言語超越教本
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-8181の標準収容ロッカーに収容されます。SCP-XXX-JP-Aの疑いがある人物は拘束し、検査を実施してください。SCP-XXX-JP-Aでないと判断された場合、Aクラス記憶処理を施して解放します。SCP-XXX-JP-Aであると判断された場合、サイト-8141の人型収容室に収容します。収容室に散乱した衣服は定期的に回収してください。他にSCP-XXX-JPまたはそれに類似したものが存在する可能性を考え、捜索が続けられています。
説明: SCP-XXX-JPは、表紙に「Transcend ALL Languages! -言語概念を全て飲み込み同化するために-」と書かれた一冊のノートです。SCP-XXX-JPの内容を読んだ人物はSCP-XXX-JP-Aとなり、異常性に暴露します。SCP-XXX-JP-Aになった人物はSCP-XXX-JP内の記述を伝達することができなくなります。
SCP-XXX-JP-Aとなった人物は、母語を話すときに他の言語が混ざるようになります。初めは母語の比率が高いですが、徐々に母語の比率が低くなっていきます。また、極稀にSCP-XXX-JP-Aとなった人物が「ペンはappleである」「Iはあなた」といった不可解な発言をすることが確認されました。
SCP-XXX-JPの影響を受けてから2ヶ月ほど経つと、SCP-XXX-JP-Aは母語ではない言語で話すようになります。この言語はSCP-XXX-JP-Aの言語能力とは関係性が認められませんでした。この言語は定まっておらず、1文ごとに言語が変わる例も確認されています。また、SCP-XXX-JP-Aは頻繁に物の名前を違う物の名前で呼ぶようになります。
SCP-XXX-JPの影響を受けてから3ヶ月ほど経った後、SCP-XXX-JP-Aは突発的に「Transcend all languages!」を含む文章を叫び、以降SCP-XXX-JP-Aは不明な言語(SCP-XXX-JP-Bと呼称)を用いて話すようになります。SCP-XXX-JP-Bを解析した結果、SCP-XXX-JP-Bには指示語以外の語がほとんど存在しないことが推測されました。この状態になったSCP-XXX-JP-Aは不明な原理により1ヶ月ほどの時間をかけて大気に溶解し、消失します。この時、身に付けていたものは全て消失せず残ります。
SCP-XXX-JPはマクロカオシズムの一派であるリカオサイザーズの信者の拠点と推測される教会から発見されました。発見時、教会の中には衣服が散乱していました。
以下はSCP-XXX-JPの実験記録とインタビュー記録です。
実験記録XXX-JP-1-1 - 2001/03/31
対象: D-XXX01。D-XXX01は日本人であり、日本語以外の言語を学習していない。
実施方法: D-XXX01にSCP-XXX-JPを読むよう指示する。その後、SCP-XXX-JPの内容を読み上げるよう指示する。
結果: D-XXX01は母語である日本語と英語が混ざった状態で話をした。SCP-XXX-JPの内容を読み上げるよう指示したところ、「このnotebookの内容を読み上げることはimpossibleだ」と回答した。
分析: D-XXX01はSCP-XXX-JPの異常性に暴露し、SCP-XXX-JP-Aになったものだと推測される。SCP-XXX-JP-Aになると、知らないはずの言語も話せるようになるようだ。 -██博士
インタビュー記録XXX-JP-1-2 - 2001/06/02
対象: D-XXX01
インタビュアー: ██博士
付記: D-XXX01はSCP-XXX-JPの影響を受けてから2ヶ月ほど経過しています。また、██博士は日本語と英語にのみ精通しているので、日本語と英語を除く主要な言語の通訳をそれぞれ配備しています。
<録音開始>
██博士: 体調はいかがですか、D-XXX01。
D-XXX01: (スペイン語で)私はとても元気だよ。あの本を読んだからといって特に体に悪影響があるものでもないしね。
██博士: あなたはSCP-XXX-JPの内容を理解しているのですか?
