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collapsibleの hideLocation="bottom" を再現できます。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの位置する土地は財団を経由してApple Inc.1により買収され、潜伏中のエージェントによる内部工作によってSCP-XXX-JPを覆う小規模収容施設を含んだApple Store2が建設されました。従業員は全員が財団職員により構成されており、一般人の小規模収容施設への立ち入りを監視します。SCP-XXX-JPを用いた実験を行う際は、担当職員の許可の元、適切なApple Inc.の製品を利用してください。
SCP-XXX-JP-1は研究スタッフが所持し、生成されたメールを記録する目的でのみ使用されます。Thankful Mailが生成された場合は担当主任へ報告し、バイオサイト-11に移送してください。
SCP-XXX-JP-Aはバイオサイト-11で保管および研究されます。経過観察により異常性が無いと判断された場合、新種として公表される予定です。
説明: SCP-XXX-JPはアメリカ合衆国インディアナ州フォートウェインに存在する約23平方メートルの円形領域です。SCP-XXX-JPから半径3km以内に存在する人物は、故障したApple Inc.製の電子機器をSCP-XXX-JPに設置することに対する欲求を得ます。この影響は軽微なものであり、修理可能な人物や施設が存在する場合はそちらを優先して使用します。SCP-XXX-JPは故障したApple Inc.製の電子機器を置く事でさらなる異常性が発現します。設置から約1分後、電子機器から生物学的にセイヨウリンゴ(Malus pumila)と類似した植物が発芽します。芽は約10分で成木へと成長し、設置した電子機器と同種の実体(SCP-XXX-JP-1)が、故障が修理された状態で結実します。通常のセイヨウリンゴの果実と同様にある程度の力を加える事で摘み取ることが可能であり、後述のメールを除けば問題なく使用できます。この過程における内部データ等の不連続性は存在しません。SCP-XXX-JP-1を摘み取った後、成木部分は約1分で腐葉土へと変化します。なお、上記の異常性はSCP-XXX-JP-1をSCP-XXX-JPに設置した場合には発生しません。
SCP-XXX-JP-1にプリインストールされているメールアプリの受信ボックスには、1日に1通、太平洋標準時の20:00に差出人が空白のメールが出現します。電波暗室においても出現が確認されたことから、SCP-XXX-JP-1内で生成されていると考えられます。メールの内容は主にSCP-XXX-JP-1の利用方法についてであり、メールの指示に従って利用した場合はSCP-XXX-JP-1の使用可能期間が平均30%ほど延長されると報告されています。また、メールの内容からSCP-XXX-JP-1は個別に限定的な知覚能力を保有していると考えられています。出現するメールは全て、イニシャルであると考えられる「J.A.」で締めくくられています。Apple Inc.に対する取り調べ、および故J███ C██████氏の調査においてSCP-XXX-JPに関する有意な情報は得られていません。
以下は実験において生成されたSCP-XXX-JP-5(iPhone4s3)に出現したメールです。メールの内容に関する調査のため、担当職員のヴィッキー・ルース博士が財団施設内で日常的に使用していました。上記の異常性の根拠となるものを抜粋しており、文章のみを記録しています。すべてのメール内容を確認する場合は添付資料XXX-JP:Mailを参照してください。
日付: 2014/10/09
充電を20-80%の間で保つことでバッテリーを長持ちさせることができますよ。
―J.A.
日付: 2014/11/13
外出する際はWi-Fiを切断すると充電を節約できます。
―J.A.
日付: 2015/04/09
今日は問題なく利用できていましたね。この調子で快適にご利用ください。
―J.A.
日付: 2015/10/11
Happy Birthday!4
―J.A.
日付: 2016/10/21
今日はいつもと比べて電源が入ったまま放置している時間が長かったですね。バッテリーの劣化を抑えるため、こまめにスリープ状態にすることをおすすめします。バッテリーの管理を行うアプリもあるので有効活用してみてください。評価の高いものはこちらです→[URL省略]
―J.A.
日付: 2017/02/30
機体をズボンのポケットに入れると、負荷がかかって曲がったり破損が起きたりします。なるべくカバンや上着のポケットに入れたりしたほうが良いですよ。最寄りのApple Storeではアームバンドなどが販売されているため、検討してみてください。
―J.A.
