Thaumielとしては諸刃の剣的な不安定さが足りない、リンクされている記事がご都合主義すぎる、という指摘を受けて改稿しました。収容状態を表示するオブジェクトが幾つかの候補の中からランダムに切り替わるように変更し、その中に本記事の内容と矛盾するような記事を混ぜました。矛盾というのは即ちその作品世界が何らかの形で滅んでいるというものであり、そのためこの記事からリンクした場合その矛盾を解消するために、この記事は削除されることになります。同様に滅んだ平行世界が存在する可能性がある記事についても同様のギミックを仕込んでおり、一定確率で本記事の世界がその滅んだ世界として示唆されます。文章としてはほぼ変わりませんが、最後にO5の懸念という形でギミックについてのヒントを追加しています。
タグ: scp-jp thaumiel メタ 文章 記憶媒体 概念 コンピュータ Kクラスシナリオ
アイテム番号: SCP-1985-JP-EX
オブジェクトクラス: Explained
特別収容プロトコル: SCP-1985-JP-EXは解明された理論です。Inductive-CKオブジェクトに携わる関係者は、SCP-1985-JP-EXについての学習を必須とします。
説明: SCP-1985-JP-EXは基底時空における時間軸の物理モデルです。時空間が常にあらゆる可能性を包括しつつ、実際にたどる運命は一つの道筋だけであるというのがこの理論の核となる部分です。これはアノマリーや各種の開発済みな時間干渉装置による改変が発生した際、基底時空が一つの状態に収束することで基底時空の連続性が常に保たれている事を意味します。これにより、大規模な過去改変はCK-クラス世界終焉シナリオを引き起こし、基底時空の様相が全く異なる状態に遷移してしまうという結論が得られています。そのような改変を起こし得る時空改変オブジェクトの取扱が高度な専門性を必要とします。
アイテム番号: SCP-XXX-JP-EX
オブジェクトクラス: Explained/Thaumiel
特別収容プロトコル: SCP-1985-JP-EXについての情報を、財団内での時空構造についての基本解釈として周知して下さい。SCP-1985-JP-EXとは異なる時間構造モデルに基づいた研究が為されようとしている場合、該当研究者に対してプロトコル"同調圧力"を実施し、必要に応じてAクラス記憶処理を施します。
説明: SCP-1985-JP-EXは、基底時空の時間軸が常にひとつの状態に収束するという物理モデルです。SCP-1985-JP-EXが正しいという認識をSCP-1985-JP-EX-1として規定します。
仮にこの時空が平行世界解釈によって成り立っている場合、以下のオブジェクトの性質が大きく異なることとなります。
アイテム番号 |
現在の認識の場合 |
平行世界解釈の場合 |
SCP-711 |
過去のある時点に対して特定のデータを送る装置であり、文字列17が送信されない限りKクラスシナリオを始めとする危急な状態に陥らないことを保証しています。 |
滅亡の道を辿った未来から文字列17が過去に送られたことで現在の基底時空が発生したため、この基底時空の延長線上の未来から文字列17が送られる必然性はなく、SCP-711を保護する意味はありません。 |
SCP-2003 |
基底時空の未来を観測する装置であり、 |
未来を観測しその情報を持ち帰るという行為自体によって大規模な分岐が発生するため、装置による予測精度が大幅に低下します。 |
アイテム番号: SCP-4096-JP-EX
オブジェクトクラス: Riemann
特別収容プロトコル: SCP-4096-JP-EXであることが疑われるデータについて、世界中のアンチウィルスソフトベンダーに対してコンピュータウィルスの判定リストデータとして加えることを義務付け、発見時に通報するバックグラウンドプロセスの搭載を義務付けます。これに加え、RAISAとフィールドエージェントによるあらゆる情報機器に対するSCP-4096-JP-EXの捜索が継続的に行われます。新たなSCP-4096-JP-EXが発見された場合、圧縮元データの確認を行った後、前述の捜索対象のリストに加えて下さい。
説明: SCP-4096-JP-EXは、マンデルブロ集合の性質を利用した特定のアルゴリズムによって解凍可能な圧縮ファイルの総称です。ファイルサイズは圧縮元のファイルによって変化し、現在までに発見されたSCP-4096-JP-EXの多くは".mand"の拡張子を持ちます。SCP-4096-JP-EXのファイル構造はヘッダ部と数値部に分かれており、数値部にはヘッダ部で指定された任意倍精度の2つの複素数と一つの整数を格納しており、整数の長さ分の数列を表しています。この数列をマンデルブロ集合の計算を用いた一定の手順で整数の数列に変換した時、出力された数列を2進数に変換して先頭の1を取り除いたものは様々な種類の有意なデータとなります。この際漸化式の計算をヘッダで指定された任意倍精度で計算しなければ正確なデータとはなりませんが、この性質によりSCP-4096-JP-EXは容易に解凍が可能です。解凍したデータのサイズは、概ね元となったSCP-4096-JP-EXのデータサイズに対して指数関数的に増加する傾向があります。SCP-4096-JP-EXが元ファイルからどのようにして生成されたのかは不明ですが、仮に総当りでの計算を行った場合、財団の持つ最高の情報処理システムの全リソースを用いたとしても1GBのデータの圧縮には██億年の時間がかかると試算されています。
