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アートワーク用
Author:不明
Title:SCP-529 - 半身猫のジョーシー
Source:http://www.scp-wiki.net/scp-529
Author:
AbsentmindedNihilist
Title:SCP-2952 - 地方グウェリン国際輸送
Source:http://www.scp-wiki.net/scp-2952
CC-BY-SA 3.0
illustrated by:
ouka1341
tele案
[自らの事について語る男の背中を見て、何故か母の墓前で懺悔する父の背中を思い出した]
SCP-650-JPと父の背中を思い出すある研究員の話。
SCP案
本の虫
safe
酩酊街関連。
プロトコル:
図書館で児童の利用者が謎の発熱を起こす事例が多数発生したことから財団の目に止まる。調査後、本の上にいた(カミキリ虫)を発見、確保。
異常性: カミキリ虫に本について聞くと様々な本の知識を語るが学歴の乏しい者が30分以上聞いた場合、知恵熱を出す。何時間も聞いた場合最悪脳出血を引き起こす。
[私は素晴らしい作品達が忘れられるのをただ眺めるだけなのは、もう嫌なんだ。だから大嫌いで、暖かいあの場所からこちらに来たんだ]
遊ぼうよ
euclid
とある小学校の教室に出現する動物の首のような霊的実体。首は子供の絵のような姿をしている。基本的に動かないが、見るものに恐怖心を抱かせ、精神異常を起こさせる。記憶処理で対処可能だが18歳以下の人物は7日後に消失してしまう。最後の様子は盗聴器にのみ残されていた。オチが思い付かないので保留。
mouse?マウス?
safe
触った人間がネズミだと思われるマウス。直接接触すると愛着が湧き、進行すると異常性のないマウスまでそのネズミだと勘違いし手元に置こうとする。そのためマウスだけが大量に盗まれる事件が数件発生した。この件に関してとある廃ビルにはハムスター用のケースに入った複数のマウスが見つかったりしている。インタビューで締めくくりたい。
人食い琴
euclid safe
とある古物商が所持していた琴。名家の女性から譲り受けた物だが古物商はすでに死んでおり詳細は不明。半径5km以内に男性が入ると活性化。男性の近くにワープすると男性の首が飛ぶ。断面はピアノ線のような頑丈な糸で切られたようになっている。確保時に男性職員がかなり犠牲になっているため専用収容所が出来た。
補遺には琴の前でとあるDクラス職員が死んでいるのが発見される。それ以降男性職員が近づいても異常性が発現しないためsafeクラスに格下げ。
[その昔、琴弾きの女がいました。]
貴方の子供
safe?
陶器製の女性を模した像。半径10m以内に置いておくと美しい女性の歌声が聞こえる。子守唄が主。しかし10ヶ月側に置いておくと側に置いていた人間一人が突然焼死してしまう。発見されたのは骨董店店主の原因不明の焼死事件から。財団が調査に向かったところ歌を歌う像を発見。女性像型のオルゴールとして売りに出していたらしい。焼死体の側にメッセージ。
[貴方 の子 ですよ。よく見て ください な。]
夢とかなんとか
- 古い学校[広めだから私立?]を探索していた。
- 教室の廊下側の窓の向こうにずりずり這いずる何かが見える。
- 玄関口や廊下を這いずる何か。見た目は人の顔をでかくして他を小さくしたみたいな。一瞬だけ普通の男子生徒になる。
- ガンガン音がなっている自販機が置いてあるの広場。
- 一定の感覚でずっとドンドン音はなっている。
- 隣の男の名前がサタンだった。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-80██の標準人型収容室に収容されます。1日2回の給仕は必ず男性職員に行わせてください。また、週に1度精神鑑定を行い精神状態の確認を行ってください。SCP-XXX-JPの発言は全て記録され、新たなSCP-XXX-JP-Aに関する発言が確認された場合は██県内の産婦人科を調査しSCP-XXX-JP-Aに該当する人物を発見次第、約1ヶ月から5ヶ月の間監視を続けてください。SCP-XXX-JP-Aの流産及び死産が確認された段階でSCP-XXX-JP-A、SCP-XXX-JP-Aに関わった人物全てにAクラス記憶処理を施し、必要に応じて偽造記録等を用意してください。