SCP-XXX-JP-1の使用可能期間が限界に近づくと、題名に「Thankful Message」と記されたメールが受信ボックスに生成されます。以下はその一例であり、SCP-XXX-JP-5に生成されたものです。
Thankful Message
日付: 2017/06/26
あと数日経つと、この端末は配線の不具合で電源が入らなくなります。その前に、データ移行やバックアップなどの備えをしてください。
5年もの間、本iPhone4sを使用してくださって有難うございました。あなたが必要としているサービスを提供できたでしょうか。よろしければ引き続きApple Inc.の製品をご利用ください。
最後に、データ移行の準備が出来ましたら、このメールの一番下にあるボタンをタップして下さい。僕からお礼をさせて頂きたいと思います。時代とともに生活に必要なものは変化していますが、これが無くては始まらない、僕の原点だった物です。
―J.A.
Thankful Messageの最下部に存在するボタンをクリック、もしくはタップすることで、SCP-XXX-JP-1は瞬間的に1個のセイヨウリンゴの果実(SCP-XXX-JP-A)に変化します。現在のところ、Dクラス職員による摂食実験や遺伝子解析において異常は確認されていません。しかし、一般的なセイヨウリンゴと比較して栄養価が高く、摂食実験に従事したDクラス職員の大多数が美味であると回答しました。SCP-XXX-JP-Aから採取した種子による栽培を試みたところ、非異常なセイヨウリンゴと同様の生態を示しました。また、比較的養分の乏しい土地でも問題なく発芽することが確認されています。
- scp-jp
- safe
- 移動不可
- 家電
- 機械
- 強制力
- 樹木
- 植物
- 電子デバイス
- 場所
- 変形
アイテム番号: SCP-001
オブジェクトクラス: Thaumiel
特別収容プロトコル: SCP-001は管理者の権限により最高機密に分類されています。無許可でアクセスした職員には、ベリーマン=ラングフォード・ミーム殺害エージェントによる即座の処分という結果がもたらされます。管理者により閲覧が許可された職員は、適切な対抗ミームを摂取した上でアクセスしてください。SCP-001にリンクが追加された場合、管理者によりSCP-001に関する情報の伝達が行われます。現在、SCP-001の使用は上記の伝達および緊急時のみに制限されています。
シチュエーション・ノアに備えて、O5評議会はVIP-001のリストを随時更新してください。
シチュエーション・ダンピングに備えて、O5評議会は特に収容を困難としているKeterクラスオブジェクトのリストを随時更新してください。
説明: SCP-001は財団のメインリストにおける、001ナンバーの報告書と置換する形で出現したハブページです。SCP-001には、かつて基底世界でSCP-001として登録されていた報告書を含め、異なる世界のSCP-001報告書へのリンクが0存在します。
SCP-001を介することで各世界の財団との意思疎通が可能です。SCP-001は各世界の管理者による会合場所として機能していました5。しかし、SCP-001の使用開始以降、異常性を並行世界に由来するアノマリー6の増加が確認されました7。SCP-001の使用により、各世界の一部が重なり合っているとの仮説が立てられました。それにより、矛盾する現象/物体が同時に存在した場合、矛盾の度合いによりYK-クラス:世界終焉シナリオの起点になると考えられています。また、各世界においてSCP-001は財団の設立と深く関わっている場合が多いため、SCP-001の重なり合いは大きな矛盾をもたらす事が予想されます。そのため、SCP-001の使用は大幅に制限されました(補遺参照)。
これまでにSCP-001のリンクの追加が██回、消失が██桁回確認されています。各世界において財団が設立することでリンクが追加され、Kクラスシナリオにより財団の再建が不可能になる事で消失すると結論付けられています。リンクが消失すると、それに対応した世界への一切の干渉が不可能になり、後にリンクが再出現した事例はありません。
補遺: 基底世界におけるSCP-2719がSCP-001を通じて各世界に配分された事で、以下の2つの状況に応じた取り決めがなされました。
シチュエーション・ノア: 自身の世界がKクラスシナリオを迎えた場合、SCP-2719を用いる事で財団管轄下にある重要人物(VIP-001)をSCP-001を介して異なる世界に避難させる。
避難先予定世界: コードネーム: タンホニー
避難受け入れ予定世界: コードネーム: スカー
シチュエーション・ダンピング: 他の世界がKクラスシナリオを迎えた場合、SCP-2719を用いる事で収容を困難としているKeterクラスオブジェクトをその世界へ投棄する。現在198のKeterクラスオブジェクトの投棄が予定されています。
アイテム番号: SCP-585-JP
オブジェクトクラス: Keter
脅威レベル: ● 黒
特別収容プロトコル: 現在、SCP-585-JPの収容手順が宇宙部門により考案中です。そのため、封じ込めはその隠蔽に焦点が当てられています。各国の宇宙開発機関の協力の元、SCP-585-JPを観測したデータは適切な処理が施された後に公表されます。