SCP-4096-JP-EX-PrimeはSCP-4096-JP-EXを生成する未知の手段に対する暫定的な呼称です。現在までに確認されているSCP-4096-JP-EXは、その多くが明らかに地球上で生成されたデータを圧縮したものであり、SCP-4096-JP-EX-Primeが地球上、あるいはこの地球から情報を得られる場所に存在している事を示しています。SCP-4096-JP-EX-Primeは何らかの異常存在である可能性が高いと考えられていますが、現在の数学体系に則った未知の理論により非異常性の手段で生成されている可能性も否定出来ないため、両方の可能性に基づいた研究が行われています。SCP-4096-JP-EX-Primeが異常存在であった場合、発見後は新たな通常ナンバーのオブジェクトとしての分類を行い、SCP-4096-JP-EXはそれに対するサブナンバーのオブジェクトとして再定義されます。SCP-4096-JP-EX-Primeが非異常性の理論により生成されていた場合、Riemannクラス分類を外し通常のExplainedオブジェクトとしてアーカイブされます。
SCP-4096-JP-EXが現実に我々の手でも解凍可能であるという事実は、一つの興味深い可能性を示唆している。すなわち、マンデルブロ集合が実際にこの世界のあらゆる情報の取りうるパターンを予め内包しているという可能性である。このたった二行の数式から生み出される無限のパターンの中には、たかだか有限の可能性しか取り得ないのこの宇宙の過去から未来までの全ての情報、いうなればアカシックレコードが既に含まれているかもしれないのだ。そしてそれは、SCP-4096-JP-EX-Primeがこの宇宙とマンデルブロ集合の対応を司る存在であることを示している。もし仮にSCP-4096-JP-EX-Primeが既知の数学の延長線上に存在する明確な理論であったとすれば、それを解き明かすことは宇宙の真理を知ることと同義なのかもしれない。 —財団基礎数学部門 主席研究員
補遺1: SCP-4096-JP-EXは、2010/10/14にP2Pファイル共有サービスである█████████上で初めて存在が確認され、財団が異常データの発見のために運用しているbotにより、配信元の辿れない不審なデータとしてアーカイブされました。回収後間もなくその拡張子の特徴から解凍アルゴリズムが発見され、財団によるデータの管理と拡散したデータの削除が決定しました。SCP-4096-JP-EX自体に異常性は一切存在せず、その出現も拡散元が特定できないだけで異常現象によるものではありませんが、その生成原理が異常性によるものである可能性が高いためRiemannクラスオブジェクトへの分類が決定しました。これ以降も散発的に様々なP2Pネットワーク上にSCP-4096-JP-EXが拡散されており、そのいずれも配信元の特定には失敗しています。
ファイル名 |
解凍後サイズ |
データの概要 |
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[編集済] |
[編集済]までの素数の完全なリストです。公開されればRSA暗号の強度が大幅に低下すると考えられます。
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██.█TB |
[編集済]の完全なデータです。すでに解凍された上拡散されており、流出についてのカバーストーリー[編集済]が適用されています。拡散元の特定には至っていません。
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███PB |
[編集済]により収集された[編集済]の全データです。データが大きいため、100P FLOPSのシステムでも解凍に████年かかると考えられます。
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[削除済] |
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全リストの参照には、レベル4以上のセキュリティクリアランスを持つ職員の許可が必要です。
補遺2: 2███/█/██、財団基礎数学部門の███博士が充填ジュリア集合についての[編集済]予想を提唱し、これによってSCP-4096-JP-EX-Primeが
タグ: scp-jp explained unclassed 数学 コンピュータ 記憶媒体
マンデルブロ集合の画像は自作プログラムにより生成しています。
gifファイルは自作プログラムによるbmpファイルの生成後、フリーソフトウェアGiam(http://homepage3.nifty.com/furumizo/)にて結合・圧縮しました。
SCP-1244-JP-1の説明図はMicrosoft PowerPoint 2013で作成しています。
プロトコル・トレビの泉が実施された██寺の境内の池
アイテム番号: SCP-YYY-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-YYY-JPによる人工物への被害を軽減するため、マスメディア系財団フロントによってプロトコル・トレビの泉を維持してください。
説明: SCP-YYY-JPは、現実性確度が1.50Hm/cm3以上の空間かつ、水中あるいは湿度100%の環境下にある宗教礼拝施設の周辺で発生する現象です。この対象空間(以下SCP-YYY-JP-Aと呼称)については、条件を満たす連続した空間が100mの間隔を空けずに複数存在している場合、それらの全空間が同一のSCP-YYY-JP-Aとして機能します。
SCP-YYY-JP現象は、2段階のプロセスをます。第1段階として、SCP-YYY-JP-A内及びそれに接する深さ3mまでの地中に特定の金属元素が存在する場合、それが徐々に減少します。この際これらの元素の物理的・化学的状態は問いませんが、純度の高い固体が優先される傾向にあります。固体の場合は表面部分から徐々に消失し、化合物中の場合はイオン化に必要な電子とともに消失します。これと同時に、SCP-YYY-JP-A中の液体の水における金属イオン濃度が上昇します。現象前後の質量保存から、これは原子の転移により発生していると考えられていますが、電子顕微鏡による観察では転移の瞬間が確認できていません。
SCP-YYY-JP-A中の金属イオン総質量が一定量を超えると、プロセスの第2段階が始まります。