SCP-XXX-JP:賢者の錬金術
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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト内の隔離された生体収容セルに収容します。45cm×60cm×30cmの透明なガラス製のケージに収容し、換気は常時十分に行います。室温は摂氏20度〜25度を保つようにしてください。
SCP-XXX-JPに対しオモチャ等を与えても構いませんが、ケージおよびオモチャは必ずガラス製のものを用い、プラスチックや金属類が決して混入しないようにしてください。また、ケージやオモチャが破損した場合はすぐに交換が必要です。
24時間に1回、簡易な健康チェックを兼ねた生存確認を行ってください。チェック項目は体重の計測、外傷の有無の確認、体温測定、その他ストレスを感じていたり体調不良の兆候がないかどうかです。健康チェックの結果は担当研究員に送付してください。尚、排泄物は、排泄確認の後、5分以内に清掃および指定された手順で処理を行ってください。清掃および処理の詳細については後述します。
健康チェックの後は、SCP-XXX-JPの体重の15%の鉄製のペレットを食事として与えてください。特に申請のあった場合は鉄以外にも鉛、プラチナ、金、パラジウムを始めとしたレアメタルを含む金属類に置き換えても構いません。尚、プラスチック類は決して与えないでください。

排泄物の処理については、指定のゴーグル、マスク、手袋を着用し、換気の不備と収容違反が起こらないように十分配慮した上で行ってください。手順は次の通りです。

1.SCP-XXX-JPを予備のケージに移動させる。
2.糞を拾い集め、大量の水を用いてケージを清掃する。清掃に使用した水は劇薬と同じ手順で廃棄すること。糞に尿が付着していた場合は急ぎ洗浄を行う。
3.糞は記録を取った上で重量を量り、専用ケースに納めて担当の研究員に送ること。

万が一収容違反が起こった場合は即座にセルを閉鎖し、生体探知機を用いて担当職員全員で捜索します。

説明: SCP-XXX-JPは、体長14㎝、体重45gの、外見年齢1歳程度のオスのジャンガリアンハムスター(学名:Phodopus sungorus)です。体色は背中側が灰色、腹側が白で、背中側に黒い帯があります。外見は一般的なジャンガリアンハムスターと相違ありませんが、知能は犬や猫程度はあることが判明しています。
性格は人懐こく、よほど乱暴に扱わない限りは噛んだり暴れたりすることはありませんが、その特異な性質により素手での接触は推奨されません。

SCP-XXX-JPは西暦19██年に、ある日本の資産家の家で発見されました。発見のきっかけは、資産家の息子が自身の家に金の糞をするハムスターがいる、と学校で話していたところを、教師として潜入していたエージェントが見かけたことでした。調査を行ったところ、 SCP-XXX-JPは錬金術に傾倒していた資産家の曽祖父がどこかから購入してきたもので、代々当主が受け継ぎ、金策が必要な時は保管しておいた排泄物を売るなどしていたとの証言が得られました。SCP-XXX-JPは財団に収容され、資産家一家と同級生にはBクラス記憶処理を行い、カバーストーリー「ニコラ君3歳で天寿をまっとう」「新しい家族」を適応しました。

SCP-XXX-JPは通常のハムスターの餌を食べることはありません。代わりに金属類を餌として与えます。食後2~5時間後、与えた餌の約75%の重量の金属類(主にレアメタル)を排泄します。肛門から排泄されるためSCP-XXX-JPにとっては糞であると考えられます。与えた金属の種類によって排泄される金属類の種類はほぼ固定ですが、SCP-XXX-JPがストレス性の体調不良を起こした際は与えた金属類がそのまま排出されたり、或いは別の金属が排泄された例もあり、必ずしも一定はしていません。

SCP-XXX-JPの尿は王水で、人体に有害であるため取り扱いに注意が必要です。これまで観察した限り、王水の身体への付着や体内への吸収はSCP-XXX-JP自身に影響を与えることはないようです。SCP-XXX-JPの表皮や体毛を調査したところ、ガラスと同等の王水への耐性があることがわかりました。耐性の原理は調査中ですが、酸化に対して非常に強い耐性を有していることがわかりました。
SCP-XXX-JPの歯はモース硬度10以上の硬さがあり、通常のハムスターよりゆっくりした早さで伸び続けています。顎の力は75.2kgあり、歯の鋭さも相まって、人間の指先程度は容易に噛み千切ることが可能です。

注意点としてプラスチック製品を食餌として与えると中毒を起こし、SCP-XXX-JPは死亡してしまいます。
しかし144時間経過するとSCP-XXX-JPの腹部を突き破り、幼体のSCP-XXX-JP-01が発生します。これはプラスチック中毒以外の、外傷などの原因で死亡した場合も同様です。
SCP-XXX-JP-01はSCP-XXX-JPとまったく同一の身体的特徴・性質を持ち、おおよそ1歳程度の外見になるまで成長しますが、以降は老化する様子が見られません。SCP-XXX-JP-01はSCP-XXX-JPの記憶を有している可能性が高く、懐いていた担当者を見分けているようです。

SCP-XXX-JPが金属をどのように消化しているのかや、レアメタルや王水を排泄するメカニズムは不明です。SCP-XXX-JPの体内にいる腸内細菌が関係しているのではないかと考えられています。現在まで、生存・死亡問わずSCP-XXX-JPから採取した腸内細菌や細胞などの培養は成功していません。死亡した段階でSCP-XXX-JPからは一切の特異性が失われ、ごく普通のジャンガリアンハムスターと変わりがなくなります。歯の硬度・構成物質も通常のジャンガリアンハムスターと同様のものとなります。
蘇生のメカニズムについても不明です。レントゲンやCT、超音波等のあらゆる撮影を行ったものの、SCP-XXX-JP-01はSCP-XXX-JPの死亡から144時間が経過した瞬間、突如として体内に発生しています。

SCP-XXX-JPを用いた実験は、レベル3クリアランス以上の職員が申請すれば、内容を検討の上行うことが可能です。尚、生体解剖はSCP-XXX-JPを損なう可能性があるため却下されます。
SCP-XXX-JPは財団の活動に必要なレアメタルの安定的な生産・提供に寄与しているため、実験により死亡させてしまった場合は罰金および30日間のSCP-XXX-JPへの接触禁止が課せられます。罰金額は、死亡前のSCP-XXX-JPが6日間に生産可能な金の重量に時価を掛けて算出します。回収した罰金は、SCP-XXX-JPのオモチャ代や餌代に充てられます。