SCP-585-JPはエリア-178所在の財団天体観測所15によりモニタリングされています。最低でも1日に1回、片岡担当主任によって本報告書の展示期間に関する部分が更新されます。SCP-585-JPに顕著な変化が確認された場合、片岡担当主任およびO5評議会に即時通達を行ってください。
故トーラー・シュー氏の遺した資料の調査は、高山担当助手およびEクラス職員のケーン・マクローリン氏が担当しています。SCP-585-JPを収容、もしくは無力化する方法が判明した場合、O5評議会の協議により実行の可否が判断されます。
説明: 報告書執筆時点において、SCP-585-JPはケプラー10b8付近に存在する外見上は亜種アミメキリン(Giraffa reticulata)の頭部と一致する実体です。全長は約1万2000kmであり、ケプラー10bの運動に追従して移動します。一般的な亜種アミメキリンのものと類似した挙動をとりますが、生命活動を維持している様に振る舞う原理は不明です。SCP-585-JP出現によるケプラー10bの運動に変化が確認されていないことから、SCP-585-JPの質量は外見的な予測に反して極めて小さいと考えられています。
SCP-585-JPが撮影領域の13%以上を占める撮影物を視認した人物には、SCP-585-JPと重ならない位置に白色の枠が観察できます。その枠には主題、副題、および展示期間が、観察者の理解可能な言語で記されています。現在観察できているのは、主題「自由」、副題「野生」、展示期間「1876238549865333490分」です。展示期間はSI単位系に基づく1分に従って減少していく様子が観察されます。現時点において、記されている内容に個人間での差異は確認されていません。
トーラー氏のアトリエを起点とした超常現象記録-3965の調査から、SCP-585-JPはトーラー氏により作成された芸術作品であると推定されています。20██/██/██、NASAの衛星を含む複数の観測機が地球上からの射出物を観測しました。射出から約30秒は約1700km/h9で西に運動し、約108,000km/h10へ瞬間的に加速した後に消失しました。消失から3日後、国立天文台ハワイ観測所すばる望遠鏡の観測データによって、ケプラー10bに衛星が出現した可能性が確認されました。財団天体観測所15によってその撮影に成功し、異常物品であるとして調査が開始されました。また、射出物の解析により射出地点がトーラー氏のアトリエであることが判明したため収容エージェントを派遣したところ、全壊したトーラー氏のアトリエと同氏の遺体が発見されました。アトリエから回収された資料および制作協力者のケーン・マクローリン氏の証言によると、トーラー氏は自身の作品において、あらゆる法則や規則性を取り除くことで自由の表現を試みていた事が判明しています。アトリエで発見されたトーラー氏の手記には、その手段として儀式的な手法が多数記されていました。しかし、その再現性は現時点において確認されておらず、トーラー氏が何らかの異常性を有していた可能性が示唆されています。以下はSCP-585-JP作成に関与していると考えられる記述の抜粋です。
良いものを見せてもらった11。正直かなり興奮している。
歳を取り、自身の死と否応なしに向き合うようになるにつれて、真の芸術とは何なのだろうかと考え始めた。文字を使う遥か以前から今に至るまで、人類は様々な手段で芸術を残している。目にしたもの、耳にしたもの、感じたこと、あらゆるものを思いつく限りの方法で表現してきた。時には法や規律に反するものであっても芸術であると評価される事もある。つまり、芸術とは自由への挑戦なのだと私は思う。規則の元に保証された自由(liberty)ではなく、あらゆるルールに従わない自由(freedom)。これまでの形態や物理法則すらも取り払ったその先に、真の芸術があるのではないか。自分でも馬鹿げた妄想だと思っていたが、もしかしたら実現できるのかもしれない。
日本の茶道では、一期一会という心得を大切にしていると聞いた。まったく同じものは二度と訪れないという意味だが、私の目指しているものと近いように思う。完成という概念さえも無い、常に変化し続ける作品。これも1つの自由だ。
眉唾なものの方が圧倒的に多かったが、いくつか有用なものも見つけられた。まずは大きさと形が変わるようにしてみよう。配色や状態、運動の変化も出来るのだろうか。
ケーンから少しは見る側の配慮をした方がいいと言われた。確かに、そもそも作品であると認識されなければ意味がない。最低限、タイトルと次の変化までの時間が見えるようにするか。塗料にモリブデンとthomiroco(原文ママ)を混ぜれば可能だろう。
これらの情報と超常現象記録-3965における観測結果から、トーラー氏の作品が地球の自転と公転による慣性を段階的に失った後、ケプラー10b付近へ転移し現時点でのSCP-585-JPに変化したと仮定されています。超常現象記録-3965の3日後にSCP-585-JPの出現が確認されていることから、時間遡行を伴った現象であったと考えられています。SCP-585-JPが地球から非常に離れた位置にある事から、現状を維持し続けるのであれば人類に対する脅威になると見做されていません。しかし、その性質は未だ不透明であり、残りの展示期間についてもその信頼性は不明です。そのため、速やかな収容もしくは無力化が必要であるとされ、Keterクラスに分類されました。
