。

質問者: では、その船がいまどうなっているかは、全く分からない?

回答者: 分からぬ。

質問者: 実はあなたが発見された、電探というのは、それ単体で見つかったのですよ。つまり、船そのものの痕跡はまったく見つかっていないのです。

回答者: ああ、ならば船そのものも無事ではないだろう。なんたることだ。あの煙はやはりそういうことだったのだ。得体のしれない造船所に依頼されて作られた船という話を聞いたときから不吉な予感がしていたのだ。もう欠片も残ってはいない。もう終わりだ。お前たちがあの船を見ていないというなら、あの船は跡形もなく消滅したのだろう。お前たちは盲ではない。ないものは見れぬ。ああ、なんと哀しいことか。

質問者: ご回答ありがとうございました。ひとまず、インタビューはここまでとしましょう。また後日、お話しさせてください。

回答者: ああ、我を生かしてくれるなら、もう何でもいい。我も疲れた。しばし休もう。

補遺4-最新の研究: SCP-XXX-JPに関連する研究テーマで最も優先されているのは、SCP-XXX-JPの接続されていた超大型不明船舶の捜索手段の確立です。現在までのところ、観測可能な宇宙内に超大型不明船舶の存在は確認されておらず、隣接する多元宇宙空間を航行している可能性が最も高いとされています。

超大型不明船舶の形状が戦艦「扶桑」と相似していると仮定した場合、超大型不明船舶は全長9km、全幅1.5km、排水量8億1000万tになると概算されています。超大型不明船舶の航行原理は不明ですが、20ノットで航行する場合の運動エネルギーを考慮した場合、対象Aの発現には誤りがあるか、搭載されているエンジンの出力が過剰である可能性があります。対象Aの発言を参考にすると、搭載エンジンの出力は超大型不明船舶を動かすのに必要なエネルギー量のおよそ10億倍以上になると見積もられており、あらゆるシミュレーションが船内の全人員がエンジン動作と同時に消滅するという結果を出しました2

そのため、現在の超大型不明船舶は漂流状態にあるとされています。これら仮説から、財団は電磁波を用いた多元宇宙間探索の規模を広げ、超大型不明船舶の発見を目指しています。発見された場合、超大型不明船舶に当ページの番号が割り振られ、SCP-XXX-JPはその付属品という扱いになり、新たにSCP-XXX-JP-Aとナンバリングされます。

付録-要注意兵器-999探索作戦: SCP-XXX-JPが付属していた超大型船舶は戦闘力を有しており、それが当該世界に出現したときの脅威度の高さに鑑み、当該船舶を要注意兵器-X999と指定した、多元空間捜索が決定しました。この捜索に先立ち、地球オカルト連合より一部、技術支援を受け、X999と戦闘状態に突入した際に対応可能な装備を次元間で移動可能にし、可能ならば、X999を無力化する計画が立案されました。当作戦に参加する人員は全て、統合部隊Σ(”Pangea”)に所属し、作戦要綱の詳細を閲覧することができます。

パンゲア部隊加入希望者に向けた文書


参加条件: 心身ともに健康で、歯科、血液科、その他必要とされる全ての医療機関で診察を受け、問題ないことが証明されている者。多元宇宙航行訓練を評価B以上で修了している者。現在、優先度3以上の研究に参加していない者。以上の点全てに当てはまり、且つ所属サイト管理官の推薦を受けた者。


参加において提出が必要な書類: 親族に向けた遺書。所属していた研究所に向けた研究の引継ぎ申請書。診察明細書。多元宇宙航行訓練修了証明書。パンゲア部隊加入に向けた宣誓書。


参加後の過程: 能力適正テストを受講(加入当日)。希望配属班の回答(加入当日)。配属班決定(加入から一週間以内)。配属班で各々が所定の訓練を実施(配属から作戦本実施まで)。


作戦責任者覚書: 上記を読んで、当部隊への参加を断念した諸君は賢明な判断を下した。この文書のことはすっかり忘れ、元の業務へ戻ってくれて構わない。

そして、当部隊への参加を希望する命知らずで好奇心に殺されることを厭わないマッドサイエンティスト、アウトサイダー、又は生粋の財団職員。諸君の判断は非常に論理に外れている。まったく馬鹿げているし、大雑把すぎる。諸君もそう思うだろう?

