投げられ続けるダイス
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アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPはサイト-81██内にある一室に保管します。球体の透明なガラス容器の内部において、下方から一定量の空気を噴射させ続け、SCP-XXXX-JPが常に回転しながら浮遊している状態を保つ保管用装置を開発します。その際、ガラス容器に送り込んだ空気を外部に出すための微小な穴を複数設けてください。また、内部で浮遊するSCP-XXXX-JPの高度ができるだけ変化しないよう、噴射する空気量を調節してください。
SCP-XXXX-JPを持ち出す必要が生じた場合、保管用装置ごとオブジェクトを移動させてください。その際、くれぐれも内部のSCP-XXXX-JPの浮遊状態を解かないよう充分に注意してください。

説明: SCP-XXXX-JPは寸法18 x 18 x 18 mmの立方体形のサイコロです。1から6の目が窪みによって記されており、対面の目の数の和がいずれも7である点については、市販の一般的なものと同様です。SCP-XXXX-JPの特徴的なデザインについて以下に記します。

1の目: 白地に赤の目で、模様などはありません。
2の目: 黄地の黒の目で、縁に細く青い枠がついています。
3の目: 青地に青の目で、窪みを除く部分に細く赤い縞模様があります。
4の目: 水色の地に黒の目で、窪みを除く部分に小さく赤い水玉模様があります。
5の目: 緑地に黒の目で、細く赤い対角線の模様が窪みにも及んでいます。
6の目: 桃色の地に黒の目で、窪みを除く部分に細く赤い同心円の模様が複数あります。

SCP-XXXX-JPは兵庫県██市の港に停泊中だった貨物船内で発見されました。後述の事例によってエージェントへの通報から収容に至っています。SCP-XXXX-JPは外部への事象・現象に何らかの影響を及ぼすとされていますが、確たる立証がなされていないため、処遇保留という形で収容されています。

補遺1: 収容に至った経緯について
SCP-XXXX-JPは前述の場所にて一般人により発見されました。当オブジェクトに興味を持った対象がオブジェクトに複数回の操作を行ったところ、下記のような現象が見られました。

事例1
1回目の放出時、SCP-XXXX-JPは1の目を上に向けてテーブルの上に着地しました。その直後、同じテーブルの上にあった1本のボールペンが床に落下しました。また、落下したボールペンをテーブルの上に戻し、2回目の放出を行ったところ、SCP-XXXX-JPは再び1の目を上に向けてテーブルに着地しました。その直後、1回目の放出時と同じボールペンがテーブルから床に落下しました。

事例2
SCP-XXXX-JPは3回目の放出で5の目を上に向けてテーブルの上に着地、4回目の放出で3の目を上に向けてテーブルの上に着地しましたが、いずれも周囲に変化は起きませんでした。

事例3
5回目の放出時、SCP-XXXX-JPは6の目を上に向けてテーブルの上に着地しました。その直後、対象は非常に強い頭痛を発症しました。痛みに耐えかねた対象が床に転がり苦悶した際、身体の一部がテーブルに当たり、その衝撃でテーブルの上のSCP-XXXX-JPが落下、2の目を上に向けて床に着地しました。その直後、対象の頭痛が治まり、再発することはありませんでした。

以上の事例によって対象は、オブジェクトが周囲に何らかの影響を与えていると考察し財団へ通報、収容および調査を行う運びとなりました。

補遺2: 財団での調査実験について
財団にて実施した実験の記録の一部を以下に記します。

実験記録XXXX-JP-1 - 日付YYYY/MM/DD

対象: D-XXXX-JP-1

実施方法: いくつかの物体が置かれた部屋に机と椅子を1台ずつ置き、机に向かって椅子に座った対象にSCP-XXXX-JPを机の上に投げさせ、周囲の状況の変化を確認する。

結果: 12回目の試行にてSCP-XXXX-JPは初めて5の目を上に向けて着地しました。その直後、対象は強い腹痛を訴えました。対象に試行を続けるよう指示し、対象が13回目の試行を行ったところ、SCP-XXXX-JPは6の目を上に向けて着地しました。その直後、対象の腹痛は治まり、再発することはありませんでした。合計13回の試行を行い、11回目までの試行で5以外の全ての目が上を向いて着地しましたが、周囲の状況に変化は見られませんでした。実験は13回の試行で終了しました。

分析: 空中に放出されたSCP-XXXX-JPが着地したことによって周囲に影響を及ぼしていることは確からしいと見てよいと判断しました。しかし、通報者の証言における事象との一貫性が見られず、SCP-XXXX-JPと周囲の状況との関係に法則性があるかどうかを確認することができませんでした。。

実験記録XXXX-JP-6 - 日付YYYY/MM/DD

対象: D-XXXX-JP-6-01 ~ D-XXXX-JP-6-10 の10人のDクラス職員

実施方法: 10人のDクラス職員に、できるだけ時間の間隔を空けずに、1人1回ずつSCP-XXXX-JPを投げるように指示します。その様子を映像に記録し、結果を見ます。

結果: D-XXXX-JP-6-02、D-XXXX-JP-6-03、D-XXXX-JP-6-05およびD-XXXX-JP-6-07の4人が、SCP-XXXX-JPの着地直後に気絶し転倒しました。他の6人には特に変化は見られませんでした。気絶した4人が出した目はそれぞれ4、4、1、6でした。

分析: 今回、初めて複数人による実験を行いました。過去に行った実験において、SCP-XXXX-JPの上を向いた面が現象に関与すると予想されていましたが、今回の実験でその予想が外れたことになります。依然として、SCP-XXXX-JPが周囲に変化をもたらすことは変わりないので、このことに関しては断定してもよいと判断します。

実験記録XXXX-JP-28 - 日付YYYY/MM/DD

対象: D-XXXX-JP-28

実施方法: 実験記録XXXX-JP-1と同様の方式で実験を行いますが、より詳細に記録を取ります。

結果: 7回目の試行によってSCP-XXXX-JPが着地した直後、実験を監督していた███研究員が心臓発作を引き起こし転倒、数十秒後に死亡が確認されました。この試行が行われたのは午後4:09:06で、その時SCP-XXXX-JPは1の目を上に向け、4の目を北に、5の目を東に向けていました。1~6回の試行の中でSCP-XXXX-JPがこの状態になったことはなく、状況の変化も見られませんでした。実験は7回の試行で終了しました。

分析: これまでにSCP-XXXX-JPが人命に甚大な影響を及ぼした事例はなく、また投げた本人ではなく周囲の人間に作用したことも初めてでした。実験XXXX-JP-6以降