- scp-jp
- keter
- 移動不可
- 観測
- 視覚
- 衛星
- 物理法則
- 芸術
- 時空間
- 瞬間移動
- 生命
- 人工
- 地球外
- 動物
- 不定形
- 未収容
注記: 現在、SCP-XXX-JPの再調査がなされています。そのため、本報告書は不完全である可能性が存在します。閲覧中の職員はこの事に留意してください。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは前哨基地-XXX-JPの専用収容室に収容されています。最低でも2名以上の保安職員により、一般人の立ち入りを防いでください。収容室は監視カメラおよび録音機器を通して最寄りのサイト-157により監視されています。録音機器に顕著な反応があった場合は、音声解析班に記録を提出してください。同時にSCP-XXX-JP-Aが発生する可能性があるため、現地警察の協力のもと異常な死体の調査が行われます。故木村カズエ氏、故川上ソウジ氏の調査記録を閲覧する場合は、担当エージェントに問い合わせてください。
説明: SCP-XXX-JPは岡山県██市の山間に存在する、黒色で一般的なヒトの形状を取る実体です。直接、間接を問わず物理的な接触が出来ません。裸眼および通常のカメラ、それにより撮影された写真や映像では実体を視認することが可能ですが、ソナーや赤外線などでは不可能です。収容前の目撃証言および収容後の観察において、SCP-XXX-JPは一切の運動を見せていません。しかし、過去に4度、SCP-XXX-JPは未知の手段により自身を音源とする約10秒の音を発しています。この音はホワイトノイズであると判明しています。発音の原因やそれによる影響は不明です。 詳しくは補遺を参照してください。以下はD-XXX-JP-5の死亡時に録音されたSCP-XXX-JPの発した音です。音声解析および職員による聞き取り実験により、過去の3度の発音と同様にホワイトノイズであると確認されています。
発見経緯: 20██/██/██、現地周辺に居住していた████氏がSNSに、「触れなくて真っ黒な人がいる」という投稿と共にSCP-XXX-JPの映像をアップロードした事で財団の目に留まりました。████氏にはAクラス記憶処理を施し、当該書き込みは削除した上で加工映像であるというカバーストーリーを流布しました。現地での調査により移動不可能性が確認され、前哨基地-XXX-JPがSCP-XXX-JPを覆うように建設されました。
実験記録XXX-JP-4: 2度目の発音の翌日に行われた実験であり、SCP-XXX-JPの異常性の再確認を目的としています。無線機による先行実験において異常性の変化は確認されていません。
<記録開始>
相楽助手: それではD-XXX-JP-4、確認をお願いします。
D-XXX-JP-4: へいへい。
[D-XXX-JP-4が目視およびカメラ越しにSCP-XXX-JPを観察する]
D-XXX-JP-4: 写真で見せられたのと同じだな。
相楽助手: 分かりました。次は接触実験です。腕が1番触りやすいでしょうか、そこからお願いします。
D-XXX-JP-4: 腕って、どの?
相楽助手: 自由にしていただいて構いませんが、そうですね、右腕からにしましょうか。以降はあなたの判断に任せます。
D-XXX-JP-4: 右て。はいはい
[D-XXX-JP-4がSCP-XXX-JPに接近する]
D-XXX-JP-4: うわぁ、いざ触るってなると、やっぱりヤな感じだ。
[D-XXX-JP-4の腕が何度か空を切った後、SCP-XXX-JPの右腕を通り抜ける。異なる部位への接触も試みるが全て失敗。]
D-XXX-JP-4: せんせーが言ってたように全然触れねーな。
相楽助手: そのようですね。ありがとうございました、D-XXX-JP-4。扉を開けるので、退出してください。
D-XXX-JP-4: はいよ。
<記録終了>
実験記録XXX-JP-5: 20██/██/██、D-XXX-JP-5を用いた追加実験が行われました。無線機による先行実験において異常性の変化は確認されていません。
<記録開始>
相楽助手: D-XXX-JP、応答をお願いします。
D-XXX-JP-5: はい。いやあ、このやり取りも慣れてきましたね。もうあと何日かで任期が終わるんですよ。
相楽助手: ならば記録されている事も分かっているでしょう。私語は慎んでください。
D-XXX-JP-5: はい。
[D-XXX-JP-5が収容室の中央付近まで近づく。]
相楽助手: D-XXX-JP-5、止まってください。そこで確認をお願いします。
D-XXX-JP-5: え、あの、人型がいるんでしたよね。
相楽助手: はい、目の前にいるでしょう。
D-XXX-JP-5: 何もいませんよ。
相楽助手: ……少々お待ちください。
D-XXX-JP-5: えっ。
[8分後、D-XXX-JP-6が収容室に派遣される。]
相楽助手: D-XXX-JP-6、収容室の中央に人型が見えますか?