だからこそ、我々は諸君が必要だ。ようこそ、パンゲア部隊へ。-Dr.Rangstorm

予定タグ
scp-jp リサイクル2019 船舶




執筆中tale

「進水式」

記事になるかもしれないアイディアたち

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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid Keter

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-81XXの、気温が常に23~25度に保たれる自然環境再現区画-04に収容されます。区画内環境整備以外の目的で収容区画へ入ることは禁止されています。整備を行う人員は収容区画へ入る前に身体検査を受けなければなりません。収容区画内の整備で使用する物品以外を持ち込むことは禁止されています。

未収用状態のSCP-XXX-JPの収容のため、渉外部門、諜報部門、物流部門、保安部門の共同捜索活動が行われています。収容施設外でSCP-XXX-JP-Aが出現する事態になった場合は航空機動部隊が出動し、SCP-XXX-JP-Aによる被害の拡大防止に努めます。

説明: SCP-XXX-JPは外見、及び遺伝子が二ホンミツバチ(Apis cerana japonica)と一致する異常生物群です。現在までの研究により、異常性を発現するのはメスの働きバチのみであり、オスのハチと女王バチは異常性を発現しないことが判明しています。SCP-XXX-JPの異常性は遺伝し、女王バチとなったSCP-XXX-JP個体は新たなるSCP-XXX-JPを生み出します。
SCP-XXX-JPの異常性は、SCP-XXX-JPの巣へスズメバチ亜科(Vespinae)に属する昆虫(報告書内では総括して“スズメバチ“と表記)が侵入したとき、または外部からの物理的接触により巣が破損したときに発現します。異常性が発現すると、SCP-XXX-JPは集団でスズメバチ、又は巣を破損させた対象を取り囲み、肉体に激甚的な変化をもたらします。変化したSCP-XXX-JPの肉体は金属光沢を帯びた灰色に変色し、鋼鉄と同程度の堅牢さを獲得します。そして、SCP-XXX-JP個体同氏は、変化した肉体を接合し合い、スズメバチ、又は巣を破損させた対象を中心とする巨大な構造物(SCP-XXX-JP-A)を作り出します。SCP-XXX-JP-Aの外見の種類は概ね軍事兵器と類似しています。現在までに拳銃型、ガトリングガン型、武装車両型、戦車型、駆逐艦型、戦艦型のSCP-XXX-JP-Aが確認されています。
SCP-XXX-JP-Aは排気口に該当する部分が欠如しているため、数分程度でSCP-XXX-JP-A内部の気温は50~60度程度になります。SCP-XXX-JP-Aは内部に閉じ込められたスズメバチ、又は巣を破損させた対象が死亡するまで暴れまわります。SCP-XXX-JPの変化は不可逆的であり、一度変化したSCP-XXX-JPは最終的に自信の硬化変形した肉体によって内臓が押しつぶされることで死亡します

SCP-XXX-JPは2017年6月27日に養蜂を営む民間人からの「飼っていたミツバチが鉄塊になった」という通報を受け、不審に思ったエージェントが現場に出向き、発見されました。収容作業中にSCP-XXX-JPの巣が一部欠損したことによりSCP-XXX-JP-Aが出現し█人の職員が負傷しましたが、ごく小規模な民間人への記憶処理とカバーストーリーの流布により問題なく収容が完了しました。その後の8月31日、Twitter上で「空飛ぶ船を見た」という内容の文章と画像が発見され、事実確認のために画像が撮影された場所まで派遣されたエージェントは日本生類総研の破壊された施設を発見しました。当該施設の存在は直ちに財団に報告され、施設内の捜索が行われました。その結果、未収用状態のSCP-XXX-JPが存在することが明らかになりました。周辺地域に在住する民間人への聞き取り調査の結果、████人がSCP-XXX-JP-Aを目撃していたことが判明しましたが、カバーストーリーの策定が困難であったため、周辺一帯への記憶処理剤の散布が行われました。

施設内の捜索の結果として、財団は複数の重要な未確認以上生物の情報を入手しました。しかし、大半の資料は削除されており、現在はそのバックアップデータの発見が情報部門により行われています。財団が回収したデータの中から、SCP‐XXX‐JPをめぐって日本生類総研と詳細不明の武装集団との間に抗争が発生していたことが明らかになっています。施設内にはSCP‐XXX‐JPの活性化以外の要因によってできたと思われる弾痕が複数発見されています。
 
施設に置かれていたSCP‐XXX‐JPの現在の居場所は判明していません。民間人の証言を基にした周辺区域の捜索は、複数の非異常なミツバチの巣を発見に留まりました。現在の最大の懸念材料として、詳細不明な武装集団がSCP‐XXX‐JPを獲得している可能性が指摘されています。回収されたデータ内では、日本生類総研がSCP‐XXX‐JPを軍事的に利用する案が提出されたのち、何者かに却下された痕跡が存在します。

