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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス:Safe Keter

特別収容プロトコル:SCP-XXX-JPは、サイト-81██にある低脅威物品収容用ロッカーに、通常のヴァイオリンケースに鍵をかけた状態で保管してください。実験の際は、Dクラス職員を用いて行い、被験者以外がSCP-XXX-JPから発生する音を聞かないようにしてください。実験以外の目的で、SCP-XXX-JPに触れることは禁止されています。実験終了後に、担当職員は、SCP-XXX-JP-a(後述)を直ちに終了してください。実験後、関係する財団職員は、簡易的なカウンセリングを受けてください。:20██/██/██:特別収容プロトコルが改訂されました(補遺-3参照)

追記-1:20██/██/██現在、SCP-XXX-JPを用いた実験は非推奨です。O5-█により、禁止されました。
追記-2:南アメリカ大陸にある███████国、及びイタリアの█████地方で、SCP-XXX-JPと全く同じ性質を持つ音を出すことのできるオブジェクトが発見されました。他の場所にも同様のオブジェクトが発生している恐れがあるため、職員は発見に尽力してください。

説明: SCP-XXX-JPは、あるヴァイオリンから出される音です。ヴァイオリン本体(SCP-XXX-JP-1と指定)は、製作者、製作地不明であり、SCP-XXX-JP-1に使われている木材の年代測定の結果から、18██年ごろの木材を用いて作られたことが判明しています。しかし、SCP-XXX-JP-1に用いられている樹木種は、現存しているどの樹木種とも異なっています。演奏用の弓(SCP-XXX-JP-2と指定)は、同じく製作者、製作地不明の、18██年ごろに伐採された未知の樹木を用いて製作されています。SCP-XXX-JP-
1およびSCP-XXX-JP-2は、材質調査のために木材の一部を切り取ったにもかかわらず、現在外見的な損傷は見受けられません。
SCP-XXX-JPは、ドイツ北部にある██████街にある民家の周辺で、██人が意識不明となって地元病院に搬送された事件をきっかけに、その事件の捜査にあたっていた警察に潜入していたエージェント・█████によって発見され、収容に至りました。当時の被害者達には、クラスBの記憶処理を施し、周辺住民にはカバーストーリーの適用が完了しています。
SCP-XXX-JPは、何者かが自らの意志で選んだ曲を演奏する際には、異常性は見られません。SCP-XXX-JPの異常性は、演奏者に第三者が演奏する曲のリクエストをしたときに発生します。この場合、口頭でのリクエストのみ、異常性を発生させます。演奏者(SCP-XXX-JP-aと指定)は、自らの意志とは関係なく、リクエストされた曲(SCP-XXX-JP-bと指定)を演奏しようと試みます。SCP-XXX-JP-aは、ヴァイオリンを演奏したことがなくても、演奏を行うことができます。さらに、たとえその曲に関する情報を一切持っていなかったとしても、その曲を完璧に演奏します。SCP-XXX-JP-aの異常性による演奏を聴いた聴衆には、周囲の環境に応じて、軽度から重度の記憶障害が発生します(実験記録XXX-α-1、α-2参照)。この記憶障害は、本来存在するはずの音を認識できなくなるか、今までに被験者が聞いた楽曲の旋律が記憶から喪失するかの二点に絞られます。当SCPの特性上、この報告書に虚偽もしくは改竄された部分が含まれる可能性があります。職員は検証を進めてください。――O5-█
軽度から中度の障害なら、記憶処理によって回復することが可能です。記憶障害は、財団の記憶処理では回復できないことが発覚しました。
SCP-XXX-JP-aは、一度演奏をやめても、SCP-XXX-JP-bを同じように完璧に演奏できます。しかし、SCP-XXX-JP-aがSCP-XXX-JP-bを演奏すると、たとえその楽器がSCP-XXX-JP以外であったとしても、異常性が発揮されます(実験記録XXX-γ-3参照)。

実験記録XXX-α-1 - 日付20██/██/██

対象: D-195248、D-175644、D-172695

実施方法: サイト-████にある一般的な実験場で、D-195248にSCP-XXX-JPを構えさせ、D-175644にパッヘルベルのカノン(3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジーグ ニ長調 第1曲)をリクエストさせる。D-195248は、幼少期からのヴァイオリンの演奏経験がある

結果: D-195248は、4分31秒にわたって指定された楽曲を演奏した。演奏を聴いていたD-175644、D-172695の2名は、演奏の間、多大な幸福感を感じたと証言したが、好んで聞いていたという楽曲の旋律を思い出せなくなると共に、Fの音程が認識できなくなった。演奏していたD-195248は、自らが最もよく練習したと話していた曲の導入部を喪失し、混乱した様子を見せた。