説明: SCP-XXX-JPは30代後半に見える日本人男性の特徴を持った人型実体です。SCP-XXX-JPの異常性は閉径していない、もしくは初潮を迎えた女性と1時間以上接触することで発現します。SCP-XXX-JPと接触した女性 (以下SCP-XXX-JP-A) は性行為をしていないにも関わらず妊娠の兆候が現れます。SCP-XXX-JP-Aは妊娠したことに対して夫もしくは恋人がいる場合はその人物と、いない場合は架空の恋仲である男性との間にできた子供だと認識します。そのため、中絶することに対して酷い拒否反応を示すことが確認されております。
腹の中の胎児は1ヶ月の間は通常と同様に成長しますが、1ヶ月を過ぎると必ず流産及び死産します。のちに調査した結果、5ヶ月以上生存した胎児はいませんでした。また、胎児の遺伝子検査を行ったところ、SCP-XXX-JPと遺伝子情報が一部一致していることが判明しています。この段階でSCP-XXX-JP-AはSCP-XXX-JPに強姦されたと認識するようになり、それに伴い精神異常を引き起こします。この症状はAクラス記憶処理と適切な精神カウンセリングによって正常に戻ることが確認済みです。
SCP-XXX-JPは201█/06/██に██県内にて、女性██人を強姦したと自首した██氏の供述を不審に感じた潜入エージェントが調査したことにより異常性が発覚、確保に至りました。以下は確保後のインタビュー記録です。
インタビュー記録XXX-JP
対象: SCP-XXX-JP
インタビュアー: 真鶴研究員
<録音開始, >
真鶴研究員: インタビューを開始します。貴方がご自身の異変に気づいたのはいつ頃でしょうか。
SCP-XXX-JP: ……最初は、一組の夫婦だったな。私はカウンセラーをしていて、子供ができない悩みを聞いていたんだ……いつもは30分程度なのだけど、その日は1時間以上悩みを聞いていたんだ。
[SCP-XXX-JPが深呼吸する]
SCP-XXX-JP: 1週間くらい経った時だった。明子さんが子供を妊娠したんだ。お礼の電話を頂いたよ。あの時は嬉しかったな、私は話を聞くしかできなかったのに。だけど……。
SCP-XXX-JP: ……2ヶ月後、流産してしまったんだ。破水して溢れて、ぐちゃぐちゃで……泣きながら自分の子供じゃないと泣き叫ぶ明子さんのことを覚えている。あの後、夫婦がどうなったかはわからない。その間にも私と会って妊娠して流産したり死産した女性を何人も覚えている。
真鶴研究員: ……待ってください、貴方は今、覚えていると言いましたか?
SCP-XXX-JP: ああ。全部覚えているよ。
真鶴研究員: 貴方は全ての現場にいたと言うのですか。一体どうやって?
SCP-XXX-JP: 見てたんだよ、腹の中から。全部全部優しく私を撫でてくれたことも、声を掛けてくれたことも何もかも見ていたんだ!!羊水の中から!!
[段々とSCP-XXX-JPの呼吸が荒くなる。椅子の倒れる音が入る]
真鶴研究員: SCP-XXX-JP、一端落ち着いてください。貴方を責めるつもりはありません。
SCP-XXX-JP: これが落ち着いていられるか!流れ出る感覚も泣き叫ぶ女の顔も全部見ているんだ!
真鶴研究員: SCP-XXX-JP!?……██研究員、鎮静剤を、早く!
SCP-XXX-JP: あの中にいるのは俺なんだ!!腹の中の子供は全部俺なんだ!!
<録音終了, >
終了報告書:
補遺:
「串間保育士、それはなんですか?」
初夏に差し掛かったある日、虎屋博士が廊下を歩いていると、小さめの箱を抱えている串間保育士と出会う。あまり見かけないその姿に思わず声を掛ける。彼女は振り返るとにこやかに微笑みながら箱の中身をこちらに見せてきた。
「これですか?風鈴ですよ」
「風鈴?」
「倉庫から出てきたのをいただいたんです。託児所の子供達が喜ぶかと思って」
「なるほど……」
確かに箱の中には鮮やかな模様の描かれた風鈴がいくつも入っており、串間保育士が箱を抱えなおす度にガラスが擦れて鳴る綺麗な音がした。
「とても綺麗で涼しげですね」
「ええ、そうでしょう?──良かったら虎屋博士もお一ついかがです?」
「……え?大丈夫なんですか、託児所に飾るんでしたよね]
「大丈夫ですよ、いくつもありますし……はい、どうぞ」
串間保育士はそう言うと一つ手に取りこちらへ差し出す。受け取って良いのかと悩むも、彼女に引く気が無いのが見てとれた為、仕方なくそれを受けとった。
「……ありがとうございます。今度お礼しますね」