監視カメラ映像の書き起こし

文書作成者注: 以下の書き起こし内容は施設内の複数の監視カメラ映像の継ぎ合わせたものです。映像内には、膨大な人数の日本生類総研構成員と、複数の未確認異常生物が認められました。しかし、今回はそれらすべてを文章化することはせず、SCP-XXX-JPと関連性のある部分のみを切り抜いています。完全な映像記録の閲覧を希望する方はサイト-8176の重要保管室を訪れてみてください。


日付: 2017/08/31


<閲覧開始>

<07:00>: 周囲を野花に囲まれた空間3の中心部にSCP-XXX-JPの存在を確認できます。1名の研究員がガラス越しにSCP-XXX-JPを観察しながら、3名の研究員が複数のメーターの値を見ています。巣からは数匹のSCP-XXX-JP-2が出入りしていますが、異常性は発現していません。

<07:10>: 巣から複数のSCP-XXX-JP-2が出てきて、警戒行動を始めます。それを見ている研究員は明らかに動揺しており、1人が室内電話を使い施設管理者と連絡を取っています。

<07:16>: 施設全体に警報が鳴り響き、非常事態を意味する警告ランプが点灯し、施設管理者が緊急事態宣言を発令します。研究者は個々、可能な限り武装し、全ての研究施設を幾つかの手順を飛ばして強制閉鎖します。しかしSCP-XXX-JPの研究施設だけは閉鎖されず、施設出入口が開放されます。このことにその場にいた研究員は驚いている様子を見せ、施設管理者と連絡を取っていた研究員は大声をあげて早急に施設を閉じるように抗議しています。しかしその意見は最期まで受け入れられないかったようです。

<07:18>: 複数の非武装の研究員が非常口を目指して走っています。SCP-XXX-JPの様子を傍で見ている研究員たちも退避しましたが、ただ1人の研究員だけがその場に残ります。残った研究員は先ほどまで施設管理者に抗議していた人物です。残った研究員は研究施設に入り、SCP-XXX-JPの巣に近づいていきます。

<07:20>: 非常口周辺が爆破され、3つの監視カメラが破壊され、少なくとも5名の研究員が死亡します。爆炎は消火装置によって消火されますが、煙の中から武装した集団が施設内に侵入します。全員が顔をガスマスクで覆っており、人物の特定はできていません。武装集団は廊下を進み、途中で逃げ遅れた研究員を射殺していきます。また、殺した研究員の所有物の中から何かのカードを取る様子が記録されています。

<07:28>: 武装集団は鉄製の扉の前に集まり、カードをスキャナーに通します。扉は電子的ビープ音を鳴らしながら横に開き、武装集団のうち5名がその中に入っていきます。室内には複数の監視カメラ映像が映し出されており、その中にSCP-XXX-JPの姿も確認できます。武装集団はまず、室内にいた研究員を瞬時に射殺し、映像に目を通しています。そしてSCP-XXX-JPが映っているテレビを指さすと、部屋を出て再び走り出します。

<07:35>: 武装集団がSCP-XXX-JPの研究施設前までたどり着きます。まずリーダーと思われる人物が部屋に入り、そこに6人が続きます。管理室、研究室には誰もいません。7人の武装集団は飼育室に入ります。室内にはSCP-XXX-JPと研究員が1人います。研究員は巣に銃口を突きつけています。武装集団が研究員を殺すより先に研究員は引き金を引き、巣に一発の銃弾が命中したように見えます。この瞬間、SCP-XXX-JP研究施設内を映す全ての映像が途絶えます。

<07:38>: SCP-XXX-JP研究施設の外で待機していた武装集団のうち2人が突如として出現した灰色の壁により押し潰され即死します。施設内にいる全ての武装集団は混乱している様子を示しています。灰色の壁は周囲の壁を破壊しながら徐々に移動しています。

<07:40>: 複数回の爆発音と破砕音の後、空が映し出される。

<閲覧終了>

補遺: 音声

概要: 以下は██:██にPoI-3333とPoI-6666の間で交わされた施設内通話の書き起こしです。


<閲覧開始>

PoI-3333: はい、こちら[編集済み]研究室。研究管理者██です。

PoI-6666: ██だ。突然で済まないが頼みたいことがある。

PoI-3333: ああ、はい。なんでしょうか?