D-XXX-JP-6: ああ、見えるが。
D-XXX-JP-5: え、待ってください、今回ってそういう実験なんですか?
[SCP-XXX-JPによる発音が確認される。]
D-XXX-JP-6: うるさっ、何だ急に。
相楽助手: このタイミングで。D-XXX-JP-5には聞こえていますか?
D-XXX-JP-5: 何も聞こえないですけど。
相楽助手: そうですか。分かりました。今回の実験はこれで終了とします。ご協力ありがとうございました。後日に取り調べを行うのでよろしくお願いします。扉を開けるので退出してください。
D-XXX-JP-5: 何なんですか……。
[D-XXX-JP-5およびD-XXX-JP-6が収容室出入口へ向かう。]
D-XXX-JP-5: えっ。
[D-XXX-JP-5が足を止め、収容室出入口から見て右方向の壁面付近を見る。]
相楽助手: どうしました。
D-XXX-JP-5: いや、どうしたもなにも、壁から何か出てきましたけど。え、ちょ、こっち来た!
[D-XXX-JP-5が何もない空間を指さしながら反対側の収容室壁方向へ後ずさる。]
相楽助手: D-XXX-JP-5、こちらからは何も確認できません。何か見えているのですか、報告してくだいさい。
D-XXX-JP-5: え、え、えっと、黒くて、ちょっと待って、それどころじゃ。
[D-XXX-JPが進行方向に向きなおし走り始める。]
相楽助手: 山縣くん、保安職員に連絡を。D-XXX-JP-6はD-XXX-JP-5から離れてください。D-XXX-JP-5、今保安職員の派遣を要請しています。対応できるかもしれないので、説明をお願いします。
D-XXX-JP-5: う、黒くて、ぼやっとしてて、人みたいで、はぁ、でも、腕がよ…。
[D-XXX-JP-5のが左腕を引かれるような体勢を取った後に停止し、身体が10cn程度浮遊する。D-XXX-JP-5は左上腕と右脇で体重が支えられているように観察できる。D-XXX-JP-5が両足を激しく振る。]
D-XXX-JP-5: や、離せ!
[D-XXX-JP-5の右足が停止する。SCP-XXX-JPによる発音が確認される。]
D-XXX-JP-5: おい!やめ痛い痛い痛い痛い!
[D-XXX-JP-5の右大腿部から先が消失し、D-XXX-JP-5は床に落下する。SCP-XXX-JPによる発音が停止する。到着した保安職員によりD-XXX-JP-5の死亡が確認される。]
<記録終了>
補遺XXX-JP-1: 実験記録XXX-5における1度目の発音が確認されると同時に、サイト-157の第3食堂で食事をとっていたD-XXX-JP-4が、自身の頭や首を手で触れる様子が監視カメラにより確認されました。その約10秒後、頭部が消失することでD-XXX-JP-4は死亡しました。検死の結果、D-XXX-JP-4の頭部は強い力により引き千切られた痕跡があることが判明しました。D-XXX-JP-5の右大腿部にも同様の痕跡が確認されています。過去にD-XXX-JP-4および5と同様の接触実験に従事した、元D-XXX-JP-1~3にこの現象は発生していません。D-XXX-JP-4の頭部とD-XXX-JP-5の右脚の行方は現在も不明です。本案件は、かつて異なるSCP番号に分類されていた、人体の一部が消失する事による死亡現象(現在はSCP-XXX-JP-Aに指定)との類似性が指摘されました。過去のSCP-XXX-JP-Aの暴露者が木村カズエ氏12と川上ソウジ氏13の2名であり当時の過去の発音回数と一致する事から、因果関係があるものとして調査が行われています。現時点において、木村氏の友人である███氏への取り調べにより、川上氏が生前に、「山間で気色の悪い人影を見た」と発言していたことが確認されています。また、D-XXX-JP-5と同様の認識や反応を示する職員は他に確認されておらず、D-XXX-JP-5特有のものであるか否かは不明です。
- scp-jp
- 移動不可
- 音波
- 観測
- 視覚
- 体肢
- 聴覚
- 反ミーム
- 非実体
- メタ
- 音声添付