「いえいえ、お構い無く。──それでは私はこれにて。子供達が待ってますから」
「ああ、わざわざ引き留めてしまってすみません」
串間保育士は軽く会釈をすると踵を返し、廊下の奥に消えていった。
手元に残った風鈴を少し眺めると、自らのデスクに戻る為、彼女の向かった方向とは別の方へと歩き出した。
デスクに戻り、風鈴を目の前にかざす。金魚鉢を模したそれは見た目にも涼やかで見るものに清涼を感じさせるものであった。冷房の静かな風に揺れ、チリンチリンと音を奏でていた。しばらく瞼を閉じながらその音色に耳を傾けていると、どこからか蝉の鳴き声がするのに気づく。近くに蝉などいただろうかと思いながら瞼を開くと、
──いつの間にかひまわり畑の中で立っていた。
黄色一色のそれらは青空の下で太陽の光を存分に浴び続けている。先ほど聞こえた蝉は元気に鳴いており、夏を閉じ込めたような光景にただ呆然とする。
「これはどういう……!」
そう呟いた自分の声は小学生くらいの子供の声になっており、そういえば視線もどことなく低いことに気がついた。次々と襲いくる変化についていけず混乱していると遠くから自分を呼ぶ声がする。
「……外郎ー!探したぞ」
「……お父さん?」
それは最後に会った時より随分若い父だった。父は額の汗を拭い、私の頭をわしゃわしゃとかき混ぜる。力強い手を懐かしく思いながらも少し痛い。
「わっ、ちょっとやめてよ……」
「何ボーッとしてるんだ?そろそろお昼だからおばあちゃんの家にいっしょに帰るぞ」
そう言うと父は私の手を引き、歩き出す。これが何か異常現象に巻き込まれているとするならば、危険性が判明していない限りその場から動くのは得策ではない。しかし小さくなった私の抵抗など意に介さず父は野道を進む。しばらくすると大きめな平屋が見えてきた。門を通り、庭の縁側から居間に入る。居間ではこれまた若い頃の母が桶の中にたっぷり入った素麺とつゆを用意しているところだった。
「あら、外郎。おかえりなさい」
「た、ただいま……」
「どうしたの?元気無いわね。今朝はあんなに元気に飛び出してったのに、大きい虫でも捕まえられなかったのかしら?」
「はしゃいで疲れたんだろうよ、なっ外郎」
「うん、そうなんだ」
「そうだったのね。夏休みはまだ始まったばかりなんだから少しは落ち着きなさい」
雪の振る街を歩く。降りしきる雪は肌を刺し風は痛いくらいに冷たいのだが、店から漂う甘美な酒の匂いと、賑やかな笑い声が寒さを和らげてくれる。寒いのにどこか暖かい、そんな街が私は一等好きだ。皆の話を酒の肴にして、共に笑い、揺蕩うことが心地良かった。
しかしそれも長い年月が経つと、いつしか退屈を呼び、停滞する感覚に焦燥感が生まれた。突如胸に現れたこの言い知れぬ感情はとても苦しい。苦しくて、どこかに吐き出したくて堪らなくなった私は皆に聞いてもらおうとした。だが、酒に溺れた者共はへらへらと笑って話を真剣に聞こうとしなかった。ごく稀に耳を傾ける者がいたが、そいつらは停滞こそが救いだと、我らは忘れられる存在なのだと、どこか達観した表情で語っていた。
──何故、誰もが停滞を良しとする?
──何故、前に進むことを諦めようとする?
私は初めて絶望を感じた。ここにいるのは救いを求めたからではない。忘れることを、忘れられることを良しとした訳ではない。ただ、大好きだったからだ。暖かい街が、暖かい住人が、暖かい全てが……。
だから私は街から離れることにした。このままここにいてはいけない。ここにいては駄目になってしまう。その思いのまま荷を纏め、外に出た。
身動きする度に空気に触れる肌が痛い。手足も凍るように冷たく、数歩歩いただけで既に感覚が無くなっている。しかし、歩みを止める理由にはならず、私はただ黙々と足を動かし続けた。
……忘れられてなどやるものか、寝物語になどなってやるものか。街から離れるほどに私の決意は固まる。
街の入り口からリンボにたどり着くと、空気に溶けるように案内人が立っていた。案内人は私に気がつくと、一瞬驚きの表情を浮かべる。が、すぐに何かを悟ったのか、小さな声でお達者で、と言ってきた。私はそれに答えずリンボの外へと足早に歩を進める。未練など微塵も残さぬように。
奴等が忘れることを良しとするならば、私は全てを覚えていよう。
奴等が忘れられることを良しとするならば、私は忘れられない痕を残そう。
奴等が全てを諦めるのならば、私は全てを諦めないと心に誓おう。
奴等が何者にもならないというのなら──
私は鬼にでもなってやろう。