D-XXX01: (中国語で)もちろんだ。全てを理解したわけではないがね。██博士: SCP-XXX-JPにはどういったことが書かれていましたか?
D-XXX01: (フランス語で)すまないが、それを詳細に答えることは私にはできない。しかし、概要を話すことであれば可能だ。
██博士: そうですか。でしたら大まかな概要でいいので教えてください。
[D-XXX01はニウエ語で話し始める。]
██博士: すみません、もう一度お願いできますか?
D-XXX01: (ロシア語で)だから、あれは言語を超越するための基礎教本なんだ。あれを読むと言語概念を全て取り込むことが出来る。(英語で)そして私は全ての言語を理解できるようになったのだ!そうしたら、なんと素晴らしいことだろう。(朝鮮語で)結局はこの世界のものは全て同じなのだ。それだというのにこの世の言語には物の呼称が多すぎる。超越言語の習得を、いそがねば……。
██博士: 超越言語、ですか?
[D-XXX01は沈黙する。]
██博士: D-XXX01?
D-XXX01: (ドイツ語で)この世の事物は結局全て同じものでしかないというのに……。
<録音終了>
終了報告書: 超越言語、というのが気になります。SCP-XXX-JP-Bのことでしょうか。また、この世のものが全て同じ、という発言を繰り返していました。このような認識をさせる異常性もあるという可能性を考えてもいいかもしれません。 -██博士
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは、現在サイト-8181内の保管室に設置されています。現在、保管室内へ立ち入ること、またSCP-XXX-JPを用いた実験を行うことは原則禁止されています。SCP-XXX-JPを用いた実験を実施する場合、セキュリティクリアランス4以上の職員の許可を得た上で行ってください。
説明: SCP-XXX-JPは白銀色をした未知の金属で覆われた10m×10m×7.5mの3基の機械です。それぞれの外部には外装と同一と推測される金属製の扉、未知の材質でできた赤いボタン、送電線が1つずつと、それぞれの号機番号の振られたプレートが取り付けられており(以下、「1号機」と書かれたプレートが取り付けられている機械をSCP-XXX-JP-a、「2号機」と書かれたプレートが取り付けられている機械をSCP-XXX-JP-b、「3号機」と書かれたプレートが取り付けられている機械をSCP-XXX-JP-cと呼称)、内部の床、壁、天井にはそれぞれ中央に詳細不明の装置が取り付けられています。この装置を含め、いかなる方法をもってしてもSCP-XXX-JPを分解することには成功していません。
SCP-XXX-JPの異常性は生命体を入れて扉を閉じ、ボタンを押したときに発現します。SCP-XXX-JPの扉はいかなる方法を用いても開かなくなり、SCP-XXX-JPの稼働を止めることができなくなります。このとき、未知の方法で発電が行われ送電線に電力が送られます。その後、一定時間経過するとSCP-XXX-JPの稼働が止まり、扉が開くようになります。このとき、中に入れられた生命体は例外なく死亡していますが、損傷は無く、死因は不明です。詳細は下記の文書や実験記録を参照してください。
SCP-XXX-JPは、████県████村の山中に無許可で建設された建物の一室で発見され、回収されました。建物は日本生類創研の実験施設であるとみられています。発見時、同時に██個の蓄電池と、日本生類創研によって作成されたと思われる「開発注文書」、東幣重工によって作成されたと思われる「納品書」および「魂力発電所 仕様書」の3種類の文書が1部ずつ回収されました。回収された蓄電池に異常性は見られませんでした。以下は、回収された文書のうち、SCP-XXX-JPとの関連性が高いと思われる、「魂力発電所 仕様書」の内容です。
実験記録SCP-XXX-JP-001 - 日付20██/██/██
実験対象: SCP-XXX-JP-a、大型犬(質量32.101kg)