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPはサイト-24の低危険度物品第二保管庫に収容されています。事案XXXX-JPを受け、収容手順の改定が行われました。財団のフロント企業Simon&Chesterson Propartiesによってサイト-24最寄りのアパート一室がSCP-XXXX-JPの遠隔管理室に改装されました。この部屋は施錠されておらず、侵入者が確認された場合は拘束し、インタビューを行ったのち記憶処理を施して解放します。侵入者がSCP-XXXX-JPの影響を受けていると判断された場合は担当職員へ報告してください。
SCP-XXXX-JP-Aの収容手順は倫理委員会との協議の元検討中です。現在、暫定的に適切なDクラス職員を用いた手順を施行しています。詳細は添付資料XXXX-JP-Aおよび本報告書の発見経緯を確認してください。
SCP-XXXX-JPの追加実験は計画されていません。実験を行う際はサイト管理者へ計画書を提出し、レベル3以上の職員3名の許可を得てから行ってください。
説明: SCP-XXXX-JPはクリスマスソックスとして2015年から販売が確認されている実体です。材質は一般的なフェルト生地であり、異常な点は存在しません。報告書作成時点において存在が確認されたSCP-XXXX-JP全ての確保、販売元の特定および所属していた人員の拘留は完了しています。
SCP-XXXX-JPはビニールの梱包に説明書とともに封入された状態で販売されていました。説明書には以下の文と販売元と思われる電話番号が記されていました。
サンタさんにプレゼントのお願いをしよう!
クリスマスの3日前に、欲しいものを書いた紙をこの靴下に入れてね
サンタさんがきっと届けてくれるはずさ!
上記の通り使用者が欲しいと考えているもの(以下対象)を記した媒体を入れる事でSCP-XXXX-JPの異常性が発現します。3日後の現地時刻午前3時の時点で対象がSCP-XXXX-JPの中または周囲に存在しない場合、SCP-XXXX-JPの中または周囲に対象が出現します。この事象は、閉め忘れた窓から侵入した鳥が設置する、などの極めて不自然ですが異常性の無いプロセスにより達成されます。使用者が対象に不満感を示した場合、対象が出現した1週間以内に対象の紛失と新たな対象の出現が発生します。紛失のプロセスは出現と同様に非異常なものです。SCP-XXXX-JPの異常性から、この現象の発生頻度は極めて低く、現在確認されているのは実験で再現した1例を含めた3例のみです。
発見経緯:
アイテム番号: SCP-001-JP
オブジェクトクラス: Malkuth
特別収容プロトコル: SCP-001-JPの収容はその存在の隠匿に焦点が当てられており、機動部隊アルファ-1 ("レッド・ライト・ハンド")が任務に従事しています。地中、海底および宇宙の観測記録は重点的に調査され、SCP-001-JPを示唆する情報は隠蔽の後O5評議会に通達されます。本報告書を含めたSCP-001-JPに関する情報は、O5評議会と機動部隊アルファ-0 ("ベアラー・オブ・ストーク")のみで共有されます。
異常存在の研究により得られた技術は財団設立者の構想であるSCP計画へと優先的に還元されます。有人地中探査機の開発状況を確認する場合、O5-13に問い合わせてください。MTF α-0の隊員はO5評議会の満場一致を条件に選定され、財団内ではペレグリン遠征隊員と偽装されます。
説明: SCP-001-JPは地球型惑星に類似した形態をとる生物です。形は球状であり、表面は酸素46%、ケイ素27%、アルミニウム8%、鉄5%、カルシウム4%、ナトリウム3%、カリウム2%、マグネシウム2%、チタン1%を主成分とした外殻に覆われています14。この外殻はSCP-001-JPに衝突した小惑星などの集塊であり、年代測定によって約44億年前には大部分が形成されていた事が判明しています。このことから、約44億年前にSCP-001-JPは太陽系軌道周期上に位置することになったと推定されています。
SCP-001-JPは階層構造を持っており、地球の場合地表から順に以下のような構造になっています。