PoI-6666: 君たちが研究している[編集済み]についてだが、今日より当研究施設の対攻撃用生物兵器として使用することが決定した。

PoI-3333: まだ[編集済み]は研究段階で、そのような利用が可能であるとは思えません。

PoI-6666: 承知の上だ。我々はあくまで外部からの攻撃を受けた際の緊急防壁として使用すると言っているのだ。[編集済み]は現在までの研究で既にその防御性能の高さと同時に敵対存在への殺傷能力の高さをも確認できている。それさえわかれば十分であると我々は判断した。

PoI-3333: しかし不安要素が多すぎます。第一に[編集済み]の能力が起動して、それが我々を護る盾になるほど頑強である保証がないこと、第二に[編集済み]の能力の起動は敵対存在への殺傷力を有するとともに我々への殺傷力をも持っていることです。

PoI-6666: それも承知している。しかし我々にはあれが必要だ。

PoI-3333: 私には理解しかねます。なにをそれほどに焦っているのですか?

PoI-6666: 敵は近くにいる。

<閲覧終了>


付記: 管理室から回収された情報によれば、この通信が行われる10分前に施設周辺に散在していた監視用昆虫型生物セキュリティからの電波が全て途絶えていたことが判明しています。

概要: 以下は██:██において[編集済み]研究室内の複数の監視カメラに記録されていた、PoI-3333と武装集団との会話、および現場の状況の書き起こしです。


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PoI-3333: あなた方が来ることはすでに知っていましたよ。

武装集団はPoI-3333に銃口を向ける。PoI-3333はSCP-XXXX-JPに拳銃を向けている。

PoI-3333: あなた方が少しでもその場から動けば、この場にいる生物は全て鉄の城に圧し潰されることになります。これは脅しではなく真実です。

武装集団はPoI-3333から銃口を向けたまま動かない。

PoI-3333: 今すぐこの施設から立ち去りなさい。

武装集団のうち5人が部屋から退出する。部屋に残る武装集団は3人である。

PoI-3333: あなたも、今の方々に倣ってここから出ていってください。

PoI-3333と最も近い距離にいる武装集団のうちの1人が銃を下ろし、後方で会話をしているように見える。PoI-3333は動揺している。

PoI-3333: 動くな!

武装集団はハンドサインと思われる動作をする。2人の武装集団が部屋から出る。残った1人の武装集団がマスクを外す。

武装集団-A: 交渉をしましょう。

PoI-3333: なんのですか?

武装集団-A: それの所有権についてです。

PoI-3333: あなた方にこの蜂を譲れということですか?

武装集団-A: その通りです。私たちにとって、それは非常に興味深い。あなた方がそれをこの灰色の施設に仕舞い込み続けるより、私たちはそれを使うことができる。もちろんタダでとは言いませんよ。抵抗しなければ、ですが。

PoI-3333: なにに利用するつもりですか?

武装集団-A: あなた方も分かっているでしょう?それの兵器としての有用性。半永久的に入手可能な鋼材。再利用可能な兵器の皮。それさえあれば、私たちは最高の軍を編成することができる。

PoI-3333: なぜこの時代にそんなことを。

武装集団-A: あなたには理解できないかもしれません。私たちとあなたたちは住んでいる世界が違う。しかし、あなた方が無用な介入をしなければ、私たちとの関係性はほとんどありません。そのため理解する必要もありません。

PoI-3333: それは重要なことでは。

武装集団-A: いいですか?この交渉が成功すれば互いにwin-winな結果になるのですよ。先ほども言いましたが、私たちはそれをタダで貰おうなどとは思っていません。それが行うことのできる仕事量を鑑みれば、あなた方には多大な資金がもたらされるでしょう!

部屋の出入り口から投げ入れられた閃光弾が炸裂し、部屋中が一時確認不能になる。PoI-3333の呻き声が聞こえる。

武装集団-A: 我々の礎となるのだ。

PoI-3333: ああ、眼が。くそ、離せ!

武装集団-A: 動くな。口を閉じろ。

PoI-3333は武装集団に囲まれ完全に拘束されている。

PoI-3333は口を押えられながらも呻いている。武装集団-AがPoI-3333を殴り気絶させる。

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付記: こののち、SCP-XXXX-JPは外部からの衝撃が加えられていないにも関わらず活性化した。その原因は明らかになっていない。

タグ(暫定)
scp-jp euclid 蜂 敵対性 集団意識 昆虫 軍事 群れ 毒性 乗り物 船舶 日本生類総研

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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル:

説明:

補遺: [SCPオブジェクトに関する補足情報]

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