分析: どうやら聞こえてくる音の大きさに、記憶障害の大小の決定が関係あるようだ。他の原因がないかも、並行して実験を進めてきたい。―——██████博士

実験記録XXX-α-2 - 日付20██/██/██

対象: D-185273、D-176614

実施方法: サイト-████に設置した野外ステージで、D-185273にSCP-XXX-JPを構えさせ、D-176614にサリルのシュリ―(2つのヴァイオリンのためのソナタ ホ短調)をリクエストさせる。D-185273にはヴァイオリンの演奏経験がない。なお、SCP-XXX-JP-aと聴衆との距離は、実験記録XXX-α-1とほぼ等しい。

結果: D-185273は、3分58秒にわたって指定された楽曲を演奏した。D-185273の演奏にミスはなく、聞いていたD-176614は、演奏を聴いている間、多大なる幸福感を得たと証言したが、D-176614に記憶障害が発生しており、それは実験記録XXX-α-1の際に発生したものより軽度であることが判明した。D-185273にも同様に記憶障害が発生したが、D-176614のものよりやや重度であった。

分析:音の響き方にも障害の程度が関係があるようだ。にしてもこの実験は、なんとも愉快なものである。美しい音楽を聴いていられるのだから。―——██████博士

実験記録XXX-γ-3- 日付20██/██/██

対象: SCP-XXX-JP-a、D-194421

実施方法: サイト-████内に建設されたコンサートホール内で、異常性を持たないヴァイオリンを実験XXX-α-2におけるSCP-XXX-JP-aに構えさせ、SCP-XXX-JP-bサリルのシュリ―(2つのヴァイオリンのためのソナタ ホ短調)を演奏させる。このとき、紙面によってSCP-XXX-JP-bの演奏を指示した。D-194421には、ホール内でSCP-XXX-JP-aの演奏を聞かせた。

結果: リクエストを紙面で行ったにもかかわらず、SCP-XXX-JP-aはSCP-XXX-JP-bを完璧に演奏した。SCP-XXX-JP-a及びD-194421には、軽度の記憶障害が見られた。

分析:一度SCP-XXX-JP-aになってしまえば、その後も影響が残り続けるようだ。しかし、記憶障害が起こっているにもかかわらず、どの被験者も頭痛などの身体的な不調を訴えないことは、特筆すべき事項だろう。―——██████博士

実験記録XXX-γ-2 - 日付20██/██/██

対象: SCP-XXX-JP-a、D-186552

実施方法: サイト-████内に建設されたコンサートホール内で、SCP-XXX-JP-aに、SCP-XXX-JP-bを音階で歌唱させる。D-186552にSCP-XXX-JP-aの演奏を聞かせる。

結果: 対象者2名ともに記憶障害がみられた。SCP-XXX-JP-aには、比較的重度の障害が発生し、Qの音程が認識できなくなった。

分析: 楽器という形をとらなくても障害が発生するようだ。SCP-XXX-JP-aがSCP-XXX-JP-bを口ずさんだだけで、相当の被害が出る可能性があり大変危険である。財団に残っているSCP-XXX-JP-aを終了せねば、被害が大きなものになってしまいかねない。即刻、全SCP-XXX-JP-aの終了を申請する。―——██████博士

補遺-1: ██████博士をはじめとする実験に関係した全ての職員に中度から重度の記憶障害が見られることが、カウンセリングにより発覚しました。SCP-XXX-JPは、音を聞いていなくても、その異常性を発揮する可能性があります

補遺-2: 実験XXX-γ-2以降、地球上のあらゆる楽典、楽譜、再生機器などの、音楽に関係するあらゆるものからのQの音程、および世界的に有名なサリルのシュリ―(2つのヴァイオリンのためのソナタ ホ短調)の喪失が確認されました。これは実験XXX-α-1時には見られなかった影響であり、迅速な性質の解明が求められます。職員はこの事実を重篤に受け止め、世界中に未だ発見されていないSCP-XXX-JPと同じ性質を持つ楽器の捜索を行ってください。

補遺-3: SCP-XXX-JPは、その性質上、完全な収容が困難だと考えられています。SCP-XXX-JP-1およびSCP-XXX-JP-2は、コンクリート製の厚さ20cm、2×2×2㎥の箱の中に、鍵のかかる通常のヴァイオリンケースに入れて保管してください。20██/██/██現在、SCP-XXX-JP-1およびSCP-XXX-JP-2に許可なく触れることは、O5-█によって禁止されています。現在生存しているSCP-XXX-aは、ただちに終了されるべきです。