- 厚さ約50kmの外殻
- 内部組織から海底付近まで伸びている、直径約0.1mのひも状組織15
- 厚さ約600kmの第一層
- 厚さ約2200kmの第二層
- 厚さ約2200kmの第三層
- 半径約1300kmの中心部分
SCP-001-JPはセルロースやリグニンを主成分としていますが、岩石や金属により構成されていたと仮定した時に推定される質量とほぼ一致する質量を有します16。その質量にも拘らず、一部を除いて内部の温度は約320K、圧力は大気圧と同程度となっています。
第一層の表面には、外殻の一部を取り込む器官が無数に存在します。取り込まれた物質はSCP-001-JPの内部を通過したのち再び第一層の表面から排出されます17。取り込まれる前と排出された後では鉄やマンガンイオンの存在比に偏りが見られるため、このプロセスはSCP-001-JPによる嫌気呼吸であると考えられています。しかし、外部からエネルギーを摂取している様子が観察されないことから、外殻を形成した時点で蓄えているエネルギーを消費した時に寿命を迎えるという仮説が立てられています18。
第二層は生殖の際に遺伝子の識別を行います。SCP-001-JPの精細胞と99.999999995%以上一致する遺伝子を保有する雄性配偶子は近縁であると判断され、SCP-001-JPに進入した場合でも第二層で進行を停止します。
第三層は最もエネルギーの貯蔵物質が存在している部分です。SCP-001-JPは地球上の生物と同様に蛋白質やデンプンなどを貯蔵していますが、観測不能な未知の物質も貯蔵物質として利用していることが判明しています19。
中心部分はSCP-001-JPの雌性配偶体となっています。
以上の構造を持っていることから、現在のSCP-001-JPは性的に熟した植物に類似しており、授受粉を待っている状態である考えられています。
発見経緯: 1915/2/16、超常現象の確保収容に関する王立財団が、イギリス海峡にある熱水噴出孔から噴出した熱水にバクテリアが含まれていることを発見しました20。これを受けて地中探査チームが編成され、地震の観測やレーダーによる測定で地球が上記の構造をしていること、噴出物はひも状組織の先端から放出されたものであることを突き止めました。その後、初の有人探査が1920/1/23に行われました。探査開始地点はイギリス海溝に面した緯度50.757、経度0.163のポイントであり、いくつかのアノマリーを使用した地中探査機21で境界に向けて掘進しました。
作戦参加者
アルファ:サイラス・ルーサー
ベータ:カーティス・オーブリー
コマンド:ヨランダ・メイシー
<記録開始>
アルファ: こちらアルファ。準備完了。
コマンド: 了解。通信も安定しています。探査を始めて下さい。
ベータ: エンジン起動。潜航開始します。
<途中省略>
ベータ: 深度50kmを突破しました。…間もなく第一層に到達します。
コマンド: 念のため少し速度を落としてください。
ベータ: わかりました。
アルファ: もう少しだ…[衝突音]おっと。ぶつかった。着いたみたいだな。
ベータ: 空間を確保します。
アルファ: 何だこれ、白いな。土や鉱物には見えない。もしかして生き物か?
コマンド: こちらでも確認できています。アルファ、サンプルの採取と近距離での撮影をお願いします。
アルファ: ああ、行ってくる。
ベータ: お気をつけて。
[アルファが探査機外に出る]
アルファ: ちょっと弾力があるな。今からサンプルの…
[アルファが突然に動きを止める]
コマンド: どうしました、アルファ。
アルファ: 足に痒みが…うわっ!
コマンド: アルファ?状況を報告してください。
アルファ: あ、足から何か…!
ベータ: アルファの足から細い物が伸びています!防護服を突き破って、ものすごい速さで潜っています!
コマンド: アルファ!今すぐ探査機に戻ってください!
アルファ: あ、ああ、いや、大丈夫だ…
コマンド: アルファ!指示に従ってください!
アルファ: 防護服の穴は小さい。それに、もうすぐ終わると思う。
コマンド: アルファ!
