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午前7時いつも通りに目が覚め、いつも通りに洗面台に向かい、いつも通りに歯を磨き顔を洗う、櫛で頭の毛皮を梳かしそれなりに気に入っている尻尾を整える、
鏡の中の自分「柴犬の顔」を覗くもう慣れてしまったけど、他の人に目つきが悪いと言われるのが心外だけど……、一通りの着替えを終わらせ朝ごはんを食べようとリビングに行くといい匂いがする、昨日何か作ったっけ?と思いつつ入ろうとした瞬間―

ガッ!ドンッ!

いきなり腕をつかまれて無理やり椅子に座らされる。
「えっ、何々!?誰っ!?」
軽くパニックになっていると目の前にどんどん料理が運ばれてくる、チャーハン、ハンバーグ、スープ……、机が埋まるほどの料理が運ばれ顔を上げると向かい側に見知った顔が鎮座していた。
「えっと……ユーリカ君?その……」
「どうしたのですか?何か問題でも?あっ、飲み物ですね!」
「い、いやそうじゃない!い、家の鍵は……」
そう野良が尋ねると私の助手ユーリカは壊れた錠前を床に投げ捨てニッコリと笑う。
「これですか?邪魔だったんで無理やり壊しました……合鍵を渡してくれればいいのに……」
「い、いや!そういう問題じゃ―」
その先を言おうとした瞬間ガッ!と口の中に一口大に切られたハンバーグを突っ込まれ次から次へと彼女が作ったであろう料理をどんどん入れられていく。
「モゴモゴ!ムグムグ!」
「はいあーんですよ、朝からしっかり食べなきゃだめですよ!」
「もごもご!むー!」

……散々な朝ごはんの後重いお腹を抱えながらなんとかサイトの自分の研究室までたどり着き椅子に座る……。
「うぅ……ウップ……危なかった……入り口でシェパード君にに検査された時出しそうになっちゃったよ……」
取りあえず今はじっとして居よう……そう考えていた時研究室のドアが開く。
「ちょっと!野良博士!何ですかこの報告書!」
そう怒りながら一枚の紙を持って入ってきたのは一匹のジャンガリアンハムスター……比喩でもなんでもなく私にはどうしてもそう見えてしまう。
「えっとー……どうしたのかな?ジャンガリアン君?」
「何ですかジャンガリアンって!私は紗枝田です!いつなったら覚えてくれるんですか!」

この後の続き
野良博士の視点なので上記のように様々な研究員を動物に見立て、ジャンガリアン……に見える助手とサイト内を歩いて行く。
最終的には自分の研究室に戻ってくる。