アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは現在、財団傘下の企業による私有地であるように装われています。また、SCP-XXX-JPを中心とするおよそ半径200mの土地を取り囲む形でフェンスが設置され、周辺が一体的な企業の土地として認識されるように装われています。SCP-XXX-JP周辺部には、財団傘下の企業名義である小規模な製材工場を建設し、常に5名以上の警備職員と、12名以上の財団職員を常駐させてください。またSCP-XXX-JPは、財団職員による測量と地積更正を毎年実施し、頂点部に境界杭を打った上で周辺をバリケードで囲み、職員や部外者による進入を防いでください。
説明: SCP-XXX-JPは、かつて██県██町███字██の山中にあった、幅3m、奥行2mの三角形状の土地であり、SCP-XXX-JPを通過するように作業林道が敷設されています。また西から北東方向に対しておよそ2%のゆるやかな勾配があることが確認されています。SCP-XXX-JP内の植生および生物相は周辺土地の一般的なものと差異がなく、目視ではその筆界を判断することは極めて困難です。
SCP-XXX-JPの特異性は、その土地の上を徒歩で通過することにより発生します。この行動により、その土地の地番から数えて最も近い地番の土地(以下、SCP-XXX-JP-Aと表記。)に関連付けられた一切の情報が消滅1し、SCP-XXX-JPの地番がSCP-XXX-JP-Aの従前のものに置き換わります。SCP-XXX-JP-Aとなった土地には、SCP-XXX-JPが持つ特異性は顕現していません。また、SCP-XXX-JP-A上に家屋などの構造物が存在していた場合、その構造物は残存しますが、構造物内に存在している生命は、特異性の顕現と同時に消滅します。SCP-XXX-JPの特異性により、現在████名が行方不明になっているとされています。
SCP-XXX-JPは2012年█月█日に██氏2による土地の分筆が行われており、███字██32番213として地番が表示されています。現在ではSCP-XXX-JPの地番は██市███三丁目██71番5になっています。現在の特別収容プロトコルに基づいた財団による周辺土地の買収と隔離後は、地番に変化は発生していません。███三丁目██71番5以降から、██町の土地については現在財団が調査中ですが、少なくとも██町における土地の情報および生命が消滅していることが確認されています。詳細は、事故記録XXXを参照してください。
事故記録XXXの発生後、現在の特別収容プロトコルに示される収容案が可決され、SCP-XXX-JPは現在一般人の進入が事実上不可能となっています。財団のその後の調査により、██町のすべての土地と家屋が所有者不存在の状態となっていることが確認されました。また、残存する一部の家屋は解体工事が既に行われており、解体工事を請け負った業者は現在調査中です。財団は全国各地で所有者不存在の土地と家屋が増加していることについて、SCP-XXX-JPと同様のケースがないか調査を行った結果、いくつかの地域でSCP-XXX-JPと同様の特異性を顕現する土地が確認されたため、追跡調査を継続しています。
これ以上この土地を野放しにしておくことは、██市、ひいてはこの世界にとってAK-クラスの大きな災害となりうる。今現在のSCP-XXX-JPの所在は相変わらずあの山奥にあるのだが、そこは██市███三丁目██71番5なのだ。██町がすべて消えてなくなってしまった悲劇を、再び繰り返さないために。 - 御厨博士