アルファ: …止まったみたいだ。…そうか…母星か…
コマンド: …アルファ、自身に異常が見られたら報告してください。
アルファ: 少しふらつくが、特にない、と思う。足から出ていたものも切れた。
コマンド: 作戦は延期します。念のため、アルファは気密室に入ったままで帰還してください。次回探査で掘削跡は利用するため、そのままにしておいてください。
アルファ: わかった。
ベータ: わかりました。
<記録終了>
付記: 探査の後アルファの検査が行われたが、体重が1.2kg減少している事以外に異常性は見られなかった。本調査で確認された存在には地球を表すMalkuthのコードネームが与えられた。
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実施日: 1920/1/27
作戦参加者
ベータ:カーティス・オーブリー
ガンマ:ミルトン・ベック
コマンド:ヨランダ・メイシー
目的:境界面の調査及びアルファの分離物の回収
付記:第1回探査と同様の現象が起きる可能性があることから、船外活動を行う要員は志願者から選ばれた。
結果:船外活動を行ったガンマからアルファと同様に分離物が生成された22。恒常的に発生する事象であると判断され、ガンマによって分離物とMalkuthのサンプルが回収された。その後の検査により、分離物のDNA情報は各員のものと一致することが確認された。形状は直径0.09mmの管状であり、第二層に到達した後に成長が停止したものと考えられる。
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1920/5/6、超常現象の確保収容に関する王立財団理事の働きかけによって、ツァーリの賢人会議とのMalkuth共同研究チームが発足されました。財団の設立に伴いMTF α-0に再編成されるまで、8回の有人探査を含めた調査を行い第一層の構造および遺伝子情報を解明しました。
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超常現象の確保収容に関する王立財団理事から全米確保収容イニシアチブ会長への覚書の抜粋
…我々がMalkuthと呼ぶ、地球の殻を被った存在の調査は一つの事実を示している。地球上の生物は、Malkuthの遺伝子を運ぶ乗り物だということだ。
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財団とSCP計画の歴史
- 超常現象の確保収容に関する王立財団
- 全米確保収容イニシアチブ
- 独逸帝國異常事例調査局
- ツァーリの賢人団
- 怪異なる事物についての聖帝評議会
超常現象の確保収容に関する王立財団理事の働きかけにより、以上5つの組織が合意のもと合併し1935年7月9日に財団が設立しました。かつて各々が掲げていた主義は『確保、収容、保護』へと統一され、異常存在の破壊を禁じその原理の解明と技術の抽出を行います。MalkuthはSCP-001-JPとして再分類され、特殊なオブジェクトクラスとしてその名称が引き継がれました。また、合併に関して大きな働きをした13名はO5評議会として財団の最高権力者集団となりました。同日付でMTF α-0が組織され、SCP-001-JPの同種の発見及び人員の派遣を行う、『Species are Carriages of Pollen』を理念としたSCP計画が始動しました。この計画は財団の最優先事項に指定されています。
SCP計画における有人探査記録
対象: 月
作戦日時: 1969年7月16日
作戦参加者: MTF α-0隊員3名(ニール・アームストロング船長、バズ・オルドリン司令船操縦士、マイケル・コリンズ月着陸船操縦士)
作戦概要: 有人探査による月内部組織のサンプル回収。ニール・アームストロング隊員が月面に降り、星条旗に偽装したサンプル回収装置を使用する。事前の調査によりSCP-001-JPの同種である可能性は極めて低いと判断されているが、アポロ計画23によりカバーストーリーの必要性が存在しないため計画が立案された。現在唯一の有人探査が行われた例である。
結果: サンプルには岩石のみが含まれており、通常の衛星と差異はないと判明。以降の調査は必要ないと判断された。
地球型惑星の無人探査記録
対象 | 探査結果 |
---|---|
金星 | 通常惑星であると判明。 |
水星 | 同上。 |
火星 | 同上。 |
グリーゼ876d24 | 同上。 |
グリーゼ581c | 同上。 |
グリーゼ581d25 | 同上。 |
OGLE-2005-BLG-390Lb | 補遺を参照。 |
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補遺: 2005年8月10日、チリのラ・シヤ天文台が天の川銀河の中心付近においてOGLE-2005-BLG-390Lbの存在を示す兆候を観測しました。財団の追加調査によりその存在が確定し、2006年1月25日に無人探査機が打ち上げられました。探査の結果SCP-001-JPの同種であり、かつ遺伝子の一致率が99.9999999988%の遠縁であることが判明しました。これによりMTF α-0隊員の派遣が一時的最優先事項に指定されました。搭乗員はO5評議会による投票で決定されます。有人地中探査機を搭載したシャトルの打ち上げ予定時刻は以下になります。
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- 001提言
- scp-jp
- unclassed
- 地下
- 惑星
- 擬態
- 植物
- 生命
- 生殖
- 遺伝子
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今日、この日を迎えられたのは大変喜ばしいことである。
40億年の時を経て、我々は初めてその役目を果たすことができる。
君は誇り高きコウノトリの担い手ベアラー・オブ・ストークだ。さあ、シャトルに乗り込んでくれ。
成功を祈っている。 —O5評議会
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こちら地上管制塔より
少佐へ
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プロテインを飲み、ヘルメットを装着してください
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カウントダウン開始
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エンジン始動
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点火装置チェック
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母の愛は君と共にある
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lift-off
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