Ortensia
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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは現在、サイト143-JPにて保管されます。サイト143-JPに誰も近づけてはならないため、警備員を2人配置してください。SCP-XXX-JPを直視してはいけません。もし、直視してしまった人物がいた場合、即座にAクラス記憶処理をしたのち、解放してください。

説明: SCP-XXX-JPは”差別と群衆”と題された24.2cm×33.3cmの1枚の絵画です。作者は瑞穂・D・アルフレッドで、1955年に描かれたと考えられています。絵画の構図は、同じ顔をした人物の集団が観客側を見ているというものです。
SCP-XXX-JPには2つの特異性があります。1つ目は、SCP-XXX-JPはミーム的な効果を持ち、SCP-XXX-JPを知覚した人物は、15歳から80歳の男性の人物の識別が不可能になり、自分は差別を受けているというパラノイアを発症します。この効果は、相貌失認の様に、人物の顔のゲシュタルトを捉えられないというものではなく、視認した男性がまったく同じ容貌に見えます。ミーム効果に晒された時期により、その容貌は異なりますが、最新の実験によると、40代前半の眼鏡をかけ、スーツをまとった黒髪のモンゴリアンで、身長は170cmと推測されています。また、顔面については、整っているが無個性、張り付いたような笑顔を浮かべています。この笑顔は嘲笑的と表現されます。過去の実験結果と比較すると、高齢化と高身長化が見られます。また、1997年以降から、眼鏡をかけはじめており、家庭用パソコンの普及との因果関係が示唆されています。身長や年齢が、現在日本の男性の平均年齢と平均身長に酷似しています。このことから、この容姿については、SCP-XXX-JPが存在する国家の平均的な容姿を曝露者に見せると考えられています。
2つ目は、SCP-XXX-JPの半径30mに存在する紙類とSCP-XXX-JPの複製はすべて、SCP-XXX-JPと同様の異常性を保持します。このSCP-XXX-JPと同じ特性をもった紙類ならびに複製をSCP-XXX-JP-1とします。
 SCP-XXX-JPの収容違反は全人類が男性の顔を認識できなくなるというSCP-XXX-JP事象により、AK-クラス:世界終焉シナリオにつながる恐れがあります。2つ目の異常性により、SCP-XXX-JPと同様の異常性を持つ紙類が大量に生成されることは常に阻止しなければなりません。
 SCP-XXX-JPは、1957年、北海道▮▮▮市の美術館で観客が異常なパニックを起こした事件が起こったため、財団の着目されるところとなりました。SCP-XXX-JPの効果に晒された観客に対しては、インタビューのちに記憶処理を行い、SCP-XXX-JPの異常性に晒されたパンフレットなどのSCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JPと同様に収容されることとなりました。その際、▮▮エージェントがSCP-XXX-Jpに晒されたため、インタビューを行ったのち、記憶処理がされています。
 

対象: ▮▮エージェント

インタビュアー: 雨宮博士

付記: ▮▮エージェントはSCP-XXX-JPの影響に曝露後、一度別の職員と大喧嘩になっている。

<録音開始>
雨宮博士: [落ち着きましたか。]

▮▮エージェント: [あなたは誰ですか?なにぶん、全員同じ顔に見えるものですから。]

雨宮博士: [失礼。私は雨宮と申します。これからいくつか質問させていただいてもよろしいですか。]

▮▮エージェント: [構わないですよ。それにしても男は全員同じ顔で同じ姿形でぞっとしますよ]

雨宮博士: [あなたは一度別の職員と喧嘩をしています。その原因は何だったんでしょうか。]

▮▮エージェント: [あいつが俺を馬鹿にした顔を気がしたんだ。それで口論になって、いよいよ殴り合いになりそうなときに、羽交い絞めにされたんですよ。雨宮博士、あなたもしてますよ。そんな顔。]

雨宮博士: [すみません。そんなつもりは・・・。]

▮▮エージェント: [わかってますよ。一応私だって財団職員の端くれですから。これがオブジェクトの異常性なんだろうなってのは、わかってます。あの時はまだこの異常性に慣れてなかったから。]

雨宮博士: [精神的にはどんな感じですか。]

▮▮エージェント: [いい気持ちはしないですよ。周りの全員が私を異質なものとして扱う感じがします。下等な生物を見るようなにやけ顔が張り付いてるといった表情でこちらをみてくるんですよ。気分がいいわけないじゃないですか。男性不信になりそうですよ。自分は安全な場所にいて、檻の中にいる動物を好奇の目で見てるって感じですかね。いい表現が思い浮かびませんが。]

雨宮博士: [そうですか。私はどう見えますか。]

▮▮エージェント: [黒髪の男性で、眼鏡はしてないです。身長は160cmくらいに見えます。顔は整ってるように見えます。でも、個性的な感じではないですね。にやけ顔でさえなければ美形の範疇でないですかね。]

<録音終了>

終了報告書: [その後、▮▮エージェントはAクラス記憶処理を受けたのちに、解放されました。]