実験方法: SCP-XXX-JP-aに大型犬を投入し、扉を閉め、SCP-XXX-JP-aを起動。
結果: 2.20×106kWの電力を出力した。およそ12時間50分後、SCP-XXX-JP-aは稼働を停止した。内部の大型犬は死亡し、質量は32.090kgに減少していた。
実験記録SCP-XXX-JP-002 - 日付20██/██/██
実験対象: SCP-XXX-JP-b、大型犬(質量34.217kg)
実験方法: SCP-XXX-JP-bに大型犬を投入し、扉を閉め、SCP-XXX-JP-bを起動。
結果: 3.30×106kWの電力を出力した。およそ13時間41分後、SCP-XXX-JP-bは稼働を停止した。内部の大型犬は死亡し、質量は34.205kgに減少していた。
実験記録SCP-XXX-JP-003 - 日付20██/██/██
実験対象: SCP-XXX-JP-c、大型犬(質量31.598kg)
実験方法: SCP-XXX-JP-cに大型犬を投入し、扉を閉め、SCP-XXX-JP-cを起動。
結果: 2.20×106kWの電力を出力した。およそ21時間29分後、SCP-XXX-JP-cは稼働を停止した。内部の大型犬は死亡し、質量は31.588kgに減少していた。
分析: あの文書に書かれていることは概ね事実のようですね。今後は特別な事由の無い限りSCP-XXX-JP-aを用いて実験を行うことにします。 -███博士
実験記録SCP-XXX-JP-004 - 日付20██/██/██
実験対象: SCP-XXX-JP-a、大型犬(質量35.749kg)
実験方法: 大型犬を投入後、扉を開けた状態で起動。
結果: ボタンにロックがかかっており、起動しなかった。
分析: 安全ロックのような機能が備わっていることが判明。
実験記録SCP-XXX-JP-005 - 日付20██/██/██
実験対象: SCP-XXX-JP-a、先日死亡した男性職員の遺体(質量72.348kg)
実験方法: 遺体を内部に投入し、扉を閉め、起動。
結果: 12分間稼働し、停止。遺体の質量は72.348kgで変化は観測できなかった。
分析: すでに死亡している状態の生物では起動しないはずでは……?追加の実験を行って検証します。 -███博士
実験記録SCP-XXX-JP-006 - 日付20██/██/██
実験対象: SCP-XXX-JP-a、異常性のない産業用蓄電池(質量20.518kg)
実験方法: 蓄電池を内部に投入し、扉を閉め、起動。
結果: 約1.2秒間稼働し、停止。質量の変化は観測できなかった。
分析: 蓄電池に付着した微生物が反応を起こしていると推測されます。前実験で12分間稼働したのも微生物が原因だと考えられます。これに関して追加の実験を実施します。 -███博士
実験記録SCP-XXX-JP-007 - 日付20██/██/██
実験対象: SCP-XXX-JP-a、多種の微生物0.050kgが入った容器
実施方法: 容器を内部に投入後、扉を閉め、起動。
結果: 補遺を参照。
補遺: 実験記録SCP-XXX-JP-007において、███研究員が誤ってSCP-XXX-JP-a内部に何も入れずに起動したところ、SCP-XXX-JP-1は約7.6秒稼働し、SCP-XXX-JP-1のそばに置いていた容器内の微生物が全て死亡していることが確認されました。また、実験を行っていた3名の研究員が意識を失いました。このことにより、SCP-XXX-JPは特定の条件下においては機械の外部の生物も利用して発電しているという説が提唱され、特段の場合を除き、全ての実験は禁止されました。
着ている人に対して好意を持っている人が全員メンヘラになる服のSCPとか、ありかな、ねえわ
ここに書くアイディア勝手に使っていいですよ、dv食らいまくって削除されても知りませんけど
夢は所詮夢でしかない。
殿堂入りJPが発表されたんだからそれに関連するTale一通り書きたい。UPするとは言ってない。
殿堂入りコレクションで一番Tale書きやすいのがねこってどうなの。 そんなことなかった。